独立行政法人は本来、国の行政機関のスリム化を効率的に行うために設けられた制度であり、高等教育と基礎研究を主要な任務とする国立大学にはまったくそぐわない制度です。実際、「独法化」の基本的枠組みを定める通則法では、国(文部大臣)が学長の任免権をもつこと、国(文部大臣)が3−5年の期間ごとに中期目標を定め、その目標の達成度次第で大学の改廃措置がとれること、達成度の評価は国(文部省)管轄下の評価委員会が行うことが明記されています。
このような制度は、「知」の継承と発展に不可欠な、学問の自由と大学の自治を踏みにじり、大学を国家政策の実行機関に変えてしまう危険性があります。
文部省は当初、反対していたにもかかわらず、「行革」推進の強い政治的圧力に屈服し、「独法化」の道を推し進めようとしています。このような文部省の変節ぶりに、私たちは強い憤りを覚えざるをえません。
私たちは、全国大学高専教職員組合(全大教)の仲間とともに、「独法化」反対の署名活動を行い、かつてない規模の署名を集めて文部大臣への要請行動を行うなど「独法化」阻止の行動を行ってきました。自民党文教部会の「提言」の中間報告では、「通則法の国立大学への適用は不可能ある。」とのべられ、我々の運動を一定程度反映したものになっていました。しかし、自民党内の意見調整の結果、その最終報告では「通則法100%そのまま適用することは不適切である。」が、「通則法の基本的枠組みをふまえつつ、大学の特性を踏まえた措置をする。」という、中間報告から大きく後退した記述になりました。これでは、我々の「独法化」に対する危惧は解消されません。
たしかに、国の財政悪化や、少子化、学生の学力低下など、いま、大学をとりまく客観情勢には厳しいものがあります。国立大学が真に国民のための大学として機能していくためには、厳しい自己点検にもとづいた大学の改革が必要となっています。しかし、それは今後の高等教育のあり方を十分に考慮し、大学人が自らが展望をもって主体的に行うものでなければなりません。国の一時的な政策に迎合し、「改革」と称して、大学が本来もつべき基本理念を大きく損なうような制度を導入することは絶対に避けなければなりません。それは、次の世代に対する大学人の責務でもあります。
私たちは、以上のような観点から、今後も「独法化」反対の旗を大きくかかげ、学内外の世論に訴えるとともに、大学人自らの手で21世紀をみすえた真の大学改革を推進するために、今後とも努力していく決意を表明し、ここに決議します。
2000年6月30日 名古屋大学職員組合理学部支部 第27期定期大会