通信ログ |非公務員型が急決した昨年2月の記録 (1) (2)
国公私立大学通信 2003.7.6 
号外:非公務員型が急決した昨年2月の記録

6/5の参議院文教科学委員会で、神本委員の質問に
対し、玉井官房総括審議官は以下のように答弁してい
ます。

「法人化後の国立大学の教職員の身分をどうするか、大
変大きな議論でございまして、様々な角度から多くの関
係者によって議論がなされました。特に、国立大学等の
独立行政法人化に関する調査検討会議、個々多くの大学
関係者が入られていただいた会議でございますけれども、
そこが公務員型、非公務員型の比較を十分しながら御検
討をいただいたわけでございます。・・・こういう意味
におきまして非公務員型が適当であるというふうに判断
をされたわけでございまして、その中におきましては、
教職員はやはり一体的に活動するわけでございますので、
全体として非公務員型という形になっていったわけでご
ざいます。」

国立大学関係者の意見も反映されているかのような答弁
ですが、実際には、国立大学関係者の反対意見を封じる
役割を果した会議であったことは、非公務員型が、突然
決った昨年初頭前後の国大協および文部科学省調査検討
会議の議事録の以下の一連の抜粋から、わかります。

実際、2/7の連絡調整会議(4)では非公務員型は決っ
ていませんでしたが、2/20の調査連絡会議(5)では
既定事実として議論されています。おそらく、会議の外
で実質的議論が行なわれたのでしょう。

なお、2月5日付けで、国大協は文部科学省に対し、文
書で、

  「仮に教員の身分が非公務員型になったとしても、
  国が設置者・管理者である大学においては「学問
  の自由」を担保する仕組みとして、教員人事に関
  する最小限の基本的事項は、各法人の就業規則等
  内部規則に委ねるのではなく、実質的な設置者た
  る国民全体の意思の表現として、法律の形で明確
  に規定されるべき」

だ、と申し入れ(3)しています。おそらく、それを条件
にして非公務員型を容認したものと推測されます。非公
務員型にする場合には譲れないとして国大協が提示した
条件を法案は記載していませんので、非公務員型とする
ことについても、当事者の合意はないと言ってよく、ま
さに、公務員身分の一方的剥奪となっています(編集人)
。

--目次---------------------------------------------
■1) 2001.11.16 国立大学協会総会
■2) 2002.01.25  調査検討会議連絡調整委員会(第5回)
■3) 2002.02.04  国大協から文部科学省への要請 
(以下別便)
■4) 2002.02.07  調査検討会議連絡調整委員会(第6回)
■5) 2002.02.21  調査検討会議連絡調整委員会(第7回)
--------------------------------------------------

■1)--2001.11.16 国立大学協会総会----
http://www.kokudaikyo.gr.jp/katsudo/txt_soukai/h12_11_16.txt

[1]○ 仮に独立行政法人化になった場合の教職員の身
分については,これまでは国家公務員型になるというの
が大方の暗黙の了解と思っていたが,最近になって,非
公務員型の話が浮上してきているようだが,なぜなのか。

[2]○ その切っ掛けは,東京大学の研究会の「中間報
告」にあるかと思う。その中に,特に職員の場合は国家
公務員型でなければならないであろうが,教員について
は非公務員型の方が勤務時間や兼業の自由度も出てくる
から,そういう選択肢もあると書かれていた。ただ「最
終報告」では,そこは修正され,トーンが下がった書き
方になっている。教員については,教特法で一般公務員
に比べて弾力的な扱いがされているが,国家公務員型で
いくかぎりは国家公務員の縛りは避けられない。文部省
の「人事制度」委員会の議論でも,国立大学以外の委員
の中から,国家公務員型の規制を外れた方がよくはない
かという意見も出ている。専門委員会Cでは,初めから
国家公務員型・非国家公務員型に分けるのではなくて,
国が設立する大学として国立大学が教育研究を遂行する
うえで望ましい人事制度はどうあるべきかという観点か
ら検討していきたい。その中で,国家公務員法とか教特
法にどういう点の修正を求めていかなければならないか
詰めていきたい。なお,仮に,非国家公務員型を選択す
るとすれば,国家公務員法,教育公務員特例から外れる
代りに,新たに労働三法の適用を受けることになり,団
結権だけでなく争議権も与えられることになる。そうい
うことに対応する能力があるかということも国家公務員
型・非国家公務員型を選ぶ際に考えなければならない重
要なファクターになろう。



■2)  2002.1.25--文科省調査検討会議連絡調整委員会
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/006/gijiroku/005/020202.htm
国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議
「連絡調整委員会(第5回)」議事要旨 2002.1.25
   
3 出席者

(委 員) 長尾 真(主査)、中嶋嶺雄、阿部博之、阿
部充夫(副主査)、渡邉正太郎、松尾 稔、小出忠孝、
堀田凱樹、梶井 功、河野俊二、田中健藏、鈴木章夫、
石 弘光の各委員

(関係者) 荻上紘一、奥島孝康

(文部科学省) 工藤智規高等教育局長、遠藤昭雄研究
振興局長、清水 潔高等局審議官、坂田東一振興局審議
官、樋口修資人事課長、森口泰孝会計課長、板東久美子
高等教育企画課長、合田隆史大学課長、吉川 晃学術機
関課長、杉野 剛大学改革推進室長、 他
    	   
(5) 事務局から、資料5『「公務員型」と「非公務
員型」職員の比較(公務員制度改革大綱を踏まえたも
の)』、資料6『法人化後の職員の身分に関する主な意
見』、資料7『公務員制度改革大綱のポイント』につい
て説明があった後、以下のような意見交換が行われた。
  	  	 
[3]○ 教特法の適用その他のところで大学の教員といわ
ゆる教員以外の職員について若干差別的な関係があった
が、そこは全体として一括して議論する流れなのか。こ
れはかなり大きな問題である。国立大学の職員を全体的
に公務員型としてキープするのか、あるいは非公務員型
に移行させるのかというときに、教特法の適用を受ける
教員と、その他の職員の問題も非常に重要であるがそこ
はどのように考えているのか。
   
[4]◇ 新しい法人の中で、例えば教員は非公務員型で職
員は公務員型といった混在型が考えられるかというご指
摘であると思うが、その点については、現在の国家公務
員法、国家公務員制度自体がその法人の目的や業務に着
目してその法人自体が公共性を持つということであれば、
法人の職員はまるごと公務員である、あるいはこれはそ
のような性格の法人ではないため、この法人の職員は公
務員ではないという形で、法人全体の目的業務に着目し
て切り分けており、同じ機関の中で公務員と非公務員が
混在するというのは、現在の制度の中ではおよそ想定が
できないのではないかと考えている。

[5]○ フランスなどもそうだが、外国では大学や研究機
関でも混在型もあるように思うが、今はそのようなこと
を想定していないという前提で議論するということでよ
いのか。
   
[6]◇ 公務員法制そのものが、例えばドイツの場合であ
れば、官吏とそれ以外の職員、教員ということでそれぞ
れ取扱いが違うという公務員制度もあるが、日本の場合
の法制度において同じ法人の中で公務員と非公務員が混
在するというのは想定できないのではないかと思ってい
る。
   
[7]○ 20世紀はパブリックセクターとか公の時代とい
うようなものであったが、これからはまさにプライバシー
ゼーションの世界、民の時代であるとすると当然、国立
大学の場合も活性化するために、あるいは国際的なメ
ジャーを持ってくるためにも公務員制度が非常に制約に
なっていると私は思っている。私自身の経験からしても
そう思っており、私は思い切って非公務員型がいいと思
う。現にそのような世論というか意見がかなり多いわけ
である。これに背を向けて国立大学は依然として公務員
型でしかも国立大学法人という国家のサポートを受けた
ままということになると、果たして国立大学は何処まで
変わったのかという世論なり批判に耐えられるのかとい
う問題があるような気がする。これは持論だが、仮に公
務員型を採択するとしても教特法は適用しないというこ
とである。教特法を適用しないということがどうしても
無理ならば教特法を廃案にするような運動を起こさない
限り、いくら設置形態を変えても国立大学の根っこの部
分はよくならないと思っている。
   
[8]○ その点については、今、事務局から説明があった
ように、資料5の教特法相当規定の適用というところで
非公務員型は特例を法律上規定することは困難というこ
とになっている。そのような点から言えば、仮に非公務
員型を選択すれば、このことは法律上書けないというこ
とになると思うが、どのように考えることになるのか。
これは文部科学省のほうで非公務員型を採択した場合に
は、国大協が要望しているようなことはできないという
ことなのか。説明では非公務員型では教特法を特例とし
て規定ということは困難であるということであった。国
大協では、これについて国立大学法人法等で規定するこ
とが必要ではないかと主張している。このままではダメ
であるという言い方である。したがって、国大協は議論
の上でここでは規定することは困難と書いてあるけれど
も、なおかつ国立大学法人法の中に書き込めというご主
張であったわけである。
   
[9]◇ 教育公務員特例法の規定は、基本的には文部科学
大臣が人事権をもつということに対する、大学の自治へ
の制度的な保証ということであり、大学の場合は職員や
教官の任命については、直接文部科学大臣が任命権を行
使するのではなく、まず大学で選任し、それによって学
長が申し出て任命するという規定になっている。もう一
つは大学の場合にも、通常、機関のトップである学長は
当然大臣が任命することとなるが、その学長の選任にあ
たっては、大学の評議会で選考し、大学が申し出るとい
う形になっている。これは文部科学大臣に任命権がある
ということを前提として、それに対する大学の自主性へ
の保証としての規定が教特法の規定であり、今度仮に法
人化されるということになれば、そもそも任命権自体が
大学に移り、大学の長が任命権者になるということで、
当然そのような関係で言えば、文部科学大臣の任命権を
前提とした規定をそのまま置くということは非常に難し
いということである。まして公務員でなくなってしまえ
ば、そもそも公務員としての任命権の前提自体がなくなっ
てしまうわけであり、法制上の整理から言えば、そうい
う規定を置くというのは法制上理屈がなかなか立たない
のではないでないかということをここで記載していると
いうことである。
   
[10]○ 法律的な説明が文部科学省からあったが、国大
協にも法律の専門家がいるので、このようなことが資料
として示され、なおかつこのようなご主張をなさるので
あれば、規定することができるという法的根拠を、ある
いは法理論根拠を明らかにしてもらいたいと思う。
   
[11]○ なぜ国家公務員がこのような格好で教職員だけ
守られているかということについて、国家権力の介入と
いうものが学問にあってはまずいということがある。こ
れはやはり公務員であるから国家権力が介入してくる。
それを防ぐために作られたということである。今度の独
立法人は、より大学主体に人事や実施権が移っていくた
め、国家権力の介入というのはむしろ減るということで
ある。大学側はより日本の新しい形としての自律性とい
うか、そのようなものをこの際確立するというのが主た
る目的であると思う。庶民的に言えば、例えば国立大学
というとやはり皆さん公務員ですからね、とこのように
言う。やはり庶民の感情がそこにあり、新しい国が、日
本がこれから自律して、しかも地域の交流やグローバル
化、あるいは国立大学の先生が私立大学の先生を兼務し
て悪くはないのではないかと思う。そのようなことから
言えば、やはり非公務員型で思い切って自由に活躍され
るという方がよいのではないか。しかし私立大学よりも
恵まれているのは、やはり学問を支えるために国の予算
が支出されるということがあり、これだけでも十分私立
大学のリスクよりかはるかに安心して学問に邁進できる
のではないかと思う。このように考えてむしろ前向きに
これから21世紀をつくる、つまり例えば教育を受ける
人がみんな規制と国家に守られたそのような中から学生
が育ってくれば、やはり雰囲気的に自律性とか意識の変
革はできないのではないだろうかと思う。大学自身の自
律性が高いところからそこで教育を受けたり、研究をし
たりしている人たちの取り組みもより自律的な雰囲気に
変わるのではないかと考えている。
   
[12]○ 公務員型、非公務員型の如何にかかわらず大学
の特殊性というものもあると思う。私の知っている領域
であれば、教職員の数及び職員の配置というものはその
大学の特殊性に任せていただけるようなシステムが一番
良いのではないかと思う。例えば資料5に給与・勤務時
間というところがあるが、勤務時間などは、外科医が手
術の途中で勤務時間が来ましたからといって終了するな
どどいうことは、患者の命にかかわることであり、その
ようなことは当然できない。これが今の日本の講座制の
悪いところであるが、教授が頂点にあり、教授の代わり
ができる、本当に教授と同じような実力をもった人がほ
かに2,3人いるのかと言えばいないということである。
そのために教授は24時間いつでもオンコールというこ
とになる。それは事実上できないことであるため、人員
配置を十分できるようにして欲しいということである。
一方では、やはり国立大学の附属病院は赤字体質だとい
われているが、この赤字体質は人員配置が十分にできな
いということも原因の一つである。したがって、もう一
つはそのような医療の質あるいは研究の質を高めるため
にも、大学の特殊性によって十分人員配置ができるよう
にしていただきたいということであり、そのような観点
から言えば若干、非公務員型の方が良いのではないかと
いう気がする。しかしまだ検討の余地はあるだろうと思
う。
   
[13]○ 教官については非公務員型で問題はないと私は
思っているが、しかし現場にいると、一般の職員が一番
問題であると思う。一般職員は一般職員なりに非常に一
生懸命にやっている。そうすると、これから色々と議論
されると思うが、そのような一般職員の人事の交流につ
いて、どこがコントロールし、誰がどうして動かすのか
という問題がある。これは法人化されれば、文部科学省
が行うわけにはいかないということになると思う。そう
すると、色々なところで実力をつんでやっていこうとい
う人の士気が一変に落ちてしまい、そこのところをどの
ように担保するのかというような労使交渉の問題がある。
文部科学省の方はあまり現場のことをご存知ないと思う
が、現場ではやはり職員の問題があり、これはよく議論
してもらいたいと思う。もう一つ、私の聴き間違いでな
ければ産総研は確か公務員型であったと思うが、産総研
こそなぜ非公務員型にしないのかと思う。産総研はなぜ
公務員型なのかということを示さないと、なかなか納得
がいかないのではないかと思う。
   
[14]○ この問題は法人化で最大の問題である。私は国
大協に所属しており、ずいぶん地方の国立大学の関係者
から電話をいただいたが、その真意は非公務員型になる
と困るということである。組合のこともあるし、教官も
抑えきれないという話を伺っていたので、大きな問題で
あると意識していた。ただ私は今日のご説明で、あるい
は前からそう思っていたが、法人化にあたっては非公務
員型がふさわしいと思う。これ以上は理由は申し上げな
いが、自由もあるし、特に外国人の雇用等もかなり今後
活用の余地があるのではないかと思っている。問題の一
つは、文部科学省からの職員について、行ったり来たり
の問題はあるにしても、身分上の問題については、また
文部科学省に戻れば公務員になるからということで、恬
淡とされているが、各大学で採用された方の場合、公務
員の身分を捨てて、非公務員になったときの期待権の損
失は大きいと思う。これは特に地方にいくと非常に大き
いと思う。そのことについてどのように説明するのかと
いうことが、この制度をソフト・ランディングさせてい
く上で、大きな問題であると思うし、国が設置者であれ
ば公務員型ではないか、それを何故非公務員型で認める
かという時に、これはどう説明したらよいのか。
   
[15]◇ 公務員とは何かということは非常に定義が難し
い。国に雇用され、国から給与を貰い、国の事務に従事
している、というこの3要素が充たされれば公務員であ
るということもあるが、必ずしもこれが定義になってい
るわけではない。今お話があったように、国が設置者に
もかかわらずということであるが、一方で今度は国とは
別の法人格を持つことになる。それは国とは別の主体に
なるということで言えば、先程の国に雇用される、ある
いは国から給与を貰うことがストレートに当てはまる訳
ではないと思う。
   
[16]○ しかし、全部国からお金がくるということでは
ないのか。
   
[17]◇ その場合においても、いわゆる非公務員型の独
立行政法人があるが、それもまさに国がお金を出し、国
が設置者になるということである。その場合においても
そもそも法人化する時点で、国とは別の法人格を持つ時
点で、厳密な整理から言えばそこは公務員の枠から外れ
るということである。したがって、いわゆる公務員型の
法人のことを特定独立行政法人といっているが、これは
独立行政法人全般から言えば公務員の身分から外れるの
だが、一定の要件に該当するものは公務員の身分を与え
る。これが独立行政法人の通則法のスキームであり、そ
の原則から実際には公務員型の法人が大半になってしまっ
ており、非公務員型が少なくなっているということで少
し食い違っているが、法律上の整理の仕方から言えば、
独立行政法人が別の法人格を持った時点で少なくとも公
務員からは外れる、ただし一定のものについては特例と
して公務員身分を与えるということなので、そこはそう
いった整理を国立大学法人の場合でも行うのではないか
と思っている。
   
[18]○ 私は何が何でも公務員型でいいと言っているわ
けではなく、非公務員型になったときに一般職員のこと
について説明できるようなものがないと困るということ
である。
   
[19]○ それに関連して、具体的な問題で質問したいが、
退職手当の問題について、これは各法人が支給基準を定
め、それに基づいて退職手当のほうは通常の交付金の中
の人件費とは別枠でくるわけである。その時に今は国立
大学間で教員が異動する場合は、これは当然通算、継続
されるということになる。しかし今回、これが仮に非公
務員型になった時には、ある大学からある大学へ移った
時には、これは当然現大学を退職して別の大学へ採用さ
れることになるため、退職金の通算はどうなるのか。
   
[20]◇ そこは、法人のほうでどういう退職手当規定を
定めるかということになると思う。確かに必ずしも別な
法人、大学から移ってこられた方が自動的に通算される
わけではない。その場合は法人として交流を活発にしよ
うという観点であれば、当然他の大学から移ってきた方
を通算する形になり、国立大学法人全体として、グルー
プ全体として流動性を高めようということであれば、そ
ういった形に配慮した退職手当規定を設ける必要がある
と考えるが、そこは退職手当規定をどういう思想で設計
するかというところにかかってくるのではないかと思う。
   
[21]○ 承継職員については期間を通算するということ
が個別法で規定すると決まっている。今いる教職員は良
いが、法人化以降に採用となった教職員は一体どうなる
のか。
   
[22]◇ 今国立大学に勤務している人、これは教員、職
員も含めて、当然今の公務員制度を前提に大学に就職さ
れ、活動されているわけである。その中で大学の教員あ
るいは職員は、公務員としての実績を積み重ねられてい
るわけであり、当然そういった方々の権利がこの法人化
によって不利にならないようにということで、先程の承
継職員の規定が設けられている。したがって、仮に新し
い非公務員型の法人に移った場合においても、公務員の
期間を通算して、新しい法人の中で退職手当が受けられ
るようにという措置である。これは仮に非公務員型とい
うことになれば、個別法の法律の中でそういった規定を
設けることになると思う。ただそれ以外の職員というの
は、まさに新しい法人の中に入って来られた方であり、
それは新しい法人がどういう退職手当を定めるかという
ことであると思う。
   
[23]○ 私は教員の身分が公務員であるかというよりも、
職員の身分が公務員であるかどうかのほうが基本的な問
題で、私は非公務員にすべきであると思っている。例え
ば、国立大学と私立大学を比べると圧倒的に国立大学の
方が職員が多い。例えば私立大学でも、早稲田大学では
一頃教員が900人で職員が1,400人いたが、現在
は教員が1,650人で職員が850人と逆転させた。
そういうことをやはりやっていかないといけない時代で
はないかということが一つである。もう一つは、国立大
学の職員は上の人だけが動いて下は動かないということ
である。したがって私が見るところでは、非常に労務管
理のところが私立から見るとめちゃくちゃである。そう
いうことを考えると当然全体として非公務員にすべきで
あると思う。
   
[24]◇ 非公務員型の場合の人事交流の問題や退職手当
の通算の問題など色々とご指摘があったので、次回まで
にその辺りのところも含めて整理させていただきたいと
思う。

--------------------------------------------------
■3) 2002.2.4 国大協から文部科学省への要請 

「新しい『国立大学法人』像について(中間報告)」に
対する国大協意見の補足説明について

2002.2.4
                                     国大協総11号 
                                 平成14年2月4日

文部科学省高等教育局大学課長
 合 田 隆 史  殿

     国立大学協会設置形態検討特別委員会

        委 員 長   石  弘 光

去る1月25日に開催された国立大学等の独立行政法人
化に関する調査検討会議「連絡調整委員会」において
「教職員の身分の扱い」に関する審議の中で、標記の意
見中「8.学長・教員等の人事」について述べている部
分の真意についてのお尋ねがありました。

 このことについて、本協会の意見原案を取りまとめた
立場から、別紙のとおり補足説明をさせていただきます
ので、よろしくお取り計らいくださるようお願いします。

(別紙)

[既に提出している国大協意見]

8.学長・教員等の人事

教員等の任免等については、・・・(略)、学長、副学
長、学部長や教員の選考・任免等は、国が設置者・管理
者である大学の教育研究職の特質に鑑み、基本点を法律
(例えば、「国立大学法人法」)に定めることが適切で
ある。(以下略)

[この意見についての補足説明]

1.この意見の趣旨は、制度設計において、仮に教員の
身分が非公務員型になったとしても、国が設置者・管理
者である大学においては「学問の自由」を担保する仕組
みとして、教員人事に関する最小限の基本的事項は、各
法人の就業規則等内部規則に委ねるのではなく、実質的
な設置者たる国民全体の意思の表現として、法律の形で
明確に規定されるべき旨を述べたものである。

2.なお、法律で規定すべき任免上の特質については、
学長とそれ以外の役職員とは区別して考える必要のある
ことは当然の前提としている。
--------------------------------------------------