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メッセージ103:
中学校・高等学校の現場から・・・

最近の各校種(国立・府立・私立)中学校・高等学校全般のうごきから私の感じていることを申し上げます。

近年、世間を騒がせる事件の発生に合わせる形で、生徒を管理する方向が打ち出され、ここから生徒側に”節度を守る”ことを強調しつつ、”集団を制御する”方向の管理体制を作ることとなってしまう傾向が出てきています。遅刻やずる休みを放置することは当然よくないことです。校則を守らせることは職務でしょうが、生徒が自治的に校則を守らねばならなくなる校風を作っていくのが本来の教育だと思うのです。しかし、”節度を守らせる”ための生徒対応と称して、どこの学校でも大なり小なり教員の役割分担は増えているといっても過言ではありません。

附属校でも、専任・常勤・非常勤のアンバランス(専任の確保の緩慢による専任役割の負担増)・時間割の偏り(非常勤率の高さから専任の時間が特定の曜日に集中することや、コースの多様化で、コース専任教員の曜日優先)、特色のあるコースの育成・新設のコース設定の独断専行(医科歯科薬科コースの新設議論)、生徒の動向を掌握する朝夕のSHRの設定で授業時間が1時間増えたような重い重圧感、担任業務を持つ教員と持たない教員(役職教員等)の固定化とその増加傾向等々があります。

このまま行きますと、忙しさゆえ近所ばかりを見渡し、全体の統一を取るためにと称して教員間の不適切行動を教員間で見つけ出したり、場合によっては吊るし上げを繰り返す悪循環に陥ることになるように思えてきました。私はまったく私学教育を見限ったのではなく、ただただ教員をしている面々が疲労困憊状態に陥ることを恐れているだけです。

府の高等学校各種教育研究会も私学連合会の教育研究会も、教育委員会補助金の削減(自主活動のための資金の欠乏)や各私学内部の事情(生徒募集活動への奔走・内部のコース拡充政策等)で停滞気味という状況です。教育界全体で生徒をどう見るかという切り口の研究会運営はできにくくなってきてるといえるでしょう。