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Subject:TBS News 5/24:国立大法人化反対の教員が改革を批判
Date: Tue, 27 May 2003 01:05:17 +0900
国公立大学通信 2003.05.26(火)
http://ac-net.org/kd/03/527.html
--[kd 03-05-26 目次]--------------------------------------------
[1] TBS News 5/24: 国立大法人化反対の教員が改革を批判
[2] 毎日5/25 田畑博邦「審議足りぬ国立大法人法案」
[3] 毎日5/26 横浜市大改革 独立法人化で論争
[4] 全国経理部課長会議で要請/安衛対策は追加財政支援なしで緊急に改善を/
[5] 全大教九州【参議院文教科学委員への・・・訴え】
[6] 静岡新聞5月25日朝刊: 語る:静岡大学長 天岸祥光氏(下)
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5月23日の文部科学省記者クラブでの記者会見についてのニュースがTBSの
サイトで見れます[1]。今のところ,唯一の報道のようです。
毎日新聞神奈川[2]では、横浜市大改革について、種々の意見を取りあげまし
た。今後の継続的な取り組みが期待されます。(編集人)
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[1] TBS News 5/24: 国立大法人化反対の教員が改革を批判
http://news.tbs.co.jp/20030524/headline/tbs_headline754379.html
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TBS News 2003.5.24 0:44
国立大法人化反対の教員が改革を批判
いまの国会で法案の審議が進んでいる国立大学の法人化について、反対してい
る教員グループが記者会見を開き、文部科学省主導の大学改革を批判しました。
会見を開いたのは、国立大学法人化の法案に反対する6つの教員グループで、
首都圏をはじめ、北海道や九州など各地から代表者が集まりました。
出席者は、法案が大学に対する国の統制を強め、労働条件などの整備もできて
いないと指摘。大学改革の必要性は認めつつも、文部科学省と一部の大学トッ
プが、学内の意見を無視して法案成立を急いでいると批判しました。また、マ
スコミを含む社会的な議論が少ないことも問題だ、としています。
法案は与党3党の賛成ですでに衆議院を通過し、参議院の審議に入っています
が、教員グループは今後も、議員や大学に働きかけて慎重な審議を促す方針で
す。(24日 0:44)
ビデオ:
http://news.tbs.co.jp/ram/news754379_2.ram
http://news.tbs.co.jp/asx/news754379_3.asx
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[2] 毎日5/25 田畑博邦「審議足りぬ国立大法人法案」
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/030526mainiti-tabata.htm
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「毎日新聞 2003年5月25日(日曜日) 発言席
審議足りぬ国立大法人法案
東京大学社会科学研究所教授・田畑 博邦
国立大学法人法案が、5月16日の衆院文部科学委員会で可決され、22日の衆院
本会議でも可決、参院へ送られた。有事法制問題などに隠れて新聞等の扱いは
小さかったが、これからの国立大学のあり方、ひいては日本の高等教育のあり
方にかかわる重要な法案である。
この間の衆院の蕃議を見ると、野党側からの質問によって、法案の多くの問題
点が浮かび上がってきた。しかし、文部科学相、政府委員側の判で押したよう
な官僚的な答弁が目立ち、諭戦は深まらないという繕果に終わっている。
例えば、なぜ法人化するのかという単純な、しかしも最も基本的な疑聞が複数
の議員から提出された。文科相の答弁は、一貫して、独立行政法人化は「大学
改革の一環として独立行政法人化を行う」という99年1月の閣譲決定にもとづ
いており、行財政改革(財政支出の台理化)を目的としているわけではないとい
うものであった。しかし問題は、「大学改革の一環として」なぜ「法人化」と
いう手法が選択されたのかという点にある。ところが、これについて文科省側
は、ひたすら「大学改革の一環である」という答弁を繰り返すのみであった。
また、「中親目標」(大学の重要事項の目標)を大臣が定めるという法案の規定
が、過度の国家介入によって「大学の自治」や[学間の自由」を侵すのではな
いかという野党側の議論に対して、文科相は、国が財政的な支出を行う限りは、
「最低限の関与」が必要であるという答弁を繰り返した。しかし、この「最低
限の関与」がなぜ、文科相からの付与という形をとらなければならないのか、
例えぱ民主党修正案にあるように、「中期目標」を作成して届け出・公表する
だけはなぜいけないのか、といった点は説明されなかった。
文科委員会の審議の後半になって、国立大学協会(国大協)が発した「国立
大学法人制度運用等に関する要請事項等」という文書が問題になった。この文
書は、国大協が法案成立を見越して、政府に対する制度運用に関する要望をま
とめようとしたものである。
この文書の内答は、(1)国立大学の法人移行時に労働安全衛生法、労働基準
法などの法律に違反する状態が発生するかもしれないが大目にいてほしい
(「運用上の配慮」)(2)法人移行に際して新たな財政支出を要する費用が発
生するので面倒を見てほしい(3)「中期目標」の運用などにおいて「学問の自
由」「大学の自治」に配慮してほしい、というものであった。来年が4月1日付
で国立大学が法人に移行すると、法律違反の状態が生まれるかもしれない、予
想以上にお金がかかるかもしれない、法案の墓本的な仕組みが「学問の自由」
「大学の自治」を侵書するかもしれない、というわけである。
委員会審議最終日の5月16日に、野党各党の委員は、法人化された大学が労働
安全衛生法の基準に適合するための施設改善費用の見通し追及した。費用の見
積もりとそれに対する財政的手当ての保証がなけれぱ、違法状態が発生する可
能性が高い。文科省はこの質問に直接答えることができず、最終的には5月中
に鋭意調査をまとめて結論を出すということを約束した。16日の委員会採決は、
こうした審議における答弁の不備を残したまま強行されたのである。
法案を送られた参院文科委員会は、衆院審議の積み残し部分を徹底して審議す
る必要がある。"良識の府"とされてきた参院は、法案を自動的に通す機関となっ
てはならない。独自の見識をもった結論を下すべきである。(毎週日曜日の掲
載)」
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[3] 毎日5/26 横浜市大改革 独立法人化で論争
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[追跡 神奈川 (欄)]
横浜市大改革 独立法人化で論争
横浜市立大学(同市金沢区)の改革を巡って、学内が二分している。「もう一
度建学する覚悟で改革の具体案を作ってほしい」と迫る中田市長。小川恵一学
長をはじめ。市側の方針に従う大学関係者が一方で、「拙速ではないのか」
「独立行政法人化が先走りしすぎてはいないか」と、疑問を呈する声も上がっ
ている。
累積負債は1140億円
「廃校」も選択肢に
■市長の方針■
市大の累積負債は1140億円 (02年度)、一般会計からの繰越金は年間240億円
に上る。厳しい財政状況を受け、「市立大学の今後のあり方懇談会 (あり方懇)」
(座長・橋爪大三郎 東工大教授) は2月下旬、「現状のままで存続する道は、
全く考えられない」との答申を出し、「大胆な改革で生まれ変わり、存続する」
「廃校とする」などの選択肢を市に突きつけた。
中田市長は今月7日、小川学長に市大の独立行政法人化を念頭に置いた改革
プランを10月までに策定するよう要請。市大側と市側がそれぞれ「市立大学改
革推進・プラン策定委員会」と「横浜市立大学改革推進本部」を設置し、改革
へのスタートを切った。商学部、国際文化学部、理学部を統合し、教育に重点
を置いたリベラルアーツ・カレッジ▽市や市民の課題とニーズに寄与する大学
▽経営を担当する責任者と教育研究に責任を持つ学長の分離を目指すという。
■見えぬ将来像■
改革の方向性を疑問視する大学関係者も少なくない。あり方懇の答申に疑問
を持った市大の教員や学生、市民らにより3月、「市大を考える市民の会」が
結成された。
その一人、理学部の一楽重雄教授は「学部統合というが、はっきりとした将
来像が見えない。大学院の博士課程の整備が、今やっとできたばかり」という。
また、経営責任者と学長との分離についても「学問の自由と大学の自治が担保
できるのか」と訴えている。さらに、「答申に示されている学費の値上げは学
生のためにも避けたい」「350万人都市の横浜市の大学に年間240億円の出費は
大きくないのではないか」など主張は尽きない。
また、ドイツ語文学講師で「市民の会」の遠藤紀明副代表は「答申は大学改
革へいい機会」としながらも、「歴史ある大学を変えるプランを作成すること
が、半年で可能なのか。市民ニーズに応える大学を目指すならば、市民全体を
巻き込んだ論議が必要」と語り、改革スケジュールを「拙速」と批判する。さ
らに「教育への投資は歴史的に見た時、大きな社会的投資」とし、「大学は営
利企業ではない」と話す。
■基礎研究は?■
中田市長は「自主的な大学運営が可能となる一方、責任ある執行体制が確立
され、より優秀な人材の確保も可能となる」と独立行政法人化を念頭に置いて
いる。
これに対し、商学部の藤山嘉夫教授は「独立行政法人化されると、大学は中
期計画を策定しなければいけないが、短期間に実現しそうな研究課題ばかり取
り上げられ、本当にチャレンジングな研究を盛り込めないないのではないか。
基礎研究つぶしになりかねない」と指摘。遠藤副代表も「独法化された大学は、
どこにもモデルがなくリスクが大きすぎる。非常勤講師など不安定な身分の教
員が増えるのでは」と危惧している。
ことば
独立行政法人
国や自治体から一部の行政機関を切り離して法人とし、独自運営を課すもの。
現在、国会で「国立大学法人法案」と公立大学の独法化を可能にする「地方独
立行政法人法案」が審議中。独法化されれば、教学と経営の分離▽教員の非公
務員化▽教育研究実績を第三者評価──などが導入される。
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[4] 全国経理部課長会議で要請/安衛対策は追加財政支援なしで緊急に改善を/
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「文教速報」2003.5.23付(第6463号)10頁
安衛対策は追加財政支援なしで緊急に改善を
舌津計画課長、全国経理部課長会議で要請
国立大学法人法案の衆議院審議で、法人化後適用される労働安全衛生法への
対策が不十分であれば、法人化を延長(ママ)すべきではないかといった厳し
い意見が出され、遠山大臣は「大学における安全衛生管理は、教職員・学生等
の安全と健康を確保するとともに、快適な教育研究環境を形成するのに不可欠
である。大学自らが積極的に取り組むべき課題」と明言。文科省として現時点
での各大学の改善計画の把握、具体的な実施状況についてフォローアップを行
うこととしている。
先の全国経理部課長会議で、文教施設部の舌津計画課長は「国立大学等の施
設整備について」の説明の中で、安全衛生管理対策実施状況調査を5月16日
付で緊急依頼したことを明らかにし、不備がある場合は今年度中に完了させる
よう強く要請した。その際、追加財政支援はないという前提で、改善計画を立
て、学内における財政支出を用意するよう求めた。
財源として考えられるのは、示達済みの施設整備費と学内経費の充当。舌津
課長は「安衛対策が緊急に必要とあれば、示達済みであろうとも、先にやらな
ければならない。学内経費については、学長裁量経費、競争的研究資金の間接
経費、それに営繕費が考えられる。こういうものを総動員して、安全衛生対策
を何が何でも今年度中に完了して欲しい」と説示を行った。」
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[5] 全大教九州【参議院文教科学委員への・・・訴え】
【参議院文教科学委員への国立大学法人化、高専独法化法案の廃案の訴え】
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2003年5月26日
参議院文教科学委員会委員 各位
「国立大学法人法案」と「独立行政法人国立高等専門学校機構法案」の廃案の
要請
貴職におかれましては、日本の教育・文化・科学の発展のため、日々ご尽力
されていますことに敬意を表します。
私たち、全国大学高専教職員組合九州地区協議会(全大教九州)は、全国大
学高専教職員組合(全大教、国立大学教職員組合約90団体、国立高専教職員組
合約20団体)に加盟する、九州の教職員組合をもとにつくられています。
先週木曜日(5月22日)、衆議院本会議で、標記の法案及び関連法案が可決
されました。これらの法案の多くの問題点が指摘されたのにもかかわらず、衆
議院で可決されたことに、強く抗議します。
参議院文教科学委員会で審議が開始されるにあたり、「良識の府」といわれ
る参議院の貴委員会にいて、文部科学委員会で明らかとなった本法案の問題点
が十分に審議され、廃案として頂きますよう、お願い致します。
全大教中央執行委員会等から、本法案全体の問題点は、指摘されており、貴
職のお手元にも文書が届いていると思います。本要請書では、特に、九州の地
方国立大学と高専の視点から、問題点を指摘します。
なお、本要請書は、全大教九州全加盟単組および九州地区私立大学教職員組
合連合と国家公務員労働組合九州ブロック協議会の連名で提出します。
この法案が成立した場合、次のような深刻な問題が生じます。
1. 学費の高騰によって、九州各県の若者の高等教育を受ける権利が著しく
侵害されます。 法人化後の国立大学の学費は上限を決めるので、大幅値上げ
はない、と文科省は文部科学委員会の審議で答えています。そして、その授業
料の上限は約70万円とされています。しかし、限度まで学費が引き上げられた
場合、九州では、能力や意欲はありながら、学費が支払えず、大学への進学を
断念せざるを得ない若者の数が増える可能性があります(内閣府「県民経済計
画年報」<平成12年>によれば、九州各県の「1人あたり県民所得」の全国順
位は、福岡県33位、熊本県35位、佐賀県37位、宮崎県42位、長崎県45位、鹿児
島県46位、沖縄県47位と低位の位置にあります。)。低額の授業料で高度専門
教育を提供する国立高専についても、その独立行政法人化を契機に、同様の問
題が発生することが懸念されます。九州の若者の大学・高専への進学を困難に
するこれら法案の廃案を強く求めます。
また、日本育英会の廃止と独立行政法人日本学生支援機構への移行も若者の
進学・修学に大きな影響を与えます。日本育英会は、教育基本法第3条第2項
により、経済的理由で修学が困難な若者への支援を行うために設立されていま
したが、その精神が大きく変えられ、家計が裕福でないと奨学金を受けられな
い、という逆転現象が生れようとしています。このことにも、是非ご留意くだ
さい。
2. 地方国立大学が統廃合され、国立大学のない県が九州に生れる可能性が
あります。法人法案では、国が各大学の教育研究の業績評価を行い、その結果
によって、運営交付金が配分されます。つまり、「成果が出ていない」、と国
が判断すると、運営交付金は減らされるのです。「淘汰される大学が出てくる
のも、やむを得ないのではないか」との意見が文部科学委員会で聞かれました。
運営交付金が減額され、大学が財政難に陥った場合、法人化された大学は自ら
再編・統合・廃校を行うことになります。つまり、国立大学のない県が生まれ
る可能性があるのです。その結果、これまでなされてきた大学の地域貢献が出
来なくなるだけでなく、地元の若者の中に、進学を諦める者が増えることが考
えられます(地方国立大学の場合、自宅通学の学生の割合が高いことに是非ご
留意ください。)。
国立大学法人法案では、各大学の設置者が各法人となっていますが、高等教育
に対する国の責任をまったく放棄するものであり、強い憤りを感じます。
3.法人への移行によって国立大学に労働安全衛生法等が適用されます。しか
し、文部科学委員会の審議の中で、多くの施設がその法律に違反していること
が明らかとなりました。九州のある大学の学部では、建物の65%以上が建築後
30年以上を経ています。老朽化した多くの建物の改修が、平成16年4月に間に
合うとは思えません。もし、危険建造物と認定された場合、使用禁止もあり得
る、と聞いています。その場合、授業そのものが行えない事態となります。
「問題解消のために必要な対策や経費支弁等の対策を取る」、と文科省は「決
意表明」をしていますが、その保障はどこにもありません。教育研究の基盤整
備も進めないまま、法人化を急ぐ文科省に対して、強い憤りを感じます。
4. 文部科学省による大学や高専の教育研究活動への統制が強化されます。
文科省は、この法案は、国立大学・高専に自律的環境をもたらすもの、として
います。しかし、文科省が各大学の中期目標を策定し、各大学はそれにそって
中期計画を作成し、さらにその上に、その計画の可否を大臣が判断する(大臣
の認可)というシステムがつくられようとしています。法人化によって「大学
の自律性」が高まる、という遠山文部科学大臣の答弁は全くの詭弁であり、自
律的環境は決してもたらされません。
国立高専の場合、全国55の高専を、1つにまとめて、1法人にされようとし
ています。これでは、自主も自律も、各高専の特色も出ません。中期目標は高
専機構法人及び文科省が指示することになっていますが、教育研究の現場を知
らない人が、全国の各高専の中期目標を設定できるとは思えません。 この法
案は、憲法が保障する「学問の自由」(第23条)、及び、教育基本法が禁止し
ている「教育行政による教育への不当支配」(第10条)に明らかに違反してい
ることを強く訴えます。
5.地方国立大学や高専が官僚の天下り先となり、人事面からも文科省の統制
が強化されます。文部科学大臣が大学ごとに監事2名を任命することになって
います。先行の独立行政法人では、そのポストが関係省庁の官僚の天下り先と
なっており、この点も国会で批判が出ています。高専の場合、校長及び高専機
構法人役員は、文科省の天下りポストとしてさらに流用されやすくなります。
現在、多くの問題を抱えつつも、地方分権化が進行していますが、国立大学や
高専については、中央集権化が進められようとしているのです。
貴職におかれましては、地方各県の実状やこの法案がもつ問題点を是非ご省察
いただき、「国立大学法人法案」「独立行政法人国立高等専門学校機構法案」
及び関連法案を廃案としていただきますようお願い致します。
・全国大学高専教職員組合九州地区協議会議長 気賀沢忠夫九州工業大学教職
員組合委員長 坂本哲三/福岡教育大学教職員組合委員長代行 鈴木典夫/九州
大学教職員組合委員長中江 洋/佐賀大学教職員組合委員長 白武義治/長崎大
学教職員組合委員長 宮原 彬/長崎大学医学系教職員組合委員長 松本逸郎/
熊本大学教職員組合委員長代行 堀 浩太郎/大分大学教職員組合委員長 西本
一雄/宮崎大学教職員組合委員長 野中善政/鹿児島大学教職員組合委員長 山
根正気/琉球大学医学部職員労働組合委員長 比嘉元子/国立有明工業高等専
門学校教職員組合委員長 新谷肇一/国立大分工業高等専門学校教職員組合委
員長 工藤康紀/国立都城工業高等専門学校教職員組合委員長 剣田貫治/福岡
女子大学教員組合執行委員長 馬塲弘利/長崎県立大学教員組合委員長 綾木歳
一/鹿児島県立短期大学教職員組合執行委員長 長谷部 剛/
・九州地区私立大学教職員組合連合執行委員長 山口一生
・国家公務員労働組合九州ブロック協議会議長 南部祥隆
以上
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[6] 静岡新聞5月25日朝刊: 語る:静岡大学長 天岸祥光氏(下)
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/web030526sizuoka.html
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『静岡新聞』2003年5月25日付朝刊 語る:静岡大学長 天岸祥光氏(下)
県全域で産学官連携
社会要請に即応 高度の成果還元
--- 浜松医大との統合協議の進ちょく状況はいかがですか。
「法人化後の中期計画期問(六年間)の前半で道筋をつけるというスタンスは変
わっていない。統合で特に期待できるのは、工学部と医学部が組んだ医用工学。
理学部の生物系には医学部出身の教員が何人かいるし、基礎医学と基礎生物学
は共通点が多く、一緒に新しい価値を生み出せそうだ。文科系も精神医療など
への関心は高く、医の倫理などで接点はある」
--- 産学官連携の全県への拡大を活発化させていますね。
「西部で長年の実績がある電子と光はこれまで以上に推進したい。中、東部は
全国屈指の食品、医薬品、化学産業との連携を軸に、一月に静岡キャンパスに
設置した地域共同研究センター静岡分室を拠点に取り組む。文科系が個人レベ
ルで実践してきたまちづくりなどへのかかわリを、組織的な動きに高めたい」
--- 東海地震対策にも積極的に取り組むとうかがいましたが。
「地域の人が安心して避難できる体制をつくる。毛布や食料などの資機材を備
蓄し、放射線を扱うなど住民が入ってはまずい場所は明示しなくてはならない。
ふだんからの地域との連携が重要だ。阪神大震災の時、高台にある神戸大には
多くの被災者がやってきた。ロケーションが似ている静大でも同様の事態が想
定される」
--- 大学が社会と連携する意義をどうとらえていますか。
「大学と地域や企業が互いに相手の持ち物を利用するだけでなく、刺激し合う
ことで新たな成果を生まないと本当の運携とは言えない。社会二ーズを知って
研究をレベルアツプさせ、さらに高度な成果として社会還元するようにしたい」
--- 法科大学院開設の見通しはいかがですか。
「制度がスタートする来年度の開設を目指し、六月末の文科省への申請に向け
て努力している。静岡大が計画しているのは一学年六十人、専任教員は二十二
人規模。実務家教員が二割程度以上必要なため、県弁護士会に派遣を要請して
いる。学生に法曹界を身近に感じてもらうためにも、ぜひ法科大学院がほしい」
--- 教養教育に力を入れる方針を打ち出していますね。
「十月に発足する大学教育センターで、専任の教員を置いてレベルアツプに取
り組む。自分の専門分野が実社会と接点を持った時、世の中でどういう位置付
けになっているかを自覚するために教養教育は非常に重要。総合的な判断力は、
専門だけでは身につかない。そういう教養を身につけた上で、サークルなどを
通じて幅広い人間性をみがき、社会に出てリーダーとなる人材を養成したい」
--- 相次いで発覚した教員の学生へのセクハラ(性的嫌がらせ)にどう対応しま
すか。
「深刻に受け止めている。セクハラヘの理解を深める研修への教員の参加を徹
底させるなど、防止体制を強化する。学生は教員に対して安心、信頼している
だけに、被害に遭った場合、PTSD(心的外傷後ストレス障害)など計リ知れ
ないダメージを受ける。教員はたとえ口に出さなくても、先生と学生という力
関係が働いていることを自覚して行動を律してほしい」
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編集発行人:辻下 徹 tjst@ac-net.org
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