大学は本来社会の常識や枠から外れた、もっとスケールの大きな範囲にわたる思考・行動範囲を持っている。そうでなければ、創造、批判、真理、をはじめ、平和が危うくなったときの警鐘をならせない。このためには、自主・自由が不可欠である。
戦前に大学が圧迫された例として、滝川事件を紹介した。今思えば、刑法上の当たり前の事を言っているようだけれど、戦前の時代には大臣が免職を迫った事実。
学生に比喩を使って話すためには、親が子供に一定の金を送金してその使い道は自由にしているのを、毎年計画をださせて、その達成率で金をだすというたとえで始めた。このアナロジーだけでは学生の個人の生活だけをイメージしてしまうので、研究と教育を行う組織と個人の学生の生活との違いは強調する必要がある。しかしこの親子の間の金の援助(将来の発展を見越した)は、相当学生には解りやすいのではないかと思われる。
実際の計画を誰が決めるか、評価をどのように行うか、
運営交付金の出し方はどうなるか
そして、科研費などのランクから、競争をさせるといっても、これまでの投資が圧倒的に少数の国立大に注がれていることを強調する。
国大協を中心とした大学学長達の意見の様々。かならずしも全員が反対していない状況。全国理学部長、農系部長会議などの格調高い反対文があるので、そのような活動、また個人の色々な活動を紹介。
更に、新潟大学などを含めて、生き残り策の色々(飛び入学、外国への拠点、サテライト教室、秋季入学枠、埼玉・群馬の統合の動き、インターネット授業、教養授業の市民への開放)も紹介。その全てが悪いものとは言えないにしても、現状をしっかりみつめた改革というよりは、外から一刻も早く評価して欲しい事を意識し、実際の効果をしっかり見据えたものになっているか不明な試みが多いこと。
これについては、よくある4つのWとHの切り口で語る。
When : いつ始まったか、バブル後の経団連の「理工系への充実強化」論文、日経連の技術立国論、
そして科学技術基本法、基本計画による巨大投資のはじまり
産業経済の状況とリンクしている科学技術政策。バブル前は「十分であり、何の手当も必要という声がなかった」(資料:安斎育郎、理科離れの真相、p. 48, 朝日新聞社)
Who: 今井敬を中心とする経済人の直接乗りだし(中央省庁等改革指針本部顧問会議座長=ここが独法の推進出発点)
Where: 上の項目とからむ、行革推進のための種々の会議
why: 金をだすだけでは済まない、任期制の動き
独法化は、単に18歳人口の減少、国家財政の逼迫が原因ではないこと
「財源が乏しいから独法」という短絡思考への反証としては、科技基本計画にもとづく、17兆(96-2000)、24兆(2001-05)の科学技術への投資増額の実例。
How: 簡単にこれまでの推移
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