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メッセージ162:
野路だより [2006.11.24 金]
【1】一時金取り戻しを展望する学習・討論会
【2】労働判例 「福岡雙葉学園事件」
立命館学園で働く方々へ

  一時金カットが定着し、大手私大の中で、財政的に最も好調だが、
  教員賃金が最も低い大学である、という事態が確定するかどうか
  の岐路にあるようです。従業員の賃金を低く抑えることは経営者
  の有能性を象徴するもののようですから幹部職員の鼻は高いと思
  いますが、学費は高いが教員賃金が同種の大学より1~2割も低い
  大学に自分の子供を積極的に進学させようと普通は考えないもの
  です。昨年の入試では、近隣私大の受験者が増えるなかで立命館
  だけは受験者数が大幅に減少しました。通常の変動範囲内のこと
  とはとても思えず、一時金カット以外にも、勢い余っての過誤が
  昨年度多発し、異変が広く認知され始めている結果とも推測され、
  心配です。

  この前紹介しましたように、スト権行使を組合に求める署名運動
  が今週から始まりました。22日(水)12時半現在で署名者数は、呼
  びかけ人以外で、大学教員 4 + (非組合員 2名)、高中教員1、
  職員2 だそうですが、APUからも賛同があるそうです。
  ( 署名の方法等 詳細 =>  http://ac-net.org/rtm/No/156 )

  立命館の経営陣が、労使間の信頼関係を一方的に崩そうとしてい
  るため、不本意ながらも「力」に訴えなければ当然の権利を守る
  ことも叶わないような組織に変貌し始めています。そのために、
  程度や種類の差はいろいろあるようですが、意気阻喪する人が多
  いと感じます。

  日本では、ストのような「力の行使」に、大多数の大学教員は生
  理的嫌悪感を抱くのではないかと推測しますが、そういう不快感
  に負けずに、不本意ながらも「力の結集」という手段に訴え、意
  欲が日常的に殺がれるような殺伐とした職場となることを防ぐこ
  とが、大学教員にふさわしい「理性的」行動ではないでしょうか。

  時が経過するにつれて異変は恒常的なものとなり、近未来に正す
  ことの困難は不可能の領域に近づき、加齢によ幹部交代が来る時
  まで忍耐強く気長に待つ以外に望みのない時が近づきつつありま
  すが、その間に多くの教職員が流出していき立命館の最も貴重な
  財産が失われていくのではないかと懸念されます。

  一ヶ月だけ組合員となることも可能だそうです。できるだけ多く
  の教員が、スト権行使を組合に要求し、ストを実現させ、ストに
  参加し、教員軽視の大学運営の進行にブレーキをかけることが、
  重要と思います。

  教員軽視は学生軽視と表裏一体ですから、ストへ向けた教員の動
  きは、良質の教育を受ける学生の権利を守ることにも直結してい
  ると思います。また、多くの教員が、日本社会を苦しめている雇
  用条件の悪化を利用し日本の大学教員雇用条件劣化に拍車をかけ
  るような種類の大学から脱却することに関心を持ちエネルギーを
  割くことは、立命館全体の教育・研究活動を賦活させる勢いを生
  むだけでなく、立命館への社会的評価を、草の根レベルでも高め
  るものと信じます。


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【1】[kinugasa-forum:0312] より転載
     一時金取り戻しを展望する学習・討論会 
    From: "toshiyasu saito" 
    Date: Tue, 21 Nov 2006 17:35:55
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《 11月24日(金)PM6:30-8:30
  衣笠・BKCキャンパス組合書記局・会議室
  林健一郎弁護士「福岡双葉学園裁判勝利判決の意義」》

《抜粋》

  双葉学園の判決は、ボーナスもまた賃金の一部であり、特段の事
  情がない限り不利益変更は認められないとしている点、教職員に
  は長年続いている給付基準に基づいた給付を期待する権利がある
  事を認めている点、一般の企業と異なり、学校はその使命に照ら
  して長期的、安定的に運営されなければならず、そこに働く教職
  員の給与を妄りに減額することも、教育の安定的な持続という観
  点から認められないとしている点等において、私たちの主張と軌
  を一にするもので、今後私たちが裁判闘争を展望した時に、依拠
  しうる論理を豊かに内包していると思われます。

       全文:http://ac-net.org/rtm/No/159

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【2】労働判例 「福岡雙葉学園事件」
                         (福岡高裁 平成17年8月2日判決)
    人事院勧告に基づく期末勤勉手当の減額の効力
    http://www.rodo-journal.co.jp/hanrei844.html
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《 判決の要旨から抜粋 》

「理事会で従前の実績を下回る支給額が決定された場合も、それは
  労働契約の内容を労働者に不利益に変更するものであるから、そ
  れが効力を有するためには、原則として個別に労働者側の同意が
  あることが必要である。したがって、労働者側の個別の同意がな
  い場合において、当該減額の変更が有効であるといえるためには、
  その減額が必要やむを得ないものであるなど合理的な理由があり、
  かつ、相当であるなど、特段の事情がなければならない、と。」