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1997年度後期 数学概論B(全学教育)
辻下 徹
毎週金曜日8:45-10:15 (10月17日開講)
高等教育機能開発総合センター E301 教室
98.2.8
種々の生命的・人間的状況の言明に頻出する自己参照性は、その本質を素朴に
理解しようとするとき混乱を引き起こすことが多い。この講義では、いくつか
の自己参照性を現代数学の言葉により分析する。これを通して現代数学の重要
な役割の一つ、すなわち日常的な言葉や考え方だけでは捕捉し難いことを明晰
に考察することを可能にするという役割を、理解させることを目指す。
- 静的自己参照
- 自己参照の図示(有向グラフ・サイクル)
- 形の自己参照(フラクタル)
- 動的自己参照
- 生成の自己参照(代謝系・閉包作用素・束)
- 動作の自己参照(プロセス・再帰)
- 作用の自己参照(チューリング機械・計算不能問題・Lawvere の不動点定理)
- 認知的自己参照
- 主張の自己参照(ゲーデル数・不完全性定理)
- 知識の自己参照(共通知識・非有基的集合)
- 形式化できない自己参照(認知の自己参照)
配布資料
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