総合科学技術会議 科学技術システム改革専門調査会配布資料2002.9.25
http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/system/haihu15/haihu-si15.html
「競争的研究資金制度改革について中間まとめ(意見)」
http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/system/haihu15/sanko2.pdf
平成14年6月19日
#(6月7日の科学技術システム改革専門調査会での議論は一体どこに反映されているのだろうか?)
【要約】
−−−−総合科学技術会議競争的資金制度改革プロジェクト−−−−
Ⅰ....競争的研究資金制度改革の必要性
○ 第2期科学技術基本計画期間中に競争的資金の倍増を目指すとされている
が、併せて、競争的資金の効果を最大限に発揮させるため、競争的資金制度の
運用面や制度の在り方について改革を行うことが必要である。
○ 米国の大学等においては、競争的資金の獲得と活用に、能力主義を徹底して、
競争的な環境を形成するための研究開発システムを構築し、世界最高の研究開
発成果の獲得と経済活性化のための技術革新を実現している。
○ 日本の大学等を中心とする研究開発システムは、競争的資金の獲得やその
研究開発が、必ずしも研究者の処遇や研究実施場所の確保等に反映されない、
若手研究者の独立性が低い、人材の流動性が不十分、研究者個人の責任と役割
分担が不明確になりがちなグループ研究が多い等の問題を有しており、研究者
個人の発想や能力を発揮する研究開発を推進すべき競争的資金制度の効果が最
大限に発揮されていない。
○ 競争的資金制度の改革を、以上のような実態を踏まえ、競争的資金の約8
割が配分されている大学等の改革と調整を図りつつ、検討することが必要であ
る。
Ⅱ.具体的な対応方策
競争的研究資金制度改革の必要性、日米英の制度の比較等を踏まえ、次のよう
な方向で競争的研究資金制度を改革する。
1.競争的研究資金制度に係わる経費の在り方
(1)直接経費と間接経費の在り方
○ 競争的資金を獲得した研究代表者が、自らの裁量により、研究従事者(ポス
トドクター、大学院生、技術者等)を選任し、研究費から研究従事者の給与を
配分できるようにするため、研究従事者の人件費の直接経費への計上を拡充す
ることを検討する。
○ 直接経費の給与への充当、研究実施場所の確保、間接経費の適切な執行等
が大学等の経営と密接に関連することから、国立大学法人化を考慮しつつ、競
争的研究資金の資金提供の形態及び提供先について、検討を進める。
○ 能力主義を徹底し、競争的な環境を形成するためには、研究者本人の当該
研究開発活動に係わる人件費についても、直接経費から充当するよう検討すべ
きである。本件は、現在検討が進められている大学改革の議論と密接に関係が
あるため、それらと調整を図りつつ検討する。
○ 間接経費は、第2期科学技術基本計画により、当面、間接経費比率30% を
目途として、平成13 年度から導入が開始された。今後、研究機関の標準的な
会計手法の確立を図る等により、研究機関ごとの間接経費比率の算定とその決
定手順についての検討を進める。
(2)競争的研究資金と基盤的経費等の在り方
○ 共通経費に使用される間接経費は、基盤的経費等の取り扱いと関連して検
討されるべきものである。また、研究費である直接経費の規模が拡大すること
から、基盤的経費における研究経費に相当する部分との関係について、教育経
費の在り方も含め検討されるべきである。これらの検討に当たっては、基盤的
経費について、その研究と教育の区分を考慮して、大学等の研究費の在り方を
検討する必要がある。
2.若手研究者の自立性の向上
(1)若手研究者の独立性向上
○ 若手研究者育成に配慮し、若手研究者向け資金を拡充する。
○ 競争的研究資金を獲得した若手研究者が、教授等から独立して独自の研究
開発を実施できるよう、競争的研究資金により研究従事者の雇用、研究実施場
所を確保することができるようにする。
(2)大学院生及びポストドクターの育成
○ 研究代表者は、研究開発課題の実施に参画する大学院生に対して給与を与
えることとする。
○ 競争的研究資金によってポストドクターを確保できるよう、その人件費の
計上を拡充することを含め、ポストドクター制度の見直しを検討する。
3.公正で透明性の高い評価システムの確立
(1)評価システムの見直しと評価体制の整備
○ 各配分機関は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(平成13 年11 月
28 日内閣総理大臣決定)に基づき、評価システムを見直すとともに、評価に必
要な予算、人材等の資源を確保して、評価の体制整備を行う。
(2)研究課題管理者(プログラムオフィサー)等の設置
○ 配分機関においては、競争的研究資金制度の一連の業務を一貫して、科学
技術の側面から責任を持ち得る実施体制が整備されるよう、各制度の個々のプ
ログラムや研究分野で課題の選定、評価、フォローアップ等の実務を行う研究
経歴のある責任者「プログラムオフィサー」を配置し、法人においては、これ
に加え競争的研究資金制度と運用を統括する研究経歴のある高い地位の責任者
「プログラムディレクター」を配置する。
○ 配分機関は、その実行計画を、平成15 年度の概算要求に併せて総合科学技
術会議へ提出し、最終的な配置体制は平成17 年度までに完了する。
(3)評価システムの確立
○ 申請書にはより詳細な研究計画を記載することとし、研究計画を十分理解
し、評価できる当該領域における業績を有する第一線の研究者を評価者とする。
その際、優秀な若手の研究者・技術者を積極的に選任する。
○ 公正な評価を確保するため、利害関係者の排除規定等を作成する。
○ 申請者に評価意見等の開示を行う。プログラムオフィサーが、評価内容等
の開示に関わる他、問い合わせや研究開発に関する相談に対応する。
○ 優れた成果が期待され、かつ発展の見込まれる研究開発については、研究
開発期間の終了前に継続のための評価を行い、切れ目なく研究開発課題が実施
される仕組みを各制度・プログラムに導入する。
○ 各府省は評価業務の効率化を図るため、研究開発に係わるデータベースを
構築・管理する。また、評価業務を効率化するため、申請書の受付、書面審査
や評価結果の開示等に電子システムを導入する。
4.競争的研究資金の効果的・効率的活用
(1)配分機関における資金の配分方針・配分方式の在り方
○ 配分機関は、将来急速に発展しうる領域に対して先見性と機動性を持って
的確に対応するため、各制度内における領域間・分野間・プログラム間等の配
分額を、科学技術振興の観点から、総合的、戦略的に検討する。
(2)研究開発の形態と研究代表者の役割
○ 研究者個人の創意に基づく研究開発を推進する競争的研究資金制度では、
個人研究を中心とする。グループ研究の場合は、事前評価にて、グループで行
う必然性、研究代表者の責任と権限、実施体制の評価を実施する。
○ 研究代表者を、課題全体の研究計画立案、研究費の使途等に裁量権を持ち、
課題の運営・管理、進捗に責任を有する者として位置付ける。
(3)規模の適正化
○ 一定の成果が得られるよう、1課題当たりに研究開発遂行に必要かつ十分
な研究費を配分し、研究開発期間は、3〜5年程度とする。
(4)競争的研究資金の弾力的運用
○ 研究費の弾力的運用のため、費目間振替に関わる制約の更なる弾力化、研
究開発課題の実施期間内の年度間繰越を柔軟に行えるよう検討する。
○ 年度当初からの速やかな研究費の支給等について、柔軟な執行を図るべく
努める。
(5)知的財産の帰属
○ 競争的研究資金による研究開発からの知的財産は、原則研究機関帰属とす
る。日本版バイドール条項を平成14 年度中に全ての委託研究開発制度に適用
し、米国並みの運用を導入する。また、委託研究以外のものにあっても機関帰
属となるよう、個々の競争的研究資金制度の在り方を検討する。
5.競争的研究資金制度に係る各府省要求分の全体調整
平成13 年12 月25 日の総合科学技術会議で決定された「競争的資金の制度改
革について(意見)」を踏まえ、今後以下のような具体的な対応を行う。
○ 「科学技術に関する予算・人材等の資源配分の方針」等により、各制度の
評価を踏まえ、各省の概算要求内容の方向性等について、意見を述べる。
○ 必要に応じて予算編成過程で財政当局との連携を含め、適切な対応を行う。
○ 各配分機関の制度改革の状況をフォローアップし、各府省へ意見を述べる。
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