「 ここで、報告書の内容に関連して、若干の私の所感を申し上げたいと存じます。
まず、第−に、国立大学等を取り巻く諸情勢が大きく変化する中で、一つ一つの国立大学等の存在意義が改めて問われており、国民や社会に対する説明責任が増大しているという点であります。
その点、今回の報告書では、各機関ごとに、一定期間の目標や計画を社会に対して明らかにし、また、第三者による事後的な評価を受けて、その存在意義を証明する、という視点が示されていることは、極めて重要なことと考えております。
また、こうした取り組みが、各大学等における教育研究活動の活性化や、個性ある発展にも大いに寄与することになるものと期待しているところでございます。
第二に、国立大学は、社会に対する説明責任から更に一歩を進め、経費の過半を税金により支えられる大学として、大学の外の社会との間で、意思疎通を図り、信頼関係を築いていくための積極的な取り組みが求められているという点であります。
その点、役員への招聘を始めとして国立大学の運営に学外者の積極的な参画を求めた今回の提言は、まことに時宜を得た画期的なものであると受け止めております。
また、今回の報告書そのものが、実は、国立大学関係者と学外の各界の有識者との間の相互理解と協力が、いかに有意義な成果をもたらし得るかということを実証しているのではないでしょうか。
第三に、そのような社会との間の信頼関係を基盤として、現下の困難な時代にこそ、国立の教育研究枚関として、国民や社会の期待に応えて、その持てる能力を存分に発揮し、時代や社会をリードしていくことが強く期待されているという点であります。
その点、国立大学法人の骨格を決める教職員の身分の問題、大学の運営組織の在り方、財務上の取扱い等について、過去の経緯にとらわれず、新しい時代にふさわしいものとすべく、精力的な御議論をいただきました。その結果、非公務員型の選択を含めて大胆に改革の方向性が示されたものと考えており、調査検討会譲の委員の方々のご見識に対しまして、私は、心から敬意を表したいと思います。」