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メッセージ76:
物理学科に提出された意見を許可を得て転載
物理学者のソボクな疑問
1. 基本金と支出超過の危機

「新財政政策」3ページには、2010年には、

その他の収入が2006年度予算と...消費収支では支出超 
過の構造に陥る危険性がある

とあります。これはうしろについている「消費収支の構成」という表 
に基づいた記述です。
この2010年を見ると消費収入602.2億円消費支出 
635.8億円で収支差額33.6億円の赤字(上向き三角)
となっており、これを危険といっていることになります。
ところが収入の欄の中に基本金組入額というのがあって90億円 
があらかじめ差し引かれているのがわかります。
数字上での赤字の最大の原因はこれです。

先日の説明によると、基本金というのは毎年一定額を取り置いている 
もののようです。
つまり、

ある家族がいて、将来にそなえて毎年100万円はkeepし 
ておこうというような考えかと思われます。

そして危険性というのは、

今年は差し引き90万しか手元にのこらなかったから、 
100万円keepができない。

ということに思われます。
これを危機というのはよほど神経質な人です。
その年は90万keepにしとけばいいだけのことで、
赤字にさえなってません。
この家庭が危機になりうるのは、実は膨大な借金があってkeep 
している金は
実は借金の返済にあてられている場合です。それは危機でしょう。
しかしながら、本学がそういう状況にあるという話ではなかったと思 
います。
どうしてこれが危険性なのでしょうか。
基本金は建物をたてたりするのに使うという話がありましたが、
あがりの悪い年は建てるのやめればいいだけのことです。

2基本金の性質

先日の話では、基本金として蓄えられているものは現金(あるいは類 
似のすぐに使える形態のもの)
の他に建物・土地の不動産があるようです。
建物をたてると建設業者に金を払うことになりますが、
建物は大学の所有物になるので消費支出にならないということかと思 
います。
建設業者に払う金には建物の価値に相当する部分と工賃があるはずで、
後者は消費だと思うのですが、それはどう区別される(されない)の 
でしょうか。
基本金のうち土地・建物になっている部分はすぐにお金として使えな 
いという意味で
現金とは性質が異ります。基本金には自由エネルギーとエントロピー 
項があるということになります。
自由エネルギーはどれだけあるのでしょうか。
また、建物の時間変化は不可逆過程(老朽化)なので自由エネルギー 
は時間がたつと減少すると
考えられます。

3文章全体について

この大学の中枢にいる人々は、学生にわかりやすい講義をしろと口う 
るさく言っています。
このことそのものは悪いことではありませんが。
彼らが配布する文章は教職員一般を対象としたものです。
したがって、彼らの論理に従えばそれは財務会計の専門家以外にも 
(場合によっては学生にも)
わかりやすい文章であるべきと思いますが、
とてもそうとは言えません。
この方たちは人にいうことと自分がやることは違っていても何も感じ 
ない種類の人間なのでしょうか。

4私学とビジネス

以上のようなことを考えていると、私学は実はもうかっているのでは 
ないかというような気がしてきます。
企業は株主に配当をださないといけないので、その性質上もうけなく 
てはなりません。
しかしながら大学にそれはありません。
おまけに学校法人で、税金をまけてもらっているはずです。
これでは私学といえども儲けてはいけないのではないでしょうか。
もうかるんだったら税金をはらえということになりかねません。
大学は収支とんとんにして運営していってはじめて(財務上の)その 
社会的責任がはたせるということに
なるはずです。
それでは起こりうる色々なことに迅速に対応できないという意見があ 
ります。
理事長はそう言ってました。
彼らは大学運営をビジネスとして考えており、迅速にビジネスチャン 
スに対応しなければ、
損をするという考えのように思われます。
上の議論からこれはまちがっています。
それなら、大学法人をやめて株式会社にしてバンバンもうけて、ちゃ 
んと税金はらうというのが
正しいやりかたです。
大学はじっくり考えて将来を見据えるべきで迅速である必要はないの 
ではないのでしょうか。
余裕があるのならなおさらです。
これをまちがえると堀江君や村上君(彼らは迅速ではあった)のよう 
になる、
それこそ危険性があります。