自衛隊のイラク派遣を打ちきるよう求めます

イラク意見広告の会

世話人会より12月3日記者会見他のご報告募金終結の案内(12/14)
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2004-11-24 02:47:27
憲法を蹂躙し、殺戮に加担する行為を許せない(****/岩手県・盛岡市、岩手大学名誉教授)

 私は、1930年代初め、日本帝国の対外侵略のさなかに生をうけ、徹底した軍国主義教育のもとで、軍国少年として育てられ、軍人となって「大君のへにこそ死なめ」と思い続けてきた者です。空襲の中を逃れつつも、神風と究極の勝利を信じ続け、敗戦を認めえず、山にこもってのゲリラ戦による抵抗さえ、覚悟していました。
 その少年が、徐々にその悪夢から覚め、人間として生きることの尊さと喜びに次第に目覚め、心からそれを受け入れることが出来たのは、まさしく敗戦後の「新憲法」の発布と、それに基づく180度転換した教育の賜物でした。
 だからこそ、すでに早く1950年以来、改憲・再軍備・「逆コース」の政治と社会的風潮が現れ、次第にその勢いを増していくことに、敏感であり、とりわけ、政府・与党の主権者たる国民に対する見え透いた詭弁と、アメリカに露骨に追随した強引な軍備増強の政策に対しては、半世紀以上にわたり、片時もその憲法蹂躪を看過せず、怒りを積み上げてきました。
 その暴政を世論操作と票数で維持し、再生産するためのさまざまな装置が、どのように作られ、機能してきたかも、つぶさに観察してきました。教育・裁判・選挙制度・買収集金機構・マスメディア・警察・労組・暴力団....。その挙句の果てが、あからさまな海外派兵、殺戮協力のはばかりなき宣言であり、憲法蹂躪の既成事実を足がかりとした「改憲」宣言でした。
 日本国憲法下の主権者たる国民の一人として、この半世紀以上にわたる主権者への詐欺と恥辱を絶対に許すことは出来ません。憲法前文、第9条、第98条、第99条、をはじめ、その施行とほとんど同時になされてきた数限りない蹂躙・背反と主権者蔑視の行為を許すことは出来ません。
 政府になお一片の良心が残っているならば、即刻自衛隊をイラクから撤退させ、「憲法を尊重し擁護する義務」を果たすべきです。  このことを主権者の名において政府に求めます。
2004年12月2日付
毎日新聞(全国版)掲載
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