この講義の2/3では複雑系問題への数学的アプローチの中で離散数学的なも のをいくつか紹介する。具体的な例をとおして基本的な考えかたを身に付けて もらうことに重点をおきたい。後の1/3で、これらの数学的枠組が複雑系理 解にどのように使われるかを考え始るときに必ず視野に入ってくる内部観測の 視座を、いくつかの段階を経て紹介する。内部観測論は<生きた機械>を考え る適切な場を提供し始めており、今後の複雑系研究で重要な役割を果たすもの である。