通信ログ
国公私立大学通信 2003.09.29(月)
http://ac-net.org/kd/03/929.html
前号:http://ac-net.org/kd/03/926.html

━[kd 03-09-29 目次]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【1】報道発表:9/27シンポジウム「大学界の真の改革を求めて」について
http://www003.upp.so-net.ne.jp/znet/znet/news/pb030929.html

【2】都立四大学廃止に関する緊急シンポジウム 2003.9.28

 【2-1】アピール
  http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/siryousyu_030928sinpo_ap-ru.htm

 【2-2】東京都大学管理本部への公開質問状
   http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/siryousyu_030928koukaisitumon.htm

【3】戦後初の理学部出身京大学長:尾池和夫氏(地震学)
   http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000165.html

【4】国立大学法人評価委員内定か
   http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000166.html

【5】香川大学メールマガジン連載:国立大学法人とはどんなものか
     香川大学副学長  高橋正俊氏
  http://mm.kagawa-u.ac.jp/magazine/

【6】Publicity No 736 (9/28) より 河村建夫文科大臣の発言録 
   http://www.emaga.com/bn/?2003090081748480015833.7777

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【1】報道発表:9/27シンポジウム「大学界の真の改革を求めて」について
http://www003.upp.so-net.ne.jp/znet/znet/news/pb030929.html
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独法化阻止全国ネット報道発表.2003年9月29日


                  多分野連携シンポジウム

          「大学界の真の改革を求めて」について
				   

       主催者代表
       国立大学独法化阻止全国ネット事務局長  豊島耕一


    われわれ国立大学独法化に反対する4団体(全国ネット,新首都圏
    ネット,意見広告の会,アピールの会)は,実施が迫る国立大学の
    「法人化」について,その問題点,これまでの反対運動の意味,そ
    して大学界の真に意味のある改革とは何かを考える標記のシンポジ
    ウムを,9月27日,東大構内で開いた.
    http://www003.upp.so-net.ne.jp/znet/znet/news/multisympo927.html

    これは,次のような目的を持ったものである.

    (イ)近年にない規模と多様性をもって展開されたこの運動を,幅
    広い立場から,総合的,多面的,論争的に吟味・総括し,記録する
    こと.

    (ロ) 制度の実施という状況のなかで独法化にどう立ち向かい,
    学問の自由と大学の自治を守り,あるいはどう築いていくかを討論
    すること.また,この制度は公立大学をも飲み込もうとし,さらに
    私大も,政府が認める評価機関による評価が義務付けられた.この
    ような政府・官僚主導の激変のなかで,大学関係者と市民による高
    等教育の自律的な改善の可能性について考えること.

    52名*の参加者の過半数は国立大学の教職員,学生であるが,国
    会議員2名,議員秘書1名,韓国教授労働組合2名,国立大学長,
    元学長各1名,私大・公立大から8名など,多様な人々が集まった.
    また,日本の大学問題についての本を書いたアメリカ人研究者,山
    内恵子衆議院議員,それに全大教からメッセージが寄せられた.

    午前,午後,合計6時間にわたって多様な報告と熱心な討論がなさ
    れた.

    まず,主催者団体などによる運動の総括が5人から述べられた.冒
    頭,全国ネットの豊島は,法案阻止運動がなぜ敗北したかについて,
    この問題が憲法と教育基本法に反するものであるとの認識が大学関
    係者にほとんどなかったことなど,5点にわたって分析した.

    首都圏ネットの小沢は,「論点集」を作って議員に質問の材料を提
    供するなど,終盤での国会ロビー活動について説明した.また,か
    なりの程度まで成功した,メディアにこの問題を取り上げさせるた
    めの努力について述べた.

    次いで「アピールの会」の池内は,大学内に限られている運動を,
    多くの著名人の賛同意見などを使って一般に広げていったことを,
    「意見広告の会」の野村は,最終版での世論形成に重要な効果を上
    げた意見広告運動について説明した.

    千葉大学の独法化問題情報センターの安田氏は,ネット上で飛び交
    う情報があまりにも大量なため,教職員がむしろ情報不足に陥って
    いる状況を改善するために,重要な情報を選び出して提供する活動
    について説明した.これは同大学でいくつか出された教授会などの
    意見表明のベースを与えたのだと思われた.

    共産党参議院議員の林紀子氏は,参院審議において,「労働安全衛
    生法」の問題での追及などを説明した.さらに,教育基本法改悪問
    題が今度の国会で重大な局面を迎えるだろうと述べた.

    社民党の山内恵子衆議院議員秘書の広瀬氏は,国会議員と大学関係
    者の間の認識の壁の問題について意見を述べ,また議員のメッセー
    ジを紹介した.

    鹿児島大学大学の前学長,田中弘允氏は,2000年頃の国大協内
    部の状況や,そこでの独立行政法人化に対する自らの批判活動につ
    いて述べた.関連して現職学長である宇都宮大学の田原博人氏が発
    言したが,国大協の会議の雰囲気がどのようなものかを十分想像さ
    せるものであった.

    続いて,「改革」と称する行政による強権的介入と,それによるリ
    ストラが目論まれている横浜市大,東京都立大の深刻な状況が,両
    大学の同僚から説明された.教授会無視や秘密主義は両者に共通す
    る特徴のように思われる.

    韓国教授労働組合副委員長の朴巨用 (パク・コヨン) 氏は,「軍事
    政権の山を越えたら新自由主義の川が待っていた」との表現で,政
    府が導入を目論む「国立大学運営に関する特別法」について批判的
    に紹介した.これは大学の民主主義と自治を無視し,授業料の値上
    げを招くなど重大な問題を含むとのことである.

    アレゼール日本の岡山茂氏は,フランスの大学改革について説明し
    た.予算の費目自由化や「中期目標」など,日本の「法人化」と見
    かけ上似たところもあるが,しかしフランスでは政府と大学との
    「対等な契約」とされており,「目標」も日本のように政府が定め
    るものではない.

    教育法が専門の成嶋隆氏は,「法人法」が教育基本法10条(教育
    への不当な支配の排除)に違反するものであることを,限られた時
    間ながら詳細に論じた.10条のみならず,6条2項(教員の身分
    保障),3条1項(機会均等)にも反する疑いがある.

    フロアからは,工学院大学の蔵原氏が,国立大学法人制度における
    「法人」と「大学」の事実上の一体化は,従来の学校法人制度と全
    く異質であると指摘した.異常に強力な学長権限と相俟って,大学
    制度全体に重大な悪影響を及ぼす恐れがあると述べた.

    時間の都合で最後のセッションで発言した民主党参議院議員の櫻井
    充氏は,この問題で国民世論を喚起できなかったから敗北したので
    あり,それは大学側からのわかりやすい説明が不十分であったため
    だと述べた.また,今後,制度運用における対応のありかたなどに
    ついて述べた.

    討論の時間は不足し,これからの運動の展開についての具体的方針
    が打ち出されるまでには至らなかったが,参加者一同,この制度の
    重大な問題性を再認識し,また国際的な視野でこの問題をとらえる
    ことができた.教育基本法改悪反対運動との連携の重要性も認識さ
    れ,教育の自由,大学の自由を回復し発展させる運動のためのより
    総合的な認識が共有されたと思われる.

    今回のシンポジウムで得られた知識と理解,そして人々の新しいネッ
    トワークが,大学という文化の創造において,大いに力を発揮する
    こと期待したい.

    なお,いくつかのレジュメ,メッセージは全国ネットホームページ
    で公開している.また,シンポジウムの全内容は,近日中に出来る
    だけ詳細に公表する予定である.

*受付の名簿による.

840-8502 佐賀市本庄町1
佐賀大学理工学部  豊島耕一
toyo@cc.saga-u.ac.jp
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp

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【2】都立四大学廃止に関する緊急シンポジウム 2003.9.28
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/030928shinpo_houkoku.htm
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【2-1】アピール
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/siryousyu_030928sinpo_ap-ru.htm
http://ac-net.org/dgh/blog/archives/000167.html に転載
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   八月一日、石原慎太郎東京都知事は、東京都立四大学(都立大学・
  科学技術大学・短期大学・保健科学大学)の改革についてこれまで
  準備されてきた構想を一方的に破棄し、それとは全く異なる内容の
  「都立の新しい大学の構想について」を発表しました。それ以降、
  東京都大学管理本部は、これは設置者権限による現存する四大学の
  「廃止」と新大学の「設立」であるとして、四大学を排除したまま
  「トップダウン」による改革・準備を一方的に進めています。

   しかしこれまで都議会や都民に公表され、再三にわたってその準
  備を着々と進めていると説明されてきたものが、このように唐突に
  破棄・変更されたことに都立の大学に深く関心を持つ私たちはとま
  どいを隠せません。発表された「新構想」の内容についても、果た
  してそれがよりよい大学に結びつくのか多くの疑問がありますが、
  私たちが何よりも疑問に感じるのは、その進められ方です。これま
  での構想がなぜ破棄されなければならないのか、少なくともいまま
  でに都知事や大学管理本部が示している理由は、きわめて根拠薄弱
  です。また、そこに至るまでの経過についても、都民にも、また大
  学関係者にも公開されていません。

   都民の貴重な財産である都立の大学が、このような唐突で恣意的
  な進め方によって大きく変えられ、その有形無形の知的財産が危う
  くされることに、私たちは強い疑問と怒りを感じます。

   以上から私たちは、東京都大学管理本部に対し、別紙のような公
  開質問【2-2】をおこなうとともに、一方的で恣意的な「大学改革」
  準備ではなく、当事者と都民に開かれた進め方に改めることを強く
  求めます。

二〇〇三年九月二八日

都立四大学廃止に関する緊急シンポジウム
参加者・賛同者一同

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【2-2】東京都大学管理本部への公開質問状
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/siryousyu_030928koukaisitumon.htm
http://ac-net.org/dgh/blog/archives/000168.html
 に転載
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東京都大学管理本部 御中

  私たち、「都立四大学の廃止に関する緊急シンポジウム」の参加者・
  賛同者一同は、現在、大学管理本部によって進められている「都立
  の新しい大学」の検討・準備について、その手続きと内容に多くの
  疑問をもっています。東京都が設置する公立大学の改革においては、
  その過程が、東京都民をはじめ当事者と市民に広く公開されるべき
  ものと考え、以下の点について、大学管理本部の見解を説明いただ
  きたく、質問いたします。

I. 大学改革の手続きに関して

  1 8月1日付けで、それまで大学管理本部と大学との協議を経て積
  み上げられてきた大学改革の構想がすべて破棄され、さらに都立大
  学内の改革に関する検討組織もすべて解散となったと聞き及びます。
  「都立の新しい大学の構想について」(2003年8月1日大学管理本
  部)によれば、「大学改革大綱」以降、地方独立行政法人法・知的
  財産基本法の制定があったことなどの社会状況の変化が大きな理由
  とされています。しかし、独立行政法人化はかねてから予測されて
  いたことでありましょうし、その他あげられる理由も、それがこれ
  まで数年間の改革準備に投入された人材と時間・費用を考えるとき、
  それをすべて白紙に戻すに足るだけの根拠とはただちに思われませ
  ん。さらに、「専門家の意見」を聞いたとされていますが、その意
  見聴取手続きや意見内容についても現在のところ公開されていませ
  ん。ここまで都議会などにも「大学改革大綱」に基づく改革準備を
  進めているとの報告が再三なされてきたことを考えましても、その
  作業を全て白紙に戻すとするのであれば、十全なアカウンタビリティ
  の履行、すなわちその検討経緯が公開されたうえで、都民や都議会、
  大学関係者などに対して十分説得的な根拠が明らかにされるべきこ
  とが最低条件と考えます。この点について、どのようにお考えでしょ
  うか。

  2 また、8月1日以降の「新しい大学」を準備する作業は「トップ
  ダウン」で行われることが明言され、参加者は作業内容の口外を禁
  じられているとも聞き及び、現在、改革過程の情報公開は著しく不
  十分な現状にあります。都民の共有財産である東京都の大学を大き
  く改革・あるいは改廃するとなれば、その検討・決定過程では、従
  来当該大学に勤務しその研究・教育に関する自己評価の責任を問わ
  れる教職員はもとより、当該大学の研究・教育の実態に詳しく意見・
  要望も多くもつ学生・大学院生・卒業生や、また何より東京都の主
  権者である都民に対し、情報が十分に開示され、その声が適切に反
  映されることが不可欠と考えます。この点について、どのようにお
  考えでしょうか。


II. B類廃止に関して

   「新しい大学」の構想においては、「単位バンク」制度との関係
  で「就学年齢などの時間的制約から開放され、生涯にわたる学習計
  画や追加学習が可能」となることがうたわれておりますが、この点
  では、都立大学にこれまで既に多くの実績を残してきた夜間課程
  (B類)が存在します。しかし「新しい大学」ではこれは廃止され
  ることとなっています。私たち都民の今日における生活・労働実態
  を考えると、「生涯にわたる学習」を可能とするためには、働きな
  がら学べる夜間課程の存在が必須であると考えますが、この点につ
  いていかがお考えでしょうか。


III. 大学院教育に関して

  1 「新しい大学」の大学院構想についてはその発足時期・概要と
  もいまだに明らかにされていません。現在学部に在籍する学生の中
  には、同じ学科・専攻の大学院進学を目指している者が多数います
  が、このままでは、将来の進路設計がたてれられないという不安を
  抱えています。また、現在都立の大学に所属している大学院生の身
  分および進路展望がどのように考えられているのかも不明です。現
  在所属している課程の修了まで、予算・施設・教育内容すべての面
  で責任ある指導体制を確保すべきことは当然として、博士課程進学
  を予定していた現修士課程在学生をはじめ、在籍する大学院生の進
  路・将来展望に関して、今次の「改革」は多大な影響を与えること
  が予想されます。とりわけ、人文科学研究科の文学系各専攻の多く
  の教員と、理学研究科身体運動科学専攻の全教員が新大学では学部
  所属からはずれるといわれており、これらの専攻に在籍する院生が
  将来にわたって現在と同じ研究条件と指導体制が確保されるのか案
  じられています。こうした問題について大学管理本部ではどのよう
  にお考えでしょうか。

  2 上記に関連して、「新しい大学」においては現大学に比して大
  幅な教員定数の削減が行われると聞き及びますが、この教員定数は
  いうまでもなく大学院の規模・専攻の種類を規定・制約する条件と
  なります。仮に、大学院構想が「白紙」のまま教員定数削減を決定
  してしまうと、それはこの先東京都の大学の将来的な在り方に大き
  な制約を残すたいへん無計画な顛末ともなりかねません。大学の設
  置にあたっては大学院構想をも同時に明確化することが不可欠な手
  続きであると考えますが、この点についてはどうお考えでしょうか。


IV. 学部教育に関して

  1 「新しい大学」の「基本構成案」における「コース(学科)構
  成案」によれば、現在都立大学に5専攻(国文、中文、英文、独文、
  仏文)設置されている文学専攻は存在せず、大幅に規模を縮小した
  「国際文化コース」が置かれているのみとなっています。しかしな
  がら、他地域以上に国際化の進展する東京都の現状と将来を考える
  と、外国文化や日本文化の認識や理解を深めるこれらの専攻の役割
  と責任は、むしろ従来以上に大きくなっているとも考えられます。
  上記の「基本構成案」はこのような認識と大きく乖離する内容となっ
  ているようにも見受けるのですが、この点についていかがお考えで
  しょうか。

  2 新大学構想では外国語はすべて選択とすると聞いています。国
  際化した都市を東京都の将来として必然とする以上、各国の人々と
  の相互理解にも不可欠な外国語教育を、十分な人的配置をした上で、
  大学教育の一環として手厚く保障することは不可欠とも考えますが、
  その点についていかがお考えでしょうか。

  3 現在都立大学人文学部は6学科11専攻で構成されていますが、
  「基本構成案」では、それが大幅に縮小され、社会学コース、心理
  学コース、国際文化コースの3「コース」のみと計画されているよ
  うに理解します。従来、都立大学の中でも決して受験生の人気が低
  くはなかったこの学部の大幅な縮小は、都民にとってもその理由や
  根拠が気になる点です。また、現在都立大学では中学・高校の教員
  免許状、学芸員資格、社会教育主事資格などの取得が可能となって
  おり、これら資格課程では人文学部各専攻の教員が大きな役割を果
  たしていると考えられます(教育学専攻、史学専攻、文学科各専攻
  など)が、「基本構成案」にはこれらの各専攻のいずれもが存在し
  ません。「新しい大学」ではこれらの資格取得課程は変わらず設置
  されるのでしょうか。さらに、社会福祉士、介護福祉士、臨床心理
  士、学校心理士等、近年多くの職業分野において資格の取得が重視
  される傾向がありますが、これらのやはり人文・社会領域と関連す
  る資格取得課程の設置は考えられていないのでしょうか。都立の大
  学が今後一層都民にとって魅力ある存在になってもらうためにも、
  上記の点などにかんがみ、人文・社会系の教育資源の大幅な縮小・
  削減にただちには賛同できかねます。より説得力のある説明や、柔
  軟な再考を願います。


V. 単位バンクに関して

   「新たな大学」の構想では、他大学で取得した科目単位や海外の
  大学の科目単位、国際経験等について、無制限に新大学が単位とし
  て認定することができる「単位バンク」が、一つの特徴とされてい
  ます。しかし、大学が責任を持って学生の学習到達度を認定するこ
  とができないこのようなシステムは、知事の年来の主張である「入
  りやすく出にくい大学」づくりとはむしろ矛盾すると考えられるの
  ですが、いかがでしょうか。

   以上の点につき、 10月10日までに下記あてご返答お願いし
  ます。

2003年9月28日

都立四大学廃止に関する緊急シンポジウム
参加者・賛同者一同

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【3】戦後初の理学部出身京大学長:尾池和夫氏(地震学)
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000165.html
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京都新聞 9/28 「京大次期総長に尾池副学長 理学部から70年ぶり」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030928-00000002-kyt-l26

    「・・・・・選挙は26日に助手以上の教官による第1次投票
    で16人の候補者を選出し、評議会での第2次投票で5人に絞っ
    た。27日昼の講師以上による第3次投票で過半数を獲得した
    候補がなかったため、尾池副学長と本庶佑・医学研究科長の上
    位2人による決選投票となった。尾池副学長が有効投票927
    票のうち590票を獲得、253票差で次期総長に決まっ
    た。・・・・・」

朝日新聞 9/27「京大新学長に尾池和夫副学長 来春法人化で権限拡大」
http://www.asahi.com/culture/update/0927/004.html

    「・・・・・選挙後、記者会見した尾池氏は、法人化について
    「(国が)金を出すが口を出さないという制度ではない。自由
    度が減っていく」と批判的な考えを表明し、大学の自治を尊重
    する姿勢を示した。法人化後の学長は経営と教育・研究の両面
    で予算や人事上、大きな裁量権を握るが、「京大はだれかのリー
    ダーシップで動く大学ではない」と述べた。 (09/27 23:35)」

毎日新聞 9/28 「京大新学長:尾池和夫副学長を選出」
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/jinji/20030928k0000m060057002c.html

読売新聞 9/27「京都大の新学長に尾池和夫・副学長」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20030927ic21.htm
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【4】国立大学法人評価委員内定か
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000166.html
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読売新聞ニュース速報9/26(*)によると国立大法人評価委の委
員16人が決まったようだ。「第三者」評価機関に現職の国立大学
現職教員一名を含む国立大学関係者が6〜7名。また,政令案では
「委員は、大学又は大学共同利用機関に関し学識経験のある者のう
ちから、文部科学大臣が任命すること等とする」とあったが全員が
該当するのだろうか。なお、他メディアはまだ(9/29時点で)
報じていないので、委員に内定した勝方信一氏を通しての情報と推
定される。
(*)http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20030926ic30.htm

URL は、委員に関連するサイトの例(他にご存知の方はお教えください)

  阿部博之(元東北大学長)[総合科学技術会議常任議員]
     http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2003/abe.html
  荒川正昭(元新潟大学長)
     http://hyena.human.niigata-u.ac.jp/jinbun/kokki02.html
  椎貝博美(元山梨大学長)
     http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/web030523syutkenseimei.html
  丹羽雅子(元奈良女子大学長):
     http://www.keinet.ne.jp/keinet/doc/keinet/kaikaku/part6/inter_31.html
  野依良治(名古屋大教授)
     http://www.nagoya-u.ac.jp/noyori/keireki.html
  木村孟(大学評価・学位授与機構長)(元東工大学長)
     http://ac-net.org/dgh/00409-kimura.html
  中村桂子(JT生命誌研究館長)
     http://www.ntts.co.jp/SO/so3/fut/
  後藤祥子(日本女子大学長):
     http://www.kanjuku.co.jp/times/200305/int00.htm
  鳥居泰彦(元慶応義塾長)
     http://www.nda.ac.jp/ad/boudaitimes/btms200203/torii.htm
  飯吉厚夫(中部大学長)
     http://chubu.yomiuri.co.jp/kyo/sangaku_2.html
  ウィリアム・カリー(上智大学長)
     http://ac-net.org/doc/01/113-currie.shtml
  奥山章雄(日本公認会計士協会長)
     http://www.mainichi.co.jp/life/money/feature/kabuka-line/0305/21/002.html
  勝方信一(読売新聞論説委員)
     http://www.sophiakai.gr.jp/sophiansnow/forum/tv-symposium020625.html
  寺島実郎(三井物産戦略研究所長)
     http://mitsui.mgssi.com/terashima/terashima-list.html
  御手洗冨士夫(キヤノン社長)
     http://emf.nikkeibp.co.jp/emf/interview/canon/
  南雲光男(連合副会長)
     http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/132/0570/13205180570006c.html   

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【5】香川大学メールマガジン連載:国立大学法人とはどんなものか
香川大学副学長  高橋正俊氏
http://mm.kagawa-u.ac.jp/magazine/
------
第29号(2003.9.11)(4)組織・運営の変化
http://mm.kagawa-u.ac.jp/magazine/select_result.php?ITEM_ID=43

第30号(2003.9.25)(5)中期目標・中期計画について
http://mm.kagawa-u.ac.jp/magazine/select_result.php?ITEM_ID=44

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【6】Publicity No 736 (9/28) より 河村建夫文科大臣の発言録 
        http://www.emaga.com/bn/?2003090081748480015833.7777
Publicity 講読:http://www.emaga.com/info/7777.html
-----------------------------------

   | 【めでぃあ・オフノート】
   | 
   | 河村文科大臣のwebサイトをちらちら見てみると、以下のよ
   | うな発言が載っていたのでいくつか紹介しておこう。
   | 
   | ▼まず、2003年7月の発言。
   | 
   | http://www.tspark.net/takeo_report/ts200307/action31.php
   | −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   | 「教育改革」実現へ向けて
   | 
   | さて、私が文部科学副大臣に就任させて頂いてはや8ヶ月にな
   | ろうとしています。特命を受けた”教育基本法”の見直しは、
   | 中央教育審議会の答申を受けながら、与党内の足並みが揃わず
   | 、公明党の抵抗があり今国会に法案の提出が出来ない状態にあ
   | ります。
   | 
   | しかし、ようやく三党の協議機関が設置され、毎週「教育基本
   | 法改正のための検討会」が開かれることになりました。次の通
   | 常国会には法案が出せるはずです。
   | 
   | 「21世紀を心豊かにたくましく生き抜く日本人」の育成のた
   | めに、制度疲労の見られる政府の教育のあり方を根本から見直
   | すことは必要不可欠であると思いますろしくお願い申し上げま
   | す。
   | −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   | 
   | 末尾のほうの文章がおかしいのはご愛敬。
   | 
   | ▼次に、今年はじめの「年頭の所感」から。
   | http://www.tspark.net/takeo_report/ts200302/report30.php
   | −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   | 次代を担う人材の育成を 
   | (中略)
   | 小泉総理は、就任時に、米百俵の精神を説かれました。構造改
   | 革から生じる痛みに対して我慢を求める話になってしまいまし
   | たが、真の意味は、米百俵を人材育成に使おうという教育投資
   | の話であったはずです。
   | 
   | 「小泉改革の起承転結の結は教育改革ですよ」と、昨年の暮れ
   | 私は直接総理に申し上げました。昨年十月、私が教育基本法の
   | 改正を特命として再度就任したのもここにあると心得ています
   | 。
   | 
   | (中略)
   | 
   | 昨年十一月、文科省中央教育審議会に於いて、「新たな時代に
   | ふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」
   | の中間報告が取りまとめられました。
   | 
   | (中略)
   | 
   | 最終答申が今年度内に得られたら、新しい教育基本法案を作成
   | し、今国会に提出し、成立を期したいと考えています。文科省
   | は他に「国立大学法人化法案」も抱えており、これまで以上に
   | 責任重大な国会となりそうです。大いに頑張って参ります。本
   | 年もご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
   | −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   | 
   | 
   | ▼だんだん腹が立ってきた。平成12年12月の発言。
   | http://www.tspark.net/takeo_report/ts200101/action.php
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   | 自民党の文教制度調査会の中には、教育改革実施本部がありま
   | す。 私は、本部長代理として初等中等教育を担当します。
   | 
   | (中略)
   | 
   | 教育改革は、教育基本法を避けて通るべきではないと思います
   | 。 
   | 
   | (中略) 
   | 
   | 今、“中・高一貫教育”や“学校5日制”など具体的なことが
   | 実現しつつありますが、これは15年前、中曽根内閣時代の臨時
   | 教育審議会で審議されてきたことで、今になって実現するわけ
   | です。その当時は、基本法には手をつけないという条件でスタ
   | ートしましたが、そのことは中曽根さんも失敗だったと言い、
   | 今回は、その轍を踏まないと思っているに違いありません。 
   | 
   | 日本は戦後教育の中で、ややもすると近代史を避けてきました
   | 。日本の学生が修学旅行でシンガポールや韓国に行くと、現地
   | の人から“かつて日本はこんなことをやってきた”と非難され
   | て驚くといった事態も起きています。
   | 
   | それが事実でしたら直さなければいけません。しかし、まずは
   | 日本の子供たちに歴史の事実を曲げずに真実を教えなければい
   | けません。 
   | 
   | まだ近代史にはグレーゾーンがあって、外国から問われても確
   | 認できないこともあります。南京問題にしても行き違いがあり
   | 、その時代の事実関係を詰めていく必要があると思います。そ
   | のことは次の世代の日本人として胸を張って生きていくために
   | 、今この時にはっきりしておかなければいけません。
   | 
   | これからの国際化時代に生きていくためにも、むやみやたらに
   | 自虐的になることなく、良い面も悪い面も、事実をきちんと教
   | え、誇りを持たせる教育にしていかなければいけません。特に
   | 歴史教育は、教科書との関連が強いので、教科書選定は大事な
   | ことです。 
   | −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   | 
   | 
   | ▼号を超えてダラダラ連載したくないから、長くなるがさらに
   | 続けよう。
   | 
   | 「平成12年4月」の表示でwebサイトに表示されている、
   | 河村建夫・衆議院議員の後援会会報「T´sパーク」では、同
   | 誌の宇部・小野田版の発刊を記念して、
   | 
   | 「宇部市大沢の河村代議士の自宅にて、代議士を囲み宇部・小
   | 野田地域の将来について語ってもらう対談シリーズ「河村建夫
   | と語る」を企画しました。」
   | 
   | とある。ちょっとみてみよう。
   | 
   | 
   | http://www.tspark.net/takeo_report/ts200004/hitoyume.php
   | −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   | 第一回のテーマは「人づくり、夢づくり」。河村代議士を囲み
   | 、人づくりの重要性を語ってもらうお客さまは、前香川高校校
   | 長で現在、宇部市剣道連盟会長を務められている宮本弘さん、
   | 富士商専務で小野田青年会議所直前理事長の藤田剛二さん、メ
   | ナード化粧品宇部販社代表で河村代議士の“応援団”わかば会
   | 副会長の川端世津子さんの三人。活力ある故郷の創造に向け、
   | 人づくりの現状、問題点、今後の課題へと、熱きこころを語っ
   | てもらいました。
   | −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   | 
   | 
   | ▼ということで、河村氏は、どのような発言をしているのだろ
   | うか。
   | 
   | 
   | −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   | (前略)
   | 
   | 「もの」では栄えたが、「こころ」で亡んでいる。あいさつ、
   | 基本的なマナーなど日本の伝統も崩れてきた。今こそ、教育の
   | 再生が大きな課題となっています。昨年の国旗国歌法は、国づ
   | くりをもう一度見直そうという一つの結果。平和憲法も五十年
   | 以上経過すると、実情に合わない部分も出ていますが環境問題
   | もその一つです。
   | 
   | (中略)
   | 
   | 我が国の教育基本法はわずか十一条しかない。アメリカから受
   | け継いだものであり、理想国家はめざしているが、個を大切に
   | しすぎたため、公の部分が抜けている。第二次世界大戦では大
   | きな痛手をこうむったが、本当の敗北は今ごろ表われてきたの
   | ではないか。私は、日本独自のものを見つけ直す必要もあるの
   | ではと思っています。
   | 
   | (中略)
   | 
   | また、教育改革では、学制の枠をはずし競争原理を導入しても
   | いいと考えています。努力しなければ、学校そのものもつぶれ
   | る。自立心旺盛な子どもを育てることは、二十一世紀の日本を
   | 救うことになるからです。
   | 
   | (中略)
   | 
   | 教育現場の改革はたくさんありすぎるほどありますが、何より
   | 校長がもっとリーダーシップを取れるようにして、地域が学校
   | を育てるような環境になればよいと考えます。それには地域の
   | 住民の力も不可欠です。
   | −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   | 
   | 
   | ▼ふう。憲法9条を“現状に合わないから変える”という論法
   | はよく目にするが、「泥棒を罰する現在の刑法は、泥棒が多い
   | 現状に合わないから、泥棒を罰しないように刑法の方を改正す
   | る」という論法と、違うか、違わないか。
   | 
   | ▼憲法9条、教育基本法改正、競争原理の導入、校長のリーダ
   | ーシップの強化。。。いやはや、模範解答である。河村建夫氏
   | 、遠山オバハンよりも強硬な、紛う方なき復古派であることを
   | 確認できた。
   | 
   | 河村氏のような心性の政治家が文科大臣に就任した事実は、そ
   | のことを通して、一人一人の大臣の過去の言動をしっかり検証
   | する報道記事の少なさや、河村氏のような意見に賛成する国民
   | が、おそらくは反対する国民よりも多い、という現状をあらた
   | めて認識した。
   | 
   | ▼国民と、メディアと、政治家(芸能人)。この三者が、視聴
   | 率や人気を中心とする腐れ縁のトライアングルを形成している
   | 、という構造を、徳山喜雄の『フォト・ジャーナリズム』『報
   | 道危機』(両方とも永江朗氏ご推薦)を読んで整理されたが、
   | このトライアングルは相当に根深いものがあるゾヨ。
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編集発行人:辻下 徹 tjst@ac-net.org
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