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Subject: [kd 03-02-21]アピールの会の予定/「政治的行為」の意味
Date: Fri, 21 Feb 2003 

国公立大学通信 2003.02.21(金)

--[kd 03-02-21 目次]--------------------------------------------
[1] アピールの会の予定(事務局 ホームページより)
[2] 「国家公務員としての国立大学教職員の義務」(2002.5.15)
[3] お便り(2/20)紹介:「独法化後は学生数2倍,学費2倍」
[4] 環境行政改革フォーラムから国会議員への要請
[5] 池澤夏樹「新世紀へようこそ 095」(2003-02-20)
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各位

アピールの会の記者会見が、国立大学協会理事会が開催される2月24日に予
定されています。一昨日の段階で952名の賛同署名が集っていますが、賛同
の意を表しても良いと思われる方がおられましたら、早目にお願い致します。

なお、国立大学教員には「独立行政法人化反対」の運動は政治的活動として禁
止されていると漠然と思い込んでいる人も居るかも知れません。しかし、人事
院規則14−7(5)は「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張
し又はこれに反対すること。」を「政治的目的」の一つとして禁止しています
が、この「政治の方向に影響を与える意図」とは「日本国憲法に定められた民
主主義政治の根本原則を変更しようとする意思」のことであると運用規則に明
記されています。「特定の法案又は予算案を支持し又はこれに反対する場合の
如き」は国家公務員でも禁止されていません[2]。

逆に、国会審議を待たずに法人化の準備を進めることは「憲法に明記されてい
る民主主義政治の根本原則」の一部である国会の立法権を軽視することであり、
直接、国会の立法権消滅を意図する行為ではないとしても、国会審議の形骸化
に拍車をかけることを知っていてやっているわけですから「未必の故意」によ
る「民主主義の根本原則変更」となり、人事院規則14−7(5)で禁止され
ている政治的行為に限りなく近いものとなります。

                     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 

昨日、学費値上げのことに言及しましたが、学生定員を増やすという「有力な
手段」もあるというご指摘がありました[3]。これは、実質的には教員数を減
らすことと同じ効果がありますが、教員数を減らすよりは学生数を増やす方を
選択することが予想されます。こうして、多くの私立大学が苦しんでいる学習・
教育環境の苛酷さを日本の大学全体が担うことになります。

                     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 

昨日(2/20)の国立大学協会法人化特別委員会はどうなったのでしょうか。委
員長が、推進派の石副会長なのですから、文部科学省と相談して作った例の
「レポート」を少し推敲して終わり、ということにならなければ良いのですが。
(編集人)


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[1] アピールの会の予定(事務局 ホームページより)
http://homepage2.nifty.com/~yuasaf/appeal/index.html
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<当面の行動>

¶ 2月24日(月)午前11時より、「アピ−ルの会」記者会見:於学士会
館本館306号室

¶ 同日午後、「アピ−ルの会」と「2.1 国立大学の独法化・再編統合に反対
する交流討論・決起集会交流連絡会」の意見交換:於学士会館本館

¶(同日午後3時より国大協理事会:於学士会館本館)

(「アピ−ル」への賛同署名をお急ぎ下さい)
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[2] 辻下 徹「国家公務員としての国立大学教職員の義務」(2002.5.15)
   http://ac-net.org/dgh/02/515-tjst.html
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「人事院規則の運用方針により、国家公務員が禁じられている政治的行為は
「日本国憲法に定められた民主主義政治の根本原則を変更しようとする」もの
と定められている(・・・この運用方針なしには人事院規則は憲法との整合性
がない)。

国立大学教職員は独立行政法人化批判をすることが自由にできるだけでなく、
逆に、批判しないことは公務員の義務に反していることに注意すべきである:
「国立大学法人(文部科学省案)」が実現すると、憲法23条を法的に補強す
る教育公務員特例法が大学について失効する一方、政府の徹底した大学監督権
が法的に保障され、さらに、学外者が強い権限を持つトップダウンな大学運営
形態が法的に義務付けられ、憲法23条は法的に無効化することになるため、
同案の違憲度は極めて高く、国立大学教職員が同案の実現に協力し批判しない
ことは憲法99条が国家公務員に課している憲法擁護の義務を怠っていること
になるし、それ以前に、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の
不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」と憲法12条が国民
に課す義務をも怠っていることになる。

なお、言うまでもないことだが、「国立大学法人(案)」をまとめ法案化を進
めている文部科学省の職員の行為は憲法99条との整合性を問われる。

(推奨文献:豊島耕一氏「国家公務員の政治活動の制限・禁止について」
(1996.3.2)
http://www03.u-page.so-net.ne.jp/ta2/toyosima/daigaku/UniversityIssues/PoliticalActivities.html

○日本国憲法第99条(憲法尊重擁護の義務)天皇又は摂政及び国務大臣、国
  会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

○国家公務員法百二条(政治的行為の制限)
  5 人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。

○人事院規則14ー7(政治的行為)
  5.政治的目的とは、次に掲げるものをいう。
  ・・・五 政治の方向に影響を与える目的で特定の政策を主張し又はこれに
   反対すること。
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/kisoku14-7.html

○人事院規則一四−七(政治的行為)の運用方針  (五)第五号関係
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/housin14-7.html
 本号にいう「政治の方向に影響を与える意図」とは、日本国憲法に定められ
た民主主義政治の根本原則を変更しようとする意思をいう。「特定の政策」と
は、政治の方向に影響を与える程度のものであることを要する。最低賃金制確
立、産業社会化等の政策を主張し、若しくはこれに反対する場合又は各政党の
よつて立つイデオロギーを主張し若しくはこれらに反対する場合或は特定の法
案又は予算案を支持し又はこれに反対する場合の如きも、日本国憲法に定めら
れた民主主義政治の根本原則を変更しようとするものでない限り、本号には該
当しない。」
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[3] お便り(2/20)紹介:「独法化後は学生数2倍,学費2倍」
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「具体例として:

> その減少分は、教員規模の極端な縮小による教育研究の質の低下を避けると
> すれば、企業からの研究費や特許収入などは、米国を見てもわかるように、
> たかが知れているわけですから、学費値上げに転嫁するしかないのです。国
> 立大学の学費は必ず急騰します。

**大学の場合,全部(人件費等も含めて)で40億円程度で運営しています.
学費は10億円程度です.したがって,独法化後は学生数2倍,学費2倍というの
が大学上層部の「非公式」見解です.」
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[4](転送) 環境行政改革フォーラムから国会議員への要請
http://www.eforum.jp/shihou/iken-moushiire1.html
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「みなさま
青山貞一です。

 正当性なき米国のイラク攻撃を実質的に容認、支持しそう(している)日本
政府に対し、衆議院、参議院議員を通じて撤回を要請するための意見申し入れ
です。

 何回かにわたり衆参議長、国会議員及び与野党代表に意見申し入れする予定
です。

 以下の文面に賛同される方は、必ず no-war-iraq@eforum.jp 宛にご自身
の氏名と所属あるいは肩書きをお送り下さい。

 所属、肩書きがない場合は、山田 太郎(東京都品川区)のように居住地名
をお書き下さい。

 なお、意見申し入れ文書、呼びかけ人、さらに一定期間毎に集約した賛同者
は、以下のホームページにて公開します。また各種連絡事項もHPに掲載する
予定です。(第一次賛同人掲載中)

環境行政改革フォーラムHP
 http://www.eforum.jp/shihou/iken-moushiire1.html

正当性なき米国のイラク攻撃HP
 http://www.01.246.ne.jp/~aoyama/iken-moushiire1.html

 本メールは転載歓迎ですので、他のメーリングリストはじめお知り合い、友
人等にも転送頂けると幸いです。

 賛同署名は、必ず no-war-iraq@eforum.jp にお送り下さい。

転送大歓迎です(上記を含めすべてを転送して下さい)

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国会議員各位

正当性なき米国のイラク攻撃への
日本政府の実質的支持の撤回要請について
意見申し入れ

 賛同署名者は、 no-war-iraq@eforum.jp までご氏名、ご所属か肩書きを
メールでお送り下さい。山田太郎(東京都品川区)など居住地だけでも結構で
す。定期的賛同者名を公表します。また数回に分け、衆参国会議長、国会議員、
与野党代表に署名付きの意見申入書を送ります。

【呼びかけ人代表、発議者】 
 青山 貞一  環境総合研究所所長、環境行政改革フォーラム代表幹事 

【呼びかけ人】 
 池田こみち 環境総合研究所副所長、関東学院大学経済学部講師 
 池田 直樹 弁護士、ゴミ弁連副会長(大阪府) 
 枝廣 淳子 会議通訳者、環境ジャーナリスト 
 大河内秀人 見樹院住職、パレスチナ子どものキャンペーン常務理事 
 逢坂 誠二 北海道ニセコ町長 
 岡部 一明 東邦学園大学地域ビジネス学科助教授 
 小野寺義象 弁護士、仙台弁護士会 
 梶山 正三 弁護士、ゴミ弁連会長(東京都) 
 釜井 英法 弁護士、ゴミ弁連会員(東京都) 
 佐竹 俊之 弁護士、ゴミ弁連会員(東京都) 
 鈴木 譲 東京大学大学院農学生命科学研究科附属水産実験所教授 
 鷹取 敦 環境総合研究所主任研究員、法政大学工学部講師 
 田中 優 日本国際ボランティアセンター理事 
 辻 淳夫  日本湿地ネットワーク代表、藤前干潟を守る会代表 
 寺西 俊一 一橋大学大学院経済学研究科教授 
 戸田 清 長崎大学環境科学部助教授 
 花輪 伸一 WWFジャパン自然保護室 
 原科 幸彦 東京工業大学大学院教授、国際影響評価学会理事 
 広田 次男 弁護士、全国市民オンブズマン公共事業部会代表(福島県) 
 星川 淳 作家・翻訳家、屋久島環境政策研究所 


 過去の人類の歴史、経験から武力攻撃が何ら問題解決にならないことは明ら
かです。このことを最もよく知っているのは日本国民のはずです。

 ドイツ、フランス、ベルギー、ロシア、中国など国連安保理主要国を含むE
U等の国々は大量破壊兵器廃棄のための査察の継続を強く求めています。この
2月15日にはニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリンなど世界60カ国、
400カ所で1000万人を超えるひとびとのイラク攻撃反対デモもありまし
た。全米各地でもベトナム戦争時に比肩する反戦デモや集会が、東海岸のニュー
ヨークから西海岸のロサンゼルスまで全米約150の都市で行われ、ニューヨー
ク・マンハッタンでは約38万人もの市民が参加しています。各国の世論調査
でも70〜80%のひとびとが米国の正当性のない武力攻撃に反対の意志を表
明しています。

 このような国際的な大きな反戦、非戦のうねりのなか、日本政府は米国のイ
ラク攻撃を実質的に支援することをきめました。これは非軍事的方法で解決を
求める圧倒的多くの国際世論から、また憲法において武力による国際紛争の解
決を放棄した国家として論理的にも間違っていると思われます。

 日本が米国の同盟国であるのは事実です。しかし、ドイツ、フランスなど米
国の主要同盟国でさえ、今回の米国のイラク攻撃についてはNATOや国連安
保理において明確かつ論理的に批判し、査察の継続を求めています。

 日本政府はイラクが国連決議を遵守していないとことあるたびに述べていま
すが、過去、イスラエルが60件に及ぶ国連決議を無視してきたことを看過し
続けています。朝鮮民主主義共和国の核保有問題についても非軍事的な解決の
道を選ぶと言ったり、「北朝鮮問題で米国に世話になるのでイラク攻撃を支持
するしかない」と言う趣旨のことを述べています。これらは日本政府が明らか
に米国のダブルスタンダードに追随していることを物語るものであり整合性も
なく、きわめて非論理的なものです。

 さらに昨年7月に国際刑事裁判所(ICC)設立条約が成立し、戦争犯罪に関す
る国際司法制度が設立されました。コフィ・アナン国連事務総長はこの国際刑
事裁判所について次のように述べています。すなわち、(国際刑事裁判所)は
少なくとも、ジェノサイド、人道に対する罪そして戦争犯罪といった国際社会
に対する重大な犯罪を裁く常設裁判所という、国際法体系が長い間失っていた
輪を提供することを約束する、と。

 しかし、米国のブッシュ政権はこの制度からの離脱を表明し、結果としてイ
ラクで米軍兵士が行う戦争犯罪の疑いのある行為を国際的に裁くことができま
せん。米国が国際刑事裁判所(ICC)条約を批准する意思も示していない以上、
日本が米軍の攻撃を支持することは、今日の国際水準の戦争に関する規制が適
用されないことを黙認し、日本はイラクで起こりうる戦争犯罪の共犯となりう
ると言わざるを得ません。ましてや状況によっては核兵器の使用もありうると
米国防長官は公言しているのです。これを食いとめるすべもないまま日本政府
が米軍支持をするのは犯罪です。

 そのブッシュ政権が地球温暖化防止のための京都議定書や核実験全面禁止条
約(CTBT)さらに米ロ弾道弾迎撃ミサイル制限条約(ABM)など、国際
的にみてきわめて重要な公約を次々に反故にしてきたことは周知の事実です。

 いずれにしてもイラク問題は国連による徹底した査察のなかで、非軍事的手
段で逐次解決して行くことが、理性ある国家が選択すべき最良の道であるはず
です。

 10,600個の核弾頭を所有し、世界30カ国に軍事基地を持ち、世界の
軍事費の50%になんなんとする軍事大国米国による正当性なきイラクへの先
制武力攻撃は、罪のない数限りない子供など市民を殺傷し環境を破壊するだけ
でなく、21世紀における世界のありようを根底から破壊し、取り返しのつか
ない大きな禍根を残します。

 米国に何でも追随してきた日本政府ですが、イラクと日本はもともと何ら敵
対的な関係にありません。イラク攻撃を実質的に容認、支持することは、日本
の国益にもなりません。米国による戦争行為への日本の支持は明らかに間違い
です。

 日本は米国の親密な同盟国であればこそ、米国が何が何でもイラク攻撃をす
るという姿勢を是正させる義務と責任があるはずです。

 思慮ある衆議院、参議院の国会議員の皆様、何としても日本政府に米国等の
イラク攻撃の容認、支援を制止させるよう、切にお願い申し上げます。
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[5]  池澤夏樹「新世紀へようこそ 095」
http://www.impala.jp
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「・・・ドイツのフィッシャー外相は「ドイツの国民は圧倒的に戦争に反対で
ある。戦争回避の道が残されている以上、私は国民を戦争に向けて説得するこ
とはできない」と言いました。これが民主主義というものでしょう。

 フランスのドビルパン外相は14日の安保理で「戦争と占領と蛮行を体験し
た古い国」の代表として「我々の責任と名誉にかけて、平和的な武装解除を優
先すべきだ」と述べました。会場にいた各国の外交官が(通常は禁止されてい
るにもかかわらず)一斉に拍手したそうです。

 それに対して、日本政府のふるまいはアメリカ追従というに尽きま
す。・・・」

「・・・先日、アメリカの軍事関係者が、きたるべきイラク攻撃の展開を解説
した時に、「ヒロシマ効果」という言葉を使いました。

 開戦の初日に300発から400発のミサイルをイラクに撃ち込む。翌日も
同じ数のミサイルを投入する。この集中的な大量破壊によってイラク側の戦意
喪失を図る。

 これを「ヒロシマ効果」と呼んだのです。

 日本としてこれは聞き流せることではないはずです。アメリカの軍人は今も
ヒロシマを成功した戦略と見なしている。10万人の死者のことも、あとあと
まで残った放射能障害のことも、まるで念頭にない。

 日本にすれば、ここで抗議しなくて何のための50年に亘る平和主義と反核
だったのか。非核三原則は何だったのか。・・・」
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編集発行人:辻下 徹 tjst@ac-net.org
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