○古屋委員長 これにて本案に対する質疑は終局をいたしました。 ――――――――――――― ○古屋委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。石井郁子君。 ○石井(郁)委員 私は、日本共産党を代表して、学校教育法の一部を改正す る法律案に反対の討論を行います。 本法案は、大学の学部等にかかわる認可事項の見直し、法令違反状態の大学 に対する是正措置の整備、法科大学院を含む専門職大学院の創設、認証評価制 度の創設など四つの重要な内容を持っています。 法科大学院の創設をめぐっては、法務委員会との合同審査が行われました。 しかし、最も重要な内容である認証評価制度の創設については、参考人招致す ら行わず、採決がされようとしています。 今回の認証評価制度は、真に政府から独立した第三者評価機関が自主的、自 律的に行うというものではなく、文部科学大臣の認証を受けた評価機関の評価 をすべての大学に義務づけるものです。認証基準も細部にわたり、国の意向に 沿った評価機関とならざるを得ません。 我が国では、大学評価が始まったばかりであり、大学評価・学位授与機構に よる平成十二年度着手の大学の評価結果は、国立大学協会が深刻な懸念を持た ざるを得ないと指摘しているように、評価の名に値しないものでした。そのよ うな状況で全大学に評価を義務づけるのは余りにも拙速と言わざるを得ず、大 きな混乱をもたらすとともに、我が国の大学の信用を失墜させかねないもので す。 しかも、文部科学省の説明文書で、資源配分機関が評価結果を参考にするこ とも十分あり得るとしているのでは、大学の生殺与奪を評価機関が握ることに なりかねないもので、学問研究の自由、教育の創造的発展にとって深刻な影響 を及ぼすものと言わざるを得ません。 認可事項の見直し、法令違反状態の大学に対する是正措置については妥当な ものと言えます。また、専門職大学院の創設について、その必要性は認められ ます。しかし、認証評価制度の創設は、これまで述べてきたように、評価の名 のもとに、これまで以上に大学を政府の管理統制のもとに置き、大学をランク づけし、大学の選別、淘汰につながるもので、到底認めることはできません。 したがって、本法案に反対するものです。 以上で討論を終わります。(拍手) ○古屋委員長 次に、山内惠子君。 ○山内(惠)委員 社民党の山内惠子です。 学校教育法の一部を改正する法律案に反対する立場からの討論をさせていた だきます。 この法案の中の専門職大学院の創設にかかわって、今後、ほかの大学院、現 在ある大学院にとっても、大学改革のあり方に大きな影響をする問題であるだ けに、今回の審議日程が、何度も言っていますが、理事会でも私は申し上げま したけれども、二日間、五時間、そして連合審査を足しても、全体の集計をす ると正味一日というような時間でこの専門職大学院について検討するというの は余りにもひどかったと思います。 現在ある法学部がどのような現状にあるのか、何を願いとして変えていきた いかという参考人の声もお聞きすることができなかったということは、本当に 残念でなりません。 今回の改革につきましては、法曹界や教育界の都合だけではなく、利用者の 側からも多くの期待があるものと思います。お医者さんとか裁判官とか弁護士 の方々に求められるもの、そのことでいえば、基本的な人権、社会正義が通じ る社会、そして泣き寝入りをしない社会ということを実現していくということ が、本当に多くの願いの中に、根底にある問題だと思います。 その意味で、単なる実務ではなく、人権感覚、平等感覚、人間性の養成とい うものをどこでなしていくかということが大変重要な課題と思います。その意 味で、お二人の大臣にお聞きしましたときの答弁も、私としては歯切れの悪い 答弁に思いました。 今回の法案で一番の懸念は認証問題です。憲法が保障する学問の自由、戦後 五十七年間守られ、培われてきた大学の自治を侵す心配があると私は思います。 第二次世界大戦を振り返って、当時の文部大臣、高橋誠一郎大臣は、我が国 において最も欠けていることは個人の覚せいがなかったことだ、この点が国を 誤らせたのではないかと考えるとおっしゃっています。この個人の覚せい、そ れは、個人が集団にのみ込まれていった過去の歴史を強く反省したものと思い ます。 私は、この法案の最大の問題が認証問題であること、このことを強く指摘し まして、反対の討論を終わります。(拍手) ○古屋委員長 これにて討論は終局いたしました。 ――――――――――――― ○古屋委員長 これより採決に入ります。 内閣提出、学校教育法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 ○古屋委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決し ました。 ――――――――――――― ○古屋委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、鈴木恒夫君外四名から、 自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び保守党の五派共同提 案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。山元勉君。 ○山元委員 民主党の山元勉でございます。 私は、提出者を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 学校教育法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び関係者は、本法施行に当たり、次の事項について配慮すべきであ る。 一 今後、大学の教育研究の質的向上については、大学関係者の自主的・自 律的な取組みが一層求められることにかんがみ、大学関係者に対し、本法の趣 旨・制度の内容等について十分周知し、その理解と自主的な努力を促していく こと。また、大学・大学院の教育研究機能の改善・充実に一層努めること。 二 大学の法令違反状態が生じないよう努めるとともに、大学における違法 状態の是正措置を講じるに当たっては、その基準を明確にし、公正性、妥当性 及び透明性の確保に努めること。 三 第三者評価の実施に当たっては、大学の個性・理念を損なうことのない よう、公正、妥当かつ透明性のある評価を確保するとともに、すべての大学が 適正に評価を受けることができるよう、認証評価機関の整備充実に配慮するこ と。また、評価が与える社会的影響を認識しつつ、評価の在り方についても必 要に応じ見直しを行うこと。 四 専門職大学院については、社会の変化に対応して求められる多様な分野 における高度で専門的な知識と能力を有する人材が育成されるよう十分配慮す ること。その設置・運営に当たっては、大学の自主性・自律性が確保されるよ う努めること。また、多くの者がその機会を得られるよう、奨学金等の支援制 度の充実に努めること。 以上であります。 何とぞ御賛同くださいますようお願いを申し上げます。 ○古屋委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 ○古屋委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決定い たしました。 この際、ただいまの附帯決議につきまして、文部科学大臣から発言を求めら れておりますので、これを許します。遠山文部科学大臣。 ○遠山国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意を いたしまして対処してまいりたいと存じます。 ありがとうございました。 ――――――――――――― ○古屋委員長 お諮りをいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきまして は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――――――――――― ○古屋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これに て散会いたします。 午後零時十七分散会