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第154回国会 文教科学委員会 第5号
平成十四年四月二日(火曜日)

○山本香苗君 公明党の山本香苗です。

 今日は丸々三十分間質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 というわけで、早速質問に入らせていただきたいと思いますが、まず第一に、人間を確立することが大切である、人間が確立した後、初めてあらゆることがその緒に就く、これは大文豪の魯迅の言葉であります。一切は人間で決まると。人間さえ確立されれば何でもできると。その人間を作るのが教育であり、その教育をするのが大学であるわけなんですが、現在の大学の状況といいますと、自分の大学時代をちょっと振り返ってみても結構お寒いものがあるなと思います。

 これを何とか今変えなくちゃいけないというわけで、その改革の一環として今、目前に大学の再編・統合があるわけなんですが、午前中の御答弁で、再編・統合は単なる数減らしじゃないということでございましたが、この再編・統合が最終的に行き着く先につきまして、東京大学や京都大学など有名な大学が単独で生き残って、そうでない地方大学はまとまることで落ち着くんじゃないかと言う人もいらっしゃいます。これは地方の大学の切捨てじゃないかという指摘もあるんですが、これについてどのようにお考えでしょうか。

○国務大臣(遠山敦子君) 今回の統合・再編の動き、いろんな形で御心配をお掛けしておりますけれども、午前中の論議でもございましたように、これは日本の大学のパワーアップといいますか、将来優れた人材を育成し云々の諸機能をしっかりとやっていただくための一つの方策として打ち出しているものでございます。

 そして、再編・統合ということが、数減らしを目的とすることでもなく、また行政改革の一環としてのその予算の関連での縮小を図るようなそういう目的ではなくて、ひたすら、今おっしゃった、人間を確立するという魯迅の言葉を御引用になりましたけれども、しっかりした人材を育成していく、優れた研究を活発にしていく等のそうした使命を持った大学を世界に比肩し得るものに充実をしていくという願いを込めてやっているわけでございます。

 その過程で、地方の大学の切捨てとかいろいろ、いろんなその論議が行われておりますけれども、決してそのようなものではございません。地方の国立大学もそれぞれの役割を果たしてきておりますし。ただ、それをより活性化させて、よりその機能を充実するために、必要があれば、あるいは有効なものであれば、意義があれば再編・統合していくということでありまして、著名ないわゆる大規模大学だけが残ってあとは統合というような、そういう単純な発想では全くございません。そのことだけはまずお答えさしていただきたいと思います。

○山本香苗君 今、必要があれば、意義があれば、メリットがあればというお話でございましたけれども、たしか工藤局長が昨年の四月に正式に再編・統合計画を発表された際に、各大学の検討は一、二年掛けていては間に合わない、一県一国立大学は未来永劫ではない、現在、県内に一つしか国立大学がないと安心されては困ると、脅しをさせていただくと、強い口調で早急の再編計画を促していらっしゃったと記憶しているんですが、今の大臣の御答弁だと何となくこの工藤局長との間にかなり差があるな、トーンダウンされたのかなという気がするんですが、当初と同じぐらい、同じ気迫でこの再編・統合に文部科学省は挑まれていらっしゃるのでしょうか。それとも、実際、いろんな経緯があって、やってみて大変やなとちょっと及び腰になっていらっしゃるのでしょうか、工藤局長の方に御答弁お願いいたします。

○政府参考人(工藤智規君) 至らないものですから、ちょっと御心配をお掛けしているかと思いますが、私ども、国立大学に寄せられている期待といいますか、いろんな課題とか批判もあるわけでございますが、逆に考えれば、それだけもっと、国民各層の方々から、国立大学もっとしっかりしろと。教育面、研究面あるいは社会貢献の面等々でもっと大きな役割を果たしてほしいという願いと私どもは受け止めているわけでございますけれども。

 そういう国立大学に寄せられている期待、それと現下の財政事情等も含めまして、その国立大学を取り巻く状況の厳しさあるいは危機感というのは、幾ら声を大にしても過ぎることはないと思ってございまして、昨年来、いろいろ各大学とお話合いさしていただいておりますけれども、それはあくまでも各大学の自主的な御検討を踏まえてのことでございまして、若干言葉が過ぎたとすれば、日ごろお付き合いさしていただいている大学の関係者の方々なものですから冗談交じりにいろいろ申し上げたことはございますけれども、それは各大学の関係の方々も十分御理解いただいているものと思ってございまして、終始変わらず、要は、再編・統合というのは、リストラをしようということではございませんで、大臣も申し上げましたように、もっと元気になろうじゃないかというための前向きの改革の一環と私どもは考えてございますし、各大学もそう受け止めていらっしゃると考えてございます。

 そういう前向きの、大学をもっと良くするための改革でございますから、できるだけいいことは早くやろうということも含めて、各大学でも頑張っていただいているわけでございますし、私どもも、各大学の検討の熟度を見据えながら最大限のバックアップをしてまいりたいと思っております。

○山本香苗君 変わらず一生懸命やるということでございますが、具体的にこの再編・統合の流れというものを考えてみますと、午前中もちょっとお話ありました、今回のケース、比較的うまくいきやすいケースでありまして、つまり、単科大の方が総合大学の一部に入って収まる。しかし、これから問題となりますのは、競合する学部がある場合でありまして、学部間の調整を要するものであります。一つの巨大な学部を残すのか、それとも定員数を削減するのか。

 こうした問題、結構、今学校に在学していらっしゃる学生さんに大きな影響を与えることがあるかもしれないわけなんですが、この再編・統合のプロセスにおきまして、学生というものがどこにも見当たらないわけなんです。蚊帳の外という感じが正直言ってするわけなんですが、もちろん、再編・統合が決まれば大学側が学生にそれなりの説明をする、そういった義務はあると思いますけれども、それまでにも学生の声を取り入れるような配慮がなされるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(工藤智規君) 先ほど大仁田委員の御質問にもございましたように、これは単に大学の教員あるいは職員だけの話じゃございませんで、国立大学といえども社会から離れた存在であり得ませんし、現在いる学生あるいはこれから志望される学生さんも含めて、広い関係の皆様の御理解と御支援、御協力が必要なところでございます。

 そういう意味では、各大学でいろいろ工夫しながら地元の関係者等との意見交換も行ってございますし、現に、今後の進め方について、これからの学生さんはなかなかつかまえ難いですけれども、在学している学生さん方の御意見も踏まえながら検討している例が多々あると承知してございます。

 いずれにしましても、国立大学は北から南まで、ある程度教育の機会均等を図るために、結構いろんな適正、適正というのが言い過ぎかどうか知りませんが、私学が立地しない地方においてもこれまで大きな役割を果たしてきているわけでございますし、そういう機会均等の確保でございますとか、分野別の構成でございますとか、それから今後社会から必要とされる人材育成への役割をどう果たすかという視点でございますとか、そういうことを考えながらやってございまして、いたずらに総合大学化、あるいは規模の大きいものだけを志向するとか、あるいはある部分を切り捨てるとかいうことではございませんで、それなりのバランスを取りながら、それぞれの大学の検討を今見守っているところでございます。

○山本香苗君 大学というのは学生で決まるわけでありまして、しかしながら、こういった再編・統合、どうしても運営側の大学にウエートが置かれて、学生というものの存在がもうすこんと何か意識から抜けているようなところがあるように感じてならないのです。

 大学の自主性、今見守っていくというお言葉ありましたけれども、そうしたもので、外から見ているだけじゃなくて、学生の声を取り入れていただけるように、どうにか積極的な促しというものをしていただきたいと思っております。

 今回、いろんな、午前中議論がなされてまいりましたけれども、今回の大学の再編・統合というものに関しまして、どうしても考えていくと、二〇〇〇年の初めにありました省庁再編とダブってしまうところがございます。国土交通省の方とお話ししますと、国土交通省、四つの省庁が一緒になったわけですが、こっちは旧運輸省の分だとか、こっちは建設省の分だからあっちに聞いてくれとか、いろんなことを今でも言われるわけでございまして、再編というのは一緒になるだけじゃ駄目なんだな、ソフト面できちんと融合していくということが本当に必要なんだなということを感じました。

 ちなみに、この省庁再編で文部科学省も文部省と科学技術庁が統合されたわけでありますけれども、今回の国立大学の再編・統合というシナリオ、この御経験に照らし合わせてみて成功されると思いますでしょうか。大臣に御答弁をお願いいたしたいと思います。

○国務大臣(遠山敦子君) なかなか難しい御質問でございますけれども、国立大学の再編・統合は、再三申しておりますように大学の機能を十分に発揮させていくという目的でございます。他方で、省庁再編の方は行政改革の観点に立ちまして、そして一緒にすることで定員の面とかいろんな面で合理化、効率化を図るということも眼目であったわけでございます。

 我が省の場合は文部省と科学技術庁との統合ということで今日あるわけでございますけれども、確かに両方の省庁は伝統も違い、守備範囲も違うということで、文化が違うという面もあったわけでございますけれども、私はこの統合のプロセスを通じて、むしろそれぞれの視野が広がり、そして政策の面でもすそ野が広がって、教育政策を展開するにしても、科学技術の動向でありますとか、そういったこれまでになかった人材の持つ能力あるいは政策との関連というものを心掛けておりますし、恐らく科学技術だけを担当してこられた皆さんも、かつての文部省の持っている幅広い文化、スポーツ、そして教育、学術の面での広がりを恐らくプラスとして考えていてくれるのではないかと思っております。ですから、単なる効率ということではなくて、私はそのプラスの面を省庁の統合の面でも十分発揮することができていると思っております。

 単純に比較のできない国立大学について言いますと、それぞれ歴史とかそれから守備範囲あるいは専攻科目ですか、そういうものの違う大学の統合であっても、それらは是非ともそれぞれの教員、学生の人たちの経験なり知識なりあるいは活動範囲なりというものの拡大、充実に向けてそれが行われなければならないと思っておりまして、省庁再編よりも更に意味のある統合でなくてはならないというふうに考えているところでございます。

○山本香苗君 この省庁再編の御経験のいいところと悪いところ、それをしっかり踏まえた上でこの大学の再編・統合も進めていただきたいと思います。

 次に独立法人化についてお伺いいたしますが、大学が独立法人になりますと、一番頭が痛いところというのは財政基盤の弱いというところではないかなと思っております。今まで護送船団式に守られてきた国立大学が、いきなり自由競争の社会に放り込まれたらどうなるか。経営に不安を抱えている大学というのはたくさんあると思います。経営が大変だとして、例えばそのとばっちりが授業料の値上げとなって学生に跳ね返っちゃうんじゃないか、裕福な家庭の子供しか大学に進学できなくなるんじゃないか、そういった声も聞かれております。私立大並みになるような、授業料がそういった私立大並みになるようなことを防ぐために、授業料の上限、これを設定することを是非とも御検討いただきたいのですが、いかがでしょうか。

○政府参考人(工藤智規君) 先般まとめていただきました調査検討会議の法人化についての最終報告によりますと、それぞれの大学、授業料でございますとか学生納付金、それから病院のあるところは病院収入などがあるわけでございますが、学生納付金について申しますと、運営費交付金算定への反映のさせ方としまして、各大学共通の標準的な額を定めて、一定の納付金の額についてその範囲を国が示して、その範囲内で各大学が具体的な額を設定したらどうであろうかという御提言をいただいてございます。

 その範囲の示し方、定め方、いろいろあると思いますが、私どもの気持ちとしては、今約五十万円の、年間五十万円の国立大学の授業料でございますが、国際標準で見ましてもパブリックセクターの大学の授業料としては大変高くなってきておりまして、その安易な値上げについては慎重を期すべきであると思ってございます。

 したがって、範囲のその示し方にもよりますけれども、私どもとしては、標準収入額として一人当たり五十万なら五十万という額が言わば上限となって、あと、各大学の自己努力によりまして、競争的資金のオーバーヘッドでございますとかあるいは特許収入なり外部からの寄附金なり、そういう自己努力によって逆に授業料を安くするとか、あるいは経済的に困難な学生に対して半額あるいは全額の免除をするとか、そういう工夫が講じられる余地がこれまで以上に出てくるのではないかと期待しているところでございます。

○山本香苗君 是非ともその動きを進めていただきたいなと思いますが、独立法人となった場合に、国からそういった運営費交付金、これを受け取るとしても、各大学というのは自主財源作り、先ほどもちょっと言われましたけれども、それに奔走するんじゃないかと思います。

 そこで例えば、具体的に、五〇%は自らが稼いで残りは国からで運営しているような大学のケースについて考えますと、例えば一生懸命努力して産業界から寄附を集めたりして自らの稼ぎで一〇%予算を増やしたとします。そうしたら、国からの補助はその稼いだ分を差し引いた分しかもらえなくなっちゃう。こうしたことになれば、国は予算として削減できますけれども、自らが、大学が稼いでいこうというインセンティブをなくしてしまうと思います。そして、結果的には高等教育費総額の縮小につながってしまうと思うんですが、そもそも我が国の高等教育費というのは御存じのとおり大変低い水準でございます。是非とも財政当局ともお話し合いになっていただきまして、こうした大学法人化によって教育予算が減ることがないようにしていただきたい。また、大学側のそういった自主的な努力、これが実るような財政支援をお願いしたいと思いますが、この点についての御所見をお伺いいたします。

○国務大臣(遠山敦子君) 正に仰せのように、それぞれの大学が自己努力をして、そして何らかの収入を得たときに、それがすべてまた国庫に戻される、あるいはその分運営資金が、運営交付金の額が少なくなるといったら、これはもう自己努力ができなくなるわけですね。それはもう絶対にやってはいけないと思っておりまして、各国立大学におきます自主財源の確保に対してインセンティブを付与していくということは大変重要だと思っております。

 先般、国立大学法人の在り方について調査検討会議から最終報告が出されましたけれども、この点についても明確に書いておりまして、「自己収入の取り扱い」という中に、一つは、寄附金などについては運営交付金とは別に経理し、運営交付金の歳出に反映されないようにするということで、別建てにすることによって寄附金等による収入増が運営交付金の減につながらないようにするというのが一つございます。

 それから、自己努力によって剰余金を生じました場合には、あらかじめ中期計画において認められた用途に充てることができるようにするという提言がなされておりまして、私どもとしてもその報告を踏まえて具体的な制度設計に入りたいと思っております。

 私も、独立法人の国立美術館の理事長を一年、いや一か月でございましたけれども、一か月弱やりましたが、そのときにもやはりその問題が大変危惧されておりましたけれども、制度上、各美術館の努力による収入増が運営交付金の減には結び付かないということで、その点は制度的にもきっちりしていたわけでございまして、いわんや国立大学法人におきましてはその点についてしっかりとそのインセンティブが生かされるように、私どもとしてもこの問題についてしっかりと制度設計をしていきたいと考えております。

○山本香苗君 ありがとうございます。

 それで、午前中、有村委員からも御質問ありました評価のことでありますけれども、大学というのは、運営面で今まで以上に幅広い裁量が認められている一方で、アカウンタビリティーが求められているわけで、その評価も受けなくちゃいけない。もう一つあるわけなんですが、この教育研究の評価のみならず、大学は経営の効率、これに対する評価も受けなくてはならないことになります。

 そこで、独立法人には独立行政法人会計基準が適用されることになっておりますけれども、この基準、黒字は出すな、赤字は自分で補てんしなさいという仕組みだとされております。したがって、行政コストの削減、これが必須でありまして、この基準がそのまま国立大学に適用されると、採算的運営が求められて、大学の財政とそれに基づく教育研究に多大な影響を与えるんじゃないかと言われております。

 今回の報告書、読ませていただきました。「大学の特性を踏まえた会計基準」とあいまいな表現で、中間報告と同じような表現になっているわけなんですが、具体的にはどういった会計基準を指していらっしゃるんでしょうか。

○副大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、三月二十六日の調査検討会議の最終報告におきましては、国立大学の会計基準について、独立行政法人会計基準を参考としつつ、大学の特性を踏まえたものとするよう求められております。

 これを受けまして、近日中に、外部の有識者に御協力いただきまして、国立大学法人会計基準等検討会議、こうした検討会議を設置しまして検討を開始することとしております。

 その際、考慮すべきポイントでありますが、国立大学法人、一般の独立行政法人というものは施策を実施する機関でありますが、国立大学法人は教育とか研究を実施する等を主たる業務内容としております。この辺りの違い。あるいは、国立大学法人、学生納付金や附属病院収入等の固有の収入を持っているということ、この辺り。さらには、一般の独立行政法人ですと独立行政法人同士が競争するということは余り想定されないわけでありますが、この国立大学法人の場合は法人間で競争的環境の醸成を今求めているわけであります。こういった辺りも一般の独立行政法人とは違いがあるわけでありまして、この辺りを踏まえてこの検討会議で検討をしていただければと考えております。

○山本香苗君 今すごいいろいろ難しい言葉を言っていただいたので、ちょっと理解するのが難しかったんですが、簡単に、こういった評価、基準というものがどれほど大事かというのを、ちょっと読んだときに、ある例がございまして、有珠山の噴火のときには火山の予知連絡会の方々がテレビに出ていらっしゃいますけれども、その方々の大半というのは大学の先生でいらっしゃいまして、当面問題がなかったら、例えば百年間火山で爆発がないと、そういう状況になったらもう火山の研究者は要らないのかと。そういった話にはならないと思うんですが、近視眼的な目標を作って、またそれに基づいた評価だとかまた基準が用いられてしまうと、そういうことになりますと、今までの研究、教育の基礎というものが押しつぶされてしまうわけでございまして、こういった点に配慮していただきながら、会計基準もまた評価もしっかりと明確に決めていただきたいと思っております。

 先ほど大臣からも、少しの間独立法人の長でいらっしゃったということの話ございましたけれども、この独立法人化に当たりまして、各大学、それぞれ資産を計算しなくてはいけないわけでございまして、今、例えば著名な画家が卒業作品でかいた絵に幾らぐらいのお金を付ける、値を付けたらいいんだろうかとか、また大学が持つ演習林の立ち木は何本あるかなんて問題に現場では頭を悩ませているという報道をお伺いいたしました。

 例えば京都大学におきましては、京都のキャンパスを始め、北海道の演習林、和歌山の演習林、霊長類研究所など、全国に百近くの土地や資産を、施設を持っておりまして、その一つ一つの境界線やまた広さを確認しなくてはいけない。私の家の近くには大阪大学があるんですが、その大阪大学も周りの住民の方々と話合いをしたりなんだりしなくちゃいけない、その作業が大変なんだということをお伺いいたしました。

 こうした事務作業で大学が右往左往しなくちゃいけない状況にあるんですけれども、例えば、各大学がまちまちの算定をしないように、このときはこういうふうに算定するとか、そういった基準というものを作ったらいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○副大臣(岸田文雄君) 資産評価の基準ですが、先行しております独立行政法人の場合は、現物出資された財産の評価は出資時の時価を基準とすることを原則とするということになっております。ですから、各法人の個別法におきまして、政府から出資があったものとされる財産の価額は独立行政法人の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とすると規定されております。このため、各法人における評価委員会におきまして、有形固定資産については専門家の時価評価を基に、また無形固定資産については国有財産台帳を基に評価を行った次第であります。

 こうした独立行政法人の取扱いを参考にするわけなんですが、国立大学におきましては、例えば保有する財産、土地だけでも約十二億九千万平方メートルという膨大な財産があるわけであります。また、様々な形の財産があるわけでありまして、それを測量するにしましても評価するにしましてもいろいろと難しさがあり、また時間とかそれから費用の問題で現実的にどう対応するのか、いろいろと工夫をしなければいけないわけであります。

 先行します独立行政法人の取扱いを参考にしながらも、こうした国立大学における特色、特別な事情、こういったものをしっかりと踏まえて検討中というのが今現状でございます。

○山本香苗君 検討中ということですけれども、現場というのは混乱してしまうわけでありまして、こうしたことで、本当に有意義なものであったらいいんですけれども、こうしたところで現場を混乱させるというのは非常にナンセンスだなというふうに感じるんです。教官はもちろんのこと、事務の方というのもこうした作業をすることは初めてだと思います。ないんだったら、是非ともこういった評価基準とかそういったルールとか、そういったものを策定していただくことも含めて、これからしっかりと検討をしていただきたいと思います。

 大学の独立法人化というと、どうしても大学大学というふうに頭が行ってしまうわけなんですが、大学には附属図書館や附属学校、附属病院など教育施設というものがございますが、これにつきましては、報告書では「大学に包括されるものとして位置付ける。」とされております。これ、具体的にどういったことになるのか。特に附属学校の扱いについてお教え願えますでしょうか。

○政府参考人(工藤智規君) 懇談会の最終報告書では、今御指摘のように、これまで大学で必要とされておって大学の教育研究活動と不可分な関係にあるものと位置付けられてきました教育研究施設について、「大学に包括されるものとして位置付ける。」という御指摘がございます。

 これは、特に、附属学校も学校教育法に基づく正規の学校なんでございますが、議論のプロセスでの表現は大学ごとに法人化しましょうということであるんですけれども、附属学校も別の学校だから別の法人にするということではなくて、大学の附属学校については大学の法人格の下に一体的に教育研究に当たっていただきましょうということでございます。これまでと同じような必要性の下で、附属学校の機能、つまり学部の教育研究との関係での実践的な研究でございますとか、あるいは教育実習など、必要があるものについてはこのまま存置し、発展をいただくことになりましょうし、あるいはいろいろ進学状況等で御批判のあるもの等があって、大学自身が見直した結果、別の法人形態がいいとか、あるいは地方で移管してもらった方がもっと発展するということがあればそういう可能性も追求しなければいけませんけれども、当該大学で引き続き附属学校として移行時に考えていきましょうという意味でございます。

○山本香苗君 現場で混乱がない形で、この附属学校その他の教育研究施設についてもいろいろと手厚く文部科学省の方でもモニタリングというか、いろいろと見ていってあげていただきたいと思います。

 大学の体制を大きく変える今回の法人化につきましても、国のスリム化と職場としての大学に視点が行きがちで、高等教育のあるべき姿、方向性が見えてこないといった批判がございます。今回の報告書の最後に、検討課題に書かれておりますように、今後、高等教育政策の全体構造をしっかり指し示していただきまして、大学が変わる、日本を変える、このスローガンの下、二十一世紀の日本を担う、そういった人材輩出する知の府を再構築していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 これにて私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。