通信ログ
国公私立大学通信 2003.07.17(木)

--[kd 03-07-17]--------------------------------------------
文教科学委員会(平成15年7月8日)西岡武夫議員質疑より
  http://ac-net.org/dgh/03/708-nishioka.html
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○西岡武夫君 今日御出席の委員の皆さん方も松尾総長
のこの委員会での御発言をお聞き取りいただいていると
思いますし、議事録も当然残っているわけでございます
から、今の文部科学省の御答弁というのは極めて奇怪な
御答弁だとしか申し上げようがございません。

 したがって、松尾総長をもう一回お呼びいただきたい。
お願いいたします。

○委員長(大野つや子君) ただいまの件につきまして、
その取扱いについて後刻理事会において協議したいと思
います。

○西岡武夫君 委員長、今日採決なさろうとしているん
でしょう。しないんですか。

○委員長(大野つや子君) まだそこまでは決まってい
ません。

○西岡武夫君 しないとおっしゃってください。しない
とおっしゃってください、それじゃ。今日は採決しない
から、後刻理事会で相談をすると、そうおっしゃってく
ださい。

○委員長(大野つや子君) それは申し上げられません。
(発言する者あり)お静かに願います。

○西岡武夫君 それは申し上げられませんということは、
後刻というのは、法案通っちゃってからと。後の祭りと
いうことですね。

○委員長(大野つや子君) これは、いや、祭りになる
かどうか分かりません。

○西岡武夫君 どういうことですか。

○委員長(大野つや子君) いや、やはりこれは理事会
で御協議をさせていただきたいと思います。

○西岡武夫君 それでは、直ちに理事会を開いていただ
きたい。

○委員長(大野つや子君) 遠山文部科学大臣。

○西岡武夫君 いや、大臣が言うことじゃないんです。

○委員長(大野つや子君) 今、ちょっと(発言する者
あり)手を挙げていらした。ちょっと、挙手をしており
ます。

○国務大臣(遠山敦子君) 今、松尾参考人の御発言に
ついての、それを元にした御議論でございますので、こ
の議事録によりますと、松尾委員が非公務員型になるこ
とについての御疑問を持たれたのは、一つが人事の交流、
活性化の問題であるということでございます。つまり、
それぞれの大学に配置されている職員の人事交流の点に
ついて御心配をされたということであるわけでございま
す。そのことにつきましては、これは国立大学協会とも
よく相談をしながら、それぞれの職員の所属ないし全国
的な人事交流の在り方について新たなシステムというも
のを考えていくということにおいて、これは大学関係者
も同意を見ているところでございます。

○副大臣(河村建夫君) 松尾総長に確認をしたことを
今概略申し上げましたが、もうちょっと詳しく電話で確
認したことを申し上げます。

 国立大学の法人化の問題については、政府や国立大学
協会で具体的な議論が始まった平成十一年当時から深く
かかわってきたが、当時は国の試験研究機関を始めほと
んどの独立行政法人が公務員型とする方向で検討されて
いたことや、改革のソフトランディングといったことも
考え、率直に言って公務員型しか念頭になく、非公務員
型の可能性を具体的に検討したことはなかった。その後、
平成十二年七月に発足した調査検討会議に他の多くの国
立大学関係者等とともに参加し、法人制度の具体像を検
討したが、その中で、教職員の身分の問題については、
教官はともかく、事務職員については最後の最後まで課
題とされ、真剣な議論が交わされたと記憶している。当
時、私は事務職員に対する非公務員型の採用については
慎重な意見を述べたが、最終的には、法人化のメリット
を最大限に生かすという観点から、事務職員も含めて、
すべての教職員を非公務員型とするとの結論を調査検討
会議自らが導き出したことは事実であり、当然、私もそ
の結論に対して責任の一端を負っている。ただし、非公
務員型を採用した場合でも、大学の枠を超えた人事間交
流を可能とする仕組みの重要性については特に主張した
ところである。最終報告にもその旨の記述が反映されて
いる。先日の参考人質疑における発言は、具体的な議論
が始まった平成十一年当時以来、言わば当然のこととし
て公務員型しか考えてこなかったために、調査検討会議
で具体的なメリット、デメリットの検討を行い、その結
果、最終的には非公務員型が選択されるという、私には
予想以上に大胆な結論になったことに対し、長年この問
題に携わってきた者としての感慨を率直に申し上げたも
のであるということでありますから、否定をされている
わけではないというふうに私は理解しております。

○西岡武夫君 河村副大臣と私も一緒に仕事をした間柄
でございますから、こういう厳しい質問を申し上げるの
は非常につらいんでございますけれども、参考人が発言
されたことを、私は今まで、長い間本当に国会での経験
がございますけれども、所管の役所が訂正の口出しをさ
れたということは初めてですよ。私はそういう経験はご
ざいません。おかしいじゃないですか。

 委員長、これはきちっと理事会をお開きいただいて善
処していただきたい。(発言する者あり)

○副大臣(河村建夫君) 議事録が、一部だけ私は申し
上げませんでしたが、この議事録を私が読んでみる限り
において、松尾先生は今回のこのことを否定をされてお
られるわけじゃないわけでありまして、これは山本香苗
先生の質問に対して、さっき申し上げました参考人のこ
れは議事録でありますから。私は、まさか非公務員型に
なるとは思いも寄りませんでした。そこで、この点だけ
は非常にショックを受けました。それは、一に人事の交
流活性化の問題ですと。聞くところによりますと、今、
文部科学省本省に全国的に動く人が千二百人おられると
聞いておりますし、大学の現場に千二百人ぐらいいると
聞いております。その人たちといつも話しながらやって
いますが、しかし、今度は法人の長が当然人事権を持つ
わけですから、私がその人の立場になりますと、入った
ときの約束と違うわけですね。入ったときは、全国を回っ
て力を付けて偉くなっていこうと、こうお考えになって
いたのが、ある日突然、これはこのとおり読みますが、
変な総長、学長のところへ行ったら絶対辞められなくて
動けなくなるということでは、これは約束が違いますね。
ですから、やはり人事が活性化を持って動くような工夫
をしていく必要があると。それで今、国大協ではどうい
うシステムが考えられるかということを今一生懸命議論
している最中です。しかし、何とかしなければならない。
同時に、文部科学省の方にもそれは真剣に考えてもらい
たいということを申し上げておりますと。こういうふう
におっしゃっておるわけでありますから、この法人化を
否定されているというふうに私は思えないわけでありま
す。

○西岡武夫君 私はそういうことを申し上げているんじゃ
ないんです。

 委員長、これ、理事会でよく御相談いただいて、善処
してください。(発言する者あり)

○委員長(大野つや子君) 遠山文部科学大臣。(発言
する者あり)お静かに願います。

○国務大臣(遠山敦子君) 先ほど来御説明しておりま
すのは、御本人のこの委員会における質疑そのものにつ
いての、何か私どもが勝手に解釈しているということで
は全くございませんで、その事実を基に御本人にも確か
めて、その結果を御報告しているわけでございます。
(発言する者あり)

 したがいまして、西岡委員の方から、その質疑に、参
考人の意見について私どもが勝手な解釈をしているとか、
そういうことでは全くございません。(発言する者あり)

○政府参考人(遠藤純一郎君) 前回こういう問題にな
りましたので、私どもの担当官から松尾先生に直接聞い
たことにつきまして、今内容を御報告をしたわけでござ
います。(発言する者あり)

○委員長(大野つや子君) 遠藤高等教育局長。(発言
する者あり)お静かに願います。

○政府参考人(遠藤純一郎君) 松尾参考人の発言を、
先ほど副大臣が速記録を読ませていただきましたけれど
も、ここでもやはり事務職員の人事交流の活性化の問題
というのを非常に松尾先生は心配しておったということ
で、その点について今後、国大協、そして文部科学省の
方でしっかりとしたシステムを考える必要があると、こ
ういうことを申されておるというふうに理解をしておる
わけでございまして、非公務員型についてこの時点で反
対であるということではないというふうに私ども理解し
ておるわけでございます。

○西岡武夫君 私はそういうことを質問しているんじゃ
ないんです。

 今、私が今までるる質問申し上げているのは、一般職
の皆さん方のことをお話ししているんです。そして、松
尾総長がおっしゃったのも一般職のことで、別にこの法
案に反対だと、賛成の立場で参考人で来られたんですか
ら。その賛成をされている松尾総長が、一般職の皆さん
方が非公務員型になるということは自分も予想外であっ
たとおっしゃったと、それを申し上げているんですから。
これをお取消しになったということなら別ですけれども、
文部省は、文部科学省は何で参考人の先生の代弁をしな
きゃいけないんですか。おかしいじゃないですか。

○副大臣(河村建夫君) 今、西岡委員御指摘の点につ
いて、さきの委員会でそういう御指摘がございましたの
で、私どもはその場におりませんでしたから、先生が、
先生がこの法人化に、非公務員化に私は反対をされて、
まさかそんなことはないと思うけれども、そうじゃない
かという思いをあのとき持ったわけでありまして。そう
じゃなくて、先生の御指摘は、要するに、特に一般の職
員の皆さんの交流についてこれからどうすればいいのか
ということを非常に心配をされたわけであります。

 そのことについては、これは大学協会の中にあり、そ
して今までのノウハウもあるわけでありますから、文部
科学省がこれまでやってきた人事交流もありますから、
そういうのに倣って人事交流はできるということで、そ
れがもう全然できないということになると、それはそう
いう指摘があってこれは大変だということでしょうけれ
ども、これは不可能じゃない、可能性のあることですか
ら、それを踏まえてデメリット、メリットを考えたとき
に、非公務員化にするという決定については、これは先
生も言われているように、その立場におられておって理
解をされておるわけでありますので、私は、そういうこ
とで今回のこの法案をこういう形でお出しして、皆さん
の意見を聴いて、この点に気を付ければいいんだなとい
うことが確認をされたわけでありますから、その点につ
いては大学協会側と十分協議をして、今、大学協会もい
ろいろ研究をされておると思いますが、その方向でやっ
ていただきたいと、またいけるものだと、このように考
えておるところであります。(発言する者あり)

○委員長(大野つや子君) 玉井総括審議官。(発言す
る者あり)静かにしてください。

○政府参考人(玉井日出夫君) 調査検討会議、平成十
二年にスタートしたわけでございますが、その中で、松
尾先生も中にお入りになって御議論が進められました。

 この調査検討会議における検討におきましては、この
中間報告及び報告書にもございますように、教員のみな
らず事務職員等を含めて公務員型、非公務員型と比較す
るなどの検討が行われ、その結果、国家公務員法等にと
らわれない、より柔軟で弾力的な採用方法や給与体系、
勤務時間体系が可能になるなど、事務職員についてもよ
り弾力的な人事制度を実現し得るという点で、非公務員
型の方が公務員型よりも優れた面が多いことから非公務
員型とするということが適当であるというふうに、教員
のみならず事務職員を含めて調査検討会議において十分
検討がなされたわけでございます。

○委員長(大野つや子君) それでは、速記を止めてく
ださい。

   〔速記中止〕

○委員長(大野つや子君) 速記を起こしてください。

○副大臣(河村建夫君) 繰り返して申し上げるようで
恐縮なんですけれども、西岡先生、前委員会から引き続
いてこの問題を取り上げておられましたから、この間、
やっぱり我々としては、あの当時あそこに、現場にいな
かった者としては松尾先生の真意をやっぱりお聞かせを
いただかなきゃならぬ、こう思ってお聞かせをいただい
た結果を今お話ししたわけでございまして、その結果は、
確かに非公務員化されるための一般の職員の皆さんの人
事交流、この活性化のことについては懸念があるとおっ
しゃっておったわけでありますから、このことについて
は、これまでの文部科学省がやってきた人事交流、大学
側が、協会側が受皿になって一体となってやっていただ
く方法というのはこれは可能でありますから、そういう
形でこの問題を御理解をいただける、また大学協会側も
このことをそういうような形で、お認めをいただいたも
のでありますからそういう形で進めておるわけでござい
ますし、いわんや教官については全く問題ないというこ
とでありますから、そうなると、大学は、一体化を進め
る上でメリット、デメリット、そういうことを考えたと
きに、この非公務員型でいこうということが決まったわ
けでございまして、そういうことで是非御理解を賜りた
いと、このように思います。

○西岡武夫君 私が先ほど来申し上げているのは、松尾
総長がこの委員会にお見えになって、この法案を賛成す
る立場で御意見を述べられたと。その述べられた中でさ
え、非公務員型になるとは思わなかったと、その場でおっ
しゃったんですから。当時という言葉はありませんでし
た。それは自分としては意外だったというお言葉が、
ちょっと言葉のあれは正確でありませんけれども、これ
はどういうことなのかということを私は申し上げている
わけです。

 しかし、委員長の御采配で理事会も何も開けないよう
でございますから、何でこれだけ、百年に一遍、これか
ら二十一世紀の日本の知の中心である大学をこれだけ大
きな変革をするのにそんなに急ぐのかと。私は与党の皆
さん方にも申し上げたいと思うんですけれども、これだ
けのことをやって、後世に対してどういう責任を持つの
か。私は、このように深く、私自身も責任を強く感じて、
こうしてあえて質問を申し上げているわけでございます
けれども、元々独立行政法人ありきでこの問題が始まっ
たところに大きな問題がある。

 ですから、自由民主党の皆さん方の間でも相当な論議
がこれには尽くされたはずであります。私の同僚と、か
つての同僚、今でも同僚でございますけれども、親しい、
当時一緒に仕事をした面々の皆さん方からもそういう意
見をたくさん聞いてまいりました。それだけ問題がある。
それでも、行政改革という大波の中で大学をここまで持っ
てきてしまったという責任が私は小泉内閣にある、そし
てそれを所管する文部科学大臣以下、文部省全体にその
責任があると思うんです。

 その中で、あえて私は一般職の皆さん方、十三万人の
皆さん方が、全体の奉仕者として自分は一生をささげよ
うと思ってそれぞれ国立大学に就職をされたと。その方々
の身分を、先ほどからお話を聞いておりますと、全然、
法律的な根拠というのは、新しい法律を作ったというだ
けであって、国家公務員法も何にもいじらないで、ある
日突然、国家公務員でなくなりましたと、こんな無責任
なことをしていいのかということを私は先ほどからるる
質問をしているわけです。しかし、お答えがないんです。
誠におかしなことだなと。

 大臣もかつて国家公務員だったんですから、どうお考
えなんですか、これ。先ほど私が質問をしまして、一般
職の国立大学の職員の皆さん方に一体説明をしたんです
かと。職員組合もあるんですよ。一回でもなさったんで
すか。それにお答えになっていないじゃないですか。

 松尾名古屋大学の総長の問題は、今日、何が何でも採
決をなさろうという気構えの委員長のようでございます
から、追って理事会でというのはどういうことになるの
か分かりませんけれども、これは留保いたします。

 大臣、お答えください。

○国務大臣(遠山敦子君) まず、日本の未来の知を形
作る大学、その大学の設置形態の変更ということでござ
いまして、大変大事だという点は全く同感でございまし
て、それゆえにこそ私どもも大変心を用いて今回の法案
を提出をさしていただいているわけでございます。それ
が一点。

 それから、経緯について、行政改革だというふうに断
じられましたけれども、これは前回もお答えいたしまし
たが、そのようなものではないわけでございます。元々
のこの議論、国立大学の法人化の話は昭和四十年代の半
ばから議論をされて、今の文部科学省の行政組織の一部
では十分な自主性、自律性が発揮できない、これを一体
どういうふうにしていくかということにおいて様々な議
論も重ねられ、また臨時教育審議会においても議論があ
りました。

 そういうことも前提にした上で、政府の中において行
政改革ということももちろんあったわけでございますが、
明快にそこは平成十一年の四月、閣議決定、これは有馬
先生が文部大臣のころであられたと思いますが、そこに
おいて、私は、極めて政府としては見識ある決断をした
というふうに考えているわけでございます。つまりそれ
は、国立大学の独立行政法人化の問題を単なる行革の観
点ではなくて、大学の自主性、自律性を尊重しつつ大学
改革の一環として検討するという方針が確認されたわけ
でございます。

 これを一つの新たな出発点として、それから様々な大
学人あるいは有識者、国立、公立、私立の関係者も含め
て真剣な議論が闘わされたわけでございます。その検討
の結果が平成十四年三月に報告書として出たわけでござ
いまして、今回の法律案といいますものは、公務員型、
非公務員型のどちらがいいか、そのことの最終的な大変
な議論があったということももちろん含まれた上で、そ
ういう全体としての検討会議の報告というものにほとん
ど乗っかって法案を作らせていただいているわけでござ
います。

 私どもとしましては、大学人の真剣な検討が十分に行
われて、その中にはそれぞれの大学においての学内の議
論もあったでございましょうし、そういった大学人の真
剣なる検討の上に立ってこそ今回の法案としてお願いを
しているというふうに考えているところでございます。
その意味におきまして、これからの日本、特に国立大学
の使命というものは、日本の知の最先端を行ってほしい。
また、人材養成におきましても世界に冠たる成果を上げ
てもらいたい。そうした思いを込めて今回の法案の準備
をしてまいったところでございます。

 今後、そういう高い理想が実現されますように、是非
とも西岡先生の高い御見識をもって、私どものそうした
理念、恐らく理念においては共通するものが多々あると
いうふうに思うわけでございまして、そうしたことの実
現に向けてしっかりと歩みを始めさせていただきたいと
思うところでございます。

○西岡武夫君 私はそんなことをお尋ねしているんじゃ
ないんですよ。一般職の皆さん方に説明をされたのかと、
意見を聴かれたのかと。どうなんですか。一言、もう時
間ないんですから。大臣にお聞きしているんです、委員
長、大臣に。

○政府参考人(遠藤純一郎君) 非公務員型にという方
向が出ました調査検討会議の最終報告等につきましては、
国立大学の学長会議等でその非公務員型の件も含め御説
明をしたところでございまして、それぞれの大学におき
ましてまた学長が説明をしているというふうに私どもは
理解しておるわけでございます。

○西岡武夫君 それでは、文部科学省としては、大学の
一般職の皆さん方には、こんな大きな、国家公務員でな
くなっちゃうという身分の大変な変更、私は法的根拠が
なくてこんなことができると思わないんですけれども、
それを全然お話しになっていないんですね、直接。学長
にお話しになっただけなんですね。いや、もういろいろ
お話しにならないで、あと三分しか、二、三分しかあり
ませんから。

○政府参考人(遠藤純一郎君) 学長のみならず事務局
長あるいはいろんな部長の会議、その他あらゆる国立大
学の関係者の会議におきまして御説明をし、意見も聴い
ておるところでございます。

○西岡武夫君 職員組合に対して説明をされ、意見を聴
取されましたか。

○政府参考人(遠藤純一郎君) 職員組合にも説明をし
ております。職員団体に、職員団体に対してでございま
す。

○西岡武夫君 私のところにたくさんのメール等々意見
が来ておりますけれども、職員団体の皆さん方が全然聞
いていないとおっしゃっているんです。どういうことで
すか。

○政府参考人(遠藤純一郎君) 職員団体の代表者が文
部科学省に来た際に御説明をしたということでございま
す。

○西岡武夫君 その代表者は賛意を表されたんですか。

○政府参考人(遠藤純一郎君) 御説明をしたというこ
とでございます。

○西岡武夫君 少なくとも私の経験では、これだけのこ
とをやる場合に、もっときめ細かく丁寧に関係の皆さん
方に周知徹底をし、賛同を得ていくという努力が必要だ
と思います。

 これはもう時間もあと一分になりましたから、私の持
ち時間あと一分でございますから、最後に一つだけ申し
上げておきたいことがございます。

 これは、次の委員会開いていただければ更に続けます
けれども、今回の独立行政法人化の問題と国立大学と違
うところというのは、午前中の質疑でも何回も話が出て
おりましたように、今回の法律の第三条で国立大学につ
いては他の独立行政法人とは違うんだということをしき
りにおっしゃっておりますけれども、この三条だけがそ
のよりどころなんですか、大臣。

○国務大臣(遠山敦子君) 三条は最も基本的な、国立
大学の特性というものを配慮すべしということでござい
ますけれども、それは様々な点が他の独立行政法人と違
うわけでございます。

 一番分かりやすいのが中期目標、中期計画の立て方で
ございますけれども、中期目標については、他の独立行
政法人につきましてはそれぞれ所管大臣が決定をすると
いうわけでございますけれども、国立大学法人につきま
しては大学の意見を事前に聴く、そして大学のその特性
に十分配慮する等の義務が法律上明確に書かれていると
ころでございますし、また学長の選任の在り方につきま
しても、他の独立行政法人とは全く違う手法を明確に法
律の中に盛り込んでいるところでございます。会計上の
問題もそうでございますし、様々な点で正に大学の自主
性、自律性というものが現在よりより一層保たれるよう
にという配慮で、様々な点での、法律上もその制度の違
いといいますものを明確にしているところでございます。

 特に評価の点につきましても、国立大学法人評価委員
会というのを別途設けて、これは正に国立大学の特性と
いうものに配慮して他の独立行政法人とは全く違う組織
というものを作ります。しかも、そこにおける評価にお
きまして、教育研究活動という言わば大学の本命、その
部分については外の機関でございます大学評価・学位授
与機構が担当をするということが明確になっているわけ
でございます。

 その他、様々な点において他の独立行政法人とは違う、
正に大学の特性というものを十分に配慮をして制度設計
をした形で今回法案をお願いし、国立大学法人として力
強くその自主性、自律性を発揮してもらうようにという
ことで法案を提出させていただいているところでござい
ます。

 私といたしましては、この法案、成立させていただき
まして、日本の国立大学が本当に力強く本来あるべき使
命というものを全うしてもらいたい、そのような気持ち
で一杯でいるところでございます。

○西岡武夫君 時間が参りましたから終わりますが、委
員長にお願いを申し上げます。

 これだけ先ほど来申し上げたように大変重要な、日本
の将来にとって場合によっては大変悪い影響も与えかね
ない、そういう法案について、もっと私は逐条審議もお
願いしたのでございますけれども、それは、意見は入れ
られませんでしたけれども、こういう形で法案が仮に今
日採決されようとするのであれば、極めて大きな禍根を
残すであろうということを申し上げて、私の質問を終わ
ります。
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編集発行人:辻下 徹 tjst@ac-net.org
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