学園の皆さんへ
以下に掲げる「新総長への要請書」への賛同を広く募ります。 賛同者は要請書の末尾に氏名を記載させて頂きます。賛同い ただける方は、各学部の発起人または藤岡 惇(経済学部) fujioka@ec.ritsumei.ac.jpに、ご連絡願います。第一次の 締切日を11月20日とします。同文を添付しますので、 周囲の方に広げていただけると幸いです。なお発起人になっ ていただける方も募集しています。あわせてよろしくお願い します。
総長選挙制度の民主化と全構成員自治にもとづく学園創造 を新総長に要請します 立命館学園の教学分野の最高責任者たる総長を選出する「選 考委員会」が、10月15日に行われ、川口清史教授が新総 長に選出されました。 今回の総長選出のプロセスには、わが学園の民主主義的運 営の観点からみて、看過できない問題点をはらんでいたと考 えます。 第1に、今次の総長選任にあたっては、昨年7月に改定さ れていた総長選任規程が適用されましたが、この規程は、 総長候補者推薦委員会のメンバーから教授会代表や学生自治 会代表を排除しただけでなく、その人選と運営を学園の経営 部門の長たる理事長に委ねたものでした。また選考委員の数 を260名余から96名に減じただけでなく、選考委員中の 学外者の比率を格段に高めるなど、これまでの立命館民主主 義の到達点を否定するものでした。 第2に、選考委員の民主的な選出をめぐる問題です。立命 館大学教員を代表する選考委員は公正な選挙で選出されたも のの、職員からの選考委員の選出にあたっては、管理職から なる「部会議」が専決するなど、職場の合意にもとづかない 選出が頻発したといわれています。 第3に、総長候補者推薦委員会をめぐる問題です。候補者 推薦委員が選任されたのは、投票日のわずか16日前の理事会 においてでした。候補者推薦委員会は、委員が選任された当 日に1回だけ、ごく短時間開かれただけで、3人の総長候補者 を推薦する決定を行ないました。候補者推薦委員会には、広 い視野に立って推薦すべき人を探りあてる活動が期待されて いましたが、そのような活動が行われた形跡はありません。 第4に、このような状況のもと、学友会・連合院生協議会・ 教職員組合が3人の総長候補者に公開質問状を提出し、所信 表明を求めたところ、「候補者個人 が『公開討論会』に応じ たり、『公開質問状』に回答をすることはふさわしくない」 という「回答」を理事長が寄せるという奇妙な事態がおこり ました。その結果、各候補者は「公開質問状」には回答せず、 「総長候補者に推薦されて」という短文を提示されただけで した。学友会・連合院生協議会・教職員組合は、10月12日に 「学園創造フォーラム」 を開催し、3人の候補者の出席を求 めましたが、どの候補者も出席されませんでした。こうして 選考委員は、総長候補者を評価するに足る十分な材料を持た ないまま選考せざるをえない事態となりました。 第5に、10月15日に開かれた総長選考委員会では、95名の 選考委員が投票を行いましたが、推薦委員会の推薦した3候 補すべてを不信任とする「無効票」が25票投じられた一方、 あきらかに候補者によるものとは見られない「選挙運動」の 結果、第2位・第3位の候補者には、5票と3票しか投じられな いという異常な結果となりました。総長選任規程第2条には、 「学園の構成員の意向を反映して、候補者の推薦と選考を行 い、その結果を踏まえ理事会が決定する」とされています。 今回の総長選任プロセスを主導したのは理事長であり、「学 園の構成員の意向」を正確に反映させるという重大な責務が あったはずです。この点に照らしたばあい、理事長のこの間 の行動には大きな問題があり、このような異常な投票結果を 招来したといわざるをえません。またこの間の事態は、「総 長選任規程」自体にも大きな問題があることを示したと考え ます。 以上のような経緯をふまえて、新総長に就任される川口清 史教授にたいして、私たちは、つぎの3点を要請します。 (1)理事会は、今後の学園創造の基本となるべき文書とし て「中期計画」を提案しましたが、ほとんどの教授会におい て反対ないし危惧の念が表明されています。それにもかかわ らず、理事会は、教授会や学生自治組織の合意を得る努力を 途中で放棄し、「自らの責任で中期計画を決定した」と宣言 するにいたりました。新総長におかれては「理事会の決定事 項だから従え」として、これを押し付ける立場をとらず、全 学の民主的合意を踏まえた学園創造の大道を歩んでいただき たい。 (2)今回の総長選挙のなかで噴出した問題点を正しく総括 し、「学園構成員の意向を反映」させ、民主主義を回復する 方向で、総長選任制度のありかたを改革していただきたい。 (3)昨年来理事会は、何の合理的な説明もできないままに、 教職員の臨時給与の1か月分カットを強行しました。新総長に おかれては、教職員の勤労生活条件にも配慮されるなど、教 職員との信頼関係を取り戻すうえで積極的な役割を果たして いただきたい。 末筆ながら、このような方向での新総長のご健闘・ご健勝 を期待するとともに、私どもと意見を交換する場をもってい ただきたいと希望します。 2006年11月7日 発起人一同 (11月7日現在) 赤堀次郎、荒井正治、池田研介、小笠原宏、小野文一郎、 里見潤、吉田真(理工学部)、金丸裕一、佐藤卓利、田中宏、 藤岡惇(以上経済学部)、三浦正行(経営学部)、小堀真裕 (法学部)、朝尾幸次郎(文学部)、山下高行(産業社会学部)、 桂 良太郎(国際関係学部) 賛同者 |