立命館学園で働く方々へ 一時金カットが定着し、大手私大の中で、財政的に最も好調だが、 教員賃金が最も低い大学である、という事態が確定するかどうか の岐路にあるようです。従業員の賃金を低く抑えることは経営者 の有能性を象徴するもののようですから幹部職員の鼻は高いと思 いますが、学費は高いが教員賃金が同種の大学より1~2割も低い 大学に自分の子供を積極的に進学させようと普通は考えないもの です。昨年の入試では、近隣私大の受験者が増えるなかで立命館 だけは受験者数が大幅に減少しました。通常の変動範囲内のこと とはとても思えず、一時金カット以外にも、勢い余っての過誤が 昨年度多発し、異変が広く認知され始めている結果とも推測され、 心配です。 この前紹介しましたように、スト権行使を組合に求める署名運動 が今週から始まりました。22日(水)12時半現在で署名者数は、呼 びかけ人以外で、大学教員 4 + (非組合員 2名)、高中教員1、 職員2 だそうですが、APUからも賛同があるそうです。 ( 署名の方法等 詳細 => http://ac-net.org/rtm/No/156 ) 立命館の経営陣が、労使間の信頼関係を一方的に崩そうとしてい るため、不本意ながらも「力」に訴えなければ当然の権利を守る ことも叶わないような組織に変貌し始めています。そのために、 程度や種類の差はいろいろあるようですが、意気阻喪する人が多 いと感じます。 日本では、ストのような「力の行使」に、大多数の大学教員は生 理的嫌悪感を抱くのではないかと推測しますが、そういう不快感 に負けずに、不本意ながらも「力の結集」という手段に訴え、意 欲が日常的に殺がれるような殺伐とした職場となることを防ぐこ とが、大学教員にふさわしい「理性的」行動ではないでしょうか。 時が経過するにつれて異変は恒常的なものとなり、近未来に正す ことの困難は不可能の領域に近づき、加齢によ幹部交代が来る時 まで忍耐強く気長に待つ以外に望みのない時が近づきつつありま すが、その間に多くの教職員が流出していき立命館の最も貴重な 財産が失われていくのではないかと懸念されます。 一ヶ月だけ組合員となることも可能だそうです。できるだけ多く の教員が、スト権行使を組合に要求し、ストを実現させ、ストに 参加し、教員軽視の大学運営の進行にブレーキをかけることが、 重要と思います。 教員軽視は学生軽視と表裏一体ですから、ストへ向けた教員の動 きは、良質の教育を受ける学生の権利を守ることにも直結してい ると思います。また、多くの教員が、日本社会を苦しめている雇 用条件の悪化を利用し日本の大学教員雇用条件劣化に拍車をかけ るような種類の大学から脱却することに関心を持ちエネルギーを 割くことは、立命館全体の教育・研究活動を賦活させる勢いを生 むだけでなく、立命館への社会的評価を、草の根レベルでも高め るものと信じます。 ----------------------- 【1】[kinugasa-forum:0312] より転載 一時金取り戻しを展望する学習・討論会 From: "toshiyasu saito" Date: Tue, 21 Nov 2006 17:35:55 ----------------------- 《 11月24日(金)PM6:30-8:30 衣笠・BKCキャンパス組合書記局・会議室 林健一郎弁護士「福岡双葉学園裁判勝利判決の意義」》 《抜粋》 双葉学園の判決は、ボーナスもまた賃金の一部であり、特段の事 情がない限り不利益変更は認められないとしている点、教職員に は長年続いている給付基準に基づいた給付を期待する権利がある 事を認めている点、一般の企業と異なり、学校はその使命に照ら して長期的、安定的に運営されなければならず、そこに働く教職 員の給与を妄りに減額することも、教育の安定的な持続という観 点から認められないとしている点等において、私たちの主張と軌 を一にするもので、今後私たちが裁判闘争を展望した時に、依拠 しうる論理を豊かに内包していると思われます。 全文:http://ac-net.org/rtm/No/159 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【2】労働判例 「福岡雙葉学園事件」 (福岡高裁 平成17年8月2日判決) 人事院勧告に基づく期末勤勉手当の減額の効力 http://www.rodo-journal.co.jp/hanrei844.html ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 《 判決の要旨から抜粋 》 「理事会で従前の実績を下回る支給額が決定された場合も、それは 労働契約の内容を労働者に不利益に変更するものであるから、そ れが効力を有するためには、原則として個別に労働者側の同意が あることが必要である。したがって、労働者側の個別の同意がな い場合において、当該減額の変更が有効であるといえるためには、 その減額が必要やむを得ないものであるなど合理的な理由があり、 かつ、相当であるなど、特段の事情がなければならない、と。」