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Weekly Reports  No.49  2001.4.23 Ver 1.1

http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/wr/wr-49-01423.html 総目次:http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/wr/all.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [49-0] 発行者より [49-1] 文部科学省 [49-1-1]中央教育審議会文部科学大臣諮問2001/04/12 [49-1-2]中教審初等中等教育分科会(2001.4.19)で文科省批判 [49-2] 文部省調査検討会議 [49-2-1]「組織業務委員会」配付資料(第9回2001.3.21)資料 [49-2-2]「組織業務委員会」(第10回2001.4.12)資料 [49-2-3]「財務会計制度委員会」(第6回2001.3.30)資料 [49-3]「国立大の付属学校も見直し必要 文科省の懇談会指摘」 [49-3-1]全国国立大学附属学校連盟「平成12年度 要望書」 [49-4] 独立行政法人化した国家機関 [49-4-1]首都圏ネット「独法化された元国研の状況」(2001.4.19) [49-4-2]外務省「独法化についての各国政府に通知する電信案」より [49-5]産業人会議発足(2001.4.5) [49-6]「国立大学独法化阻止 国民ネットワーク」の提案 [49-7] 九大教職組「独立行政法人化でどうなる?」 [49-8] 北大法人化検討WGへの発行者からの意見(2001.4.18) [49-9] 意見・図書紹介など [49-9-1] 佐々木東大学長の入学式式辞 [49-9-2] 日経ビオテクノロジー主催第二回バイオ投票、2001年4月9日〜) [49-9-3] 吉岡斉「科学技術政策に関する備忘録・2000年」 [49-9-4] 「グローバル経済が世界を破壊する」 [49-9-5] 森永卓郎「リストラと能力主義」 [49-9-6] 政策海外ネットワーク研究所 [49-9-7] 全大教編 「国立大学の改革と展望」 [49-10] 紹介:電子署名運動「NHKに対する「見解と要望」」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [49-0] 発行者より [49-0-1] 国立大学の独立行政法人化問題は山場を迎えつつある。5月21 日の国大協特別委員会での「中間まとめ」の準備として、長尾試案についての 各大学の検討が進行中であるが、全学の意見を集約するのではなく大学幹部の WGのまとめを評議会が承認する、という形態が多いと予想される。各大学で 学部や学科単位の声明や、教官有志の意見表明などが望まれる。 [49-0-2] 調査検討会議作業員の意見を記した文書[49-2-1-3]が公開されてい る。産業経済相官僚の法人案[48-8]など、外部から身勝手な干渉に対する憤り からか、今の大学制度のどこが悪いか客観的な分析もなしに大学制度を手術し てはならない、もしそれをするならば、最初からすべてやり直すべきだ、とい う主張だ。では、独立行政法人化にも反対なのかと思うとそうではなく、独立 行政法人化ならば工夫次第で今の大学制度をそのまま保てる、ということのよ うであり、その努力を無にしようとしていることへの批判であろう。  独立行政法人化は、定期的な大学改廃審査権を行政に与えるという点が核心 である。組織の形が同じでも、その組織をコントロールするものが外部に移さ れれば今の大学とは全く異質の存在になることは言うまでもない。これは誰が 考えても自明なことであり、その点を認識しつつ不問にして、形だけ今と同じ ものにできれば良いと考えるのは、「真理の府」としての大学の使命を自ら破 棄すること、つまり大学であることを止めるに近いものである。 [49-0-3] 独立行政法人化問題関係の文書を見ると、国立大学関係者の間で は民営化をいかに回避するか腐心し、そのために、大学の独立性は余り主張し ないようにしようとしている[49-8]。国立大学民営化による日本の高等教育体 制全体の弱体化を憂慮するのであれば、民営化の準備段階として制度設計され た独立行政法人化も同様に退けるよう努力すべきではないか[49-8]。  しかし、一方で、国大と私大との違いがどこにあるかを詮索する議論は問題 の核心を見失っている。大学社会全体が団結して、国大・私大を問わず高等教 育軽視政策を一貫して取ってきた政府を批判することこそ今取り組むべきこと だ。 [49-0-4] 国立大学独立行政法人化政策は種々の思惑がからんでいるが、産 業界からの熱い視線は特筆に値する。彼らの目から見ると今の国立大学は機能 していない。もっと活性化させるために競争原理を導入せよ、というのが最近 の大学改革の主題となっている。それは、独立行政法人化推進の主要な論点の 一つともなっているし、次期科学技術基本計画は競争原理一色で塗りつぶされ ている。さらに、大学運営をトップダウン体制にし大学に「機動性」を持たせ 時代に即応した働きを実現させるには独立行政法人化が効果的な方法とみなさ れている。しかし、トップダウンが有効なのは軍隊と官僚組織である。業務が 明確に決まっていて忠実に効率良く実行することが重要な組織には明確な指揮 系統の有無は死活問題である。しかし「上から与えられた目標を忠実に計画的 にこなす」研究活動を最良のものと考える人は居まい。  このことは大学に限らない。ビジョナリーカンパニー[49-9-5]の特徴は明確 な企業理念を持っていること以外には、常識とは裏腹に、トップはリーダーシッ プを発揮することなく現場の創意工夫を信頼し、かなり行き当たりばったりな 運営をし、また、予想外の進化を可能にする何らかの仕組みを組み込んでいる、 という。今、日本がやろうとしていることは、日本の種々の組織が持っていた ビジョナリーカンパニー的な様相を潰すことと言えるだろう。  ビジョナリーカンパニーが持つ明確な企業理念に相当するものが国旗や国歌 や歴史教育の徹底で得られる可能性はあるのだろうか。国としての理念を国家 主義に求めること自身が、一部の人が意気高揚して多くの人々を同じことに駆 りだすことにより、一人一人が自分流に考え自分のスタイルで生きる意欲を奪 い創意工夫の芽を摘み日本全体を知的にも文化的にも貧弱にしてしまう危険性 の方が余程大きいのではないか。 [49-0-5] 超国家的機関WTO(世界貿易機構)は加盟国に対し法律改正を 強要するほどの力を持つが、その意思決定過程は小数の「国際貿易官僚」によ り帳の中で行われアカウンタビリティに全く欠けている[49-9-4]。世界貿易推 進のための規制緩和により、多くの加盟国は経済・文化・共同体・自然が崩壊 する中で、独り超国家的企業だけが成長を続けている。何事かにおいて必ず得 をする者が存在するときは、その者が事を支配していることは自明なことでは ないだろうか。日本も金融ビッグバン等の規制緩和・構造改革実施後は、加盟 国の多くが辿った道を歩むことを予想する者は多い。大学では警鐘を鳴らす専 門家はどのくらい居るのだろうか。大学独立行政法人化後は研究資金の出資者 となるであろう超国家的企業達を賞賛する者が増えこそすれ批判する者は大学 に居場所はなくなる[48-11-4][49-0-6] 国立大学の独立行政法人化の問題点は時間が経過するにつれて 明確になってきている。特に4月から独立行政法人化した国立研究所における 諸問題がすでに顕在化[49-4]し始めていることから、大学でも本当に大丈夫か という思いを持つものも増えつつあるように思われる。このような段階で、国 大協が文部科学省と協力して「適切な」独立行政法人化を模索するような動き をしていることは、未来世代に対する背信行為と発行者には思われ、「国立大 学独法化阻止 国民ネットワーク」の結成を共同で提案している[49-6]。独立 行政法人化反対首都圏ネットワークと東大教職員組合は、5月18日に独立行 政法人化阻止のための大集会を企画しており、国民ネットワークも当日の結成 を予定している。なお、全大教の「国立大学の改革と展望」[49-9-7]が間も無 く出版される。 [49-0-7] NHKのある放送番組が制作担当者の意に反して大幅に改変された という疑惑がもたれ国会でも取り上げられている。公共放送における情報操作 の有無は日本社会の行く末を左右する深刻な問題であり、うやむやにしてはな らない。4月21日よりオンライン署名運動が開始された[49-10]。 ---------------------------------------------------------------------- [49-1] 文部科学省 ---------------------------------------------------------------------- [49-1-1]中央教育審議会文部科学大臣諮問2001/04/12 3 今後の高等教育改革の推進方策について http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/010401.htm#3 理由説明 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/010401.htm#r3 ---------------------------------------------------------------------- [49-1-2]中教審初等中等教育分科会(2001.4.19)で文科省批判 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/01/420-chukyoushin.html ---------------------------------------------------------------------- [49-2] 文部省調査検討会議 ---------------------------------------------------------------------- [49-2-1]調査検討会議「組織業務委員会」配付資料(第9回2001.3.21)資料 http://www.hokudai.ac.jp/bureau/socho/agency/chosa-soshiki.htm#l09 #(次の2文書は大学の独立行政法人問題検討における立場を明確にしている が、間接的には長尾試案ならば大学の独立性は守られる、と主張していること になる。) ---------------------------------------------------------------------- [49-2-1-1]作業委員会 運営組織「基本的考え方」(一部修正)(PDFファイル) http://www.hokudai.ac.jp/bureau/socho/agency/j130412-01.pdf 「運営組織「基本的考え方」(一部修正)3月21日 国立大学法人の管理運営組織についての基本的考え方 ?.国立大学法人の運営組織原理 1.国立大学法人は、国から施設と運営費の提供を受け、学術研究と高等教育及 びその研究教育と結びついた付帯的業務を行う組織である。従って、国の所轄 の下にあって、研究教育の特性に合致した自主的で責任ある管理運営を行う。 2.国立大学法人は、自主的で責任ある管理運営を行うためには、内部に自律的 かつ効率的な意思決定と執行の体制を持たねばならない。 3.国立大学法人は公共の負担で運営される組織である。従って国の関与を受け るだけでなく、国民に対して開かれかつ社会の要請を不断にとりいれうる体制 を持たねばならない。 4.国立大学法人は、日本社会の学術文化水準向上への責務と国際競争上の責務 を持っている。研究教育の質の向上をつねに図るような体制を持たねばならな い。 ?.法人化に伴う点 1.国の行政機関の一部であったために国(主に文部省)で行っていたことが、 国立大学法人に移る。国立大学法人は、大学毎の財務、給与決定、職員人事、 基本財産管理、契約事務や訴訟の当事者となること等、権限や責任が大幅に拡 大するのに対応した管理運営組織を持たねばならない。 2.法人化によって国立大学は、法人の長や役員・監事等の法人組織をもつので、 これを学長・副学長、評議会、教授会、運営諮問会議などの従来の自治的管理 運営組織の中に明確に位置づけねばならない。 3.法人化によっても国立大学は公共の負担で運営されるために、国の関与を受 けるが、新たな国の関与の範囲ならびに国と大学運営組織との関係を明確にし なければならない。 ?.法人化の有無にかかわらず、国立大学に改善が必要とされてきた点法人化 にあたって、国立大学に改善が必要とされてきた次のような点も改善されるこ とが望ましい。 1.学長の主導のもと機動的な運営を行う。 2.円滑に全学的意思決定を行う。 3.学術的・社会的ニーズの変化に対応する。 ?.法人化に伴う運営組織改革の主要点 法人化は、国立大学を国から独立した法人とすることにより、国立大学の自主 性と自己責任を拡大し、国立大学が競争的環境においてその研究教育等をいっ そう向上させていくべくとられる措置である。法人化後の運営組織は、従前の 国立学校設置法や教育公務員特例法等に見られるような国立大学元来の運営組 織原理を維持しつつ、法人化に伴って新たに大学に移される権限と責任を十分 果たせるように設計することを主眼とする。 1.学長が統括する分担と連帯の役員組織を作り、これを国立大学法人の執行組 織とする。法人化に伴う権限と責任の拡大は、基本的にはこの役員組織で担う。 2.役員組織と評議会等、執行機関と審議機関の関係を明確にする。と同時に役 員組織と評議会の関係について、法令的には大綱的に定めるにとどめ大学ごと の裁量の余地を残しておく。 3.学長への助言・勧告としての運営諮問会議を、大学が一層適切に社会の要請 に対応できるよう整備する。 4.(必要な大学においては)部局長会議の部局間調整機能を強化し、全学的意 思形成を円滑にする。 (参考) 現行の運営組織 1.国立大学に、運営諮問会議、評議会、教授会という運営組織を置き、それぞ れの構成、機能や取扱い事項について国立学校設置法に規定している。国立短 期大学や筑波大学に関する若干の特別の規定も置かれている。(第7条の2〜 第7条の6、第7条の11)。 2.国立大学に、学長、副学長、教授・助教授・講師・助手等の教員、事務職員、 技術職員等を置くことになっている。それぞれの任務や選考方法について、学 校教育法、教育公務員特例法や同施行令で定めている。学長は、校務をつかさ どり、所属職員を統督し、副学長は「学長の職務を助ける」。現在2名置いて いる国立大学が多い。部局長(学部長または研究科長、附置研究所長等)は、 部局の業務をつかさどる。 3.運営諮問会議は、学外の有識者からなる学長の諮問機関であり、教育研究上 の基本計画、大学の行う評価に関する重要事項、その他大学の運営に関 する重要事項について、学長に助言・勧告を行うことになっている。(平成1 2年度から全国立大学に設置。国立学校設置法、第7条の2) 4.評議会は、学長、部局長、研究科または学部・附置研究所等から選出された 教授、学長が指名する教員から成り、学長を議長・主宰者とし、基本計画、学 則等の規則・規程、予算の見積もりに関する方針、組織改廃・学生定員、教員 人事方針、教育課程編成、学生厚生補導、学生の入学・修了・学位授与・在籍 方針、評価、「その他大学の運営に関する重要事項」について審議し、かつ国 立学校設置法および教育公務員特例法の規程によりその権限に属させられた事 項(学長の選考等教員人事等)を行うことになっている。(国立学校設置法、 第7条の3) 5.教授会は、国立大学の学部、特定大学の大学院研究科、附置研究所、教養部 におかれ、学部・研究科の教育課程の編成、学生の入学・修了・学位授与・在 籍、その他その組織の教育または研究に関する重要事項について審議し、かつ 教育公務員特例法の規程によりその権限に属させられた事項(教員の選考等) を行うことになっている。(国立学校設置法、第7条の4) ---------------------------------------------------------------------- [49-2-1-2]「別案についての作業委員の立場」 http://www.hokudai.ac.jp/bureau/socho/agency/j130412-04.pdf http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/01/321-kdk-1.html #(学問の自由・大学の自治の社会的意義を再確認) 「・学問はこれまでの「真理」「常識」「価値観」を疑うところから出発する。 →既成の価値観や社会通念(真理・常識)から「自由」であるべき(→「学問 の自由」) ・大学は、学問研究の中枢機関。既成の価値観や社会通念に拘束されてはなら ない。→既成の価値体系を前提に成り立っている国や社会(「スポンサー」) に縛られないことが必要(→「大学の自治」)。 ・大学における研究と教育は不可分一体。研究における質の向上がなければ、 教育の質の向上もありえない。 1-3「社会の要請」にこたえるとは、「いまある状態での社会」に直接役立つ ことのみを意味しないこと。 ・学問研究・教育は、社会の発展や人類の福祉の向上に役立たねばならない。 →大学が社会の要請にこたえるべきことは当然。 ・ただし、既成の価値観や社会通念に拘束されてはならない。 →大学は、「いまある状態での社会」から一定の距離感をもつことも必要。 ・「いまある状態での社会」に直接的に役立つ成果のみを大学に求めるなら、 学問は停滞、社会の発展も阻害される。・・・・ ---------------------------------------------------------------------- [49-2-1-3]「組織業務委員会の状況と作業委員の立場」 http://www.hokudai.ac.jp/bureau/socho/agency/j130412-03.pdf http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/01/321-kdk-2.html #(調査検討会議の最近の状況への批判) 「2‐ 2.まず、現在の国立大学がその果たすべき使命を適切に果たしていない 部分があるか、あるとすればそれはいかなる点か、その原因は何かを、データ に即してまじめに議論すべきである。このことは、委員間での認識の隔たりが かなり大きいように見えるだけに、特に必要である。きちんとした診断なしに 手術をしてはいけない。・・・・」 ---------------------------------------------------------------------- [49-2-2]国大独法化調査検討会議「組織業務委員会」(第10回2001.4.12)資料 http://www.hokudai.ac.jp/bureau/socho/agency/chosa-soshiki.htm#l10 ---------------------------------------------------------------------- [49-2-3]国大独法化調査検討会議「財務会計制度委員会」(第6回2001.3.30)資料 http://www.hokudai.ac.jp/bureau/socho/agency/chosa-zaimu.htm#l06 ---------------------------------------------------------------------- [49-3]「国立大の付属学校も見直し必要 文科省の懇談会指摘」(asahi.com 2001年4月19日付) http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/01/420-fuzokugakkou.html ---------------------------------------------------------------------- [49-3-1]全国国立大学附属学校連盟「平成12年度 要望書」 http://www.zenfuren.org/renmei/yobo.htm">http://www.zenfuren.org/renmei/yobo.htm ♯(施設・設備の老朽化・経常経費の削減・定員削減は、付属高校・中学に深刻な影響を与えている) ---------------------------------------------------------------------- [49-4] 独立行政法人化した国家機関 ---------------------------------------------------------------------- [49-4-1]首都圏ネット「“こんなはずではなかった”:独法化された元国研の状況」(2001.4.19) http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/010419kunnkyureport.htm 「多くの独法では給与の高い理事(年収2000万円以上と言われている)を 多数抱えることになるが,内部出身者よりは主務官庁や財務省などからの天下 りをはじめ外部から加わった人の方が多い.」
「多くの独法では,3年以 上かけて独法化への準備を進めてきた.特に先に述べた安全管理や財産管理, 経理,給与,厚生などなど,事務方は膨大な作業を行ってきたし,現在も多く の職員が残業を重ねて移行作業にあたっている.そのような膨大な労力の集積 と実現した独法とのギャップはうめがたいものがあると言わざるをえない.ま た,”公務員身分”であるとか,”国立に準ずる”というようなことは,本質 を覆い隠すための言い訳に過ぎないことが次第に明らかになりつつあるのであ る.」 ---------------------------------------------------------------------- [49-4-2]外務省「独法化についての各国政府に通知する電信案」より http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/010417gaimusyou.html 「独法化される政府機関が実施取決めの締結主体となっている場合については、 当該政府機関は独法化以降は政府機関たる地位を失うので、政府機関を当事者 とすることを前提としている当該実施取決めはその存在の基盤を失い、終了す る。」 ---------------------------------------------------------------------- [49-5]産業人会議発足(2001.4.5) −−総合科学技術会議の「応援団」として(科学新聞2001.4.12号より) http://www.ac-net.org/go/ctsp/01420-sangyoujinkaigi.html 「・・・産業界側からは、科学技術政策を重要な経済政策の一つとして位置付 けること、経済の活性化につながる研究への投資が急務であること、十三年度 予算の重点分野別内訳の明示、十四年度予算における科学技術関係予算の総額 と重点領域毎の内訳の決定、産学達携における大学側の意識改革の必要性−な どの要望が出された。・・・ 今回の会議について、産業界側は「総合科学技術会議の応援団として発足させ た」としている。しかし、科学技術政策への要望だけでなく、博士課程修了者 の受け入れや産業界側から大きなプロジェクトを立ち上げるなど、実のある 「応援」をしなければ、単なる「要望機関」になってしまうだろう。今後、同 会議が「応援団」として何ができるのか、あるいは総合科学技術会議が同会議 から「応援」をいかに引き出すのかが焦点になってくる。」 ---------------------------------------------------------------------- [49-6]「国立大学独法化阻止 国民ネットワーク」の提案 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3143/01/420-yobikake.html 「国立大学の独立行政法人化を憂慮される皆様へ 佐賀大学   豊島 耕一 岡山大学   野田隆三郎 北海道大学  辻下 徹    国立大学の独立行政法人化問題が重大な局面を迎えています.  昨年,文部省が独法化容認に踏み切り,またこれに追随するかのように国大 協が文部科学省の独法化具体化の「調査検討会議」に参加したことで,事態は 大枠ではすでに決まったかのようなムードが作られつつあります.たしかに, 旧来の考え方では官僚の決定は事実上「国」の決定であり,覆しがたいものと されてきました.しかし,そのようないわば旧思考にいつまでも囚われている わけにはいきません.国権の最高機関は国会であるというこの国の政治制度の 原則を信じて,あらゆる努力を続ける必要があります.  実際のところまだ具体的な法案の影も形もない段階です.運動の側も,あら ゆる形態で深く追求したという事からはほど遠い状態です.例えば国民的な幅 広い反対運動の組織化はまだ試みられていません.しかしそのような運動形成 の可能性は十分に存在すると思います.  このことは国立大学教職員を対象にした,国大協が文部科学省の「調査検討 会議」から離脱することを求めた「国大協への署名」に対して,著名人を含む 100名を越す国立大学以外の方々の支持* が短期間で集まったことからも想像 できます.この署名は国大協への要求ですが,賛同者・支持者の方々は当然独 法化反対でもあるわけです.これだけの支持をこの運動の枠内で終わらせるべ きではないと考えました.  また,独立行政法人に関する法律は国の機関に限定されているにも拘らず, 公立大学まで「独法化」しようという動きがあります.さらに,国立大学とい う大学社会の一角で自由が奪われ,またその設置形態が変わることは,私立大 学にも少なくない影響を及ぼすでしょう.これらのことからももっと幅広い運 動が求められていると思います.  そこで皆様に提案したいのですが,上記の支持者の方々の中からどなたかに 代表になっていただいて,公私大関係者はもちろん一般市民も含む独法化反対 の国民運動的な組織を立ち上げたいと思います.是非とも皆様のご賛同をお願 いします.またご意見,アドバイスなどもどうぞお寄せ下さい.この組織の実 務を多少なりとも引き受けて下さる方(特に首都圏)がいらっしゃれば,是非 ご連絡下さい. ご賛同いただける場合は同封の葉書 (この手紙が郵送の場合),電子メールま たはファクスなどにて,次の項目についてお知らせ下さい. (1)この会の発足のための「呼びかけ人」になっていただけませんでしょう か.(引き受けていただける場合は4月末日までに,肩書きを添えてお知らせ 下さい.「呼びかけ文」の草案はご希望の方に間もなくお送りします.) (2)発足した時,会員になっていただけませんか. (3)会員としてではなくても,この運動への賛同者・支持者としてお名前を 使わせていただけませんでしょうか.この場合,肩書きもお知らせ下さい. 連絡先:840-8507 佐賀市 本庄町 1 佐賀大学 理工学部 物理科学科 豊島耕一 電話/fax: 0952-28-8845, メール toyo@cc.saga-u.ac.jp * 支持者名簿は次をご覧下さい.(この手紙が郵送の場合は同封しています.) http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/shiji.html ------------------------------------------------------------------ 仮称「国立大学独法化阻止 国民ネットワーク」のイメージは次のようなもの です. A 趣旨・目的 国立大学関係者以外の公私大も含め各界の幅広い人に運動に加わってもらうこ とで,国民一般へのアピール力の強い運動体を作り,国立大学の独法化,ない し名前を変えた独法化を阻止する. B 主な活動  (1) 署名運動,国民へのアピール,政党・政府や国大協などへの要請行動, 集会などを行う.  (2) 学問の自由と大学の自治を発展させ,かつ国立大学へ国民の意思が反映 されるようなシステムを提言する.国公私大全体への国の財政支援強化の必要 性への理解を広める.    (1) は行動,(2) は理論政策活動 C 規約のアウトラインの案 1.個人加盟.資格に制限なし.団体は「賛助会員」としあらゆる団体から独 立.発言権は個人のみ. 2.入会金1000円,会費なし.退会通告なければ無期限.個人からの寄付を受 け付ける.賛助団体は1万円程度. 3.会に代表(1〜2名)と世話人会(5人程度)を置く.全体の運営はこの合議 で行う. 4.発足総会で代表と世話人を選出する.会計係を1名,世話人と別に監査委員 1名ないし複数名を任命する. 5.会員は出来るだけ数名〜十数名で支部を作り,支部は自治的に活動する. 財政も自治的だが,全体の会計からの支援を要求することも可能.支部は同じ 地域・職場でも,遠隔地間でもよい.会員は複数の支部に属してもよい.支部 に世話人会との連絡のための代表を置く. 6.会員への連絡はメールを活用,郵便も併用する. 7.発足後には通常は全会員の意思を集約することは困難になると予想される が,退会の権利によって潜在的に世話人会に意見が反映されるという効果に期 待する.もしくは,メールでの討論と投票などを行うことも考えられる.代表・ 世話人のリコール・改選も同様な方法で行うことも想定される. D 事務局  会員が複数いる大学で数人で受け持つ.事務作業はネットを利用して分散化 が可能. E 初期の活動 - アピール文,イラスト,キャッチコピーの発表,シンボルマーク作成 - 集会,講演 - 署名運動 - 政府関係者,文部科学省の委員,国会議員,国大協,国大協委員,影響力の   ある著名人への種々のチャンネルと方法による働きかけ,説得工作. - 関係文書の英訳により国際的な理解・協力を求める. - UNESCOへの働きかけ - インターネットのTV会議や集会のネット放送の技術の研究・実施 ---------------------------------------------------------------------- [49-7] 九大教職組「独立行政法人化でどうなる?職場、教育、研究はどう変わる?」 (2001.3.16) http://www.q-union.org/news/010316-0.html ---------------------------------------------------------------------- [49-8] 北大法人化検討WGへの発行者からの意見(2001.4.18) 「・・・ ---------------------------------------------------------------------- 要旨:現在検討されている法人化は、(法人の定期的改廃審査権を行政に与え る)通則法35条をそのまま残しているために、法人化後の大学は構造的に不 安定性な組織となる。従って、 (1)内部組織の工夫次第で現在と同程度の自律性は確保できるわけではない。 法人化問題の検討では、(法人の定期的改廃審査権を行政に与える)通則法3 5条の有無をキーポイントの一つとすべきである。 (2)独法化は民営化の準備ともなっている。民営化回避のために独法化を選 ぶとすれば、長期的視座に立てば矛盾している。 (3)財政的には国立大学民営化政策が事実上進行している以上、「民営化」 について、その問題点・是非等を詳細に議論しておく必要はないか。 ---------------------------------------------------------------------- (1)【説明】 第2回資料「法人の基本について」p2『「法人化によって大学の自由が失わ れるのではないか」という危惧について』という項目における分析は納得でき るものですが、最後の「検討の方向」には問題があると思います。この点を少 しご説明します。 行政改革の検討過程で独立行政法人制度が設計された趣旨の一つは、政府機関 を廃止すべきかアウトソーシングすべきかを見極めるための過渡的設置形態を 用意することであったと理解しております。そのことが独立行政法人通則法3 5条(中期計画期間終了時の、文部科学省独立行政法人評価委員会と総務省独 立行政法人評価委員会による、改廃審査)として具体化されています。この3 5条が残る限り、名前が国立大学法人に替わったとしても、本質はアウトソー シングのための不安定な過渡的形態であり、絶えず、左に廃学、右に民営化の 谷の間の細い尾根を歩くことになるのは避けられません(民営化が絶対悪であ るという立場は吟味を要するものですが、高等教育の財政的負担から国が逃れ ることが動機の民営化であれば、それは大学を損なうと思います。)。  もちろん、独立行政法人大学の改廃であっても(個々の大学の法律ができる でしょうから)、国立大学の改廃と同様に国会審議が必要です。しかし大きな 違いは、独立行政法人大学の改廃法案を提出するきっかけとなる因子が数多く あり、有力な者が改廃しようと思えば理由は簡単に見つけられるということに あります。それに対し、国立大学の場合ならば、東京教育大学の廃学の場合の ように、移転を契機に新しい大学を作るというような特殊な理由がない限り、 改廃をそもそも言い出せないのではないか、と思います。  第2回配付資料「法人の基本について」p3に「検討の方向:教授会、部局 長会議、評議会を、国立大学の運営体制に適切に位置付けるならば、大学にふ さわしい運営原則は保障され、法人化のゆえに従来の自由な大学の活動がしめ つけられるということにはならないのではないか。」と記されていますが、こ れは法人が安定して存続するという前提が必要ではないでしょうか。大学が定 期的に種々の観点から改廃審査を受けるようになった場合に、内部組織を工夫 することで大学の自由な活動を保つことができるという考え方には無理がある と感じます。 (2)【説明】 独立行政法人化されて二期目後になるころには根強い国立大学民営化論が再浮 上してくる可能性は少なくないと思います。今ならば、国立大学民営化政策は 国民的議論になる可能性はありますが、独立行政法人化後の大学の民営化は個々 の大学毎に政務的に処理できることですから、余り目立たずに実現されると予 想されます。 民営化を避けることを最優先事項として、民営化の準備となる独立行政法人化 のための議論をしていることは不合理な印象を受けるのです。 もしも、第一回議事要旨p3に書かれているように『「私学化・民営化すべき でない」というのは、本学・文部科学省・国立大学関係者のコンセンサスであ る』というのであれば、民営化の実現を容易にしてしまう通則法35条に相当 するものは決して認めてはならないのではないでしょうか。 第一回議事要旨p5に、国立大学法人法は独立行政法人通則法の枠内か枠外か は神学論争である、と書かれていますが、大学の改廃審査が行政内部で行われ るか否かが、通則法の枠内か否かの一つの目安としてあるのではないでしょう か。 (3)【説明】 最近、民営化を避ける一心で大学の独立性を主張することを控えようという動 きが国大協の議事録などにも見られます。私学化・民営化の意味を冷静に吟味 し、何が問題かを明確に認識しておくことが国立大学として必要なのではない でしょうか。(ご存知のように平成11年度では国立大学への国庫支援は6割 を割り、いわば、財政面では民営化に相当することが進行しています。) ・・・」 ---------------------------------------------------------------------- [49-9] 意見・図書紹介など ---------------------------------------------------------------------- [49-9-1] 佐々木東大学長の入学式式辞 http://www.u-tokyo.ac.jp/president/010412.pdf 「かつて大学は「象牙の塔」と呼ばれた時代がありました。それは大学が科学 や学術をそれ自身のために研究する場であり、他の社会活動とは違った目標を 持った組織であるということを示す言葉でした。これは今でも基本的に変わり がありません。大学には企業や官公庁などに見られるような厳格な上下命令関 係がほとんどありません。学生の皆さんを含め、全てのメンバーが科学と学術 を追究し、真理を求めていく組織です。そして大学のメンバーは他の組織のメ ンバーと比べて極めて自由であり、自由を基盤に真理の追求が可能なわけです。 そして皆さんは今日からこの自由な組織のメンバーになるわけです。これは他 の社会組織では見られない実に大学らしいところであり、このことの意味を皆 さんに十分に噛み締めていただきたいものです。勿論、大学を企業のように経 営すべきだとか、官公庁のように指揮命令系統で律するべきだとかといった議 論が時々見られます。しかし、これは大学がどういうものであるかが分かって いない議論です。大学が社会的に意味があるのはそれが企業や官公庁のような ものでないからであり、大学をこれらと同じようなものにしてしまえば大学の 存在意味がなくなってしまうだけのことです。・・・」 ---------------------------------------------------------------------- [49-9-2] 日経ビオテクノロジー主催第二回バイオ投票、2001年4月9日〜) 「2003年度予定されている独立行政法人化で、国立大学は改善されるか?」 http://biotech1.nikkeibp.co.jp/cgi-bin/ws.exe/bio_touhyou/ustouhyou0.hts?req=hyouji ---------------------------------------------------------------------- [49-9-3] 吉岡斉「科学技術政策に関する備忘録・2000年」 「科学・社会・人間」76号(2001.3) p10 「3.科学技術基本計画の時代錯誤 ・・・ (p14)一部の国立大学では、文部科学省や(独立行政法人へと移行した場 合の)総務省によって厳しい評価を下されないよう、先手をうって任期制の大 規模な導入を進めようとしているところもある。テニュア制を全面的に廃止し、 全ての教員に任期制を適用する方針を立て、学内の合意を取り付けようとして いる大学もある。もしそれが実現されれば、その国立大学のアカデミック・レ イバー・マーケットでの競争カは大幅に低下するであろう。また多くの国立大 学が同様の動きをすれば、日本の学セクターの国際アカデミック・レイバー・ マーケットでの競争カ、及び日本国内の産セクター・官セクターに対する競争 力は大幅に低下するであろう。そうした浮足立った白殺行為が妥当であるかど うかを再考させてくれる上で、この新基本計画は一定の意義がある。」 ---------------------------------------------------------------------- [49-9-4] 「グローバル経済が世界を破壊する」 ジェリー・マンダー、エドワード・ゴールドスミス編(小南祐一郎・塚本しづ香訳) 朝日新聞社 2000.4 刊 ISBN 4-02-257457-7 抜粋 http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/common-sense/global-economy.html 「経済のグローバル化が少なくとも産業革命以降の世界政治・経済制度を再編 成しようとするものであることは確かである。こうした基本的な変化は、公の 調査や論議の対象になったことはほとんどなかった。この地球規模の再編成に ついては、その大きさにもかかわらず、われわれの選良も、教育機関も、マス コミも、いったい何が行われようとしているのか、その根底にある思想はどう いうものなのか、信頼するに足る説明をしてこなかった。時折マスコミに掲載 されるグローバル経済の現状や将来に関する記事の取材源は、通常この新しい 秩序の恩恵を受ける有力者、すなわち企業の指導者、政府内にいる彼らの協力 者、また最近特に力を持ってきた国際貿易官僚である。彼らがわれわれに提示 する展望は「グローバル化はわれわれの病を治す万能薬になるだろう」という 全く楽観的な理想論である。  だが驚くべきことに、彼らのいう理想郷は、ここ数十年来彼らが自由貿易、 規制撤廃、経済再建策などを通して世界各地で適用し、しかもはっきりと失敗 に終わった経済政策や経済理論の上に築かれているのである。事実、現在のよ うな凄まじい状況−−社会秩序の崩壊、貧困の増加、難民、ホームレス、暴力、 疎外、さらには多くの人びとの心の奥に潜む将来に対する限りない不安−−を もたらしたのは、こうした政策や理念そのものなのである。  同様に重要なことは、地球的な天侯異変、オゾン層破壊、動植物の種の喪失、 大気、土壌、水の極限に近づいてきた汚染といった自然破壊のなかにわれわれ を追い込んだのも、これらの施策だったという事実である。  われわれはいま、このように人びとを貧しくし、地球を荒廃させてきた開発 計画がさらに強化され、あらゆる場所で何の規制もなく自由に適用(つまりグ ローバル化)されれば、これまでとは全く違った豊かな実りある世界がもたら されると信じるように仕向げられている。これは悪いニュースというしかない。 しかし、こんなことが起こらないように手を打つことができるとすれば、これ は良いニュースである。・・・」 「・・・もちろん、誠実な経済専門家たちが、たとえミルトン・フリードマン の影響を受け、その経済理論の信奉者になったとしても、どうして世銀の経済 構造改革計画に基づく借款のようなものが有効だと信じるようになったのか、 なお疑問は残る。こうした借款は自国の経済・社会構造を崩し、押しつけられ た自宙市場、自由貿易のイデオロギーによってそれを再編した国にのみ与えら れるのである。  世銀の借款を受ける国が引き受ける典型的な条件としては次のようなものが ある。(1)保護関税の撤廃。これは直接、国内産業を危険に陥れる。(2)外 国投資を制限する規則の撤廃。これは国内産業の外国支配を招く。(3)自給 自足の小規模農業から輸出向けの企業モノカルチャーヘの転換。これは現地の 食糧自給を困難にする。(4)価格統制の廃止と賃金抑制の強要。(5)社会・ 医療保障の大幅な削減。(6)政府機関の積極的な民営化。これによって貧し い人びとは社会サーレビスを受けられなくなる。(7)国内の産業を多様化し 自給自足を促進してきた輸入代替政策の廃止。  普通に考えれば、こうした政策はその国の生きる力を削ぐだけであり、結果も まさにその通りになった。外部の介入を受け入れ、WTOに加入した国々は、 自国の経済が崩壊し、外国の超国家企業が彼らの政治や経済を支配するのを目 撃することになった。・・・」 p251 「実際、日本のような国が、いま強いられているようなことを逆転しなければ ならない。ガットに固執するあまり、日本は家族に支えられた伝統的農業や地 域の顧客相手の小さな商店からなる小売部門を変えようとしている。日本はこ うした重要な部門についてもカーギル、モンサント、ウォルマートに道を開こ うとしているのだ。その結果は失業者を増やし、社会の解体につながるにちが いない。ごく最近まで、日本の失業率は約ニパーセントに抑えられてきた。家 族はほぼ従来のままで、わ犯罪や非行も非常に少なかった。いまやそれも変わ ろうとしている。」 ---------------------------------------------------------------------- [49-9-5] 森永卓郎「リストラと能力主義」 講談社現代新書 1489 ISBN 4-06-149489-9 ¥640 「visionary company の特徴 (1)経営者がアイディアやビジョンを持っていたことはほとんどなく、むし ろ行き当たりばったりに事業を変えていっている。しかも、経営者がカリスマ 的なリーダーシップを発揮するとくこともほとんどない。逆に、思い切った権 限委譲を行い、現場自身の創意工夫に完全にまかせてしまっている。そして、 そこで行われている研究開発は、大量のおのをテストして、そのなかから事業 として成り立ちそうなものだけを残すという「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」 方式が採られているのである。 (2)揺るぎない企業理念を持っている。企業理念は決して正しいものであっ たり、立派な者である必要はない。必要なことは、企業理念が明確で、時代を 経ても決して変わらないという点なのだ。 (3)進化を促す仕組みを持っている。例えば 3M は研究開発部門の従業員に、 労働時間の15%を自分で選んだプロジェクトに費やすことを認めた」 ---------------------------------------------------------------------- [49-9-6] 政策海外ネットワーク研究所 http://pranj.org ---------------------------------------------------------------------- [49-9-6-1]角南篤(コロンビア大学大学院公共政策フェロー) 「先端科学技術の開発と特許制度を巡る政策論争」 http://pranj.org/discussion/topic-science.htm ---------------------------------------------------------------------- [49-9-6-2]上野真城子(アーバン・インスティテュート研究員 ) 「アメリカンリーダーシップ」 ――その理念と教育をめぐっての1考察――」 http://pranj.org/papers/usleadership.htm ---------------------------------------------------------------------- [49-9-7] 全大教編 「国立大学の改革と展望」 http://www.zendaikyo.or.jp/osirase/kaikakutotenbou.pdf ----------------------------------------------------- 「国立大学の改革と展望」独立行政法人化への対抗軸 全国大学高専教職員組合 編,日本評論社刊行 《主要目次》 序 章 問題状況と現代的な大学自治をめざして 第 一部 法人化の諸問題  1.大学法人の組織?その目的と業務  2.財務・財政をめぐる諸問題  3.人事システム?プロフェッションとしての大学教職員  4.大学評価と資源配分 第 二部 大学の教育研究は今  1.大学教育は何をめざすのか   大学をめぐる状況の変化と大学教育の課題   学部教育充実の課題?「四年一貫教育」の理念と現実   大学院教育は何をめざすべきか   「課題探求能力」をめぐる論点  2.「科学技術創造立国」政策と大学   科学技術政策と大学   多様化する大学院システムとその課題 第 三部 資料編 5 月中旬刊 予 価2,300 円(本体価格) 日本評論社 http://www.nippyo.co.jp/ ---------------------------------------------------------------------- [49-10] 紹介:電子署名運動「NHKに対する「見解と要望」」 ♯(公共放送における情報操作問題) http://www.jca.apc.org/‾itagaki/nhk/index.html 「・・・今回のことは、わたしたちに、言論が暴力に曝される暗い時代を予感 させます。そのことにもっとも毅然としていなければならないはずのNHKが、 一番最初に腰砕けになってしまった。少なくともそう見える事実は、あるいは 歴史の汚点として記憶されることになるかもしれません。そうならないために、 NHKは自ら毅然と行動しなければならないのではないでしょうか。・・・」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行者: 辻下 徹 e-mail: tujisita@geocities.co.jp http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/ 発行部数 1976 (2001.4.19現在)  Mag2:697|CocodeMail:354|Pubzine:87|Macky!:48|emaga:28|melma:22  直送 732(北大評議員・国立大学長・国大協・報道関係・議員等): Digest版 発行部数 1648(北大), ML(he-forum,reform,aml,d-mail) --------------------------------------------------------------------------- End of Weekly Reports 49 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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