立命館学園で働く方々へ Dear colleagues, 今年度の一時金は昨年度と同じ5.1ヶ月+10 万円とすることを 常任理事会は組合に昨日回答しました。種々の問題における 視野狭窄と硬直化が顕著になっている常任理事会への信任を 全学的に問わなければならない時期が、残念ながら、近づい ているようです。 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ BKCでの芦田先生の講演会について、司会をされた藤岡先生が 内容を紹介されています【1】。空洞化した「中期計画」への 藤岡先生の強い危惧は、琵琶湖草津キャンパスBKCの展開に力 を入れてきた方だけに深く訴えるものがあります。 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 今週の常任理事会で生命科学系の新学部構想が承認され、こ れから各学部・学系・学科での議論が始まります。この構想 について久保先生が次回BKC月曜会(6/5)で話題提供されます。 ==BKC月曜会6/5予告(未定稿)======== 話題: 立命館の教育はどうあるべきか: 『新学部構想における立命館の教育』 話題提供者: 久保 幹 先生 (化学生物工学科教授 前BKC教学副部長) ========================== ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ APU元常勤講師の方が地位保全の仮処分申請をされました 【2】。地位保全の仮処分申請の審査は厳しく、その結果には かなり重みがあるようですので(*)、申請が認められただけで も立命館はかなりダメージを受けます。しかし、関係者双方 が種々の場で主張してきたことを聞くかぎり、この申請が認 められる可能性が高く、法人が抗告し裁判となっても法人が 勝つ可能性はかなり低いと思われます。このような裁判に学 費を使うことは学校法人としての立命館の社会的評価を低下 させることは確実で、このような道を選んだ常任理事会の責 任はたいへん重いものと思います。一構成員として、できる だけ早く和解し立命館の社会的信用をこれ以上傷つけないこ とを切に望みたいと思います。同様の思いを抱かれる方は、 その意を、元常勤講師の方へのカンパ(**) や「常勤講師の雇 用継続をもとめる要請書」への署名(***)などにより表明され ますように呼びかけます。 (*) http://plaza.rakuten.co.jp/kenryu/diary/200407280000/ (**) http://www.geocities.jp/apuunion/ 郵便振替 : 01750-5-75138 口座名:大分地域労働組合 APU分会 (***) http://university.sub.jp/apu/ --------------------------- 【1】学園づくりの輝かしい伝統と今次の中期計画づくり との大いなる断絶 --月曜会の公開研究会ーー芦田文夫先生の 「立命館の戦後史の講演」を聞いた感想 藤岡 惇(経済学部教員) 【2】APU元常勤講師 地位保全仮処分申請の報道より http://ac-net.org/rtm/No/46 朝日新聞(2006/5/27 大分) 「解雇は不当」、仮処分を申請 APU元常勤講師 京都新聞(2005/5/27 夕刊) 雇用契約更新求め元講師が仮処分申請 /立命館アジア大 大分合同新聞(2006/5/27 朝刊) 解雇無効と仮処分申請 元APU講師 今日新聞(2006/5/27 )[別府の地元紙] APU元日本語常勤講師大分地裁に仮処分申請 ------------------------ 【1】学園づくりの輝かしい伝統と今次の中期計画づくり との大いなる断絶 [ml-cm-bkcmf 283, Thu, 01 Jun 2006] より転載 学園づくりの輝かしい伝統と今次の中期計画 づくりとの大いなる断絶 --月曜会の公開研究会ーー芦田文夫先生の 「立命館の戦後史の講演」を聞いた感想 藤岡 惇(経済学部教員) 立命館学園の創立記念日の5月19日(金曜) に、月曜会主催の公開研究会として、芦田文夫 (百年史編纂室長)先生をお招きして、「立命 館民主主義から学ぶもの」と題したご報告をお 聞きした。出席は、学生も含めて30名あまり だった。 芦田先生は経済学部の教授で、1980年代末 に教学部長をされ、90年代の大南学長時代に 副学長をされた。名誉教授になられた後は、立 命館100年史の作成に尽力され、このたび戦 後から1980年頃までを対象にした『百年史 の通史2』――1450ページという大冊編纂 の中心的役割を果たされた方である。 「現場の実態を直視した教学改革・学園づくりの 伝統こそが、戦後の立命館を発展させてきた原 動力であった」という論点を中心に、内容を紹 介し、私の感想を付させていただきたい。 芦田先生は、かつての立命館づくりの長期計 画ーー3長(第3次長期計画)・4長・5長の 作り方には、つぎのような特徴があったと述べ られた。 すなわち(1) いくつもの部会をつくり、現場に 通暁した教職員――時には100名近くが参加 して、(2) 1年近くも議論をして、何回も教授 会・職場会議との間を往復して、作り上げてき た。(3)その際には、長期的目標を哲学的な次元 にまで掘り下げて鮮明にしてきたこと、(4)学生 の実態と社会的要請とを吟味し、教学面で何が 欠けており、どのような改革と教学創造が必要 かを、現場の実態を知る構成員の周知を集める かたちで議論してきた、(5) 改革が財政面でも 実現可能なのか、どうかも慎重に計算して、構 想を固めてきた、といわれた。 「急げば回れ」という言葉があるように、深いレ ベルでの全学合意の形成こそが、全学の確信の 源泉となり、全学が「政策」で団結する状況を うみだした。このようなプロセスがあったから こそ、全学の賛同のもとで理工学部のBKCへ の拡充移転という大事業も実現したのであった、 と説かれた。 この講演の趣旨は、経済・経営学部のBKC移 転の際の政策形成の一端に参画した私の経験か らしても、うなずける指摘であった。 ここから後は、私の感想であるが、この伝統に 照らしたばあい、最近の「中期計画」づくりの ずさんさ、実態的根拠の「空洞化」ぶりには、 目を覆うものがある。なぜそうなっているのか。 (1)主たる動因が、外の政府文部省や経済界から どうすれば、お金を引き出せるかに偏りすぎて いる。したがって情勢分析がまことに空疎ない し不正確であり、学園づくりの長期的目標の哲 学も不確かなままだ、(2) 現場の学生の実態と 要求、これを知る教職員を土台にした政策づく りという視点が弱く、総長理事長室を中心にし たごく一部の「エリート職員」が頭のなかで考 えだした「政策」という面が目立つ、(3)しかも 財政的な裏づけにもほとんど触れていない。も し財政赤字になれば、いっそうの学費値上げと 教職員の賃下げ・非正規化を進めればいい、と 安易に考えているのではないか、という不信感 が深まらざるをえない。 これでは全構成員が中期目標の実現のために、 奮い立つようなパワーなど出てくるはずがない。 スクラップされるのではないかという恐怖と競 争の鞭だけでモチベーションは十分だと考えて いるのではないか。全構成員自治も教授会自治 も、むしろじゃまものになった、トップに独裁 的な権限を与えてくれたならば、すばらしい学 園創造が可能だと考えているのではないか。教 員が曲がりなりにも、参画してきた調査企画室 が解体され、今や事務職員が牛耳る「総長理事 長室」に企画作りの権限が集中してしまった。 その「成果」として彼らが生み出しえたものが、 この雑で空洞化した「中期計画」にほかならな かった。理事会独裁のトップダウン型の学園創 造の道は、どこにわれわれの立命館を連れて行 くのだろうか。 ------------------------ 【2】APU元常勤講師 地位保全仮処分申請の報道 http://ac-net.org/rtm/No/46 朝日新聞(2006/5/27) 大分県 「解雇は不当」、仮処分を申請 APU元常勤講師 別府市の立命館アジア太平洋大学(APU)か ら昨年度末で雇用契約を打ち切られた元常勤講 師が26日、「解雇は不当」として地位保全を 求める仮処分を大分地裁に申請したと発表した。 申立書によると、元講師は4年契約で02年度 に着任した。開学前の99年に大学側が開いた 労働条件に関する説明会では「契約終了後も継 続雇用され、定年まで働ける」と説明されたの に契約が更新されなかったと主張している。 大学側は「指摘されるような事実はない。法廷 の場で大学の見解を改めて主張する」とのコメ ントを出した。 ------ 京都新聞(2006.5.27夕刊) 雇用契約更新求め元講師が仮処分申請 /立命館アジア大 本人が希望する限り雇用契約を更新できるとの 約束を破られ解雇されたとして、立命館アジア 太平洋大(大分県別府市)の元講師が二十七日 までに、大分地裁に地位保全などを求める仮処 分を申請した。 申立書によると、元講師は二〇〇二年四月から 四年の任期で同大に着任した。大学側は着任前、 「任期はあるが定年まで何回でも更新できる」 と説明していたが、〇五年になり、「〇六年三 月末で契約を終了する」と通達。元講師の契約 は更新されなかった。 大学側は「解雇ではなく雇用期間が終了したと いうこと。定年まで働けるとは説明していない」 としている。 ------ 大分合同新聞 2006年5月27日 土曜日(朝刊) 解雇無効と仮処分申請 元APU講師 http://www.geocities.jp/apuunion/page-24.html 立命館アジア太平洋大学(APU、別府市)に勤務 していた日本語常勤講師一名が、当初の約束に 基づき雇用の継続を求めていたにもかかわらず、 解雇されたのは無効と主張し、学校法人立命館 を相手に地位保全と賃金などの支払いを求める 仮処分を二十六日までに、大分地裁に申し立て た。 申立書などによると、その常勤講師は二〇〇二 年四月から〇六年三月までの任用期間で採用さ れたが、大学側から「一応任期はあるが、本人 が望めば六十歳の定年まで更新ができる。ただ し、昇格も昇給もない」と説明を受けたという。 しかし大学側は〇五年五月に「任期満了後、本 人が望んでも更新しない」と通知したという。 APUは「常勤講師制度は有期限雇用の制度であり、 『定年まで更新できる』と説明したこともない」 との見解を示しており、「法廷で大学の見解を あらためて主張したい」としている。 (転載時に、個人情報を省き引用ミスを修正。) ------ 今日新聞(2006/5/27)[別府の地元紙] APU元日本語常勤講師大分地裁に仮処分申請 http://today.blogcoara.jp/beppu/2006/05/post_293e.html 立命館アジア太平洋大学(APU)の元日本語 常勤講師が3月末で解雇されたことを不当とし て18日、大分地裁に地位保全の仮処分申請をし た。26日に発表した。 申立書によると、開学前の99年10月24日にあっ た説明会で大学側から「一応任期はあるが、本 人が望めば60 歳の定年まで更新ができる」とい う説明があり、多くの常勤講師らはこの更新約 束が確認できたので、他大学などへの応募をと りやめたり、他の職を辞めて着任したという。 しかし、大学側から05年5月に「更新しない」 と回答があり、その後常勤講師らは組合を結成 して団体交渉を行ったり、県労働委員会のあっ せんを受けたりしたが、大学側は雇用継続を拒 否している。 元常勤講師は「できれば司法の場に移る前に解 決したかったので残念。APU開学前から頑張っ て尽力してきたのは継続的・長期的視野から、 力を注いできた。そういう常勤講師に対してひ どい扱いではないかと思う」と話している。 ============================== 編集発行人:辻下 徹 Toru Tsujishita ( BKC 教員 ) 連絡先:tjst@rtm.ac-net.org