==> 国立大学独立行政法人化の諸問題
To: Tokiyasu Fujita From: Toru TsujishitaSubject: Re: 公開質問状 藤田 様 ご多忙の中、ご返事頂きまして大変ありがとうございました。 まず、お願い致したいことがあります。頂きましたご返事を含め、今後のメールの往 復を公開させて頂けないでしょうか。 その必要性は藤田様が現在果たされている役割の測り知れないほどの大きさからご理 解いただけるのではないかと思います。 藤田様のジュリスト論文が国立大学の独立行政法人化推進の理論的正当化を与えたこ とはよくご自覚のことと思います。私もご論文を一読しましたときにはその説得力の ある議論に独立行政法人化は仕方のないものと思ってしまいました。 しかし、政治力学を離れて考えたときに、独立行政法人化が大学の本来の機能を如何 に損なうか、文部省案を以てしても総務省と(企業会計制を通した〕大蔵省の支配は 無傷であることに多くの(学長も含め)教官が気付き反対運動が高まる中で、九大と の懇談会で発表された論文で、独立行政法人化が唯一の選択肢であることを行政力学 の論点から新たに強調されています。事情を知っている立場にある方が発する「唯一 の選択肢」という言葉がいかに魔術的な効果を持つか、それはよくご存知だと思いま す。多くの教官が唯一の選択肢と思って甘受することが独立行政法人化の実現するた めに不可欠ですから、今の時点で藤田様が「唯一の選択肢」ということは独立行政法 人化の最後の一押しの効果を持ちかねませんので、大きな責任が発生しています。 研究者として独立行政法人化問題を専門の立場から学問的な精密さを以て分析してい るだけだ、という研究者として当然の応答だけでなく、そういう分析がもたらす独立 行政法人化推進という効果についても言及されることを多くの人は望んでいますし、 またそういう広い視野に立ったとき、藤田様が別の洞察も示されるのではないか、と 期待もしているのだと思います。 もしも以上の点をご理解頂けましたら、ぜひ、政治力学の議論を離れて、藤田様自身 の個人的なご信念と共に、「細かい点」と私が書きました点について、教えて頂けれ ば幸いです。とくに定員削減の部分のお話は今はだれも納得していませんので、ぜひ、 適切な説明をお聞かせください。 お忙しいことは重々承知しておりますが、どうか、国立大学と日本文化の運命を左右 する位置におられる責任にお答えくださいますよう、切にお願いいたします。 辻下 徹 PS. 一昨日、北大では「第21回北大を語る会」があり、宮脇教授の講演(と 私の講演)がありました。その報告と感想を別便でおくらせて頂きます。