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国立大学独立行政法人化問題週報

Weekly Reports  No.72  2001.10.15 Ver 1.1

http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/wr-72.html
総目次:http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/all.html
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       目次
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[72-0] 内容紹介
 [72-0-1] 総合科学技術会議のフタを開けてみると・・
 [72-0-2] Σ計画の失敗の要因を調べる慎重さが望まれる
 [72-0-3] 有識者の前の「御前試合」で良いのか
 [72-0-4] 小学校教員採用数増加の「朗報」の内実
 [72-0-5] 組織構造の操作で作る<リーダーシップ>の行く末
 [72-0-6] 戦後教育の効果
[72-1] ◆政治家・市民・学生・大学教職員による討論集会2001.10.5 集会決議
[72-2] 黒木玄氏ウェブサイト「通産省Σプロジェクト、失敗を失敗と認めること」
 [72-2-1] 「シグマはどこへ消えた?」
 [72-2-2] 情報処理振興事業協会「未踏ソフトウェア創造事業」
[72-3] 総合科学技術会議の動き
 [72-3-1] 国の研究開発評価に関する大綱的指針(案)
  [72-3-1-1] ◆意見募集:2001.10.5-10.24:最大文字数1,600字程度 提出フォーム:
 [72-3-2] 科学新聞社=連載=第2期科学技術基本計画各界の有識者に聞く
  [72-3-2-1] 7/13 前田勝之助(東レ会長)総合科学技術会議議員
  [72-3-2-2] 7/20 吉川弘之・日本学術会議会長
  [72-3-2-3] 7/ 6 堀場雅夫・堀場製作所会長(文部科学省科学技術・学術審議会委員)
  [72-3-2-4] 6/23 桑原 洋・総合科学技術会議議員
  [72-3-2-5] 6/15 石井紫郎・総合科学技術会議議員
  [72-3-2-6] 6/ 8 井村裕夫・総合科学技術会議議員
 [72-3-4] 尾身幸次科学技術担当大臣「日本の産学連携に注文」
 [72-3-5] 分野別推進戦略(2001.9.21)
 [72-3-6] 「危惧すべき「重点4分野」への排他的な研究資金の集中」
[72-4] 閣議決定:司法制度改革推進法案 2001.9.28
 [72-4-1] 法科大学院制度に関する意見募集(2001.10.15-11.15)
 [72-4-2] 内閣官房司法制度改革推進準備室
 [72-4-3]  法科大学院の諸問題
[72-5] 中間報告を巡って
 [72-5-1] 国立大学協会第7回2001.10.1 将来構想ワーキング・グループ(議事メモ) 
 [72-5-2] ◆日本科学者会議「新しい『国立大学法人』像について」に対する見解
[72-6] 論説・発言など
 [72-6-1] 喜多村和之「自己評価と第三者評価―私大はいずれの路線をとるのか
 [72-6-2] 道上鳥取大学長「国立大学の果たした役割と将来」( 山陰中央新報09/02)
 [72-6-3] ◆団藤保晴「ポスドク1万人計画と科学技術立国」(2001.9.27)
 [72-6-4] 澤柿教伸氏ウェブサイトcolumnv 
 [72-6-5] ◆畑恵「利根川進教授ロングインタビュー」2000.9.13
 [72-6-6] ◆小沢弘明『「遠山プラン」と大学改革』『経済』No.74(2001年11月),
[72-7] 野依教授ノーベル受賞関連
 [72-7-1] 野依教授記者会見 2001.10.11
 [72-7-2] 長谷川浩司氏ウェブサイト「最近の動きについて 2001.10.10」
 [72-7-3] 高等教育フォーラム No 3602 藤田博美「戦後教育の功」抜粋
[72-8] 報道等
 [72-8-1] 北海道新聞社説10/12「野依教授の志に学ぶ」より抜粋
 [72-8-2] 読売新聞中部本社連載:大学院は今(2001.10.1〜7)
 [72-8-3] 朝日新聞「教員採用氷河期、一気に「雪解け」 小学校5割増」
  [72-8-3-1] cf:◆[32-2-2]中嶋哲彦氏(名古屋大学・教育行政学)のコメント
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[72-0] 内容紹介
[72-0-1] 総合科学技術会議のフタを開けてみると・・

総合科学技術会議についての有識者(会議の民間人議員が主)の見解を科学新
聞が連載している[72-3-2]。吉川日本学術会議会長が、「フタを開けてみると、
数人の有識者議員が全分野を網羅しているわけではなく、専門調査会の下に基
本計画の各重点分野プロジェクトを作り、そこで議論して決めていった。・・・
昔の審議会と同じような顔ぶれで、議論もやや昔と同じ。自分の領域が大切な
んだという意見、いわゆる陳情型意見がたくさん出てきて、必ずしも問題は解
決されていない。・・・」と述べている[72-3-2-2]。           
                            ------------------------------

[72-0-2] Σ計画の失敗の要因を調べる慎重さが望まれる

 出だしは良かったが「フタを開けてみると昔の審議会と同じような顔ぶれで
・・」という成り行きで、最後に華々しく失敗した国家プロジェクトの例があ
る。旧通産省のΣ計画である。黒木玄氏のウェブサイトに関連情報がリストアッ
プされている[72-2]が、1984年の産業構造審議会報告書「1990年には60
万人のソフトウェア開発技術者が不足する」から始まり、当初、「ソフトウェ
アの開発者・研究者が自由に情報やツールを交換できるような、全国的な通信
ネットワークの構築」という、IT革命そのものといえる提案から始まったプ
ロジェクトが、常連の「産学官」有識者によって、時代遅れのメインフレーム
の生き残りプロジェクトに変貌し、5年間250億円を費やし「全く何も成果
を出さないどころか、存在すること自体がコンピュータの進歩の邪魔であるこ
とが何人にも分かるようになってしまった」という。

  第二期科学技術基本計画は産学官連携強化を戦略の中核に据えて5年間で2
4兆円を使う予定だ。しかし、その滑り出しで既にΣ計画の時と同質の変質が
起こっている[72-3-2-2]。規模の途方もない大きさゆえ、また、大学の資源全
体を巻き込むものであるが故に、計画の失敗が日本を完全な科学技術後進国に
してしまうことは確実であろう。少なくともΣプロジェクト失敗の原因を詳し
く分析する慎重さが求められる。関係者のメンツがそれを阻むような体質を引
き摺っているようでは、第二期科学技術基本計画の失敗は最初から構造的に運
命付けられていることになる。

 なお、情報処理振興事業協会「未踏ソフトウェア創造事業」[72-2-2]は、全
く新しいタイプの審査方式をとる研究助成で、Σプロジェクトの失敗への反省
の上に考えられたものではないか、と黒木氏は指摘している。
                            ------------------------------


[72-0-3] 有識者の前の「御前試合」で良いのか

 利根川氏も畑恵氏のインタビュー[72-6-5]の中で「競争の原理というのは導
入しないといけないと思うから、そのためには国の力を弱めないといけない、・・・・
だけど、それと同時に、国はカネを出さなきゃダメ、税金を使わなきゃダメ。」
と強調している。科学技術政策・学術政策・高等教育政策すべてにわたって、
「競争原理」を強調する一方で「国の関与」が強調されているのは、関係者が、
<有識者>の前での「御前試合」で「競争原理」が実現できると無意識に思い
込んでいるのではないだろうか。
                            ------------------------------

[72-0-4] 小学校教員採用数増加の「朗報」の内実

来春から小学校教員の採用数が大幅に増え「今年度からの5年間で小、中学校
などあわせ て2万6900人」となる計画という。これは、昨年12月に報
道された文部省の教職員定数の改善(増員)計画[32-2-1]の実現であろう。こ
れついては、教育委員も兼職している教育行政研究者が、中途半端な増員であ
るため教諭の定数を崩して非常勤講師を任用することになる可能性が高いこと
を指摘し「非常勤講師は授業時間単位での雇用となり、授業が終われば帰って
いく、または別の学校の授業に向かわなければならない。生徒との交流や、他
の教職員との連携が困難」「「不安定雇用の教職員を大量に生み出す」などの
問題点を挙げているとともに、教科ごとの能力別編成が導入されることを危惧
している[32-2-2]。

  今回の増員計画は特定科目学習時だけの20人編成を目指したものであり、
初等中等教育の「荒廃」改善には30人以下学級実現が最低限必要であるとい
う関係者の「共通認識」を無視したものであり、「全人教育」ではなく「人材
育成」の視点に終始する教育行政の体質が浮き彫りになっているとも言える。

 なお、増える採用数は「雇用対策」の一環としてか「社会人」に割り当てら
れる見込みも強く、さらに、校長に「経営の専門家」である非教員を充当する
「政策」を進める契機となりそうである。
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[72-0-5] 組織構造の操作で作る<リーダーシップ>の行く末

 こういった「経営者優先政策」が、日本の至るところで進行している。米国
の種々の組織が、強いリーダーシップの下で機動的に機能していることに、素
朴に憧れる人達は多い。組織のリーダーを信頼し自分の使命遂行にだけ専念で
きることは素晴らしいことだろう。最近の日本の大学改革が目指しているのも
そういう方向のようだ。
  しかし、相互信頼の裏付けのない<リーダーシップ>が組織構造の操作だけ
で強められれば、構成員の創造性・自発性は萎み組織の機能は平板なものに衰
退していくことは自明なことだろう。教育・研究に携わる者から信頼されるは
ずもない「経営の専門家」や「教育行政担当者」が有無を言わせぬ「リーダー
シップ」を取る大学の行く末に寒々としたものを感じる。大学統治なる概念を
振り回すような人達を信用することに発行者は困難を覚える。
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[72-0-6] 戦後教育の効果

高等教育フォーラムで藤田博美氏が、今回のノーベル賞が戦後の新制大学の教
育体制が戦前の教育体制より有効に機能したことの傍証として見る視点を提供
し「戦後教育が始まって50年余り、その成果が現われるにはこれだけの時間が
必要であるということは、教育の内容を短期間のうちに安易に動かしてしまう、
昨今の風潮に対する一つの警鐘ではないか」と注意を促している。どのような
警鐘が鳴ろうと、憑かれたかのように定方向に歩み続ける社会は、無気味だ。

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[72-1] ◆政治家・市民・学生・大学教職員による討論集会2001.10.5 集会決議
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/znet/meeting105/105ketsugi.html

    国立大の「独立」行政法人化は大学の独立性を高めない

   10.5 政治家・市民・学生・大学教職員による討論集会
          衆議院第一議員会館会議室にて
     (国立大学独法化阻止 全国ネットワーク主催)


 私たちは2001年10月5日に衆議院議員会館に集い,国立大学を「独立
行政法人」化することの意味,それが大学と社会に何をもたらすかについて3
時間にわたって詳細に検討しました.国会議員,大学の教職員,大学院生,学
生がそれぞれ意見を述べ,あるいは議論に参加しました.その結果,国立大学
の「独立行政法人」化は,「独立」という名称とは逆に,大学の独立性を高め
るものではなく,むしろ大学を文部科学省に従属させるものであり,大学の自
治,教育と研究の自由を奪うものであるという認識に達しました.

 まず,独立行政法人制度の重要な問題点を要約すると次のとおりです.

1.大学の「目標」を行政機関が指示し,「計画」を同じく行政機関の許認可
事項とする制度である.これは諸外国にも例がない.

2.「第三者評価」と称して実は行政による評価がなされる制度である.

3.現在のような国会による法律改正でなく,大臣の判断で個々の大学の存廃
が左右される制度である.

4.「効率性」の観点を優先させる制度である.

 このような制度は,1997年10月に当時の文部大臣が記者会見で発表し
たとおり,「大学の自主的な教育研究活動を阻害し,教育研究水準の大幅な低
下を招き,大学の活性化とは結びつくものではない」と判断されます.それに
とどまらず,この政策がもし実行されれば,大学の自治を損ない,教育・研究
の官僚支配をもたらす恐れが極めて大きいでしょう.したがって憲法23条,
教育基本法10条に違反するという重大な懸念があります.

 さらに,大学の自由が奪われることは社会全体の自由が奪われていくことに
つながり,それは日本社会が危険な方向に向かうことにもつながるのではない
か,との懸念が参加者の中から出されました.

 先月27日に出された文部科学省の調査検討会議「中間報告」を概観すると,
そこでは学生の勉学条件や諸権利についてはほとんど議論されておらず,また,
ユネスコの「高等教育世界宣言」(1998年)が求めている,大学の運営に
おける学生参加については全く考慮の外であることが判明しました.

 以上のことから,集会は,文部科学省は国立大学の「独立行政法人化」の方
針を撤回するべきであると考えます.

 集会では文部科学省のいわゆる「遠山プラン」についても議論されました.
そして,これは独立行政法人化の先行実施とも言うべきもので,大学へのあか
らさまで直接的な官僚支配であるとの意見が出されました.

 集会は,国民の皆さん,すべての会派の国会議員の皆さん,メディアの皆さ
んに訴えます.国会に出すべき法律案さえ存在しない今日,国立大学の独立行
政法人化がほぼ決まったことであるかのように見なしたり,報道したりするこ
とをやめ,この制度の中味をきちんと検討され,憲法や教育基本法というわが
国の法制度の基本に照らし,また教育行政と大学の実態に照らしてこの問題に
ついて判断されるようにお願いします.

 また,国立大学協会や国立大学の教職員の皆さんに訴えます.文部科学省に
追随するのではなく,そして役所への「アカウンタビリティー」ではなく,
「国民全体に対し直接に責任を負う」という教育基本法の理念にふさわしい,
本来のアカウンタビリティーについて真剣に考えていただくようお願いします.

2001年10月5日 
                  ━━━━━━━━━━━━━━━━━

[72-2] 黒木玄氏ウェブサイト「通産省Σプロジェクト、失敗を失敗と認めること」
http://www.math.tohoku.ac.jp/‾kuroki/keijiban/b0034.html#b20011014163158

[72-2-1] 「シグマはどこへ消えた?」
http://www1.neweb.ne.jp/wa/yamdas/column/technique/sigma.html
「それだけのリソースを費やした国家プロジェクトなのだから、関連情報がイ
ンターネットに転がってそうなものなのだが、それがほぼ皆無に近い状態で、
関連書籍もとっくに絶版状態である。早い話、「Σ計画の総決算--250億円
と5年をかけた国家プロジェクトの失敗」という特集記事を組んだ日経コンピュー
タのような例外を除けば、この業界において、「Σ」「シグマ」という言葉は、
禁句、禁忌事項と化しているのだ。」
                            ------------------------------

[72-2-2] 情報処理振興事業協会「未踏ソフトウェア創造事業」
http://www.ipa.go.jp/NBP/13nendo/13mito/koubo13.htm
                  ━━━━━━━━━━━━━━━━━

[72-3] 総合科学技術会議の動き

[72-3-1] 国の研究開発評価に関する大綱的指針(案)
http://www8.cao.go.jp/cstp/pubcomme/hyouka/taikou.html
http://www8.cao.go.jp/cstp/pubcomme/hyouka/guideline.pdf
                            ------------------------------

[72-3-1-1] ◆意見募集:2001.10.5-10.24:最大文字数1,600字程度 提出フォーム:
http://www.iijnet.or.jp/cao/cstp/opinion-cstp_taikou.html
#(問題点:「研究開発」は企業の研究活動に妥当する言葉であり、大学にお
ける研究活動に直接当嵌めることに無理がある。(学術予算も含む)科学技術
予算24兆円(5年間)の国公私立大学全体への配分における評価の基盤概念
に据えることは無謀/国公私立大学が教員評価時の指針にもなる/科研費の申
請時期・国立大学法人化へのパブリックコメントの時期と重なる/研究者個人
に対する「基盤的資金」は問題外となっている/第六回評価専門調査会
(2001.8.31)での白川英樹総合科学技術会議議員の批判*1がどの程度考慮さ
れているのか不明。)
*1 http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/831-cstp-eval.html
                            ------------------------------

[72-3-2] 科学新聞社=連載=第2期科学技術基本計画各界の有識者に聞く

[72-3-2-1] 7/13 前田勝之助(東レ会長)総合科学技術会議議員
http://www.sci-news.co.jp/news/200107/130713.htm#kihonkeikaku5
「大学の施設整備を公共事業枠でやったらどうかという意見が出てますが、こ
れには、文部科学省が尻込みしています。・・・・公共投資の目玉として、大
学の施設整備を考えたらどうかと思うのです。そうすれば、少しは人気も出る
でしょう。国民も自分達の地域の大学が立派になれば、その恩恵も受けられる
わけですから。
・・・・大学の先生は、今も旧文部省の支配下にあるので、言いたいことが言
えません。明治時代からこの体制は変わっていません。私は、民間人なので、
言いたいことが言えます。誰かが、はっきり言わないと改革が進まないので、
そういう役割だと思っています。」
                            ------------------------------

[72-3-2-2] 7/20 吉川弘之・日本学術会議会長
http://www.sci-news.co.jp/news/200107/130720.htm#kihonkeikaku6
「・・・そこで、科学者である専門家の意見も聴くけれども、一方、専門家で
ない目というのをどこかに作って、例えば「我が国ではこういう分野は強いけ
れども将来人類にとって必要となるこういう分野もやるべきだ」ということも
生まれなければいけない。それは、専門家ではあるけれども、専門全体を見通
したような立場でなければできない。そういう立場をどう作るか。それが総合
科学技術会議になる。
 ところがフタを開けてみると、数人の有識者議員が全分野を網羅しているわ
けではなく、専門調査会の下に基本計画の各重点分野プロジェクトを作り、そ
こで議論して決めていった。そのため結局は昔の形になってしまっている。私
も環境プロジェクトのリーダーをやっているが、昔の審議会と同じような顔ぶ
れで、議論もやや昔と同じ。自分の領域が大切なんだという意見、いわゆる陳
情型意見がたくさん出てきて、必ずしも問題は解決されていない。・・・」
                            ------------------------------

[72-3-2-3] 7/ 6 堀場雅夫・堀場製作所会長(文科省科学技術・学術審議会委員)
http://www.sci-news.co.jp/news/200107/130706.htm#kihonkeikaku4
「・・・特に、一番恐ろしいのは、七転八起なんて全く嘘で、実際には一転び
アウト。例えば、ベンチャーを起こすのに3億円いるとする。アメリカは資本
金で3億積むが、日本やと金が集まらんから3千万くらいの資本で残りは借り
入れ金にする。手形の期限にキャッシュフローがなかったらそこで倒産。3千
万は資本やから堪忍で済むけど、残りの2億7千万は法的に個人補償で期限な
し。だから全額をファンドで積む方法がいる。・・・」
                            ------------------------------

[72-3-2-4] 6/23 桑原 洋・総合科学技術会議議員
http://www.sci-news.co.jp/news/200106/130622.htm#kihonkeikaku3
「・・・例えば、大学では個別に、学問の自由と教育の義務の点から目標を立
てて自己評価を行っていますが、それが国が望む姿になっているかというと必
ずしもそのようになっていません。一方で、国としての評価の基準がきちんと
なっているかといいますと、そうもなってはいません。では、どこがきちんと
評価すればよいのか、全体としての機能はやはり総合科学技術会議がもつべき
だと思います。・・・

 また、評価で難しいのが中間的な研究や萌芽的研究の分野です。あまりギリ
ギリと評価しても、評価する人にも力がないでしょうし、評価される側も困っ
てしまいます。ある程度自由に研究はさせるにしても、ただ自由にというので
はなく、”最終的に何を目指しているのか”を評価するようにすべきです。

 ・・・これから推進しなければならない先端科学技術分野にしても、推進に
賛成の立場をとる人ばかりでは評価は偏ります。その意味で評価者の人選は重
要なことです。・・・

 ・・・自然科学系だけなく、人文・社会系と連携をとっていかないと、本当
に活かしたものとはならないと思います。20世紀は自然科学万能的なことで、
産業革命を含め科学技術が進歩し、社会も豊かになりましたが、結果として地
球環境の問題、核兵器の問題など負の遺産も残りました。21世紀は、負の遺産
を処理し、また新たな負の遺産を生み出さないような科学技術を推進していか
ないといけない。ということは、人文・社会系と連携をとっていくしかないわ
けです。これまではその連携が必ずしもうまく機能していませんでしたが、こ
れからは新たなコミュニケーションが必要不可欠です。」
                            ------------------------------

[72-3-2-5] 6/15 石井紫郎・総合科学技術会議議員
http://www.sci-news.co.jp/news/200106/130615.htm#kihonkeikaku2
「・・・今までは、社会的問題については役所が調整機能を果たしていました。
文部省のように文系出身者の多いところや科技庁のように理系出身者の多いと
ころなどがそれぞれの立場から上手くいくように調整していたのです。

  第1期基本計画が終わって何ができたのかということを考えてみると、具体
的な効果はほとんど出ていないと言っていいでしょう。・・・前回は、各省庁
の意見をそのままホッチキスでとめたようなところがあったので、今回はもっ
と各分野ごとに議論ができたことはよかったと思います。

 法律家として意見を言うとすれば、総合科学技術会議は権限を越えたことを
すべきではないと思います。それぞれの分野に司というものがいるのです。こ
れは法治国家の大原則でして、法が行政を支配しているということです。例え
ば、振興調整費のような研究費に予算をつける仕事は文部科学省がすることと
法律に書かれてあるわけで、総合科学技術会議が出すぎるとおかしくなってき
ます。行政体系が崩れることになりかねません。総合科学技術会議が持ってい
る人的資源も考え、あまり手を広げすぎないように、できることをやっていく
つもりです。」
                            ------------------------------

[72-3-2-6] 6/ 8 井村裕夫・総合科学技術会議議員
http://www.sci-news.co.jp/news/200106/130608.htm#kihonkeikaku1
「総合科学技術会議は今まで、科技庁の一部のように外部の人からは見られて
いたが、今回、各省から40人、産業界から30人程度参加してもらっている。そ
れぞれの分野の専門家が多数いる。各省が何を考えているか聞いて重点課題を
決めていく。それによって概算要求してもらい、概算要求が適切かどうかも見
ていく。
・・・今までの日本は守りの姿勢だったが、もっと攻めの姿勢に変えていかな
ければいけないと思う。大学も日本だけが明治時代に決めたことをずっとやっ
ているわけだ。学部も複合的分野が増えているにもかかわらず、医・理・工・
農などといった分類の大学がほとんど。会計基準だけでなく、教育も政策も時
代に合ったものに改革していく必要があると思う。」
                            ------------------------------

[72-3-4] 尾身幸次科学技術担当大臣「日本の産学連携に注文」
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2672.html
(日本経済新聞10/09)
「・・・・国立大学の場合は企業の資金をあてにしなくてもそこそこの研究が
できてしまう。産学連携が進まない責任の 七割が大学側にあると思う。・・・」
                            ------------------------------

[72-3-5] 分野別推進戦略(2001.9.21)
http://www8.cao.go.jp/cstp/project/nanotech/senryaku/point.pdf
                            ------------------------------

[72-3-6] 「危惧すべき「重点4分野」への排他的な研究資金の集中」
2001年9月11日 独行法反対首都圏ネット事務局
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2526.htm
「総合科学技術会議の方針が出た後,財務省が「それ以外」の分野には研究費
を付けないという通達を出した,との「うわさ」が流れたが,現実になりつつ
あるようである.」
                  ━━━━━━━━━━━━━━━━━

[72-4] 閣議決定:司法制度改革推進法案 2001.9.28
http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/hourei/0928houan.html
                            ------------------------------

[72-4-1] 法科大学院制度に関する意見募集(2001.10.15-11.15)
(時事通信ニュース2001.10.12)
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2685.htm
                            ------------------------------

[72-4-2] 内閣官房司法制度改革推進準備室
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200106/15/20010616k0000m010078000c.html
                            ------------------------------

[72-4-3]  法科大学院の諸問題
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/law-school/index.html
                  ━━━━━━━━━━━━━━━━━

[72-5] 中間報告を巡って
[72-5-1] 国立大学協会第7回2001.10.1 将来構想ワーキング・グループ(議事メモ) 
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2690.html

「第7回 将来構想ワーキング・グループ(議事メモ)

日時 平成13年10月1日(月)14:00〜16:00場所 国立大学協会 会議室

出席者 長尾会長 松尾座長 石、山田、佐々木、佐藤(代理;中井副学長)、
吉川、鮎川、池田各委員 奥野専門委員

○ 議事に先立ち、座長から、代理出席者の紹介と本日の議事の進め方につい
て説明があった後、次のような報告があった。

・9月27日開催の臨時理事会に「中間報告」に対するWGの中間的な報告と
して資料(「国立大学法人化等に関して」)を提出し各担当理事から要点を説
明したが、特に意見はなかった。

・臨時理事会では、必要があればWGの意見と設置特委と調整を図るが、再度
理事会を開催することも難しいことから、書面で理事会メンバーに諮った上1
0月29日開催の臨時総会に報告しご意見を伺い、「中間報告」に対する国大
協の意見として10月中に文部科学省に提出することが確認された。

・「中間報告」等に対する国大協の基本的考え方を表明するため、本日のWG
終了後、会長と両副会長が記者会見を行うことにしているが、必要ならばWG
での論点等について説明をしたい。

○ 座長の報告に関連して設置特委石委員長から、9月19日開催の設置特委
において「中間報告」に対する設置特委としての対応を協議した結果、馬渡専
門委員を座長に専門委員会議において「中間報告」に対する意見をまとめるこ
とになっているが、委員長としては次回の設置特委(10月19日開催)では、この
原案について検討し、パブリック・コメントとしての意見として整理する方向
で対応したいとの発言があった。

〔議 事〕

1.国立大学の法人化について

○ 座長から、その後1大学より「中間報告」に対する意見が設置特委ととも
に本WGにも提出されたので検討の参考にしていただきたいと紹介があった後、
WGとしてのまとめの目処がたってきたが、本日は、

・法人化後の大学の組織形態、
・学長等の選考
・教職員の身分、
・財務・会計制度

について議論し、重要なところで大筋の合意を得ておきたいとの提案があり、
各理事から提出されている資料により議論された。

・法人化後の大学の組織形態について 

副学長については現在の各大学の態様からも専任以外に教授併任も可としたい、
監事については「主に経営面を監査する」としてはどうか、役員については学
外者の解釈も含めて池田理事担当の事項との整合性を図る必要がある、「教授
会」について新たに項目を立てた方がよい、「留意事項」は重要だが参考資料
として扱ってはどうか等の意見があり、吉川理事が次回までに修正・整理する
こととした。

・学長等の選考

・教職員の身分について 

選考方法は大学によって違ってよいと思うが、かねて弊害の指摘が強い「従来
の慣習」の文言は削除してはどうか、「公務員・非公務員の選択について弾力
的な制度設計が望まれる」ということでよいと思うが同一大学内で教員とそれ
以外の職員の身分が同じである必要はないのではないか、公務員型か非公務員
型かは今の段階では決めがたいという方向で整理にした方がよい、学外者とし
ての非常勤役員の権限・任務について整理が必要、また有識者ニして運営諮問
会議や運営協議会に参画する学外者についても整理が必要ではないか、学外者
の定義は書き込んでおきたい、学外者を狭く捉えない方がよい等の意見があり、
池田理事が次回までに修正・整理することとした。

・財務・会計制度について

 初めに座長から、佐藤理事作成の資料「評価と資源配分」と「大学法人の会
計基準」は併せて一つの柱にまとめたいと諮られた。山田理事から、提出の
「財務会計制度」(配付資料)について説明が、佐藤理事に代わって出席の中井
副学長から、佐藤理事がその後書き直した内容について口頭で説明があった。
意見交換では、財務会計については今後の検討に待つべき問題も少なくないの
で、細かい部分に立ち入るのは避けてポイントを絞ってまとめたい、今回は
「中間報告」に対する意見だから、関連するとしても「遠山プラン」には触れ
ない方がよい等の意見があり、佐藤理事と山田理事が相談し、修正・整理の上
次回提出することとした。

○ 座長から、文科省へ提出する「中間報告」に対する意見のまとめ方として
は、数頁程度に整理し項目を上げて簡潔に要点を述べるのが効果的と思う。そ
の際、文章のスタイルは吉川理事の書き方が読みやすいと思うので、それに合
わせて各項目について担当理事にスタイルを揃えていただき、座長の元でその
全体の調整をしたい。それと、意見とりまとめの目的、経緯等を座長が書き加
え、併せて次回提出することとしたい、との提案があった。

○「中間報告」に対するWGと設置特委の意見がまとまった後の取り扱い方に
ついては、両者の意見に重複があったとしてもベクトルに違いがなければ特に
調整することはしないで、WGの意見は理事会、臨時総会の了承を得て国大協
の意見として文科省へ提出し、設置特委の意見はパブリック・コメントとして
別途文科省へ提出する方向で今後作業を進めることとなった。

2.その他

○ 会長から、今日のWG終了後、記者会見して公表することとしている「会
長談話」の内容を紹介し、若干の説明があった。

以上」
                            ------------------------------

[72-5-2] ◆日本科学者会議「新しい『国立大学法人』像について」に対する見解
2001年10月15日     
http://www.jsa.gr.jp/03statement/011015kenkai.htm
                  ━━━━━━━━━━━━━━━━━

[72-6] 論説・発言など
[72-6-1] 喜多村和之「自己評価と第三者評価―私大はいずれの路線をとるのか
アルカディア学報 No52, 2001.10.10
http://www3.ocn.ne.jp/‾riihe/arcadia/arcadia52.html
「・・・・日本の大学評価は、当初はアメリカ型の大学自己評価路線をとって
いたが、国立大学はイギリス流の第三者評価路線に移行しつつあるといってよ
いであろう。」
                            ------------------------------

[72-6-2] 道上鳥取大学長「国立大学の果たした役割と将来」( 山陰中央新報09/02)
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2678.html
「・・・行政改革の掛け声のもとに「遠山プラン」の『トップ30』への重点
配分という「効率性」のみを優先した改革を進めれば、禍根を残すことになる。
今、必要なことは、大学の現状を直視して、弱点を補強し、特徴を伸ばす冷静
な改 革である。そのためには、国民の息の長い大学に対する支援と評価が望まれ
る。」
                            ------------------------------

[72-6-3] ◆団藤保晴「ポスドク1万人計画と科学技術立国」(2001.9.27)
http://dandoweb.com/backno/20010927.htm
【1】米百俵の虚実・・・・・・・・岡崎一郎
【2】封建制下の科学技術立国・・・団藤保晴 
                            ------------------------------

[72-6-4] 澤柿教伸氏ウェブサイトcolumnv 
http://aach.ees.hokudai.ac.jp/sawagaki/index.htm
「COE」
「改革の前に清算を」
                            ------------------------------

[72-6-5] ◆畑恵「利根川進教授ロングインタビュー」2000.9.13
http://www.k-hata.or.jp/seisaku/kyouiku/20000913_tone/index.html

「・・・だから、必ずしもバイオ・インフォマティクスに限って後れてるわけ
ではなくて、全体的に後れている。基礎研究に・・。結局、バイオ・インフォ
マティクって、DNAのシークエンスとかそれをどういうふうに利用するかと
いうと、もともとは非常に基礎的な研究から始まっているわけ。最初から何か
応用に使おうと思って始めたわけじゃない。人間の遺伝子を全部解明しましょ
うというのは、必ずしも最初から・・。確かにすぐこれは、何かの応用に役立
つなということは気がつくけども、特別に、スペシティフィックにこういうこ
とに利用しようなんていうアイディアが既にあってこういうことを始めたので
はなくて、非常に基礎的な研究をしていて初めてDNAのシークエンスを決め
るというテクノロジーが開発されて、その結果、そういうアイディアが出てき
た。

 だから、言いたいことは、もちろん目の前にある問題に対処していくことは
重要だ。だから、一生懸命みんなが大変だと思っていろいろ考えて、どうやっ
て、少しでもアメリカに追いつくか、あるいはアメリカではやらないようにユ
ニークな研究をやろうとするのはぼくは賛成です。もちろんやらなきゃいけな
い。だけど、いつもこういうふうに対症療法ではものが解決しない。もっと20
年ぐらいの、ワン世代ぐらいの先のことを考えて、日本は先のことを考えるべ
きで、これから日本は科学技術をどういうふうに位置付けて、日本の将来、そ
のためにはどこから気をつけなきゃならないかということまで考えて対処しな
かったら、ぼくはいつもこういうそれぞれの位置において問題は起こると思い
ます。問題というか、日本は大変だという状態になると思います。・・・」

「・・ぼくは競争の原理というのは導入しないといけないと思うから、そのた
めには国の力を弱めないといけない、国のコントロールの力を弱めないと、もっ
と私企業化させないといけない。

独立法人化というのはそうなんです。だけど、それと同時に、国はカネを出さ
なきゃダメ、税金を使わなきゃダメ。NIHのカネというのは、ここは年間の
運営費の40%は税金でやってるんだけど、それは国から全体的な大学の運営に
ついての、例えば男女の差別をしてはいけないとか、ある安全措置をとらない
といけないとか、そういう枠、法律はありますよ。だけど、日々の運営につい
てはそれぞれの大学のやり方にすごく任されているわけ。・・・」
                            ------------------------------

[72-6-6] ◆小沢弘明『「遠山プラン」と大学改革』『経済』No.74(2001年11月),
117-123頁。
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/010010ozawaronbun.html

「・・・・
 これまで述べてきたところからすでに明らかなように、遠山プランは国立大
学の独立行政法人化という大学の設置形態をめぐる問題をこえ、「構造改革」
全般の中に位置付けられるようになった。初等・中等教育の分野でも、再編統
合、種別化、トップダウンの運営、学外者の運営への参画など、高等教育で生
じている問題と同種の問題を抱えている。国立大学における人事制度の改変は、
公務員制度改革だけでなく、現代日本が直面する労働問題全般と関連している。
運営の効率化は医療・福祉の改悪と同根の問題を提示している(15)。

 新自由主義は、「強い国家」と「強い個人」のあいだで、「社会」や「共同
性」「公共圏」といった領域を消去しようとしている。これに対抗するために
は、新自由主義=「構造改革」が周縁化しようとする諸領域相互の連帯を図る
ことが必要である。遠山プランによって周縁化されようとしている地方大学、
基礎研究・基礎教育の領域、いっそう不安定な状況に置かれる多様な職員・技
術者層、「改革」の埒外に置かれている学生・若手研究者、性差別にさらされ
ている人々、こうした人々を結集して「知の共同体」としての大学を再建する
こと、それが現在大学人に最も求められているのではないだろうか。こうした
運動はまた、大学という枠組みをこえ、大学を社会において再定位する可能性
を持っている。この点で、特に連携・連帯の結節点となるべき教職員組合の果
たす重要な役割を指摘して本稿を閉じたい。」

(15)ちなみに、「中間報告」の「中期目標・中期計画の記載事項例」の大学病
院に関わる項目には、以下のような内容が含まれている。「病床稼働率を中期
目標期間中に○ポイント引き上げる。」「入院患者の平均在院日数を中期目標
期間中に○日縮減する。」「附属病院の病院収入について、中期目標期間中に、
○%の増加を図る。」
                  ━━━━━━━━━━━━━━━━━

[72-7] 野依教授ノーベル受賞関連
[72-7-1] 野依教授記者会見 2001.10.11
http://www.asahi.com/national/update/1010/029.html
「日本が経済的に貧しく困難な時代に見つけた芽を、ずっと育ててきたこ
とを自負している。恵まれた研究環境の中にいる若い研究者は、高い志を持っ
てもらいたい。そうすれば知的に存在感のある国になる」(野依教授記者会見
より、asahi.com 2001.10.11.00:38)
                            ------------------------------

[72-7-2] 長谷川浩司氏ウェブサイト「最近の動きについて 2001.10.10」
#(名大化学科のエピソード。化学科が光熱費が維持できないためにフロアを
数学科に譲ったことに言及。「光熱費のように基本的予算にも事欠く中でノー
ベル賞が出たというとお涙頂戴式ではあるが、実態はたしかにそうだったので
はないかと思う。」とコメント。)
                            ------------------------------
[72-7-3] 高等教育フォーラム No 3602 藤田博美「戦後教育の功」抜粋
http://matsuda.c.u-tokyo.ac.jp/forum/message/3602.html
「・・・もう一点指摘しておきたいことは、これで1930年代生まれの受賞者が
4人になったということです。1930年代といえば戦後教育の第一世代であり、
そのなかから、戦前の教育を受けた人間より格段に多くの受賞者が出てきたこ
と(20年代生まれは江崎博士だけ、10年代生まれは福井博士だけ)は、戦後教
育の成功のシンボルであると考えられますので、同じ教育を受けた日本人とし
て、これも喜ばしいことであると考えます。
さらに、当り前のことですが、戦後教育が始まって50年余り、その成果が現わ
れるにはこれだけの時間が必要であるということは、教育の内容を短期間のう
ちに安易に動かしてしまう、昨今の風潮に対する一つの警鐘ではないでしょう
か?」

                  ━━━━━━━━━━━━━━━━━

[72-8] 報道等
[72-8-1] 北海道新聞社説10/12「野依教授の志に学ぶ」より抜粋
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/a12-doushin.html
「・・・政府は本年度から五年間の科学技術基本計画で、昨年までの額の一・四
倍にあたる二十四兆円の予算を投入することになっている。/ただ、研究開発
の重点分野を生命科学や情報通信、環境などに特定しており、基礎研究が軽視
されはしないかと懸念する声もある。/「異端でありたい」「奇人・変人を大
事に」と野依教授は言う。/基礎研究の成果は短期間では表れない。既定の価
値観にとらわれない自由な発想や感性が、科学技術の新しい展開を生むケース
も多い。/若い研究者の独創性と能力を尊重し、支援していく研究環境が、何
より求められるのではないか。」
                            ------------------------------

[72-8-2] 読売新聞中部本社連載:大学院は今(2001.10.1〜7)
http://chubu.yomiuri.co.jp/kyo1/daichi_main.html
(7)知恵比べ─── アクセサリーは終わった('01/10/7掲載)
http://chubu.yomiuri.co.jp/kyo1/daichi011007.html
(6)社会人院生─── 経験+理論=エリート ('01/10/6掲載)
http://chubu.yomiuri.co.jp/kyo1/daichi011006.html
(5)乱戦 ロースクール─── 指定席は二つ? ('01/10/5掲載)
http://chubu.yomiuri.co.jp/kyo1/daichi011005.html
(4)“裏ワザ”消え志願激減─── ダブルマスター ('01/10/4掲載)
http://chubu.yomiuri.co.jp/kyo1/daichi011004.html
(3)モラトリアム院生 急増─── 就職難 ('01/10/3掲載)
http://chubu.yomiuri.co.jp/kyo1/daichi011003.html
(2)院生あふれ もう限界─── 机が足りない ('01/10/2掲載)
http://chubu.yomiuri.co.jp/kyo1/daichi011002.html
(1)定員2倍 仕事も激増─── 重点化政策 ('01/10/1掲載)
http://chubu.yomiuri.co.jp/kyo1/daichi011001.html
                            ------------------------------

[72-8-3] 朝日新聞「教員採用氷河期、一気に「雪解け」 小学校5割増」
2001 .10/14
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2689.htm
「 小学校5割増  首都圏や関西圏の都市部を中心に小学校教員の採用数が
来春、大幅に増える。全国の採 用総数は今春より約5割多い7300人にな
る見通しだ。子どもの数の減少に歯止めがか かり始めたことに加え、少人数
指導を進めることなどが背景だ。この波は全国へ広がり、 数年後には中学校
の教員採用も増加に転じそうだ。
・・・定数改善計画では、少子化に伴う学級減のために本来なら減員となる
教員定数をその まま維持する。この措置による「増員」分は今年度からの5
年間で小、中学校などあわせ て2万6900人。これにより、主要教科で学
級を2グループに分けて教えたり、小学校 低学年で2人の担任を置いたりし
て、少人数指導を少しずつ拡大する。・・・」
                            ------------------------------

[72-8-3-1] cf:◆[32-2-2]中嶋哲彦氏(名古屋大学・教育行政学)のコメント
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/wr-32-00c14.html#[32-2]

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発行の趣旨】国立大学独立行政法人化問題を広い視野から考えるのに役立
つと思われる情報(主に新聞報道・オンライン資料・文献・講演会記録等)へ
のリンクと抜粋を紹介。種々のML・検索サイト・大学関係サイト・読者から
の情報等に拠る。メール版で省略されている部分はウェブ版参照。ウェブ版は
目次番号が記事にリンクされている。転送等歓迎。
【凡例】#(−−− )は発行者のコメント。・・・は省略した部分。◆はぜ
ひ読んで頂きたいもの。
【関連サイト】http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/
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発行者:辻下 徹 e-mail: tujisita@geocities.co.jp
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発行部数(括弧内は増減)  (2001.10.14 現在)  
1614(-6): Mag2:943(-3)|CocodeMail:366(0)|Pubzine:93(0)
   |melten:69(-4)|Macky!:55(0)|melma:60(+1)|emaga:28(0)
直送 約730(北大評議員・国立大学長・国大協・報道関係・国会議員等)
-------------------------
Digest版 発行部数 約1600(北大), ML(he-forum,reform,aml,d-mail)
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End of Weekly Reports 72



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