==> 国立大学独立行政法人化の諸問題
藤田宙靖氏からの回答(1999.12.19) 辻下の質問状(1999.12.11)への返事

藤田宙靖氏からの回答(1999.12.19)

2000.1.27 の公開の回答で、このメールが引用されていますので公開します。
この回答への辻下の返事(1999.12.19)
Date: Sun, 19 Dec 1999 10:20:24 +0900
From: Tokiyasu Fujita
To: Toru Tsujishita
Subject: Re: 公開質問状

拝復 辻下 様

 多くの貴重なご指摘を頂き、有り難うございました。その間出張等多く、返信
が遅れてしまいましたこと、お許し下さい。

 さて、ご質問に関してですが、国立大学の独立行政法人化の背景・意義等につ
きましては、ご指摘のような見方もありましょうが、それとは異なった見方もあ
り、単純なものではないと考えております。しかし私は、その中のどのような考
え方を採るにせよ、いずれにせよ現状に於いて結局避けて通ることの出来ない問
題があると考えており、その問題とは何かを明らかにし、これにどう対処すべき
であろうか、ということについて論ずることこそが、私の役割であると心得て、
発言をしております。私にとっては、この問題こそが現下に於いて最も重要な問
題なのであり、ご指摘のような問題にここで立ち入りますと、問題の焦点がぼけ、
議論が拡散し、私が重要と考える問題についての周到な検討が進まなくなるので
はないかと危惧いたしております。このような意味で、私は、土俵を意識的に限
定した上で、これまで発言を致して参りました。
 このように、意識的に避けてきた問題につき意見を表明することを、しかも、
ことさらに「公開質問状」という形で要請される御趣旨ないし御意図が、正直申
して私には掴みかねます。恐らく、このように発言の土俵を限定すること自体に
つき、ご不満をお持ちなのだと存じますが、上記のように、私にはそれなりの考
えがあり、この限定を解除するつもりはございません。
 なお、誤解の無いように付け加えさせていただきますが、私は、ご指摘にある
ような「国立大学に独立行政法人を受け入れることが今は最善の道だ、と説得」
する努力をしているのではなく、国立大学の何らかの形での法人化は避けられな
い、との現状認識に立ち、そうであるとすれば、そのような法人とはどのような
ものであるべきであり、またあり得るか、ということについての私の考えを述べ、
広範な議論がなされることを呼びかけて居るつもりであります。研究者である以
上は、国立大学の独立行政法人化そのものに対し反対を表明し、少なくとも、こ
れを阻止する方向での言動をなすべきである、という前提から御覧になれば、両
者に相違はないではないか、ということになりましょうが、私自身に取りまして
は、両者の理論的意味合いは、全く異なります。

 なお、ご質問の中には、私の以上のような立場を前提としたとしても重要な、
貴重なご指摘がいくつかありました。すなわち「細かい点」としてご指摘になっ
ているいくつかの論点で、これらにつきましては、内容的には、お答えして然る
べきと存じますが、今回のご質問の御趣旨につき、全体として、先に述べました
ように疑問がございますので、ここではお答えを保留させていただきます。

 以上、ご不満が残ることは承知いたしておりますが、取り急ぎ私の返信とさせ
ていただきます。
                             藤田宙靖