野路便り Letter from Noji (06-10-14 Sat)
【0】ネット投票状況:10月14日11時現在
【1】(転載)総長候補者選考委員に送付された公開質問状報告
【2】(転載)「総長候補者に推薦されて」の読み方
【3】(転載)立命館を愛するのか、現体制を愛するのか。
【4】(投稿)フォーラム参加者から寄せられた感想
立命館学園で働く方々へ
Dear colleagues,
総長選ネット投票の投票総数は現在118票です。メールでの呼びか
けだけの運動に応じる人は5%どまりという経験則があり、この
ネット投票も150票程度で終わる可能性が高いですが、事業欲に理
性を失った経営陣の暴走にブレーキをかけようとする組織が学園
内に存在しない現状を考えると、このネット投票は、教員有志が
呼びかけているだけですが、トップの暴走にブレーキをかけるボ
トムアップな試みの一つとして少しは意義があるように感じます。
投票の秘密が厳密に確保されており数分で終わる投票ですから、
ぜひ一度だけでも投票ページを開いて検討いただければ、呼掛け
人の一人として願っています。
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【0】ネット投票状況:10月14日11時現在
http://ac-net.org/rtm/scs/
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川口候補 11票(+ 5)[ 7 (+ 3) , 0 , 4 (+2) ]
久岡候補 7票(+ 2) [ 4 ( 0) , 0 , 3 (+2) ]
平田候補 19票(+ 9) [10 (+ 4) , 0 , 9 (+5) ]
白紙 81票(+29) [58 (+21) , 5 (+2), 18 (+6) ]
投票総数 118 (+45) [79 (+28) , 5 (+2), 34 (+15) ]
内訳は、専任教員票数,非常勤教員票数,職員票数
丸括弧内は、昨日の午前8時からの変化
呼掛け人より:「現在、7 学部と1 附属校の教員30名がネット
投票を呼掛けています。ネット投票の呼掛け人に加わる方は、
admin-scs@rtm.ac-net.org 宛に、subject 欄に yobikake-OK
本文にご氏名を記載したメールをお送りください。」
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【1】総長候補者選考委員に送付された公開質問状報告
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Subject: 総長候補者選考委員各位
Date: Fri, 13 Oct 2006 17:58:34
2006年10月13日
総長候補者選考委員 各位
拝 啓
総長候補選任の大役,ご苦労様です。
私どもは,同封・添付いたしました要望書に対する賛同運動の呼
びかけ人をいたしております教職員有志でございます。10月2日に
総長候補者が公示されたことを受けて,私どもは同封・添付いた
しました公開質問状を総長候補者に送りましたが,回答を頂くこ
とができませんでした。
現在,教育・研究の現場では,同封・添付いたしましたものに記
されたような問題が発生しております。総長候補を選任して下さ
る際には,このような問題に真摯に向き合い解決に努力をして下
さる方を是非とも選んで頂けますよう,心からお願い申し上げま
す。
なお,下記にて,大学教職員有志で総長候補ネット投票を行って
おります。ご判断の参考になれば幸いです。
http://ac-net.org/rtm/scs (パソコン)
http://ac-net.org/rtm/scs/i (携帯電話)
(携帯電話や学外からは,idとpasswdが必要。それぞれ "rtm" )
敬 具
赤堀次郎、荒井正治、小野文一郎、小笠原宏、坂根政男、里見潤、
杉本末雄、高山茂、辻下徹、中島淳、吉田真(以上理工学部)、
小川均、島川博光、樋口宜男(以上情報理工学部)、
佐藤卓利、田中宏、藤岡惇(以上経済学部)、三浦正行(経営学部)、
小堀眞裕(法学部)、朝尾幸次郎(文学部)、
山下高行(産業社会学部)、勝村誠(政策科学部)、
小林誠(国際関係学部)、松田全功(中高深草教員)、
杉浦真理、玉野典明、北尾 悟(中高宇治教員)
メール差出人 理工学部・小笠原宏
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【2】 [kinugasa-forum:0266] 「総長候補者に推薦されて」の読み方
Date: Fri, 13 Oct 2006 01:11:28
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(編註:文中の「本日」は10月12日)
法学部の小堀です。
本日の組合・学友会・院生協議会のフォーラムでも述べたことで
すが、こういう候補者の文章の読み方です。
http://www.ritsumei.ac.jp/mng/gl/koho/kyousyokuin/kouji/index.htm
様々な団体が出した公開質問状で使われているキーの論点に対し
て、個々の候補者がどう答えているのか、というアジェンダをセッ
ティングして読んでみましょう。
答えは、3人ともポイントはごまかしています。
全学協議会、相対的低学費、一時金、全構成員自治、などのポイ
ントに関わっては、誰も書いていません。
川口先生は、全構成員自治については触れていますが、単なる歴
史的叙述として触れているだけです。全構成員自治も、安土桃山
時代も同じという感じでしょうか。むしろ、それを歴史として触
れた後、「今日の市場主義、競争社会のなかで、それに対応した
捉え方と表現について、いっそうの議論と検討が必要でしょう」
と変容の対象になっています。
学費については、相対的低学費はおろか、「学費」という言葉さ
え出ていません。
憲法9条、集団的自衛権、消費税率などなど、ポイントを書かずに、
美辞麗句に終始するというのは、政治家がよく書く文章ですが、
3人の文章とも、そういう傾向になっています。
もちろん、別の読み方もあるでしょう。しかし、私はそう読みま
した。
3人とも、立派な大学教授です。個人として自由に回答したなら
ば、もっと別の学問的深さを感じさせる回答になったかもしれま
せん。それをさせない「介入」には、怒りを感じますし、そんな
「介入」を受けてまでも総長になりたいのでしょうか。
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【3】[kinugasa-forum:0270] 立命館を愛するのか、現体制を愛するのか。
Date: Fri, 13 Oct 2006 10:17:10
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おはようございます。法学部の小堀です。
近年、愛国心が議論の対象となってきましたが、本学では今後愛
校心のあり方が問題になってくるのではないかという気がしてき
ました。とくに、総長候補者三名に対する公開質問状に対して理
事長が答えるという暴挙を目の当たりにして、特にそういう感想
を持ちました。
私は立命館大学を卒業しておりますし、現在も学生院生を教えな
がら、個々の学生院生や勤勉な教職員からなる本学を愛しており
ます。しかし、一方で、総長候補者の見解にまで露骨に介入して
くる現体制は、全く愛しておりません。
総長候補者に対する公開質問状に理事長が答えるという吉本顔負
けのコメディに際して、3名の候補者たちは、この酷い運営を諌
めることよりも、波風を立てずに現体制を守る事の方が、立命を
愛することであると判断したのでしょうか。ただ、結果的には、
誰もが失望したように、あの理事長の回答は実際には全く立命の
ためにはなっていません。そして、そのことは、3名の総長候補
者も容易に想像できたでしょう。
ただ、同じことは、3名の候補者以外にも言えることであると思
います。3名の候補者ではなくても、波風を立てずに従うことが
立命を愛することであると考えている人々がいるような気がして
なりません。
そういう人々がたびたび口にするのが、「対案がない」という言
葉でした。しかし、もはやそんなレベルでしょうか。昨日の理事
長の回答は、対案があろうとなかろうと、誰の目にも本学の利害
を損なうことになることは明白ではなかったでしょうか。明らか
に本学のためにならないことでも、諫言することさえできない。
彼らの立場に立ったとしても、あの回答は出ない方がよかったと
さえいえるのではないでしょうか。
しかも、そういう傾向は、もっとも諫奏できる立場にいる人々に
強いような気がします。
ちなみに、ある有名な政治学者によれば、諫奏は日本の武士道の
中核をなす考え方で、むしろ諫言の契機のない忠誠心とは、ただ
何も考えずに唯々諾々と従う、うすっぺらな忠誠心であるという
ことを昔に読んだことがあります。本学がそういうレベルの忠誠
心で動いているとすれば、そういう人々は本当に立命を愛してい
るといえるのでしょうかと、私は思ってしまいます。
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【4】フォーラム参加者から寄せられた感想
Date: Fri, 13 Oct 2006 22:19:23
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こういった会合に出て、よく思うのは、同じレベルに情報が入っ
ていない人や、それまで議論する相手も機会もなくて問題意識の
レベルが違っている人は、そこではどうしても啓蒙の対象になり
さがってしまうということだ。司会者とパネラーのシンポ形式の
やり方は、ちょっと知的なテーマを扱う時によくあるやり方だが、
しばしば筋書きが決められているようであるし、会場にただ話を
聴いているだけの者にはあまり面白くない。
学生たちもびっくりするほど立て板に水のごとくの演説をして、
自治会活動で鍛えられているな~という感じだ。しかし、一般学
生とのこの違いはどうだ!大学がこういう状況になっているとい
うこともなにも知らずに、キャンパスで遊び呆けたり、授業にだ
けは一生懸命に出席したりする多くの学生たちとのあまり違いに、
なんとも奇妙な感じを覚える。もっと一般の学生も参加して素朴
な質問などもドンドン出せるような会合を催すのは不可能なのだ
ろうか?
今日の大学の最大の主人公は学生のはずだ。彼らにもっと積極的
に知らせ、ことに関わってもらうということはできないのか?
多少対立する考えが出てもかまわないのではないか?というより
対立する部分が全く出てこないものがずっと続くのは、学びには
ならない。
こういう形のネットでの選挙も学生もドンドン参加できるものに
してしまうことはできないのか?もちろんそのためには相当の準
備と注意せねばならないことも多いだろうが、このままずるずる
とあちらのペースで流されるばかりよりは、ずっとましな動きも
できるのではないだろうか?
今回の総長選出にしても、理事長の権限を拡大したあの時点で既
に、予想されたことではないか?
民主主義が集団の学びのプロセスであるとするなら、こういう学
びの会合のあり方そのものに、重大な課題があってそれを意識し、
それに対して何らかの工夫なり試みなりを絶えず続けないでは、
「お前たちは事情をよく知っていないのだから、黙って、ずっと
長年苦労してやってきた専門の俺たちに任せろ」と本音のところ
で考えている「敵」と結局同じことになって行く可能性と危険が
いつもあるのではないか、と。
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