┌─目次── │─1─ 「拡大路線の継続か、教育の質を最重視する財政への転換か │ ーー大学財政の解剖と茨木キャンパス問題」内山昭教授(財政学) │─2─ 「実現する会」の公開質問状:退任慰労金問題に関して │─3─ 総長候補者討論会 │ 3a─ 選挙管理委員会主催(主会場:朱雀) 本日10/19(火)18:30〜 │ 3b─ 教職員組合主催(主会場:衣笠) 明日10/20(水)19:00〜 │─4─ 報道:同志社大が新キャンパス 京都・烏丸、13年4月から │─5─ 常任理事会文書2010.10.13 キャンパス将来構想に関わる課題について │ 5a─ 別紙2: 新キャンパス構想に関わる意見集約の状況と今後の進め方 │ 5b─ 別紙3: この間のキャンパス将来構想の経過について └───
財政学を専門とする内山教授が立命館の財政構造を分析し3キャンパス構想について警告しています【1】。
┌─── │以上のように茨木第3キャンパスの用地購入、建設は学園の財政的能力を超える │巨額の費用を要します。しかも、実際にビール工場跡地を見てきた多くの方に │よると、交通騒音やアクセス道が狭い、周辺に緑地がないなど教育研究環境は │決して良くないと指摘されています。これまでの拡大路線に巨額の資金をつぎ │込んできましたので、充当可能な資金は最大限でも726億円(2010 年3月時点) │にとどまります。これを無理して強行することになると、S/T比の大幅引き下げ │など衣笠、BKC、APUの教育の質・水準向上に必要な費用を圧迫し、衣笠やBKCの │施設建て替えに重大な影響を与えることは必至です。この事業によって衣笠、 │BKC、APUの教育の質・水準の向上に必要な資金を圧迫しないとの根拠、具体的 │数字は全く示されていません。今、立命館学園は内容・質の面を軽視した拡大 │路線の継続か、教育の質を最重視する財政への岐路に立っています。私たちの │学園を「大きさ」や学部数で誇るのではなく、「落ち着いて教育研究ができ、 │教育の質・水準で誇る」日が来ることを切に願っています。 └───
現在使える資金は726億円以下だという指摘も重大です。3キャンパス構想では既存キャンパス整備を含めると10年間で1000億円程度の資金が必要と試算されています。
同志社が烏丸にキャンパス用地(7700平方メートル)を購入し、床面積約1万6800平方メートルの校舎に「国際的な研究に取り組む大学院研究科・国際的に活躍できる人材育成を目指す新学部」を入れ、また今出川キャンパスに隣接する同志社中学跡地(1万7000平方メートル)に新校舎を建設し、文社系学生に京田辺と今出川との2年ずつの生活を強いる不備を解消することが報道されました【4】。必然性のあるキャンパス構想と言うべきです。同志社の堅実な動きに学園幹部が焦燥感を抱いての「3キャンパス構想」という面も推測されますが、堅実な動きに軽率な動きで「対抗」するのは難しいように思います。
常任理事会が、10月13日の「会議資料」をウェブページにアップしています【5】.「今後は、この構想に関わる常任理事会での検討内容や情報をお伝えするために、常任理事会の資料をいち早くみなさんのお手元にお届けいたします。」【5b】とのことですが、「この構想」というのは3キャンパス構想、つまり茨木キャンパス用地購入案、にほかなりません。いまだに、この構想への執心を表明しています。
全学の意見集約の「要約」【5a】では、茨木キャンパス購入の根拠となる3キャンパス構想については全学的な批判があったことが記載されていません。ほぼ合意されている「衣笠キャンパス狭隘化解決のためのキャンパス用地購入」と全学的に批判されている「3キャンパス構想」とは全く無関係のものであり、これをあたかも同じものであるかのように論じる単純詭弁はもうやめたほうが良いと思います。これ以上続くと、すでに危険なほど低下している学園幹部の信用が消滅してしまうことが危惧されるからです。なお、このような「まとめ」【5a】が本当に13日の常任理事会で承認されたのか疑わしく感じます。
本日19日(火曜)午後6時半から、選挙管理委員会主催の唯一の公式の「総長候補者討論会」が朱雀キャンパスで行われます【3】。各キャンパスにはTV中継され、また録画が立命館のホームページで公開されるそうです。朱雀会場以外からの質問はできないことになっています。
また明日20日(水曜)は、教職員組合連合主催の総長候補討論会が衣笠キャンパスで行われます【3a】。衣笠以外の会場からの質問も可能だそうです。
「総長公選制を実現し学園民主主義を実現する会」が退職慰労金問題に焦点を当てた公開質問状を出しています【2】。
経済学部 内山昭(財政学) 拡大路線の継続か、教育の質を最重視する財政への転換か ―大学財政の解剖と茨木キャンパス問題― http://ac-net.org/rtm/campus/doc/2010-10-18-uchiyama.pdf
┌─── │学園の常任理事会の一部は、大阪・茨木市で高額の土地を購入し、第3キャンパ │ス建設に踏み出そうとしていますが、蓄積した資金を充てることに合理的な根 │拠はあるのでしょうか。これにかかる巨額の費用は衣笠、BKC.APUにおける教育 │の質、水準の向上を財政面から困難にしないのでしょうか。 │ │私立大学は法律上民間団体であり、その経営状況は単に会計というはずですが、 │普通「私立大学の財政」と呼ばれています。これは、私立大学が国公立大学 │(独立行政法人)と同等の高等教育と研究を担うという高い公共性を持ち、税 │制面や制度面で多くの特典を与えられているからです。茨木キャンパスへの巨 │費投入は、以下に説明するように財政面から、これまでの拡大路線を継続する │のか、教育の質・水準を最重視する財政への転換か、の選択と深くかかわって │います。 └───
http://ac-net.org/rtm/campus/doc/2010-10-18-jitsugen-59-koukaishitsumon.pdf
総長候補者討論会実施要項 http://www.ritsumei.ac.jp/mng/gl/koho/kyousyokuin/soucho_senkyo/101007-5.pdf
┌─── │1. 趣旨 │ 総長候補者の見解や人柄等に関する情報を提供することにより、有権者が総長像や学園課題の認識を深め、 │ 選挙人の投票行動の参考とすることを目的に、細則第9条に基づき、「総長候補者討論会」を開催する。 │ │2.日時 │ 2010年10月19日(火)午後6時30分~午後8時30分 │ │3.場所 │ 主会場:立命館大学朱雀キャンパス 中川会館4・5階 大講義室(ホール) │ 配信先: │ 立命館大学衣笠キャンパス 以学館3号教室 │ 立命館大学びわこ・くさつキャンパス コアステーション2階 大会議室 │ 立命館アジア太平洋大学教室棟2階F209 教室 │ 立命館慶祥中学校・高等学校情報教室4 │ │4.運営原則 │ (1) 候補者は主会場に集まって討論を行い、配信先会場にTV 会議システムを通しじ配信する。 │ (2) 各候補者間の公平性に留意した運営を行う。 │ (3) 特定の個人または組織を誹謗中傷するなど選挙の公正な執行を妨げることがないように留意した運営を行う。 │ (4) 日本語により運営する。選挙管理委員会の委員長が必要と認めた場合、 │ 特定の候補者のための通訳を配置することができ、配信先に通訳を配置することができる。 │ (5) 討論会では、選挙管理委員長が各候補者に質問を行うとともに、開催 │ 時間の範囲内で、討論会場に来場している有権者からの質問も受ける。ただし、 │ 技術的な理由から質問ができる会場は、主会場のみとなる。 │ (6) 候補者への質問に対しては、全ての候補者が回答・発言する時間を保障する。 │ (7) 討論会は録画し、総長選挙のページで公開する。 │ (8)事前質問を 10 月15 日(金)17:00まで受け付ける。事前質問は、所属・ │ 氏名を明記した上で、質問のみを簡潔に記載し、総務部総務課宛に FAXで送付 (075-813-8138)する。 │ なお、討論会の時間配分や質問の重複等により、当日に紹介されないことがありうる │ (質問状は1枚につき、質問を1つとする。)。 │ 以上 └───
┌─── │[総長候補者討論会] │ 日時:2010年10月20日(水)、19時〜21時 │ 会 場: │【衣 笠】至徳館304東西会議室(メイン会場 予定) │【朱 雀】中川601西会議室 │【BKC】コアステーション大会議室 │【APU】本部棟第5会議室 │【附属校】各TV会議室(調整中) └───
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20101015ddlk26100431000c.html 同志社大:キャンパス再編計画 京都市、大歓迎/京田辺市、残念 /京都
http://osaka.yomiuri.co.jp/university/education/20101015-OYO8T00628.htm 同志社大 烏丸キャンパス新設…13年春
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010101401000265.html 同志社大が新キャンパス 京都・烏丸、13年4月から
http://www.ritsumei.ac.jp/mng/gl/koho/kyousyokuin/news/2010/101014.pdf http://ac-net.org/rtm/campus/doc/2010-10-13-jouninrijikai.pdf
キャンパス将来構想に関する常任理事会資料より http://www.ritsumei.ac.jp/mng/gl/koho/kyousyokuin/news/campus_kousou.htm
http://ac-net.org/rtm/campus/doc/2010-10-13-jouninrijikai-shuuyaku.pdf
┌─── │ │ 2010.10.13 常務会 │ 2010.10.13 常任理事会 │ (総合企画室) │ │ 新キャンパス構想に関わる意見集約の状況と今後の進め方 └─── ┌─── │1.学部・研究科、職員職場からの意見集約まとめ │ 意見集約(9 月29 日常任理事会)では肯定的・否定的含めさまざまな意見や論点が提起 │ されているが、その内容は大きく以下の点に整理できる。 │ │1)検討の進め方と合意形成 │ (i)提起が「唐突」であり、議論期間設定が「拙速」「性急」である。 │ (ii)新中期計画の検討をはじめこの間の課題とかい離している。 │ (iii)学生への説明と協議が必要 │ (vi)取得時期の判断について(10 月時点での判断は反対等々) │ │2)キャンパスコンセプトと教学創造 │ (i)教学デザイン、キャンパスコンセプトの議論が不十分 │ (ii)衣笠キャンパス狭隘化の解消の必要性、一方で狭隘化解消につながる提起か │ │3)新キャンパスについての意見 │ (i)新たなキャンパス構想の必要性 │ (ii)山ノ内についての再検討 │ (iii)大阪・北摂に対する評価と情報提供 │ │4)大阪展開での京都ブランドと学生募集への影響 │ │5)新キャンパス構想と関わって具体化すべき課題として、教学システム、管 │理運営体制、事務体制、学生生活・課外自主活動課題、財政見通しがあげられる。 └─── ┌─── │3.討議を通じた常任理事会としての確認事項と検討を深めるべき課題 │ │特別委員会、常任理事会での検討内容とともに、各学部等の意見集約、学友会・ │院生協議会や教職員組合との意見交換を踏まえた論点を整理し、確認事項と今 │後検討を深める課題を確認する。 │ │さらに7 月のキャンパス将来構想の方向性と確認事項をうけて、検討を深める │べき課題について常任理事会を中心に議論し、意見集約での論点への返しも含 │めその内容を学内で共有し、議論プロセスを積み上げていく取り組みを進める。 │ │1)これまでの常任理事会の確認事項 │ (i)キャンパス狭隘化(特に衣笠キャンパス)は喫緊の課題であり早急な解決が必要。 │ │ (ii)立命館の教学展開、キャンパス狭隘化の解決にむけては、新中期計画前半期を目処 │ に、新キャンパス供用開始を最大限努力する。 │ │ (iii) 新中期計画の各委員会の検討、教学展開、キャンパス創造を計画として収斂し │ ていく学内の検討を年末/年度末にかけて取り組む。 │ │ (iv) 学部・研究科の教学展開、諸制度については2011 年度中に具体化・明示を進める。 │ │ (v)これまでの議論を踏まえ、10 月中の判断を行わない。 │ │ (vi)大阪・北摂での学生募集について、外的要因(全国的な地元進学志向・ │ 自宅通学志向の高まり、京滋との比較での大阪の受験人口規模)を踏まえ、 │ 本学学部ごとの地域別志願構造が異なるなかで近畿圏比率が高い学部につ │ いては、大阪・北摂により有力校の志願が見込めること、逆に滋賀(特に │ 北部)の志願への影響が考えられることの推測など。 │ │ (vii)財政について、大阪・北摂での新キャンパス構想と既存学部・研究科の │ 教学改革、人的体制の充実、既存キャンパス整備を現行の収支の枠内で取 │ り組むことは、一定の仮定の範囲で可能との財政見通し。 │ │2)検討を深めるべき課題 │ │ (i)山ノ内浄水場跡地の検討 │ │ (ii)キャンパス創造と学部・研究科の展開 │ │ なお、(i)の山ノ内の検討に際し、教職員体制、ガバナンス・職員体制、学生 │ 生活・課外自主活動条件を盛り込んで検討する。 │ │3)その他 │ 常任理事会での確認事項、検討内容を適宜、学内に返していく。 │ │4.新中期計画の各委員会の答申と計画要綱の作成 │ │新中期計画の各委員会は6 月の中間まとめ提起と全学園からの意見集約以降も │答申作成にむけた討議を継続し、第2 委員会から第5 委員会については最終答 │申確定段階にある。第1委員会については、他の委員会答申内容と新キャンパス │構想を計画の全体像・フレームに位置づける役割から答申作成テンポは遅れざ │るを得ない。今後はキャンパス創造の議論を見すえながら、教育、研究、学園 │創造についての各委員会の検討を踏まえ、総合調整会議(拡大)で計画要綱の │策定段階に入ることとなる。ついては、第2 委員会から第5 委員会答申につい │ては10 月20 日常任理事会に報告を行うよう、各委員会との調整を行う。 │ 以上 └───
http://ac-net.org/rtm/campus/doc/2010-10-13-jouninrijikai-besshi3.pdf
┌─── │この間のキャンパス将来構想の経過について │ 2010 年10 月13 日 │ 常任理事会 │ │常任理事会は、本年7月にキャンパスの将来構想を全学に提起いたしました。 │以降、様々なご意見やご質問を頂戴し、提起後も幾つか説明の文書を配布して │きました。常任理事会では、みなさんのご意見を踏まえ、この間、精力的に誠 │心誠意、議論してきましたが、特に判断時期及び新キャンパス展開と教学論議 │の関係性については、厳しいご意見があったと受け止めています。 │ │本構想にある新キャンパス候補地については、学内の議論を経て判断するとい │う前提で交渉先と話をしております。本学以外にも当該用地について打診して │いるところが複数あることもあり、10 月を目処に検討に全力を尽くすとしてい │ましたのは、この間、説明をさせていただいたとおりです。 │ │しかしながら、今時点の状況としては、みなさんのご意見と同様、常任理事会 │としても未だ最終的な結論を得ていません。したがって、全学の議論を深める │には今少しの時間が必要と考え、交渉先に判断時期の延長について、打診を行 │いました。極めて厳しい交渉となりましたが、常任理事会としては、少なくと │も10 月中に本構想について結論を出さないこととしました。判断は延期します │が、常任理事会としてはこれまでと同様、速やかに集中して本構想の検討を継 │続し、全学の議論を深めることに努力いたします。 │ │この間、みなさんから寄せられたご意見などにより、論点は大いに深まってき │たと考えています。また、全学協議会代表者会議も開催するなど学友会や院生 │協議会とも意見を交換し、学生・院生の年来の要求を踏まえて、教学改革、既 │存キャンパスの抜本的改善の検討の視点も深めてきました。その結果、次の点 │で、常任理事会として全員で一致できています。 │ │(i) 各学部・研究科等の教学改革と、キャンパスの狭隘性(特に衣笠)の早い解決の必要性。 │(ii) そのために新たなキャンパス創造が必要であること。 │(iii) その判断のため、集中的に検討し、速やかに方向性を定めること。 │(iv) 新中期計画は、年内/年度内にまとめ上げること。 │ │こうした検討を積み重ねることによって、何より学生・院生のためにという視 │点で、そして立命館の将来的な展望のために、合意形成に向けて様々な課題を │乗り越えられると確信しています。 │ │今後も常任理事会は責任を持って検討を進めますが、これまでの議論の進め方、 │特に、常任理事会で共有している情報や検討状況がみなさんに伝わりにくいと │いう、情報の伝達について課題を感じています。本構想は極めて重要な検討課 │題であり、状況をみなさんと共有していきたいと考えています。そこで今後は、 │この構想に関わる常任理事会での検討内容や情報をお伝えするために、常任理 │事会の資料をいち早くみなさんのお手元にお届けいたします。 │ │立命館を支えるのは、構成員一人ひとりです。みなさんのご理解と一致が、本 │構想の前提として必要と考えています。是非、学生・院生のため、立命館の将 │来ために、継続した議論をお願いしたいと思います。常任理事会としても、み │なさんと共により良い結論を得るべく、全力で努力することをお約束いたしま │す。 └───