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国立大学独立行政法人化の諸問題
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国立大学独立行政法人化問題週報
Weekly Reports No.84 2002.3.4 Ver 1
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/wr-84.html
総目次:http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/all.html
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目 次
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[84-0] 内容紹介
[84-0-1] 教特法不要の説明:「一部の私学の教員人事は良識的」
[84-0-2] 見識が疑われる有識者委員
[84-0-3] 国立大学協会の姿勢
[84-0-4] 調査検討会議委員への働きかけ
[84-0-5] 団藤氏の意見
[84-1] 最終報告 事務局原案
[84-1-1]目次
[84-1-2]最終報告案で大きく変った部分:
[84-1-2-1] 組織
[84-1-2-2] 移行方法
[84-1-2-3] 中期目標・中期計画の作成手続き
[84-1-2-4] 人事 (1)身分
[84-1-2-5] 大学における人事の自主性・自律性
[84-1-2-6] 学長の選考方法等
[84-1-2-7] 中長期的な計画に基づく人員管理
[84-1-2-8] 外部資金を活用した教職員の任用
[84-1-3]文科省調査検討会議の3月スケジュール
[84-1-4]2/27 衆議院文部科学委員会
[84-1-4-1]文部科学省高等教育局専門教育課教育大学室長あいさつ
[84-1-5] 連絡調整委員会議事要旨 2002.1.25
[84-1-5-1] 第5回2002.1.25
[84-1-5-2] 第6回2002.2.7
[84-2] 声明・運動・意見など
[84-2-1]3.02 国立大学協会への意見書:最終報告に不可欠なこと
[84-2-2]3.01 東大3.1緊急集会宣言
[84-2-2-1] メッセージ(順不同)
[84-2-3]2.28 豊島耕一「調査検討会議メンバーの個人責任」2002.2.28
[84-2-4]2.21 京都大学職員組合「法人化後の教職員の身分について要望書」
[84-3] 2.21 団藤保晴「大学と小泉改革:担い手不在の不幸」
[84-3-1] (国立大学教員より)団藤保晴 様
[84-4] ネット上の意見より
[84-4-1] Yahoo! JAPAN 「国立大の独立行政法人化! 」より
[84-4-1-1] No 4925 構造改革の意味
[84-4-1-2] No 4916 独法化で授業料は高騰
[84-4-1-3] No 4914 2002.3.2 高等教育の機会均等に国立大学が果たす役割
[84-4-2] 高等教育フォーラムより
[84-4-2-1] No 4129 「とっても不思議な国の教育改革」
[84-4-2-2] No 4220 「大学は富み(?)、学生は貧しい」
[84-5] その他
[84-5-1] 朝日2002.3.2 国立大の値段は? 法人移行控え資産計算に難問
[84-5-2] 公立大学協会特別委員会議事録(3/3)
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[84-0] 内容紹介
[84-0-1] 教特法不要の説明:「一部の私学の教員人事は良識的」
独立行政法人化の最終報告の事務局案が2月21日に出された。身分を非公務
員型とすることと、大学の最終的意思決定権を学長から(学外役員を加えるこ
とが義務付けられた)役員会に移動させる、など、新たな方向付けが加えられ
た。2月7日の議事録にある文部科学省の意見[84-1-5-2-1]は、私立大学の一
部では、良識を以て教員人事が行われているから、教育公務員特例法がなくて
も大丈夫と言っている。一部の伝統的な私立大学以外は、必ずしも良識を持っ
て教員人事が行われていないということは、教育公務員特例法の必要性を証明
していることにならないのか。
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[84-0-2] 見識が疑われる有識者委員
非公務員型案を絶賛する委員は「ファシズムの時代かのように教育公務員特
例法というものが隠れ家になって大学を聖域化していた」と発言した
[84-1-5-2-2]。このような国立大学への憎悪と偏見に満ちた委員の意見を取り
入れた最終報告が国立大学教職員12万人を説得できるとは到底思えない。
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[84-0-3] 国立大学協会の姿勢
豊島氏が、調査検討会議協力者に、最終報告についての個人的な意見を表明
することを求めている[84-2-3].
しかし、国立大学側の主要な意見がほぼ完全に無視され、一方的に最終報告
がまとめられつつある状況にありながら、「調査検討会議協力者」を辞する国
立大学関係者は一人も居ないどころか、会議で真剣に方向を変えようという議
論もなくなっているとも聞く。このまま最終報告がまとめられ、国立大学協会
が内部の大きな反対意見を押し切って、最終報告を容認する方向に一部の幹部
が国立大学協会を誘導しようとするするならば、文部科学省と一部の大学との
間に密約が交わされた可能性も疑われることになろう。
国立大学協会会長が主査となった会議の最終報告といえ、中間報告よりもさ
らに教育・研究活動の隷属化を強めた2月21日案のようなものになるならば、
国立大学協会は会長を更迭して最終報告を拒否し、きちんとした提言をまとめ、
現在と未来の国立大学と日本社会への責任を果たさなければならない[84-2-1]。
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[84-0-4] 調査検討会議委員への働きかけ
3月6日の連絡調整委員会最終日に最終報告を決めることが予定されており、
3月4日までに、 調査検討会議委員(64名、正式名は「協力者」)は事務
局案について意見を述べることになっている[84-1-3]。委員に事務局案[84-1]
の問題点を指摘するように働きかけてほしい。
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[84-0-5] 団藤氏の意見
独立行政法人化の不毛さを最初から指摘していたフリージャーナリストの団藤
氏が、大学人に内発的な改革を呼びかけている[84-3]。しかし、これで十分大
学改革ができるという「二行改革案」は国立大学の問題の全貌を本当に理解し
た上での発言かどうか危ぶまれる。国立大学教員の意見[84-3-1]をどう思った
のだろうか。
とは言え、「・・・・インターネットの時代です。今からでも声を糾合して、
大きなうねりを作り出すことは不可能でないはずです。」という思いは発行人
も共有している。
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[84-1] 最終報告 事務局原案
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[84-1-1]目次
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/doc/final/mext-report.html
1 新しい「国立大学法人」像について
5 はじめに
31 I 基本的な考え方
33 1.検討の前提
36 前提1:「大学改革の推進」
58 前提2:「国立大学の使命」
85 前提3:「自主性・自律性」
108 2.検討の視点
111 視点1:世界水準の教育研究の展開を目指した個性豊かな大学へ
129 視点2:国民や社会へのアカウンタビリティの重視と競争原理の導入
149 視点3:経営責任の明確化による機動的・戦略的な大学運営の実現
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II 組織業務
169 1.検討の視点
172 視点1:学長・学部長を中心とするダイナミックで機動的な運営体制の確立
191 視点2:学外者の参画による社会に開かれた運営システムの実現
204 視点3:各大学の個性や工夫が活かせる柔軟な組織編制と多彩な活動の展開
225 2.制度設計の方針
227 (1)法人の基本
229 (法人の単位)
236 (法人の名称)
247 (大学の設置者)
254 (教育研究施設)
260 (施設等への出資)
267 (根拠法)
274 (2)運営組織
276 (法人組織と大学組織)
284 (役員)
321 (役員以外の運営組織)
364 「役員会」(仮称 )
373 「運営協議会」(仮称)
383 「評議会」(仮称)
395 (事務組織)
405 (学部等の運営)
414 (内部監査機能の充実)
421 (3)その他の組織
423 (教育研究組織)
441 (職員配置・構成)
449 (4)目的・業務
451 (目的)
457 (業務)
465 (業務の範囲)
493 (他の法人への出資)
501 (収入を伴う事業)
508 (学生定員)
514 (業務方法書)
523 (移行方法)
530 (国立大学の連合組織)
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III 目標評価
540 1.検討の視点
543 視点1:明確な理念・目標の設定による各大学の個性の伸張
554 視点2:第三者評価による教育研究の質の向上と競争的環境の醸成
570 視点3:目標、評価結果等の情報公開によるアカウンタビリティの確保
585 2.制度設計の方針
587 (1)国のグランドデザイン等と大学の長期目標
589 (国のグランドデザイン等)
595 (大学の長期目標)
605 (システム全体の基本的な考え方)
612 (2)中期目標・中期計画等
614 (中期目標・中期計画の性格)
631 (中期目標・中期計画の期間)
641 (中期目標・中期計画の作成手続き)
666 (中期目標・中期計画の内容)
706 (年度計画)
711 (3)評価
713 (基本的な考え方)
730 (評価の主体)
754 (評価の内容・方法・手続き)
775 (評価結果の活用)
802 (各年度の業務の実績に関する評価)
815 (4)情報公開
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830 IV 人事制度
832 1.検討の視点
835 視点1:教員の多彩な活動を可能とする人事システムの弾力化
854 視点2:成果・業績に対する厳正な評価システムの導入とインセンティブ
の付与
870 視点3:国際競争に対応し得る教員の多様性・流動性の拡大と適任者の幅
広い登用
889 2.制度設計の方針
891 (1)身分
949 (2)選考・任免等
951 (大学における人事の自主性・自律性)
971 (学長の選考方法等)
1047 (他の役員、部局長の選考方法等)
1080 (教員の任免等)
1107 (教員以外の職員人事の在り方)
1155 (3)給与
1178 (4)服務・勤務時間
1180 (服務等の考え方)
1193 (兼職・兼業)
1209 (勤務時間管理)
1219 (5)人員管理
1221 (中長期的な計画に基づく人員管理)
1237 (外部資金を活用した教職員の任用)
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V 財務会計制度
1247 1.検討の視点
1250 視点1:教育研究等の第三者評価の結果等に基づく資源配分
1257 視点2:各大学独自の方針・工夫が活かせる財務システムの弾力化
1278 視点3:財務面における説明責任の遂行と社会的信頼性の確保
1288 2.制度設計の方針
1290 (1)中期計画と予算
1302 (2)運営費交付金
1304 (運営費交付金の算出方法)
1330 (自己収入の取り扱い)
1342 (学生納付金の取り扱い)
1350 (3)施設整備費
1352 (財源)
1360 (長期借入金)
1363 (不用財産処分)
1368 (長期借入等を行うシステムの構築)
1376 (施設整備の仕組み)
1393 (4)土地・建物等
1395 (移行時の措置)
1404 (土地・建物の処分収入の取り扱い)
1410 (5)長期借入金債務
1416 (6)寄附金等
1418 (地方公共団体からの寄附金等)
1425 (税制上の取り扱い)
1433 (7)会計基準等
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VI 大学共同利用機関
1448 1.検討の視点
1460 視点1:学術研究をさらに発展させる観点からの制度設計
1469 視点2:大学や研究者コミュニティに開かれた運営システムの確保
1478 2.制度設計の方針(国立大学の場合と特に異なる点)
1480 (1)組織業務
1482 (法人の単位)
1487 (法人の名称)
1493 (根拠法)
1499 (役員)
1507 (役員以外の運営組織)
1531 「役員会」(仮称)
1539 「評議員会」(仮称)
1547 「運営協議員会」(仮称)
1556 (研究組織)
1565 (法人の目的)
1569 (2)目標評価
1580 (3)人事制度
1594 (4)財務会計制度
1596 (運営費交付金の算出方法)
1601 (5)その他
1603 (総合研究大学院大学との連係について)
1610 (機構の形態をとる大学共同利用機関について)
1616 VII 関連するその他の課題
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[84-1-2]最終報告案で大きく変った部分:
[84-1-2-1] 組織
364 「役員会」(仮称 ):
365
366 ・監事を除く役員(学長・副学長)で構成し、学外者(常勤又は非常勤)を必
367 ず含む。
368
369 ・教学、経営の両面にわたり、中期目標・中期計画、予算・決算など特定の重
370 要事項について、学長の意思決定に先立ち議決を行う。特定の重要事項の内容
371 については各大学の裁量を認める。
373 「運営協議会」(仮称):
374
375 ・大学の経営に対する学内の責任者(役員等)及び大学の経営に関する学外の
376 有識者(非常勤)で構成する。
377
378 ・学外の有識者が相当程度を占める。
379
380 ・主に財務会計(予算、決算、財産処分等、組織編成、職員配置、給与、役)
381 員報酬など経営面に関する重要事項や方針を審議する。
382
383 「評議会」(仮称):
384
385 ・学内代表者で構成する。
386
387 ・主に教育課程、教育研究組織、教員人事、学生の身分など教学面に関する重
388 要事項や方針を審議する。
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[84-1-2-2] 移行方法
525 ○ 具体的な移行方法としては、全ての大学を同時に法人に移行させることと
526 し、その具体的な時期については、事務局を含めた組織運営体制の整備や財務
527 会計システムの整備など、移行に伴う諸準備の見通し等を総合的に考慮してつ
528 つ、できるだけ早期に移行する。
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[84-1-2-3] 中期目標・中期計画の作成手続き
642
643 ○ 中期目標については、大学の教育研究の自主性・自律性を尊重する観点か
644 ら、あらかじめ各大学が文部科学大臣に中期目標の原案を提出し、文部科学大
645 の原出臣は、これを十分に尊重し、大学の教育研究等の特性に配慮しつつ、ま
646 た、国の高等教育・学術研究に係るグランドデザイン等や各大学の定める長期
647 目標との整合性に留意して、中期目標を策定する。
648
649 なお、こうした基本的スキームを制度的に担保するため、例えば、@大学から
650 文部科学大臣への事前の意見(原案)の提出、A文部科学大臣に対する大学の
651 意見(原案)への配慮義務、B文部科学大臣に対する大学の教育研究等の特性
652 への配慮義務、などの規定を「国立大学法人法」(仮称)等で明確に位置付け
653 る。
654
655 各大学は、中期目標に基づいて中期計画を作成し、文部科学大臣が認可する。
656
657 ○ 文部科学大臣は、各大学の中期目標・中期計画について、あらかじめ文部
658 科学省に置く国立大学評価委員会(仮称)の意見を聴かなければならない。中
659 期計画には中期目標期間中における予算を記載することから、国立大学評価委
660 員会(仮称)は、各大学に対する運営費交付金等の配分についても意見を述べ
661 る。
662
663 ○ 国、国立大学協会等は、中期目標・中期計画の形式及び内容について、大
664 学の長期目標に沿った複数の参考例を提示することが望ましい。
754 (評価の内容・方法・手続き)
755
756 ○ 評価は、各大学ごとに中期目標の達成度について行うとともに、各大学の
757 個性を伸ばし、質を高める観点から、分野別の研究業績等の水準についても行
758 う。
759
760 国立大学評価委員会(仮称)は、評価事項のうち、教育研究に関する事項に
761 ついて、評価に先立って、大学評価・学位授与機構の意見を聴き、尊重する。
762
763 ○ 具体的には、国立大学評価委員会(仮称)の評価に先立って、@各大学が
764 中期目標の達成度について自己点検・評価を行い、国立大学評価委員会(仮称)
765 に報告する。A国立大学評価委員会(仮称)は報告されたもののうち、教育研
766 究に関する事項に係る部分の評価を大学評価・学位授与機構に依頼する。B機
767 構においては、専門的な観点から教育研究に関する評価を行い、その結果を国
768 立大学評価委員会(仮称)に報告する。C国立大学評価委員会(仮称)は、機
769 構の教育研究に関する評価結果を尊重して、総合的な評価を行う。
770
771 ○ 国立大学評価委員会(仮称)及び大学評価・学位授与機構は、評価を決定
772 する前にその結果を大学に示して、意見の申立の機会を設ける。また、国立大
773 学評価委員会(仮称)及び大学評価・学位授与機構は、評価結果を公表する。
774
775 (評価結果の活用)
776
777 ○ 各大学においては、評価結果を教育研究その他の活動の改善のために役立
778 てるとともに、自ら定めた長期目標の点検に活用する。
779
780 ○ 評価結果は、次期以降の中期目標・中期計画の内容に反映させる。その際、
781 その内容が、評価結果を踏まえて、発展的・現実的なものとなるよう配慮する。
782
783 ○ 評価結果は、次期以降の中期目標期間における運営費交付金等の算定に反
784 映させる。その際、競争的環境の醸成及び各大学の個性ある発展を促進する観
785 点から、教育研究その他の業績に対する評価の結果を適切に反映した算定が行
786 われなければならない。
787
788 また、運営費交付金の算定に評価結果を反映するに当たっては、各大学・学
789 部等の理念・目標・特色・条件等を踏まえた弾力的な算定方法の可能性を考慮
790 することとする。
791
792 なお、運営費交付金等の算定に用いる評価項目については、適切なものとな
793 るよう慎重に検討するとともに、各大学の自主性・自律性が結果として大きく
794 制約されることのないよう配慮する。また、運営費交付金等の算定の基準や方
795 法を予め大学及び国民に対して明確にしておく。
796
797 上記諸点を十分に踏まえ、評価結果の運営費交付金等への適切な反映の方法
798 と手続きについて、具体的な検討を行う必要がある。なお、評価結果を次期中
799 期目標等に適切に反映させるための実行段階における課題についても、さらに
800 具体的な検討が必要である。
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[84-1-2-4] 人事 (1)身分
893 ○ 教職員の身分については、国家公務員の身分を付与する場合(公務員型)
894 と付与しない場合(非公務員型)で、概ね次のような違いがある。
895
896 ・公務員型
897
898 身分保障は、法律で規定。採用については、教員を除き原則として試験採用。
899 兼職・兼業、政治的行為の制限等の服務については、原則として国家公務員法
900 上の制約。争議行為は禁止。外国人の管理職への登用は原則不可(ただし、給
901 与や勤務時間等については、非公務員型と同様に、法人が基準等を決定)
902
903 ・非公務員型
904
905 身分保障は、就業規則等において規定。採用は、法人の定めるルールにより採
906 用。兼職・兼業、その他の服務に関しては、必要に応じ、就業規則等で規定。
907 争議行為も可能。外国人の管理職への登用も可能(ただし、収賄等の刑法の適
908 用については、公務員と同様の扱い)
909
910 ○ 公務員制度については近年の国家公務員制度(採用、給与、兼職・兼業な
911 ど)の弾力化措置に加え、現在、政府において更なる制度改革が検討されてい
912 るが、こうした動向をも考慮した上で、法人化後の公務員型と非公務員型とを
913 比較検討した場合でも、職員の多彩な活動を可能とする次のような弾力的な人
914 事制度を実現しうるという点で、非公務員型により優れた面が多い。
915
916 ・教員以外の職員について、国家公務員法上の試験採用の原則によらず、各法
917 人の人事戦略に基く専門的知識・技能等を重視した採用
918
919 ・国家公務員法体系にとらわれない、より柔軟で弾力的な雇用形態及び給与体
920 系、勤務時間体系
921
922 ・優れた教育研究能力を有する外国人の学長、学部長等の管理職への登用、外
923 国教員任用法の枠にとらわれない多様な雇用形態
924
925 ・営利企業の役員等を含む兼職・兼業について、法人の方針に基く弾力的な運
926 用
927
928 ○ 「知」の時代たる21世紀にあって、大学の責務は極めて重大である。国
929 立大学が社会から期待される使命や機能の実現を目指し、その責務を全うして
930 いくためには「諸規制の大幅な緩和と大学の裁量の拡大」という法人化のメリッ
931 トを、最大限に活用して、持てる能力を存分に発揮させることが重要であり、
932 こうした観点に立ち、職員の身分については非公務員型とすることが適当であ
933 る。
934
935 ○ その場合、事務職員、技術職員、教務職員など教員以外の職員についても、
936 弾力的な人事制度を実現した結果として、その職務に対する積極的な努力と実
937 績が十分に評価され、報いられるようにすることが必要である。
938
939 ○ なお、非公務員型を採用する場合には、法人への移行職員が不利益を被る
940 ことがないよう、職員の引継ぎ、退職手当、医療保険・年金、宿舎などについ
941 て所要の法的措置が講じられるとともに、各大学の就業規則等においても解雇
942 事由の制限その他について適切な定めが必要である。
943
944 ○ また、非公務員型による新たな人事制度の創設に際しては、新制度のメリッ
945 トを十分に活用するとともに、各大学の構成員たる職員が一丸となって大学の
946 発展を図っていくためにも、関係者の自覚と奮起の下、各大学及び国立大学全
947 体としての健全な労使関係の構築に向けた取り組みが不可欠である。
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[84-1-2-5] 大学における人事の自主性・自律性
953 ○ 憲法上保障されている学問の自由に由来する「大学の自治」の基本は、学
954 長、役員、部局長、教員(以下「教員等」という)の人事を大学自身が自主的・
955 自。律的に行うことである。法人化後の教員等の任免、分限、服務等に関して
956 は、このような考え方を新しい大学の運営体制の下でも適切に取り入れること
957 とする。
958
959 ○具体的には、教員等の人事に関する方針及び基準・手続きは、主として教学
960 に関する事項の審議機関である評議会(仮称)の審議を経て、大学内部の規則
961 として定められる。当該基準・手続きに基づいて個別の人事が行われることと
962 する。
963
964 これにより、法人化を契機に、各国立大学の特色や個性を一層伸ばすために、
965 人事面においても各大学独自の工夫や方針を活かした柔軟な制度設計がなされ
966 ることが期待される。
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968 ○ 個々の教員の有する潜在的な能力を発揮させるインセンティブ・システム
969 を各大学において設けることが可能となるよう、所要の制度上の工夫を行う。
[84-1-2-6] 学長の選考方法等
1019 ○ また、具体の選考過程において必要に応じ学内者の意向聴取手続き(投票
1020 など)を行う場合であっても、例えば、選考機関の下に学外の有識者を含む推
1021 薦委員会を設置し、広く学内外から候補者を調査し、候補者を絞った上で投票
1022 調査を行う等の方式を導入することや、投票参加者の範囲も大学・法人運営の
1023 最高責任者を選ぶ上で適切なものとすることが必要である。
1024
1025 これを図示すると、以下の通りとなる。
1026
1027 選考機関(調査委員会)が学内外の候補者を調査・絞込み
1028
1029 ⇒[必要に応じて学内者の意向を聴取手続き]
1030
1031 ⇒ 選考機関による最終的な選考
1032
1033 ⇒ 文部科学大臣による任命
1043 ○ 法人の長としての学長が不適任とされる場合には、一定の要件の下で文部
1044 科学大臣が、学長の選考を行った機関の審査等の手続を経て解任できることと
1045 する。
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[84-1-2-7] 中長期的な計画に基づく人員管理
1222
1223 ○ 法人化により教職員の定員は、従来の手法による定員管理の対象外となる
1224 が、国立大学が教育研究を担う特殊性を有する組織であることを踏まえ、人員
1225 (人件費)の管理に関しては、短期的な視点でなく、各大学が策定する中長期
1226 的計画に沿って行うことが必要である。
1227
1228 ○ このため、学内において、中長期的な人事計画の策定と組織別の教員及び
1229 職員の配置等(人件費管理を含む)についての調整を行うための仕組みを設け
1230 ることが必要である。この場合、新しい運営組織の下で、経営面からも十分な
1231 検討が行われ調整が図られる必要がある。
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[84-1-2-8] 外部資金を活用した教職員の任用
1238
1239 ○ 外部資金の獲得に対する各大学の積極的な努力を促す観点から、外部資金
1240 (競争的研究費等)による教職員の新たな任用は、運営費交付金により人件費
1241 が措置される他の教職員とは区別して考えるべきである。また、外部資金を活
1242 用した研究プロジェクトを推進するため、競争的研究費を、当該プロジェクト
1243 を担当する任期付教職員の人件費に充当できることとする。
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[84-1-3]文科省調査検討会議の3月スケジュール
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe3521.htm
「独行法反対首都圏ネット事務局です。
2月21日開催の文科省調査検討会議連絡調整委員会で確認された『最終報告
(案)』(http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/010221saisyu.pdf)は既に
調査検討会議全委員に送付され、意見がある場合は3月4日の連絡調整委員会
までに調査検討会議事務局まで申し出て欲しい旨通知されています。なお、送
付された『最終報告(案)』のP35に掲載されている学長選考の3案のうち、
(案の3)が最終案となったようです。
今後のスケジュールは、以下のとおり。
3月6日:最終の連絡調整委員会。2月21日案がほぼ原案通り承認される見通し。
3月26日:『最終報告』は「賢人会」(調査検討会議の“親委員会”;文科相
の諮問機関)に提出されて、そこで承認される予定。その後、文科省主催によ
る調査検討会議の“打ち上げパーティー”が開催される。
なお、「賢人会」は構成メンバーが死去されたこともあって長期に亘って「休
業」していましたが、“親委員会”が開催されないまま、『最終報告』が確定
するのはまずいということから、急遽開かれるようになったと伝えられていま
す。その内容が、“今後の国立大学等の在り方に関する懇談会(第11回)におけ
る意見”(広島大学公表資料テキスト版)
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe3496.htm です。」
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[84-1-4]2/27 衆議院文部科学委員会
http://www.shugiin.go.jp/itdb_main.nsf/html/rchome/@Ugoki/monbukagakui/0227.htm
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe3520.htm
♯(2月27日の衆議院文部科学委員会における石井議員の質疑で、文部科学
省が各大学に対し三月中または遅くとも六月までに統廃合に関する計画書の提
出を迫っているとされる問題について「そういう指導を本当に行っているのか」
と質問したのに対し遠山大臣は「そのような期限を限って計画をということは
言っていない」、六月までについても「そこまでにと言っているものではない」
と答えた([he-forum 3520]。)
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[84-1-4-1]文部科学省高等教育局専門教育課教育大学室長あいさつ
第60回 国立大学教育実践研究関連センター協議会2002.2.12
http://gauge.u-gakugei.ac.jp/cerd/cerd01/preface.htm
「・・・・ さて再編・統合を今後どう進めていくかということです。平成16
年度に仮に国立大学の法人化がなされるとしますと、15年の通常国会に法案を
出さなければなりません。そのことと考えますと、平成14年度中に大学同士の
再編・統合と合わせて教員養成学部も再編・統合の大枠を決めていこうと考え
ています。14年度の早い時期になるのか真ん中の時期になるのか遅い時期にな
るのか、まだ我々も決めているわけではありません。今年1月下旬に各大学か
らヒヤリングをしましたけれども、言うまでもないことですが、現時点で固まっ
ているところは一大学もございません。これからも私どもは大学と共同作業で
進めていくわけです。
いくつか事務局を通して私どものほうに寄せられる意見の中に、「大学同士で
協議をしろといわれても時間とエネルギーの無駄であるから早く中央のほうで
決めて伝達してくれ」というものと「文部科学省の指示を受けてせっかく協議
をはじめたところなのに頭越しにこうだといわれたのでは立場がない」という、
いずれももっともなものがあります。ただ14年度中に行わなければならないの
は「どことどこの大学が再編・統合して、どちらが教員養成課程を担当し、ど
ちらが一般学部を担当するか」ということです。その次にそれを受けて各大学
としては概算要求することになります。実際は概算要求する時期が一番のポイ
ントだと思っていますが、14年度中はとても無理だと考えています。それでは
15年の夏に間に合うかというと、これもそう簡単ではなさそうです。教員養成
学部は教員養成学部で新たな学部をどうしていくかということを考えなければ
なりませんし、一般学部は一般学部でどうするかを考えていかなければならな
いということを考えますと、具体の組織を検討するにはしばらく時間がかかる
だろうと思います。そこで、14年度中とは言っていますけれど、できるだけ早
い時期に大学との共同作業を進めていかなくてはならないだろうと考えていま
す。大学同士で再編・統合の方針が固まればそれは私ども最大限尊重したいと
思っております。しかし、固まらない場合にはどこかで原案を作らなければな
らない訳ですので、それは私どもの仕事だろうと考えています。・・・・ 」
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[84-1-5] 連絡調整委員会議事要旨
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[84-1-5-1] 第5回2002.1.25
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/006/gijiroku/005/020202.htm
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[84-1-5-2] 第6回2002.2.7
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/20020222_1.pdf
[84-1-5-2-1](文部科学省)
「前からのご懸念であるが、なぜ教育公務員特例法が設けられたかという経緯
については、ご存知のように戦前、教員の人事関係については確たる規定がな
く、そういう中でいくつかの事件、紛争があり、学問の自由を守るために教員
の人事というものはアカデミアンの自主性に任せようということで、そのプロ
セスを規定するために作られたのが教育公務員特例法である。特例法とあるよ
うに、国家公務員法、地方公務員法の特例という形での法律であり、今回、こ
ういう人事形態になれば、文部科学省の任命権が及ばない教員の部分の人事に
ついて、法律でそのプロセスを規定することは、学長なり学内の自主性を侵害
するというか、いかがなものかということである。国立に限らず私立でも伝統
ある大学は、それなりの教員人事についてのルール、良識をもって行われてい
るわけである。もう一つ、法律上の担保としては、運営協議会、評議会という
ものが置かれ、学内の評議会が何をするところかという任務規定のなかで、人
事に関すること、人事の基本方針に関することのような任務は規定されること
になると思うので、そこで教員人事のルールをどうするかということは、学長
が勝手なことを行うということではなく、十分学内のアカデミアンの意向を聞
きながら、就業規則というか法人内の勤務条件の規定の中で反映されるという
ことで、実質、適切なルールが確立されていくと思う。この教育公務員特例法
が適用されないからといって、不安であるというのは杞憂ではないかという気
がしている。」
(委員)新しい法律を作るときは、杞憂であっても十分議論した方が良いと思
う。
・・・
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[84-1-5-2-2](委員)
「・・・そこで、学部自治とか大学の自主・自律性ということがいわれてきた
わけだが、もしも各大学が本当に人事においてもすばらしい人事をやっていれ
ば、日本の国立大学がこんなにかすんでいるはずがないわけであり、世界の十
プの大学と伍して、当然それだけの知的基盤の伝統があるわけだが、それがな
くなってきている。そして、何らの競争原理が入らない。建前だけはこういう
形で法律で保護されていて、まさにファシズムの時代かのように教育公務員特
例法というものが隠れ家になって大学を聖域化していた。そして、ひとたび国
立大学の教官となれば、全くの競争原理にさらされずに一生一生身分が保障さ
れていたわけである。こういうことは世界の大学にはあり得ないわけである。
したがって、本当は国立大学がもっときちんとした人事をやっているだろうと
いう、その前提自身あるいは国立大学の自主・自立性ということ自体が問われ
ているのだと私個人としてはずっと思っている。したがって、非公務員型にし
てみると霧が晴れたみたいに非常に多くの問題が開かれたような気がし、実は
こんなに国立大学というものは問題があったのだということを逆に非公務員型
にした時に非常に明確に、しかもかなり透明感をもって国民に訴えられるよう
なアイディアがでてきたと思い、そういう意味では、むしろたいへん結構であ
ると思っている。」
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[84-2] 声明・運動・意見など
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[84-2-1]3.02 国立大学協会への意見書:最終報告に不可欠なこと
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/02/302-tjst.html
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[84-2-2]3.01 東大3.1緊急集会宣言
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/020301syukai.html
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[84-2-2-1] メッセージ(順不同)
北大教職組
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/020301syukai.html#hokudai
京大教職組
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/020301syukai.html#kyoudai
阪大教職組
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/020301syukai.html#handai
茨城大教職組
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/020301syukai.html#ibadai
佐賀大教職組
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/020301syukai.html#sagadai
千葉大教職組
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/020301syukai.html#chibadai
国公労連
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/020301syukai.html#kokkou
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[84-2-3]2.28 豊島耕一「調査検討会議メンバーの個人責任」2002.2.28
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/02/227-toyoshima.html
少なくとも国大協からのメンバーは,調査検討会議での最終案への賛否,そして
その中の個別の項目ごとの賛否を公表すべきです.これは,公務員としての,そし
て各大学の代表としての,国民と大学社会への最低限のアカウンタビリティーです.
教授会や評議会で行われる悪しき風習の一つに,見かけのコンセンサスと言うの
があります.議決において採決をとらず,仮に反対意見があった場合でも議長の「ご
了承願います」の言葉で「可決」にしてしまうのです.このようなやり方は批判派
を自認する人たちにも隠れ家を提供しています.つまり,「仮に自分が反対しても
止められなかっただろう」という,バーチャルな言い訳です*.教授会でもそうで
すが,このようなやり方を政府の審議会で許すような事があってはなりません.議
題に対して異議を持つのであれば,仮に少数かも知れなくても採決を求めるべきで
す.少数かどうかは採決してみないと分からないのですから.採決での明確な意志
表示によって,個人としての責任のひとまずの完結がなされるのです.
大学においては,学部や教室が非民主的で,そのような異端の態度を取ることが
難しいという弁解もあるかも知れません.そのような言い訳が許されるかどうかは
ケースバイケースでしょう.しかし,文部科学省の審議会ではそのような言い訳は
成り立ちません.メンバーは社会的地位や権威もあり,しかも大学社会を代表する
人たちです.独法化を自らの手で提案してしまうという,いわば歴史的な「オウン
ゴール」の瞬間が近づいていますが,この決定に対しては調査検討会議のメンバー
はすべて個人としての責任を負わなければならないのです.
是非とも,全大教や各単組,科学者会議など,大学の自治に責任を負うべき諸団
体は,調査検討会議での,いわば「記名投票」を要求していただきたいと思います.
*多数決が非民主的で,たとえ見せかけでも「コンセンサス」が民主的だという信
仰,あるいは反対意見の「自重」が良いことだというおかしな信仰もたしかに存在
します.反対者に拒否権があるわけではないのですから,何も自重する必要もない
のです.
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[84-2-4]2.21 京都大学職員組合「法人化後の教職員の身分について要望書」
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/ku-union/topics/020221mibun-yobo/020221mibun-yobo.html
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[84-3] 2.21 団藤保晴「大学と小泉改革:担い手不在の不幸」
記者コラム「インターネットで読み解く!」
http://dandoweb.com/backno/20020221.htm
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[84-3-1] (国立大学教員より)団藤保晴 様
(抜粋)
「・・・・・
しかし、国立大学の独立行政法人化の不毛さを最初から明確に理解されてい
た団藤さんでも、この問題の全体像を十分には理解されていない、という気持
ちがして、残念に思いました。
たとえば「反対にしか道を見いだせない大学人」という言い方には、国立大
学における文部科学省の支配力の強さへの無理解があると思います。
・・・・・
民営化や非公務員化への反対理由についても、誤解されているようです。
一つは、民営化や非公務員化が政府部内では高等教育予算削減と同一視され
ているから反対しているのであって、高等教育予算法のようなものを作り安定
した高等教育予算が確保されるのであれば、国立大学などである必要は全くな
いと思います。その条件があれば国公私という区別を廃止し、大学毎に内容で
競争することが可能となるでしょう。しかし、現実には、これは全くの空想で
あり、独立行政法人化や民営化は高等教育事業から撤退する国の長期方針の一
環として進められているのであり、高等教育予算縮小、すなわち、学費値上げ
に直結しているわけです。
また、自分の公務員身分を守るために非公務員化に反対している人は少ない
でしょう。むしろ、これから大学に就職する人達が会社と同様に人事部の意向
を絶えず意識しながら研究・教育をしなければならなくなることを憂えてのこ
とであると私は感じています。
・・・・・
マイナスをゼロにすることは、ゼロをプラスにすると同じ意義のある大学改
革ではないでしょうか。独立行政法人化で大学が失うものは余りに大きい。そ
れを反対することは、私には現在の国立大学教職員の当然の義務であると思っ
ていますが、それを口にすることで迷惑を与え孤立することを怖れるのは自然
な人情です。独立行政法人化後に独立行政法人化の毒を消し去る努力をする方
が誠意がある姿勢ではないか、と、良心的な人達の多くは秘かに決意を固めて
いるのかも知れません。しかし、私は、やはり今1の努力でできることが、1
00の努力でも出来なくなることは明らかなので、やはり、今大学に居るもの
は誰が何と言おうと、独立行政法人化は問題である、ということを言うことが
重要であると思っています。
・・・・・
「しかし、メディアは所詮は社会を映し出すものにすぎません。独立行政法人
化の動きに対して具体的な代替案が出てこないと報道することすら難しいので
す。「学問の自由」がそれに当たらないことは、もう理解いただけましたね。」
このような言葉を団藤さんから聞くのはとても残念です。少数の者にしか重要
性が理解できない問題がたくさんあります。特に大きな政策であればあるほど、
問題点が見えないような工夫がされていることはよくご存知でしょう。社会の
反応の大きさだけで記事を評価する今の新聞社は、政府の意見を広げるだけの
役割しかなくなりジャーナリズムの使命を失いかけているのではないでしょう
か。
今回の団藤さんの通信も根本において大きな「公正」さに欠けていたと思いま
す。
・・・・・
今、大学は正念場です。大学内部では「再来年4月の法人化」に向けて準備
が当然のように始まっていますが、あれほどまでに問題が認識されていること
に対して、わずか2年が経過しただけで、黙々と準備をし始める光景には背筋
が寒くなるものを覚えます。しかし、それは日本社会そのものの縮図なのでしょ
う。その縮図の中で「時代の流れ」という呪文の呪縛を解くことができるか否
かーーそれが、今の大学人に課せられた、象徴的な課題であると思っています。
ここでの失敗は、日本社会の前途の不吉な予兆となるように感じています。」
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[84-4] ネット上の意見より
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[84-4-1] Yahoo! JAPAN ホーム>学校と教育>入学試験 > 国立大の独立行政法人化!
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[84-4-1-1] No 4924 構造改革の意味
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=ED&action=m&board=1086166
&tid=9qna9bga4nfhna99tc0afka1bfm2bda1aa&sid=1086166&mid=4924
「大臣や役人の中にもあなたのような言い方をする人がいれば、大学関係者の
多くが調査検討会議などというものに動員されて無駄な議論をせずに済んだの
に。残念なことです。
>でもやっぱり文系教官・大学ははのんびりしてるでしょう。身内に甘い昇格
>・採用を繰り返してきたツケもあるのではないですか。
こんなことは、少し前までは、官民を問わず日本社会では当たり前のことでし
た。いや、今でも、そういうところは無数にあるはずです。そういうことがよ
いとは誰も思っていませんが、数十年続いてきた日本社会の“暗黙のルール”
が突如激しい攻撃にされされるようになったのは、残念ながら、社会的指導層
が高邁な倫理に目覚めたからではありません。その証拠に、政官財界の要人が
理事会を牛耳っている私立大学で、人事がまともに行われているなんて話はこ
れっぽっちも聞きません。文科省も、設置認可と引き換えに、大学に天下りポ
ストを用意するよう強要しているのが実情です。
「構造改革」の狙いは、国民の大半が、これまでの常識では信じられないほど
の低所得のまま生涯働きつづけなければならない社会をつくることにあります。
そのためには、終身雇用、年功賃金などの日本的伝統を破壊しつくさなければ
なりません。民間大企業においては、その企ては成功しつつあります。しかし、
公務労働部門のそれを破壊しなければ、支配層の狙いは達成されませんし、民
間部門の改革も遅れることになります。
大学の就労状況も、この文脈から攻撃されているにすぎません。国立大学の教
職員は、支配層の脅しに屈して彼らに擦り寄るのではなく、はるかに大きな困
難にさられている一般勤労者、とりわけ、女性やパート労働者と連帯しなけれ
ばならないのではないでしょうか。そうしなければ、すでに年間3万人を越す
自殺者を生んでいる日本社会が、いっそう暗く惨めなものになるだけでしょう。」
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[84-4-1-2] No 4916 独法化で授業料は高騰
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=ED&action=m
&board=1086166&tid=9qna9bga4nfhna99tc0afka1bfm2bda1aa&sid=1086166&mid=4916
独法化で授業料は高騰するだろう。
「国立大学の独立行政法人化に関する調査検討会議」最終報告書案
は次のように言う。
>(学生納付金の取り扱い)
>○ 学生納付金については、教育の機会均等、優秀な人材の養成とあわせて、
>大学の自主性・自律性の向上等にも配慮する必要がある。したがって、運営
>費交付金算定への反映のさせ方に配慮しつつ、各大学共通の標準的な額を定
>めた上で、一定の納付金の額について、国がその範囲を示し、各大学がその
>範囲内で具体的な額を設定することとする。
力点は「大学の自主性・自律性の向上」、すなわち、各国立大学が授業料等を
値上げする自由を認める点にある。もちろん、論理的には「標準的な額」より
低い金額を設定する大学が出る可能性がないわけではない。だが、そうなるこ
とは現実にはないだろう。
かつて、公立大学の中には国立大学より低額な授業料を設定していた大学があっ
たが、今はない。「自己収入を増やす努力が足りない大学に補助金を出すわけ
にはいかない」という理屈で文科省が「脅し」をかけ、公立大学授業料学費が
国立大学と同額になるよう誘導してきた結果だ。こうした水面下の指導は独法
化後も連綿と続けられることは間違いない。「自由」を与えられた国立大学法
人が「標準的な額」低額に設定することなど、現状では到底考えられない。
」
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[84-4-1-3] No 4914 2002.3.2 高等教育の機会均等に国立大学が果たす役割
高等教育の機会均等に国立大学が果たす役割は重要だ。
独法化問題との絡みで一躍有名になった国大協第8常置委員会パンフレット
『日本の将来と国立大学の役割』
http://www.kokudaikyo.gr.jp/kanko/h13_5/03.html
は次のように指摘している。
「私立大学では最も所得の高い階層の出身者が24%を占めており、最も低い
階層の出身者は15%に過ぎない。これに対して国立大学では、最も所得の低
い階級の出身者が24%で最も多く、最も所得の高い階層の出身者は16%に
とどまる。」
学生の家計所得が高いことを指摘されているのは東大・東工大・一橋大など、
大都市部にある一部の大学だ。これと違って、いわゆる地方国立大学は高等教
育の機会均等に大きな役割を果たしてきた。
今、政府の「構造改革」の方針とそれに従属する「遠山プラン」の下でまず切
り捨てられようとしているのは、これら地方国立大学だ。都市中間層を優遇し、
地方や社会的不利益層に「痛み」を押し付ける「大学の構造改革」私は反対だ。」
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[84-4-2] 高等教育フォーラムより
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[84-4-2-1] No 4129 「とっても不思議な国の教育改革」
http://matsuda.c.u-tokyo.ac.jp/forum/message/4219.html
「・・・・一般の社会では「現在の仕組み」と「改革後のモデル」を会議で比
較・検討して、「改革後のモデル」に利があると判断したとき、はじめて「で
はその方針でやりましょう」という筋を辿るのではないでしょうか。ところが
教育改革では、「現在の仕組み」と比較すべき「改革後のモデル」を持たない
段階で、方針が決定されるのです。良くなるか?悪くなるか?分からない状態
で方針を決定する……これって博打ではありませんか。・・・・」
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[84-4-2-2] No 4220 「大学は富み(?)、学生は貧しい」
http://matsuda.c.u-tokyo.ac.jp/forum/message/4220.html
http://researchml.org/
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[84-5] その他
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[84-5-1] 朝日2002.3.2 国立大の値段は? 法人移行控え資産計算に難問
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe3527.htm
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[84-5-2] 公立大学協会特別委員会議事録(3/3)
http://homepage2.nifty.com/kodaikyo/h13/hojinka14.htm
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【発行の趣旨】国立大学独立行政法人化問題に関連する情報(主に新聞報道・
オンライン資料・文献・講演会記録等)へのリンクと抜粋を紹介。種々のML・
検索サイト・大学関係サイト・読者からの情報等に拠る。転送等歓迎。
【凡例】#(−−− )は発行者のコメント。・・・は省略した部分。◆はぜ
ひ読んで頂きたいもの。
【関連サイト】http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/
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発行者:辻下 徹 e-mail: tujisita@geocities.co.jp
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発行部数(括弧内は2/17からの増減) (2002.3.2 現在)
1693(+7):
Mag2:974(5)|CocodeMail:380(-1)|Pubzine:99(+1)|melma:75(+3)|
melten:59(-1)|Macky!:47(-3)|melonpan:30(+3)|emaga:29(0)
直送 844(北大評議員・国立大学長・国大協・報道関係・国会議員等)
-------------------------
Digest版 9846(via 国立大学通信), ML(he-forum,reform,aml,d-mail)
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End of Weekly Reports 84