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野路便り Letter from Noji (06-07-26 Wed)
【1】(転載)公正な地位保全仮処分命令を求めるネット署名より
[243] 速やかなる司法判断を
[225] Message of unfair labor practices spreads beyond Japan's borders
【2】[kinugasa-forum:0217] 次の交渉で言ってほしいこと
【3】立命館大学学友会: 京都新聞記事について [07月25日(火)]
【4】京都新聞7/22「立命館憲章」を制定/手続き不満、学生ら反発
立命館学園で働く方々へ
Dear colleagues,

  ◇◇ 野路便り(06-06-20 Tue)(*)でお伝えしたように、昨年のA
  PU専任講師解雇は解雇権濫用として5月10日に京都地裁によ
  り無効と仮処分決定されましたが、立命館は抗告し本裁判が始まっ
  ているそうです。勝つ見込みが余りない不名誉な裁判を法人側が
  続けるのは、当該教員に対する報復という意味(【1】[243])の
  他に、今後立命館を相手に裁判をしようとする「不届き者」には、
  裁判を長引かせ勝敗に関係なくダメージを与えるぞ、という威嚇
  の要素もあり、立命館経営者の「交渉術」の一例と感じました。
  これは、学費の有効な使い方とは言えないでしょうから、学生に
  どう説明するつもりなのか、興味があります。 
  (*)http://ac-net.org/rtm/No/59,
  英訳:http://ac-net.org/rtm/No/77


  ◇◇ 7月21日に一般理事会が開かれ、立命館憲章が決定され
  たそうです。京都新聞の記事【4】に掲載された批判について、学
  友会役員は大学側に「絞られ」、どうやら念書を書かされたよう
  です【3】。その中に「マスコミの取材に対して、今後は慎重に対
  応する」とありますが、これには重大な問題があります。

  一般に、取材を受けた者は、政治家だけでなく市井人も、記事に
  「どうでも良いことが書いてあって、本当に言いたかったことが
  書かれていない」と不満や憤りを持つのがふつうと思いますが、
  取材で得た情報をどういう記事にするかは記者の判断であり、そ
  れが「報道の自由」の実質的な意味と思います。こういう記事に
  なるようなことを取材で言うな、というのは、報道の自由につい
  ての無理解による無理難題と感じます。

  取材を受けることについて学友会に大学が注文をつけたことは、
  「平和と民主主義」の礎石の一つである表現の自由を制限するも
  のであり、大学側は、立命館憲章制定直後に、憲章に反する行為
  をしたことになります。「そもそも憲章が必要なのか。制定意図
  が不明確だ」という院生連合協議会委員長の疑義【4】の妥当性が、
  早くも証明されたように感じます。

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【1】(転載)公正な地位保全仮処分命令を求めるネット署名より
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[243] 2006-07-26 02:17:02
      速やかなる司法判断を(弘前学院大学・文学部講師)
http://university.sub.jp/apu/saiban/?job=kobetsuhyouji&aux=

  通常の違法解雇についても、それを裁判で解決をつけようとする
  と相当な労力が要りますが、大学教員の場合、裁判をしている間
  の研究と教育が行えず、修復不可能な損害を蒙ります。私自身も
  学校法人弘前学院の不当解雇で勝訴(正確には一部認容)してい
  ますが(青森地弘前支平成14年(ワ)第9号・仙台高秋田支平成
  16年(ネ)第28号・最高裁上告後取下)、その間の精神的損害・
  物理的損害はもとより、すべての人生設計を狂わされ、憲法に保
  障された健康で文化的な生活も送ることができず、それら損害は
  いまだ取り戻せておりません。

  今般の立命館大学での一連の経緯を見ても、学校法人立命館には、
  学校および教員が公の存在であること、それゆえ、教育基本法6条
  2 項で教員の身分が保障されていることを無視しているとしか思
  えません。研究教育を担うものを財産と看做さない学校は、学校
  としての誇り・使命を忘れており、そのような経営者である以上、
  今後も労使間の係争を引き延ばし、教員側が精神的・経済的に疲
  弊することを狙うと考えられます。

  学校法人立命館は、地方の財政の逼迫した中小私立大学と違い、
  自分たちに余裕があることをいいことに、裸一貫で研究・教育に
  携わるものをねじ伏せようとしています。時間がかかればそれだ
  け学校法人が無条件に有利になります。貴裁判所におかれまして
  は、諸労働法規及び諸教育法規とその判例をもって、速やかに事
  件を解決されますよう、切にお願いいたします。

[225] 2006-07-23 23:42:59
http://university.sub.jp/apu/saiban/index.php?job=kobetsuhyouji&aux=232
     Message of unfair labor practices spreads beyond Japan's
     borders( Durham, New Hampshire, USA・Japanese Instructor)

  As a current instructor of Japanese at a state university
  in the US and a former Ristumeikan employee, I find it
  regrettable that I have to explain the unfair labor
  practices of universities like Ritsumeikan to my many
  students who are considering a career of teaching in
  Japan. As their teacher, it is my responsibility to
  educate them about the realities of unfair employment
  practices when it comes to teaching in
  Japan. Unfortunately, Ristumeikan stands as a prime
  example of how these unfair practices manifest. The
  actions of the Ritsumeikan administration not only
  adversely affects language professionals currently
  residing in Japan, but also influences future language
  professionals currently in training in the US. This surely
  cannot be the type of international reputation Ritsumeikan
  University hopes to create.

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【2】[kinugasa-forum:0217] 次の交渉で言ってほしいこと
     Date: Tue, 25 Jul 2006 
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(編註:衣笠フォーラムのメーリングリストから許可を
得て転載。フォーラムへの参加:
 owner-kinugasa-forum@freeml.com にメール送付 )

  ネットの新聞(*)を見ていると、私立大学の4割が定員割れとか出
  ていましたね。UNITASとか、次の交渉(団交?業務協議
  会?)とかで、理事会がヒステリックに叫ぶあり様が目に浮かび
  ます。

  ところで、そこで、組合執行部にはこういってもらいたい。

  私学冬の時代に、説明責任の欠如した攻めの経営こそが、本当に
  怖いと。ウェルネスをはじめとして、手をつけたら容易に戻れな
  いプランばかりに迅速性だスピードだとか言って、飛びついてま
  すが、見方を変えれば、迅速にギャンブルをやっているわけで、
  これほど恐ろしいことはありません。

  私学危機が激化しているからこそ、こういう無展望なことはやめ
  てほしいと、はっきり言ってほしい。私学危機は、理事会にとっ
  て有利な分野ではなく、組合にこそ有利な分野です。

  昨年、萩国際大学のことを少し調べましたが、あのケースも、危
  機を打開しようとして、プロゴルファーやゴルフ場経営者らを養
  成するゴルフ文化コースをつくり、挙句の果てにはゴルフ場まで
  買い取ったりとかいろんなことをやった結果、全部失敗してしまっ
  てにっちもさっちも行かなくなった。今、本学に必要なことは、
  賃下げしてまで攻めにでることではなく、賃金の範囲内で現実的
  なことをやるべきでしょう。

  そもそも、攻めて実のある計画なんでしょうか、中期計画は。理
  事会の説明は、少しでも具体的なところに入ると、あいまいにな
  り、説得力なんて全くありません。現実的方針に担保されない幹
  部の作文の部分が大半です。こんな不安定な方針で、攻めに出る
  方が無謀です。責任が感じられません。

  そもそも、定員を十分に充足させている経営基盤が安定している
  はずの大学で、いくら将来の情勢が悲観的だからといって、賃下
  げするなんて、あれこれ理由をつけても、完全な経営の失敗じゃ
  ないですか。

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(編註*)
http://www.asahi.com/national/update/0724/TKY200607240594.html
http://university.main.jp/blog3/archives/2006/07/182006404.html

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【3】立命館大学学友会 ブログより
  京都新聞記事について [2006年07月25日(火)]	
  http://blog.drecom.jp/gakuyukai_rits/archive/37
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「7月22日に掲載された京都新聞記事【4】に対して、学友会は(1)全
  学議論の到達と課題が共に記述されておらず、総体としてみれば、
  事実として不正確である、(2)学友会は、立命館憲章制定そのもの
  に対して否定はしていない、(3)マスコミの取材に対して、今後は
  慎重に対応する、(4)理事会から京都新聞に対する抗議要請(提案)を
  受け入れ、学友会内部で議論する(抗議することを確認したわけで
  はない)、を大学側と確認しました。

  しかしながら、常任理事会は、本件に関わって理事会に対する謝
  罪か、京都新聞に対する抗議がなければ、議論のテーブルにつか
  ないと、全学協代表者会議の事務折衝開催を拒否するという極め
  て非民主的な対応をとりました。議論の結果、本記事の記述は一
  面的だとはいえ、書かれた内容自体は正確だということは、大学
  側も認めざるを得ませんでした。また取材を受けたことも問題は
  なく、学友会側に一切の非がなかったにも関わらずです。学友会
  は、今回のような、脅迫まがいの行為に対し、強く抗議するとと
  もに、全学協代表者会議における誠実な対応を求めていきたいと
  思います。

  7月24日に予定されていた、第1回全学協議会代表者会議事務折衝
  は7月28日に、7月25日に予定されていた中期計画懇談会は8月1日
  に、それぞれ延期されることになりました。」
	
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【4】京都新聞2006年7月22日(土)
「立命館憲章」を制定/手続き不満、学生ら反発
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006072200047
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  学校法人立命館(京都市北区)は21日、理事会を開き、学園運
  営の理念と使命を示す「立命館憲章」を制定した。これに対し立
  命館大の学生自治会などが「あるべき手続きを踏んでいない」
  「都合よく利用される恐れがある」と反発、学内に波紋が広がっ
  ている。

  憲章は「立命館は、西園寺公望を学祖とし...」で始まり、「世界
  と日本の平和的・民主的・持続的発展に貢献する」と結ぶ約60
  0字の文章。

  立命館によると、1900年に京都法政学校として開学以来、学
  園の理念を表す言葉は末川博元学長の「平和と民主主義」などが
  あるが、正式に定めていなかった。この間、運営する大学や付属
  校が拡大し、秋には学園本部が入る新校地をJR二条駅前につく
  ることから、学園運営の原則を共有し、社会に発信する憲章の制
  定が必要になったという。

  一方、立命館大の学友会や大学院生による院生連合協議会は、▽
  「民主、公開」をうたう憲章を制定するのに、大学運営について
  全学で話し合う「全学協議会」の開催を拒否した▽憲章案を記載
  した学園通信の配布が6月末で、意見集約の時間がなく性急すぎ
  るーなどと主張。同時に検討されている2010年までの中期計
  画でも民主的な全学討議を行わず、意思決定の権限を理事会に集
  中するものだとして、議論を求める看板を学内に掲げている。

  学友会の大月英雄中央常任委員長(23)は「学生の声に基づく運営
  をしてほしい。学園全体の協議機関を設けて話し合いを続けるべ
  きだ」、院生連合協議会の森下直紀委員長(27)は「そもそも憲章
  が必要なのか。制定意図が不明確だ」と話す。

  これに対し、立命館総長・理事長室の鈴木元室長は「学園運営の
  責任は学生諸君ではなく理事会にあり、憲章の内容も制定過程も
  問題はない」としている。

    写真:http://www.kyoto-np.co.jp/static/2006/07/22/P2006072200047.jpg
    立命館憲章の制定をめぐり波紋が広がる立命館大。全学
    協議会の開催を求める看板が立てられている(京都市北
    区・立命館大)

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配信数 3864 [ http://ac-net.org/rtm/No/102 ]