==> 国立大学独立行政法人化の諸問題

国大協特別委専連 0521文書へのコメント(2)

未定稿。2001.5.26 。御意見はtujisita@geocities.co.jpへ。

通則法に強く反対すると前半で強調しているのに反し、あまりに通則法を尊重しすぎ
ており異様な印象を与える文書です(意見の対立する複数の人の合作で最終調整が済
んでいない)。

「国立大学法人化の1つのありうる枠組」は通則法を根本から修正するものはほとん 
どなく、個別法だけで対処できる部分が殆どです。それを明確にするために、中間ま 
とめ「国立大学法人化の1つのありうる枠組」の中の項目を通則法の該当する場所の 
あてはめてみました(【独立行政法人通則法への埋め込み】)

◆この中で、通則法をかなり変えると言えるようなところは次ぎの点だけです:

   II-3) 中期目標・中期計画の策定:中期目標は大学が申請し、文部科学大臣
   が認可する。(代替案:中期目標は、大学の申請を踏まえて、文部科学大臣が
   定める。)大学は中期目標を実現する具体的計画を中期計画として作成し、文
   部科学大臣に申請する。文部科学大臣は、これを審査し認可する。

   III-6)学長の選考:学長の選考は、各国立大学法人の評議会が行う。評議会
   による学長の選考に当たっては、外部者の意見を反映させる。

   II-17) 第三者評価の尊重:大学評価委員会は教育研究に係る事項については、
   大学評価・学位授与機構、その他の機関の行う評価結果を尊重する。

大学が通則法に強く反対する理由は何であったかを考えますと、それは、通則法が示 
す独立行政法人制度の骨格をなす

(1)文部科学大臣の中期目標指示
(2)文部科学省の学長任命権(設立時には指名権もある)
(3)事後評価を行政が行う
(4)定期的な大学改廃審査
(5)大学関係の財政負担義務の消滅(特に非公務員型の場合)
(6)文部科学大臣が指名する監事が役員となり学長と同等の権限を持つ

という点が、学問の自由と大学の自治を構造的に損なうためであったと理解し
ていま す。しかし、II-3 は(1)と実質的に変わりなく、III-6 も学長の
対教職員権限の絶大さに対するカウンターバランスとして不可欠な全学選挙
なしには意味がない。II-17 は(3)における参考資料作成という位置づけでしかない。



◆他に、現在の国立大学の良いところを保存するための項目がいくつかありますが、 
これは、むしろ、法人化しないほうが良い根拠にもなっています。

○現状維持のための項目
IV-6)運営費交付金の構成:運営費交付金は、政策的運営費交付金と外形標準
    的に決まる基盤的運営費交付金によって構成する。なお、災害等臨時的支出に
    ついては別途措置する。

IV-7)基盤的運営費交付金の算定要素:基盤的運営費交付金の算定に当たって
    は、収入・支出両面において各国立大学法人の業務内容、財務構造、規模等の
    違いが反映される算定方式、算定要素を導入する。


III-4) 教員に係る特例の考え方:教員人事に関しては、大学の自主性・自律
性を尊重し、教育公務員特例法の精神、考え方を取り入れた制度とし、大学の
内部規則で定める余地をできるかぎり設ける。

(国立学校特別会計解消の代替案)
IV-10)国立大学法人共同機関:今後の施設整備や法人の運営を円滑かつ着実
に進めるため、財政融資資金等からの借入を行う共同機関の設置を検討する。

○以下は法人化とは無関係に実現できること
III-22) 教員の兼業兼職:厳しい自己規律の下に、本務に支障のないかぎり
において、教員の社会的貢献のための活動を広く認め、そのために兼業兼職に
関する規制を緩和する(その場合、各大学における基本的考え方が異ならない
ようにガイドラインの作成を検討する。)

○以下は大学社会での合意はないこと
III-20)任期制教職員給与等:任期制ポストヘの異動を促進するような給与体
系を設けるとともに、競争的研究費のオーバーヘッドの一定割合を、任期付教
職員の人件費等に充当できる制度とする。

○以下は、今でも国立大学特別会計で対処できると思う。
IV-13) 地方公共団体の寄付:地方公共団体から各国立大学法人への寄付を可
能にする。

○以下は、独立行政法人化の未解決問題
II-23) 評価負担:評価が大学の加重(ママ)な負担とならない制度について
はさらに検討を加える。
II-24) 一層の検討:教育研究の自由を生かし、大学を活性化する評価制度
について求められる要件について、さらに検討を加える。
III-3)職員の身分:大学の教職員の身分については、国家公務員型を基本と
しつつ、非公務員型の可能性を含め、今後の人事制度の設計の過程で最終的な
結論を出す。

○以下は、独立行政法人は営利活動ができないことから、民営化へのインセン
ティブとなりかねない。
IV-16) 国立大学法人の出資:国立大学法人は、TLO等に出資を行うことがで
きるようにする。

まお、次だけは、昨年の国立大学協会総会の合意事項の再掲ですが、この
ような小さな項目ではないはずです。

I-30) 高等教育・学術政策協議の場:高等教育、学術についての中長期的な政
策と大学のあり方について検討する場を設ける。