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野路便り Letter from Noji (06-08-11 Fri)
【1】立命館教員ネットから立命館学園教職員組合連合への要請 
立命館学園で働く方々へ
Dear colleagues,


  「立命館アジア太平洋大学の常勤講師「雇い止め」事件の迅速
  で公正な地位保全仮処分命令を求める署名運動」は、8月11日現
  在、ネットでは277 名、紙媒体では940名と63団体からの署名が
  集まっていますが、学園内部では支援運動は余り活発ではあり
  ません。( http://university.sub.jp/apu/saiban/ )

  これは、ある意味では自然なことです。組織の構成員にとって、
  組織と自分との境界はそれほど明確ではなく、場合によっては
  組織を自分と同じくらい大事に感じるものです。組織の発展は
  自分の誇りになります。それは自然な思いであるだけに、自分
  の属する組織に対する異議申立ては、自分への異議申立てのよ
  うに不快に感じるのも自然です。たとえ、その異議申立てが、
  かなり妥当なものであり、しかも、同じ組織の一員からのもの
  であっても、やはり不快に思う人が多いでしょう。

  しかし組織が独自の意思を持つようになり、構成員を道具とし
  て利用する以外には構成員に関心をもたなくなり始めるときは、
  組織と自分を同一視する自然な思いは、不合理で危険なものと
  なってきます。組織と自分を同一視していると、構成員の道具
  化を推進する役割を演じ、自分自身を組織の道具とすることを
  自分自身が推進することになります。

  巨大な組織が独自の意思を持ち制御不能になり始めるときは、
  面識のない同僚同志の連帯という、いわば「不自然な」連帯が、
  重要な意味を持ってきます。顔が見える日常の身近な連帯は、
  組織の歯車に組みこまれているために、自由な動きがほとんど
  できないからです。

  立命館学園は巨大化し、構成員が組織のルールを通して制御が
  できないようなような意思決定構造が出きてしまいました。そ
  の中で、構成員は急速に道具化されつつあります。顔を知らな
  い構成員の間に、同じ組織に属するということだけを通して、
  ゆるい浅い連帯が形成されれば、慣性が大きい現在の立命館の
  流れの方向を変えるきっかけとなるのではないか、という小さ
  な希望を感じています。

  APUの立ち上げという困難な時期が終った途端に、それを担っ
  てきた教員の大半を雇止めにした今回の人事方針は、まさに、
  教員を道具としかみなさない教学政策の開始を告げるものです
  が、それは同時に、そのような教学政策と不可分な没落への行
  進の開始を告げるものです。この岐路を認識される教員の方々
  は、巨大な立命館と一人で対峙している若い教員と、たとえ何
  の個人的な関係がないとしても、同じ学園で教えてきた縁を重
  んじ、支援を考えていただきたく思います。

  そういう思いの教員有志が、本日、立命館学園の教職員組合連
  合に、支援を要請しました【1】。学内で、法人に対抗できる規
  模と法的手段をもつ唯一の組織である教職員組合が、学園内の
  広い意味の連帯にも取り組まれることを願っています。

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【1】立命館教員ネットから立命館学園教職員組合連合への要請 
http://ac-net.org/rtm-net/file/1001 
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APU常勤講師を支援する立命館教員ネットから、立命館教職員組
合連合に、以下の要請書を送付しました。この場をかりて、組合員
の皆様にも直接、組合が組織として支援の姿勢を明確にするよう要
請いたします。(立命館教員ネット参加者より)


  From: 立命館教員ネット
  To: 立命館学園教職員組合連合
  Subject: 公開要請書
  Date: Fri, 11 Aug 2006 12:21:59 +0900


						    平成18年8月11日

  立命館学園教職員組合連合 
  執行委員長 木田 融男 殿

				       APU常勤講師を支援する
				       立命館教員ネットワーク
				       http://ac-net.org/rtm-net

			    公 開 要 請 書


  今年3月末に雇止めとなったAPU日本語常勤講師が,5月に、大分地裁に
  地位保全仮処分の申立をされました。公開されている諸文書や諸証言から、
  この申立は正当なものであると判断した立命館大学おより立命館アジア太平
  洋大学の教員有志が、キャンパスや学部を越えて連絡をとりあって支援活動
  に取組んでいましたが、7月12日に有志19名(現在22名)は、立命館
  学園の全教員に対し「APU常勤講師を支援する立命館教員ネットーワーク」
  (以下、立命館教員ネット)への参加を呼びかけるとともに、立命館の種々
  の支援を呼び掛けました。

  出来るだけ早い段階に和解を実現し、当該常勤講師が大学教員として充実し
  た教育・研究生活を再開できることが何よりも重要である、と私たちは考え
  ております。そのためには、立命館の理事の方々の多くが、この事件の真相
  を知り、立命館学園とご自身の名誉とのために、和解に向けて努力されるよ
  うになることが不可欠です。

  私たちは、理事会(および各理事)に、事件の基本情報および和解の重要性
  を直接に伝える予定ですが、理事会と種々の交渉の場を持っておられる貴組
  合にも、ぜひ、この裁判を以下の点で支援することを検討しただきたく、お
  願い申しあげます。

  (1) 問題の広報。

      裁判が行われていることと、それにはどのような背景があるか、公開さ
      れている情報だけでも組合員に伝えてただきたい。

  (2) 組合員毎の判断で支援するよう呼びかけ。

      事件の詳細を知れば個人的に支援したいと考える組合員も多いと思いま
      すので、たとえ組合として支援するかどうか決断しておられないとして
      も、支援運動が行われていることを組合員に伝えていただきたい。特に、
      大分地裁への署名運動(*1)と、裁判支援カンパ運動(*2)の存在を周知し
      ていただきたい。また、われわれ立命館教員ネットが行っている、当該
      常勤講師の生活支援のカンパ運動(*3)についても伝えていただきたい。

      (*1) http://university.sub.jp/apu/saiban/

      (*2) 郵便振替 口座記号番号:01750ー5ー75138 
             加入者名:大分地域労働組合 APU分会

      (*3) 滋賀銀行 南草津駅前支店 普通預金口座 633143 
             加入者名:立命館教員ネット

  (3) 組合として独自に調査。

      組合としての情報網を用いて独自に調査し、組合として吟味し、少なく
      とも組合員には判断を伝えていただきたい。

  (4) 組合として支援。

      (3) の結果、法人側に非があると組合として判断されましたら、積極的
      に支援する決断をされますよう切望します。今回の問題は、専任教職員
      を構成員とする貴組合連合の課題ではないとお考えかもしれませんが、
      今回の事件が放置されれば、専任・非専任を問わず全教職員の最も基本
      的な権利が立命館学園全体で弱体化する懸念があります。どうぞ、組合
      の原点に戻って本格的な支援を決断をされることを願っております。

  (5) 理事会へ和解を働きかける。

      (3)の調査結果に基き、この裁判で争うことが立命館にとって有害無益で
      あると理事会を説得していただきたい。万が一、雇用継続が可能である
      と説明した人達を処分するような「似而非解決」を理事会が提示するよ
      うな場合には、組合連合の存亡をかけて、真の解決が得られるまで最後
      まで戦っていただきたく思います。

  貴組合連合も、支援に向けた諸準備を水面下で進めておられることとは存じ
  ますが、支持の姿勢を組織として一刻も早く具体化され、立命館学園という
  巨大な組織と対峙している当該常勤講師の支援に取り組まれますことを願っ
  ております。

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配信数 3860 [ http://ac-net.org/rtm/No/113 ]