[amp 2010-09-28-2] 元総長・理事長室室長『「9月22日付文書」を読んで』
立命館大学の教員のみなさま
Cc: 学園のみなさま
元総長・理事室室長の鈴木氏がキャンパス問題について関係者あてに3度目の
メッセージを送付していますので添付します。その中に、9月22日(水)の
常任理事会で報告され、本日の教授会に提示される予定の最終文書「特別委員
会の検討結果」の分析と、9月24日(金)に出された財政見通しについての
吟味があり、「消費支出の内、教研管理費が2015 年度が378億7946 万円に対し
て2020 年度は381億5711万円としている。鳴り物入りの教育の質の向上はどう
なったのか。五年間でたった3億円しか増えない。いかに建設重点の財政になる
かを自ら認めている試算である。」と指摘しています。
http://ac-net.org/rtm/campus/doc/2010-09-27-suzuki.html
┌───
│NO8 常任理事ならびに関係各位へ
│ 「9月22日付文書」を読んで
│
│ 2010年9月27日 元立命館総長・理事長室室長 鈴木元
│
│
│(1)文書の起案者(部課等)ならびに変更理由、性格を明確にすべきである
│
│ この間、「茨木キャンパス問題」を巡って推進者から矢継ぎ早に文書が出され
│ ている。立命館においては従来、全学に下ろす文書は、起案部課か明記され、
│ どの会議体で審議され、どのような性格の文書であるかが記され、扱われ方が
│ 明示されて下ろされたていた。しかし今回の「茨木キャンパス問題」の一連の
│ 文書に関しては、起案者が不明確であり、かつどの会議体で審議され、どのよ
│ うに扱うのかが記載されていない文書であり、おろされた側は扱いに困らざる
│ を得ない文書となっている。
│
│ 1) 例えば「9月15日付文書」は、
│
│ (i)常任理事会に提出された文書(資料2.5)では、表題は「『キャンパス創造』
│ に関する正確な理解について」となっており、起案部課は明記されずただ常任
│ 理事会となっている。(ii)ところが教授会などに下ろされた文書では、表題は
│ 「『キャンパス創造構想』に関するいくつかの指摘に関わる説明について」と
│ 変更されている。そして発行は新中期計画特別委員会となっている。(i)と
│ (ii)は別の文書なのか、それとも(ii)は(i)を修正したものなのか、文面上では
│ 分からない。
│
│ ところで(i)は、常任理事会において説明用に提出されたが、常任理事会が常任
│ 理事会に説明するわけではなく、文書起案者を明記すべきである。なぜ(i)の常
│ 任理事会から(ii)では特別委員会に変更されているのか説明する必要がある。
│
│ 次に(i)の文書は「民主主義を実現する会」の文書にたいして「事実誤認を防い
│ でまいりたい」としている。しかし(ii)の文書では「民主主義を実現する会」
│ という文言は消え、一般的に「様々なご意見が寄せられ・・事実誤認に基づく
│ 御意見も散見されますので・・」としている。なぜ変更されているのか、読み
│ 手には分からない。(ii)の文書は、特別委員会の発行形式となっているが、9月
│ 15日の常任理事会終了後に特別委員会が開催され、特別委員会の見解としてこ
│ の文書を出すことが確認されたのかも分からない。
│
│ 次に(i)の文書では、土壌汚染問題に関して「特別委員会においては、当該用地
│ の情報として土地改良済みとの報告を2回(5/26 6/25)行っています。」と記載
│ されている。ところが(ii)の文書では、この記載が消えている。重要な事実問
│ 題である。同じ日付で出されている文書でこのような変更を行いながら、なん
│ の説明もないというのは提案者達のいい加減さを露呈する結果となっている。
│
│ (注(i)) なお、**常務、**財部付部長が、昨年の秋に長田理事長に、「山の
│ 内は見通しが立たない」「茨木の土地が優良物件」として進言した当時は、毎日
│ 何十台というダンプが走り回って汚染土壌除去の工事をしている最中であった。
│ にもかかわらず、この重大な問題がまともに報告されてこなかったこと。
│
│ (注(ii))また私は、ビール工場跡地に、なぜこれだけ大量の土穣汚染があった
│ のか不思議であったが、サッポロビールのホームページには「原因不明」とさ
│ れている。ところが国土地理院のホームページから過去の地図を調べると、こ
│ の地域にはかつて日本専売公社の大規模なたばこ工場のあった。たばこの製造
│ 過程ではこれらの物質を使用する。今回の経緯からするとサッポロビールは、
│ これらの汚染物質を除去せずにビール工場を建てた可能性が大きい。サッポロ
│ ビールによる汚染土壌除去報告だけではなく改めて第3者による調査が必要な土
│ 地であると考える。
│
│2) 9月15日付文書と同じことが9月22日付文書についても見られる。
│
│ まず、「特別委員会検討結果を報告するにあたって」とする文書、(i)常任理事
│ 会に提出されている文書では、「2010年9月22日 常任理事会 立命館総長 川
│ 口清史」となっている。(ii)しかし全学配布資料では「2010年9月22日 立命館
│ 総長・特別委員会委員長 川口清史」となっている。常任理事会が全学に下ろ
│ すのであれば、「特別委員会(委員長 川口清史)から検討結果が報告されまし
│ たので、全学での検討のための資料として配布します」(常任理事会)というこ
│ とになる。あくまでも検討のための一つの素材である。
│
│ ところで川口清史総長名による文書には黙過できないことが記載されている。
│ しかもまたしても重要な事項で(i)と(ii)では文書の内容が変更されている。こ
│ れでは常任理事会に参加した学部長は責任をもって教授会で説明できない。
│
│ (i)では「キャンパスを含め、教学条件整備の前に教学内容が確定されなければ
│ ならないとの意見には根拠がないと考えてます。キャンパス創造や人的体制の
│ 充実による教学の質的向上の取り組みは、それ自体が教学展開であり、そうし
│ た議論が先行することは十分ありうることであり、今次中期計画においてそう
│ いう方向を取ることは当初から明らかにしてきたことです。
│
│ (ii) は「ただ、キャンパスを含め、教学条件整備の前に教学内容が確定されな
│ ければならないとの前提は、その時々の状況によっては必須ではないと考えて
│ います。キャンパス創造や人的体制の充実による教学の質的向上の取り組みは、
│ それ自体が教学展開であます。また、キャンパス整備ばかり注目されますが、
│ 人的体制の充実も新中期計画では目指しており、これも特別な教学新展開や教
│ 学のグランドデザインといったものを前提とせず、既存教学の質的向上を目的
│ とするものです。今次中期計画ではそういう方向を目指してきました。
│
│私の意見
│
│ ◆衣笠キャンパス狭縊克服は全学の認識が一致していることであり、京都市内
│ で朱雀のような土地が購入できる可能性があった場合、全学討議など必要なく、
│ 常任理事会の判断と責任で購入すれば良い。その場合、購入できる土地の面積
│ に応じて後日、移転させる施設を検討するというやり方はありうることである。
│
│ ▲しかしいま問題になっているのは、そうではなく「立命館大学を三分割する
│ ために、第三キャンパスを大阪の茨木に展開するために土地を購入し、衣笠か
│ ら政策科学部、BKCから経営学部を移転させたい」という提案である。これほど
│ 大学の今後の帰趨を決める問題は、最終的に理事会が決めることであっても、
│ 全学討議に基づく合意によって進めなければならない。「まず土地の購入し、
│ そのあとで教学の構想を検討する」などは本末転倒であり、このような文書を
│ 大学の教学の責任者である総長名で出されることに、この構想の根本的問題が
│ あると考えられる。ところで「そういう方向を取ることは当初から明らかにし
│ てきたことです」は、どこで明らかにしたのか明確にする必要がある。
│
│ ▲なお立命館の将来の帰趨を決め数百億円という支出を伴う計画であり、最終
│ 的に契約者となる長田理事長は、先日の「組合説明会」に出席し、自らの判断
│ を述べるべきであったが「出て来ないという無責任な態度を取っていることは
│ 許されるべきではない。
│
│ またこのような案件の進め方は、常任理事会に対して、企画部門と教学部門が
│ 共同、もしくは特別委員会が提案し、その審議よる修正・合意に基づき、財務
│ 部門が土地を探し提案し、極まれば、そこへの人の配置などを総務部が提案す
│ るというのが機関運営の進め方である。
│
│ ところが第3キャンパス論などどこでも決まっていない段階で、推進者たちは京
│ 都市や茨木市と折衝し混乱を引き起こしている。そしてマスコミ報道や茨木市
│ 長の説明・答弁において「3学部10000名規模の移転」「山の内は狭い」「BKCに
│ は医学系」な立命館側からコミットしなければ言えない言葉がマスコミなどで
│ 報道されている異常な事態が生じている。
│
│(2)特別委員会の報告は、全学の疑問・意見に答えていない。
│
│ ところで今回、全学に配布された「特別委員会の検討結果」なる文書は、最終
│ 文書と銘打っているが、従来の焼き直しであり、この間、全学から出されてい
│ る疑問や意見に答えていない。以下、すでに提起している問題なので簡潔に結
│ 論だけ記す。
│
│ 1)「中期計画論議との関係
│
│ 「参加・参画」で中期計画を論議している最中に、突然、中期計画ならびに将
│ 来の立命館の帰趨を決めてしまうキャンパス三分割論に基づいて、何百億円も
│ かけて茨木の土地を購入契約するというやり方を実行する理由。
│
│ 2)「山の内」と茨木「山の内」は衣笠キャンパス狭縊克服のための有力な候補
│ の一つである。茨木は立命館大学を京都、滋賀、大阪に三分割する場合の候補
│ 地のひとつである。この目的の異なる二つの対象を第三キャンパス論で比較し
│ て優劣を判定することは間違っている。
│
│ 京都。滋賀・大阪に三分割することの是非そのものを丁寧に検討する必要がある。
│
│ 3)戦略的ビジョン無き茨木第3キャンパス論
│
│ 理工系の充実、自立できる規模拡大した理工系を実現するために、当時の国土
│ 法、抑制政策の下、滋賀県・草津市の協力でBKC展開を行ったが、二拠点に伴う
│ 様々な問題に直面している。
│
│ 学園アイデンティティーの形成、多様な学生の存在による切磋琢磨、教養教育、
│ 外国語、課外活動の一体化、事務体制、効率的な管理と財政など、2拠点よりさ
│ らに多くの問題が生ずる3拠点についての明確な対策が示されていない。
│
│ BKC展開では「文理融合」、APUの創設では「日本で最初の本格的な国際大学と
│ の戦略的・教学的ビジョンを明確にし、全学で共有し、二拠点化、二大学化の
│ 困難を乗り越える具体化をはかった。しかし今回は3拠点化の困難を乗り越えて
│ でも実施したい戦略的ビジョンが全く明示されず、ただ大阪に近いというだけ
│ で移転する提起を行い、政策と経営学部以外に移転する学部、また展開する教
│ 学すらも明らかにされていない。
│
│ これらの提起による論議による可否の判断抜きに、数百億円の投資などは考え
│ られない。お金があるかどうかという問題ではない。貴重な全学の財産を長期
│ 戦略に基づいて投資効果も考えて、何を重点に投資するかである。現時点での
│ 構想では、そのような積極的意義が認められないだけではなく将来に禍根を残
│ す危険がある。
│
│ 4)入試におけるメリット、デメリット
│
│ 京都に基点をおきながら全国から学生を集めている立命館が、茨木に第3キャン
│ パスを展開することのメリットとデメリットを正確に分析する必要がある。現
│ 在の地でも両方に合格した場合、関大より立命館、関学より同志社に入学して
│ いる。
│
│ 大学選択の基本は、その大学のスティタスであり教学である。京都の地にあっ
│ て同志社と切磋琢磨するのか、大阪北摂の地にあって関大と競合するのか、戦
│ 略的方向を明確にする必要がある。
│
│ 5)附属校とかかわって
│
│ 今回、立命館中高校の移転について110億円というシュミレーシュンが出されて
│ いるが、そのお金はどこから出すかを明確にする必要がある。
│
│ また後日、立命館高校のキャンパス用地の購入、慶祥の移転、小学校の移転な
│ どの提案はないということも明確にしておく必要がある。
│
│ 6)茨木市との協議内容の公開
│
│ 茨木市長の議員への説明において「立命館から3学部10000名が移転してくる」
│ 説明されとともに、提案者が常任理事会で説明した「131億円の支援を検討して
│ いただいている」に対して、市長は九月議会で「131億円の支援など約束してい
│ ない」と答弁している。誰がどのような権限で、なにをどこまで折衝している
│ のか情報を公開すべきである。
│
│ また提案者が「茨木市からの支援」について報告した内容について、私は正確
│ にする必要があると指摘したが、九月議会での市長の説明では「立命館がサッ
│ ポロビールから購入する12ヘクタールの中から茨木市が3ヘクタールを購入し、
│ 国の支援を空けて2ヘクタールを防災公園、1ヘクタールを立命館の学生と市民
│ が供用できる施設を建設したい」としている。また進入路について今回の説明
│ 書で「もともとあっ計画を前倒しする」としている。したがって私が(その一)
│ で指摘した通りのものとなっている。
│
│ 7)京都市ならびに滋賀県・草津市との関係
│
│ 京都市は、同志社大学が文系学部を今出川キャンパス周辺に移転させたいとの
│ 意向を受けて、当初上京区役所の建て替え移転先の一つとして想定していた元
│ の衛生研究所跡地を同志社に売却している。したがって「山の内」の売却先の
│ 有力候補の一つは立命館になる。立命館は誠意を尽くして京都市と交渉すべき
│ であったにもかかわらず「対象外」としようとしている。これは地元京都市と
│ の関係で極めてまずい結果を作ることになる。
│
│ また立命館の理工系の拡充移転先確保のために滋賀県と草津市が総計135億円に
│ 及ぶBKCの校地を提供していただき、また県会・市会議員の協力も得て学生マン
│ ションを確保していただき、さらに南草津駅の快速停車運動を推進していただ
│ いている。これらに対してどのように理解を得るのか。
│
│ 8)決定時期
│
│ 夏休みに入る直前の7月21日に提起し(最近の文書では7月21日と記載せずに、な
│ ぜか7月と書かれている)、9月末(9月29日の常任理事会)での集約、10月(10月
│ 29日の理事会)での決定・契約に対して「これだけ重要な問題をなぜ、十分な検
│ 討もせずに短期に拙速に決定するのか」という質問に対して提案者達は、(i)売
│ り手は売れるまで固定新税を払わなければならない。(ii)「競争相手が出てきて、
│ より高い価格が提起されている情報もあるとか言っている。所有者が固定資産
│ 税を支払わなければならないのはしはらは当たり前である。結局競争相手が手
│ できたので早くしなければならにないという主張である。
│
│ すでに私は、(その2)で提起していることであるが、(i)第3キャンパスが必要で
│ なければ競争相手にもならない。立命館がまず検討しなければならないことは
│ 大学を3分割して茨木市に第3キャンパスを作らなければならないことの是非で
│ ある。必要がなければ競争相手にはならない。(ii)次に、すでに現在9月末である
│ が、10月という差し迫った期日で判断しなければならないような競争相手の登
│ 場は茨木市においてもマスコミにおいても掌握されていない。サッポロビール
│ からそのような話が報告されているのであれば、それとして報告すれば良い。
│ 「言われているなどのまことしやかなうわさ話で全学の判断を誤らせてはなら
│ ない。
│
│
│(3)財政見通しについて
│
│ 「財政の見通しが出されていない」との意見に対して、28日(火)の教授会を前
│ にした24日(金)に今回、「財政見通し」の項を含んで下ろされた。したがって
│ 通常に見るのは27日の月曜日しかない。これでは教授会のための検討時間が無
│ さ過ぎる。
│
│ 私も改めて詳しく検討することにして、ここでは最小限度のことについて述べる。
│
│ 提案者は衣笠、BKCそれに茨木キャンパスを整備し、教員のST比の改善、新キャ
│ ンパス設置に伴うランニングコストの増と教職員の拡充を行っても、資金収支
│ で2015年度9億4972万円、2020年度4億4709万円の黒字になるので大丈夫である
│ としている。
│
│ 1 ところで前提となる新キャンパス関係の取得・建設費用の中に、秘かに言われ
│ ている慶祥の移転などが項目から抜けているのは当然であるが、鳴り物入りの
│ 衣笠とBKCの国際寮建設費用が抜けている。また原資として資産売却と自治体協
│ 力を想定した90億円を加えたとしているが「茨木市から131億円の支援」はどう
│ なったのか、しかも資産売却(深草のことと推定される)を含めて90億円になっ
│ ているのが、これはどういうことか。
│
│ 2 10年間の整備費として総計502,5億円とし、財源としては経常予算から4年間毎
│ 年30億円で合計120億円、将来構想資金から300億円、そして先の資産売却と自
│ 治体からの協力金90億円で計510億円としている。教職員の人件費の増額は
│ 2020年度で38億円増を想定するとしている。
│
│ その結果、基本金組み入れ額は2009年度の98億9225万円が、2015年度には34億
│ 0271万円、2020年度は17億0093万円となると予測している。資産規模が3290億
│ 円を超える学校法人において、年間基本金組み入れ額を17億円としてどうして
│ 運営できるのか。
│
│ 3 消費支出の内、教研管理費が2015年度が378億7946万円に対して2020年度は
│ 381億5711万円としている。鳴り物入りの教育の質の向上はどうなったのか。五
│ 年間でたった3億円しか増えない。いかに建設重点の財政になるかを自ら認めて
│ いる試算である。
│
│ 4 他大学との次年度繰越消費支出差額の比較表を掲載し、2009年度、立命館は
│ 41億8336万円の黒字とし立命館の健全性をアピールしている。ところが2015年
│ 度には52億4484万円の赤字、2020年度には65億9311万円の赤字となると予測さ
│ れている。基本金の組み入れは17億円となり、毎年の消費収支でも65億単位の
│ 赤字が生ずると予測しているのである。倒産はしなくても、なにもできない硬
│ 直財政を後輩に引き継ぐ財政運営見通しである。
│
│ 5 なお慶応の1153億円、早稲田の829億円の消費収支赤字は主として財テクの失敗
│ によるものである。健全運営を行ってきた立命館についても財産目録を公開し、
│ 慶応や早稲田のようなことがないかはっきりさせる必要がある。
│
│
│ 私が(その一)(その二)でも指摘したように、限りある財源を何を重点に有効投
│ 資するのか、先輩から受け継いだ財産を適切に管理し、後輩にどのように継承
│ して行くのかが問われているのである。「お金がある」からと言って、どこで
│ も問題にもなっていなかった経営学部の茨木市への移転のために何百億円も使
│ 用するというやり方は再検討すべきである。
│
│ そんなことよりも謙虚に立命館の教育研究の現状分析し、その対策をきちんと
│ 立てる。衣笠キャンパス狭縊克服ならびに、国際寮の建設など、今さしまって
│ いる施設建設を手堅く進めることである。その中で第三キャンパスが必要であ
│ るとの合意が形成されれば、工場跡地を含めて茨木でなくても適切な場所は、
│ いくらでもある。
│
│(4) 複数の学部から「拙速に決定することには反対である」との教授会決議が
│ 出される見込みである時、総長選挙を前に決定・契約するという愚行を犯す
│ べきではない。
│
│ すでに私が指摘しているように、キャンパス問題というのは教学の必要性から
│ 出て来るものであり、この問題で全学の意見が分かれても強行し、新たな不団
│ 結を生じさせるようなことは学校運営としては愚の骨頂である。
│
│ どのような問題でも、教授会の中で多少の反対はありうることであるが、複数
│ の教授会が「拙速に決定することには反対である」と決議しようとしている時
│ に、理事会として強行することはやめておくべきである。そんなことをすれば
│ 総長選挙は移転反対派と推進派のあら誘いとなり、取り返しのつかない学内不
│ 団結を引き起こすことになる。
│
│ 提案者の一部には「土地の購入や建物の建設契約は理事会専決事項である」と
│ して暗に反対があっても「理事会が決定すれば良いことである」としている。
│ この人々は大学の改革とはなんであるかを全く理解していない。
│
│ BKCの開設、APUの創設事業において、その戦略的意義、教学的コンセプトを何
│ 年にもわたって議論し、教職員において目標の一致があったからこそ、多数の
│ 教職員が大分に赴任し取り組むことを志願する教職員が出たのであり、新しい
│ 文理融合や産学提携に挑戦したのである。
│
│ 大学は自発的創造的労働によって成り立っている職場である。戦略目標の一致
│ による教職員の自発性抜きに改革などできない。推進者は職場討議の集約文書
│ を謙虚に丁寧に読むべきである。私は一通り目を通した。現在の時点では多く
│ の教職員が疑問を呈し合意していない。このような下で「理事会の権限」を振
│ りかざして決定すれば、教職員は「現在の理事会になどに、何を言っても無駄」
│ と困難な三キャンパス問題を解決する創意工夫を発揮することを困難にする。
│
│ この間、学園は、一時金カット、慰労金、ガバナンス文書、評議員選挙問題な
│ どで混乱と不団結を産んで来た。しかしこれらの原因は基本的に執行部側の責
│ 任に属する問題であり、とりわけ長田理事長、**常務理事の責任に帰すると
│ ころが大きい問題である(詳細は、今後別途報告する)。両名は、今回、新たに
│ 茨木キャンパス問題で混乱を引き起こしており。そのリーダーとしての資質に
│ 欠けており責任を明確にする必要がある。
│
│ さらに注視すべき川口清史総長が「茨木キャンパス問題」とかかわって教学機
│ 関の最高責任者としては、あるまじき文書を総長選挙前に公にして発表した。
│ 混乱が広がるにつけその責任が問われざるを得ないだろう。
│
│ 以上
└───