2004-11-21 14:19:25
日本政府の姿勢を変えさせることこそ私たちのイラク国民への責務(****/長野県・弁護士)
イラクに派兵した37カ国のうち、既に8カ国が撤退し、7カ国が全面若しくは大幅撤退を表明しています。次々に撤退する中で、アメリカは、太平洋の人口10万人のトンガ王国にまで派兵をせまり、44名派兵させました。138,000人送っているアメリカがなぜ圧力をかけてまで44人の派兵を強いるのでしょうか。アメリカは一国覇権主義を唱えつつ実は世界から孤立するのが怖いのです。
世界からそれなりに支持された湾岸戦争の時は世界からアメリカに必要を超える軍資金が集まりましたが、この度はアメリカは既にイラク攻撃に1,900億ドル(20兆円)使いつつありますが、資金が集まらず大半を自前で支出しなければならず、財政赤字が5,000億ドルという破格なものになっています。世界から孤立することの怖さを今味わっているアメリカなのです。
そのアメリカが最も頼りにしているのが、日本です。アメリカの財政赤字を助けるために日本はアメリカの国債を年間約20兆円(ほぼイラク戦費に相当)以上購入してそれだけアメリカ政府に貸し付けています。また、ベーカー駐日大使が「(自衛隊のイラク派遣延長が)重要である理由は、部隊の規模や支援活動の面だけでなく、日本が世界の主要国として責任を果たすことを示す象徴だからだ」と日本政府に対して延長を要請したとおり、自衛隊のイラク派兵が他国がイラクへの派兵を続けるうえでおおきな励ましになっているのです。
このようにみると、アメリカの暴走にブレーキをかけるためには日本政府のアメリカべったり姿勢をかえさせることが極めて重要ということがよく分かります。日本国民はそのために全力を尽くす(とりわけイラク国民に対する)国際的責務があるのです。そのことはまた日本人は、世界を変えるためにおおいに貢献できる地平に立っていることを示しています。当面は自衛隊のイラク派兵延長をさせないことが重要です。ともに闘いましょう。
毎日新聞(全国版)掲載 |
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