○古屋委員長 中西績介君。 ○中西委員 私は、専門職大学院制度並びに評価等について質問をしたいと思 いますが、その前に、委員長にお願いを申し上げたいと思いますのは、本委員 会のあり方であります。 特に、先般の連合審査、ずっと聞いておりましても、本当の議論になり得て いない。わずか十五分だとか十分だとかいう時間の中で討論をするということ は、大変私は困難だと思っています。皆さんはそうした点で御自信があるかも しれませんけれども、私たちはそういう時間で核心に触れる論議までやること はできないんではないかと思います。 そのことを考えますと、本委員会、わずか二日間、五時間です。連合審査二・ 五時間。七・五時間で、このような大改革をするときに、果たして十分な時間 と言い得るだろうかということを私は危惧いたします。 このように、制度改革を伴う内容についても、後でまた申し上げますけれど も、大学の高等教育改革というのが今取りざたされ、たくさんの中教審答申等 が出ておりますけれども、ここで論議する場合には、そうした問題をすべてや はり踏まえた上で論議するのが至当ではないかと思っています。 そうした意味で、委員長はどのようにお考えなのか、そして、もし許せるな ら、きょう採決ということになっておりますけれども、今後十分な時間なり、 それをとってやるということをそこでお答えいただければと思います。 ○古屋委員長 質問時間等につきましては、与野党理事間で十分な協議をして 決定をさせていただいております。したがいまして、この審議時間というもの は全参加委員が了解のもとで進められているということを、改めてここで認識 させていただきたいと思います。 なお、御指摘のありました点につきましては、改めて理事会で協議をさせて いただきます。 ○中西委員 この前の個々の論議でもそうなんですけれども、この前の連合審 査なんか特にそうだったんですけれども、皆さん何か胸に一物残ったまますべ てが終わっているという実態を、委員長御自身も見たんじゃないかと思うんで すよね。論議を尽くしたということが果たしてあるだろうか。ぜひそうした点 をこれからしんしゃくいただきまして、理事会で決定をしたと言われますけれ ども、少なくとも我が党の場合にはやはり時間を、こういう短時間でなしに、 十分保証された中でやりたいということは言ったと思います。 それで、なぜ私そのことを言うかといいますと、大変僣越で、皆さんには失 礼とは思いますけれども、かつてこの委員会では、一人持ち時間一時間半、こ れを保証したんですよね。八人おろうと一時間半なんです。徹底した論議をし てやった経験を私は持っておるから、そのことを主張しておるわけです。この 点をひとつお酌みの上、御論議いただければと思います。 それでは、質問に入りますけれども、まず法令違反大学、違法状態大学と申 しますか、に対する是正問題、特に私立大学問題で、過去、森文部大臣以降、 続発した時期がありました。相当議論されましたけれども、改正せずにこれま で来ています。今なぜ改正を必要としたのか、この点をお答えいただきたい。 ○古屋委員長 工藤高等教育局長。(中西委員「大臣に要求しています、大臣 に」と呼ぶ)工藤局長、お願いいたします。まず、事務的にお答えください。 ○工藤政府参考人 今回の改正は、大学改革という背景もありますし、司法制 度改革という背景もいろいろありますが、もう一方、もう一つ規制改革という 観点もございまして、大学の設置認可を緩和するに伴いまして、事後的なチェッ ク体制を整備しようということで、中央教育審議会で十分御審議いただきなが ら、このような措置をお願いしているところでございます。 ○中西委員 今お答えいただいたけれども、このような長い時期、法律改正を せずにずっと来ていたわけですよ。だのに、今こうして法律改正をするという こと、この意味は相当大きなものがあっての話だろうと思うんですけれども、 そのようにとられておるかどうか、大臣。 ○遠山国務大臣 大学の質の向上というのは常に図られなくてはならないわけ でございまして、その際には、各大学の改善に向けた自発的な取り組みが基本 になるということは当然でございます。 しかしながら、違法状態にある大学について、そのまま見守るというふうな ことは、これは許されないわけでございますし、現在の私立大学に対する私ど ものとり得る手段といいますのは、一気に大学の閉鎖命令でしかないという状 況でございます。 したがいまして、今回の是正措置の導入といいますものは、違法状態の大学 にいきなり閉鎖を命ずるということではなくて、段階的で緩やかな方途をとり まして、改善を促しながら、またそれを見て次のステップにということで、目 的としてはその大学の教育研究水準の確保を目指すというものでございます。 しかも、その段階を追っての是正措置の中で、適正な事前手続の保障というこ とで関係審議会の御意見も聞くというような方途を考えているわけでございま す。 長い間、このことについてはどういうふうに対応するかという議論があった と思いますけれども、今回のきっかけになりましたのは、そのたび重なるさま ざまな問題というものも考慮に入れながら、これは私立大学の賛同も得、また 審議会の御意見も聞きながら、私どもとして、是正命令等の措置について今回 法改正の提案をさせていただいているところでございます。 ○中西委員 先ほども帝京大学問題で論議されておりましたけれども、この種 問題について、やはり文科省が毅然とした態度なり、確かに私立学校の場合に は手を突っ込んでひっかき回すわけにいきませんけれども、そのことはわかり ますけれども、適切な処理を果たしてやったかどうかということが私は今問わ れておったと思うんです、さっきの討論からしましても。 ここを考えたときに、今改めてこれをするということになれば、よほど大き な原因があったと私は思うんだけれども、今の答弁では十分ではございません が、私、二十五分ですから時間がありませんのでこれでやめますけれども、そ うした点はやはりてきぱきと処理をしていくという体制をとっていただく、そ の上でこれが必要だということであればまた別でありますけれども、そうした 点を十分お考えいただきたいと思います。 それから、専門職大学院制度についてお聞きをしたいと思います。 根本的な問題といたしまして、高等教育改革、とりわけ大学改革については、 いろいろこの間、特に十年に出されました二十一世紀の大学像と今後の改革方 策などというのが次々に出されました。出されましたけれども、国立大学の法 人化を初め、二〇〇九年、大学全入時代に突入するわけでありますけれども、 大学改革に対する国のグランドデザインが明確にされないまま、また、今次法 制度改革が行われようとしておるとしか言いようがありません。 制度改革の前に、大学の改革に関するグランドデザインを示して、全体的意 思統一の議論が行われるべきであると思いますけれども、いかがですか。 ○河村副大臣 中西委員御指摘のように、今回のこの専門職大学院の導入とい うのは、大学院改革の全体の中で位置づけられている。委員は不十分だ、こう いう御指摘でございますが、いわゆる専門職大学院あるいは専門大学院、そう いう修士課程の中でこれをもっと今後の大学像とあわせて改革していこうとい うことは、実は、平成十年の大学審議会、十月二十六日でございますけれども、 ここでも答申を得ておるわけでございます。 特に、高度専門職業人の養成の充実とあわせて、これをさらに進めるために、 特定の職業等に従事するのに必要な高度の専門的知識、能力の育成に特化した 実践的な教育を行う大学院修士課程の設置を促進することが必要だ、制度面の 所定の整備を行うべきであろう、そして研究水準の向上を図るべきだ、こうい う御指摘の中で、今回この専門職大学院にさらに高めていった制度を今日取り 入れようとまさにしておるわけでございまして、そういう意味では、私は、大 学院改革全体の中でこの専門職大学院というのは位置づけられている、このよ うに考えておるわけでございます。 ○中西委員 私、見ましたけれども、やはり、全体の基本的な構想という中に おける位置づけだとかそういうものが非常に不足しておったと私は感じるから、 したがって、こうした問題については、先ほど要請をいたしましたが、これか ら時間をたっぷりかけて、国の基本をなす教育政策というのは大変な私は重要 性を持っていると思いますよ。 それをやっつけ仕事で、短時間で、行政の皆さんはずっと継続的にやってき たかもしれませんけれども、ここにいらっしゃる委員の皆さんというのは、そ れまでの継続性とあれを全部持ち合わせ、熟知した上で論議できないんです。 ということになれば、時間をかけてやはりそれらについて追及できる自信と 内容を持たなければできないと私は思いますから、そうした点で、いち早くそ うした根本的なものを論議できるような体制をとっておかないと、なかなかこ のことが後になって禍根を残すようなことにならなければよろしいがというこ とを私は考えますので、指摘をしたところであります。 そこで、日本の高等教育機関の関係の予算が大変低いということなんですね。 GDP比〇・四三%が日本です。一九九八年のOECD諸国平均が〇・九三%。 このように、この種計画が特化する形で出てくることは、予算が少ない中でこ のようなことだけが、話が出てくると直ちに飛びついて法科大学院だとかいう ようなものをつくり上げるわけでありますから、こうした問題について、大学 改革にとって後に問題が残らないようにしていかなくちゃならぬと思うんです。 全体的な構想というのが予算面である程度充実されているということ、保障さ れておるということであれば私はこれまでは申し上げませんけれども、非常に 低い、半分しかないという実態なんですね。こういう点について、どうお考え ですか。 ○工藤政府参考人 国によりまして、いわゆるGDPに対します公財政支出の 割合でございますとか教育制度の相違などがあるわけでございますので、一律 にはいかないのでございますが、諸外国に比べて、日本の場合にその支出の割 合が低いのは御指摘のとおりでございます。 これは、大きく理由は私は二つあると御指摘させていただきますが、一つは、 日本の場合、余りにも私学の割合が多くて、私学助成の割合が全体の経常費に 対する割合で今一三%ぐらいの水準でございます。それから、他方で、国立大 学といえども一〇〇%国立ではございませんで、一般会計からの繰り入れとい うのが約五割の水準でございます。 ということで、国公私を含めて日本の高等教育のための財政の充実というの は大きな課題だと受けとめてございまして、それと他方で、今回お願いしてお りますのは、大学院制度あるいは設置認可制度を含めた全体の高等教育の、大 学改革の一環としての制度改革でございまして、これに伴ってどういう支援を どうするかというのは、先ほど来いろいろ委員各位からの御指摘もございます し、中教審等からの御指摘もございますので、財政事情をにらみながら、今後 さらに検討してまいりたいと思っております。 ○中西委員 だから、予算が少ないということは自覚しているわけですよ。だ から、私はこの計画なりなんなり、例えば法科大学院などになりますと、教授 の数は倍、でなければ、今予定されておる教員一人に二十人という、ところが 諸外国はそれよりまだ低いですね。 ということになってくると、やはり全体的な、さっき言う大学構想というも のを立てた上で予算はかくあるべきだという、やはり年次計画的なものを立て てやらないことには、その都度その都度の予算要求では私はだめだと思うんで す。そうした点を十分考えてやられることがこれからの文科省の大きな課題だ ろうと私は思っていますので、この点は、ひとつ皆さん、これから後また予算 問題等が出てくるわけでありますから、そのときに果たしてこういう予算でい いのかどうか。 だから、私は迫り方が、文部省、役人の皆さんはもう少し腹を決めてやらな きゃだめだろうと思っているんですよ。いろいろ話をしたときの私の受けとめ 方は、こんなへなちょこじゃ取れぬな、こう私は思いますから、その点だけは、 ひとつ皆さん、これから後、十分な体制をしいていただいて、考えていただき たい。そして、今私が指摘するような形にならないように、ぜひ皆さんが気を つけていただくことが大事だと思います。 そこで、第三者機関による大学評価制度の導入について、もう時間がなくなっ てきましたので、一、二だけお聞きをしたいと思います。 大学の水準確保、質の保証からすれば、必要性は認めるけれども、実施する には、十分な議論と評価制度が真に機能するための条件整備が不可欠と思いま す。 それで、中教審答申でも指摘しているように、評価機関が十分育成されてい ない。この中で、すべて大学で評価が行われ、結果が公表されることになると 言われておりますけれども、第三者機関の構成、評価の基準、公表の仕方等、 そういう体制がどうつくられておるかということ、私は、基本的なものがそこ にでき上がっていない中で事を急ぐということになりますと、いろいろまた問 題が派生すると思います。この点、どのようにお考えになっていますか。 ○工藤政府参考人 先ほどの先生からの、財政支援をもっと頑張れということ と関連しますけれども、今回の制度改正は、日本の大学にもっとよくなってほ しいということなのでございます。大学あるいは初等中等教育の財政支援をす るといたしましても、先ほど来、一部名前が出ました、若干、不祥事を起こし ている大学にまで、では私学助成をやるのかとなりますと、先生方も首をかし げられるでしょうし、国民の方々の信頼も得られないわけでございますので、 私どもは、その財政投資を仰ぐためにも、ああいう大学だったら援助しようじゃ ないかと言われるように、各大学がもっと生き生きと活躍できるようにしたい というものでございます。 そのために、欧米諸国の経験にも照らしまして、何しろこの評価システムの 発足と定着が急務でございます。幸いといいましょうか、後発の利益もござい ますので、先発の国で大変評価で手間取ったり負担過重だったりといういろい ろな反省点もありますから、そういう反省点も踏まえながら、できるだけ合理 的で効率的な形での評価の仕組みが定着することを私どもも支援してまいりた いと思っております。 ○中西委員 全部すっ飛ばして聞きますけれども、この評価機関が文科大臣が 認証した認証評価機関でなくてはならないと言われておりますけれども、認証 が必要なのかどうか。 例えば、進んでおると言われるオランダあたりにおきましては、公的大学で ありましたために、当初は中央集権的な大学統制のシステムがしかれていたら しいけれども、今日では、大学評価システムそのものを大学が自主的に加入す る団体で自律的に運営し、政府はそのシステムが機能することを支援する役割 を担っておると言われています。 したがって、このように、先ほども論議されておりましたけれども、本当に 今評価システムというのをどのようにするかという、そして、それは文科省が またそれを掌握しなければならないようにしようとするんだけれども、このこ とは、私は、先ほど申し上げた大学のグランドデザイン等を考えてみたときに、 大学のあり方自体を、一定の方向性と自律性、自主性というものをどのように 育てていくかということとあわせ、この問題は大変重要です。この点、どのよ うにお考えかお答えください。 ○工藤政府参考人 大学の評価というのは、現に今でも、今までも行われてお りますように、何人でも行うことができるわけでございます。 そういう中で、今回は、設置認可の弾力化とあわせて、事後的なチェック体 制の充実ということで制度化しようということでございますから、いわばいい かげんと言ってはなんですけれども、身勝手な評価が行われて、もうこれでい いですよねということでは済まされない部分がございますので、どういう評価 を受けられるのも自由でございますけれども、この制度化に当たりましては、 一定の要件、先ほどごらんいただきましたような法令上の規定がございますけ れども、その要件に合致したものについて、一応ちゃんとしっかりした団体で すよというのを公に確認するために認証という行為を行おうとするものでござ いまして、これをもって私ども文部科学省が評価を牛耳るとか、評価機関を差 配するということでは決してないのでございます。大学に対する関係、社会に 対する関係で、しっかり団体としてこういうのがありますということを公に表 明するための行為として、認証という仕組みを設けた次第でございます。 ○中西委員 いろいろ評価したり、基準を設けて、ずっと文科省が指導という か規制というか、こういうものをしていくことによって、今まで大学等で問題 になるのは何かといったら、その網の目をくぐる、そういう問題が起こるわけ ですね。そうでなしに、それを自律的に自己規制できる体制というのがなけれ ば、真の進歩はないと私は思うんですね。 そうしたことからすれば、むしろ今は自主的にやっているわけですから、そ れとあわせて、今度は第三者機関的なものを自分たちで構成をし、そしてやっ ていくということの方が実際的であろうし、公表すれば、そのことを今度はみ んながどのように評価するかという点からすれば、私は、そこの自己責任とい うことを徹底追及することが今一番大事じゃないか。 日本の今出ておるいろいろな問題等を見ましても、自己責任ということを追 及しないんですよ。これが非常に弱い。ですから、いつまでたっても自律、自 制ということができぬというのが、今、日本の社会の全体の状況であるわけで ありますから、特に大学等におきましては、その点を徹底させるという意味で、 むしろ規制を加えるよりも、そのように自律的にやることについてどうみんな が評価し批判をするかという、私はこっちの体制を強化することの方が大事だ と思いますので、この点は、まだ時間もあるようですから、もう一度十分御検 討いただければと思っています。 以上です。