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国立大学独立行政法人化問題週報


Weekly Reports  No.112 2003.4.10 Ver 1
http://ac-net.org/wr/wr-112.html
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[112] 「国立大学法人法案」の廃案を求める「意見広告」への賛同の呼びかけ
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「国立大学法人法案」の廃案を求める「意見広告」への賛同の呼びかけ
        −法案を読もう 大学の未来へ想像力を−

 現在、国会に国立大学法人法(案)が提出され、既に審議が行われています。
一方で、この法案に対する人々の関心は乏しく、大学人すらその例外ではない
ようです。この法案は国立大学のみならず、明日の日本の高等教育の在り方を
決定する重要法案です。政府は「国大協には十分説明した」「国立大学から異
論が上がってこない」などと言って、今国会での早期の成立を意図しています。
大学人・市民のみなさんにこの法案の危険な内容を知っていただき、法案の廃
案を求める「意見広告」への賛同・参加をして下さいますよう呼びかけます。


 法案では、教育・研究の自由を奪い去り、官僚=国家の手による統制の意図
が驚くほど明瞭です。大学の教学に関わる方針(中期目標)は文科省によって
定められ、その達成計画(中期計画)は、文科省の認可を受けなければなりま
せん。

 また、学長の解任権限や監事の任命権までもが文部科学大臣に与えられてい
ます。しかも学長を選考する学長選考会議は、法案をよく読むと、学長に自分
自身を含む次の学長を選考する権限が委ねられる循環的権力移行システムとなっ
ています。これは、独裁国家の仕組みと同様です。

  これまで教授会・評議会に残っていた意思決定権限が学長と役員会に奪われ、
学問の自由を保障する大学の自治が根本からくつがえされてしまいます。一部
の法人化推進論者が積極的に主張するような、トップダウン型の経営組織に変
質しようとしているのです。

 法案には、国立大学法人の長期債務や債権の発行が明記されています。役員
会や経営評議会に産業界・官僚出身の学外者が入ることをあわせれば、大学は
国策的な営利研究を進める「トップダウン型」の企業体になりかねません。

 国の政策と経営効率主眼に大学が運営されれば、基礎的な科学研究や人文・
社会科学は切り捨てられ、政府や産業界の要請に教育や研究が従属させられて
しまいます。法案は日本の学問・文化に百年の禍根をもたらすものと、私たち
は考えます。 

 もちろん、教職員の同意無しの非公務員化は、教職員の基本的人権の侵害で
もあります。


 以上のことから私たちは、「学問の自由」を守ることを規定した日本国憲法
23条と、「教育への不当な支配」からの自由を保障した教育基本法10条に
違反する「国立大学法人法案」を、ただちに廃案にすることを求めます。


「意見広告」の実際


(1)「意見広告」は、朝日新聞全国版の23日の掲載を予定しています。

(2)多くの賛同者を得た場合には、以後、繰り返して掲載を行います。

(3)第一次の募集の締め切りは、4月17日(木)正午と致します。17日正
午までに到着した賛同者の氏名を23日の紙面に掲載します。これは、国会の
委員会日程に合わせてあります。23日掲載が特に効果がありますので、お早
めにご賛同をご連絡下さい。なお、一部の地域では、掲載が24日になる可能
性があります。

(4)第二次の募集の締め切りは、4月末日(月)と致します。

(5)賛同者全員の氏名を、所属機関名略記とともに掲載する方針です。賛同者
で匿名を希望される方は、その旨をお伝え下さい。機関名を示さないことも可
能です。その場合は機関名を記さないで下さい。

(6)1口5000円としますが、意見広告の費用は極めて高いので、2口以上
の協力を期待いたします。定職の無い方は、その由お記し下さい。少額で結構
です。

(7)情勢に変化が生じた場合の扱いは、「呼びかけ人」に御一任下さい。

(8)呼びかけ人への参加を希望する方はその旨ご連絡下さい。


*賛同者は以下の記載事項を書いて、メールかFAXで送って下さい。名簿作
成上、氏名は漢字・ひらがな両方が必要です。

賛同者記載事項
 氏名     「漢字」  
 氏名     「ひらがな」  
 所属機関   「無し」でも結構です。
 連絡先住所  
 醵金の口数  「何口」   定職を持たない方は「何千円」
 氏名掲載の希望  有 無

メールの宛先   houjinka@magellan.c.u-tokyo.ac.jp
        campaign@sbp.fp.a.u-tokyo.ac.jp
        信頼性を考慮し、上の2箇所に登録メールをお送り下さい。
FAXの宛先  03−3813−1565 電話兼用

*送金は 郵便口座 『「法人法案」事務局』00190−9−702697
へお願いします。
 口座は4月14日(月)から振り込み可能です。

*メール宛先で事故が生じた場合は、連絡欄に必要事項を記入して、郵便口座
をご利用下さい。

以上についてのお問い合わせは
  メール  qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp
  電話   03−3813−1565 FAXと同じ

*出来るだけ多くの方の「意思」が表明される機会が与えられるよう、この呼
び掛けに賛成の方も、反対の方も、保留の方も、重複をいとわず、このメール
を知人やグループ、学会などに御回送下されば、有り難く存じます。また、ホー
ムページは次の通りです。
 http://grape.c.u-tokyo.ac.jp/~hachisu/houjinka/

	  **************************
			    意見広告掲載内容
	  **************************
				    
	   私たち大学人・市民は、現在国会で審議中の「国立大学
          法人法案」の内容に危惧を表明し、法案の廃案を訴えます。

		   「国立大学法人法案」が成立すると、

	   大学が国家と官僚に統制され、憲法と教育基本法に保障
	     された大学における学問の自由がそこなわれます。

	  お金儲けにつながる研究ばかりが優先され、基礎的科学、
	     人文・社会科学が切り捨てられる恐れがあります。

		  以下「呼びかけ人氏名」「賛同者氏名」

	    ************************

			     呼びかけ人氏名

    □北大 辻下徹 中尾繁 渡邊信久 □東北大 川本隆史 □千葉大 
      小沢弘明 三宅晶子 □群馬大 近藤義臣 □一橋大 鵜飼哲  
   □東大 伊藤正直 浦辺徹郎 小野擴邦 姜尚中 小林正彦 小森陽一 
    近藤成一 高橋哲哉 田端博邦 野村剛史 蜂巣泉 □東外大 岩崎稔
     □新潟大 世取山洋介 □富山大 浜本信治 □金沢大 鈴木恒雄 
     □名大 池内了 □京大 岡真理 駒込武 間宮陽介 池田浩士  
    □愛媛大 赤間道夫 □佐賀大 豊島耕一 □琉球大 永井實 賀数清孝

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編集発行人:辻下 徹 e-mail: tjst@ac-net.org