┌─目次── │─1─ 総長候補者所信表明 │ 1a─ 飯田 健夫 総長候補 所信表明 │ 1b─ 川口 清史 総長候補 所信表明 │ 1c─ 坂根 政男 総長候補 所信表明 │ 1d─ 谷口 吉弘 総長候補 所信表明 │─2─ 総長選挙2010情報サイト │ 2a─ 10月19日総長候補討論会録画リンク │ 2b─ 総長候補坂根政男さん推薦文集10/21 │─3─ R2020最終答申 │ 3a─ 新中期計画の第2 委員会から第5 委員会答申を受けて(常任理事会10.20) │ 3b─ 第2委員会:「学習者が中心となる教育の創造―立命館教学の充実と学習力の形成―」答申 │ 3c─ 第3委員会:「包括的学習者支援政策と体制の検討」答申 │ 3d─ 第4委員会:「グローバル化時代の研究大学をめざして」答申 │ 3e─ 第5委員会:「働きがいがあり、社会から支持される民主的な学園づくりに向けて」答申 │─4── 常任理事会資料10/20 キャンパス将来構想に関する課題について │ 4a─ 山ノ内浄水場跡地シミュレション │ 4b─ キャンパス構想に関する入学センター報告概要 │ 4c─ 新キャンパス候補地の特徴 └───
実施主体は違いますが総長候補討論会が火曜日(選管・朱雀)【2a】、水曜日(組合・衣笠)、金曜日(学友会・BKC)にあり、火・水は飯田候補、金は谷口候補が公務で欠席されましたが、全候補者が学園構成員と直接に対話され、各候補のスタンスがかなり明確になったように感じます。候補者の皆様お疲れさまでした。
どの候補者も教学改革を強調しておられますが、飯田候補の所信表明【1a】で「教学改革」と括弧付きで書かれているように、この4字熟語の意味は余りに多様性があるために、具体的意味が何かが焦点になります。茨木キャンパス用地取得が教学改革の要であることを強調しておられる川口候補【1b】がいわば立命館のこれまでの成功パターンを継承する道を提示されたのに対し、教育活動と研究活動を日々担う教学現場の創意工夫を積み重ねることで創発的に教学が改善していく息の長い歩みを強調しておられる坂根候補【1c】が立命館の新しい道を新しい歩みかたとともに提示されたのが対照的でした。
いずれの道を選ぶのか、立命館学園という巨大組織の「心」がどの方向に惹かれどういう決断をするのか予想できませんが、その決断が立命館の歩む道を明確に決める、そういう契機となる歴史的選挙になると感じています。
常任理事会資料が翌日に掲示されるようになったことは好ましいことです【3,4】。
R2020最終答申【3】は膨大な文書ですが、
┌─【3a】より抜粋─ │今後は、各委員会答申の内容、学部・研究科・学校の教学展開、キャンパス創 │造といった議論を収斂させていく計画要綱を策定する段階に入ります。総合調 │整会議( 拡大) において計画要綱の検討を行い、学園の教職員、学生・院生 │とも意見交換をするなかで、年末/年度末にむけて計画を確定していく議論を │常任理事会として進めていきます。2020 年にむけた立命館の計画策定にむけて、 │教職員のみなさんには引き続きご協力をお願いします。 └───とあり、これが今後の学園政策策定の基盤となります。(「年末/年度末」は 総長が変われば「年度末」、現総長が続投の場合は「年末」ということなので しょう。)
┌─── │◎ 今次の委員会答申は、期間を設定した討議集約を行うものではありませんが、 │答申へのご意見、ご指摘、ご質問等ございましたら総合企画課( 担当: 五坪 │c h i - g @ s t . r i t s u m e i . a c . j p) までメール等でご連絡い │ただきますよう、お願いします。 └───
新キャンパス関連文書と同様に重要な文書であり学園全体で精査し、問題があれば総合企画室に伝えなければなりません。
キャンパス将来構想に関する常任理事会資料【4】では、茨木キャンパス創設の入試への影響の分析もありますが、そもそも3キャンパス構想の具体案としての茨木キャンパス用地と狭隘化解消構想の具体案としての山ノ内キャンパス用地を比較しても意味がありません。茨木キャンパス用地を買う理由である3キャンパス構想の是非については、すでに9月末に全学的に「非」という明確な結論
http://ac-net.org/rtm/campus/doc/2010-09-29-campus-iken.pdf (18.1MB, id,passwd: rtm)
がでているわけですから。これが「明確」でないとするには、よほどの詭弁と強弁が必要なのではないでしょうか。
私が、総長候補者に推薦されてから、次の総長に求められる要件について熟考いたしまし た。まずは、立命館憲章に盛り込まれた理念に基づき、R2020計画の具体的施策と実 行におけるリーダーシップの発揮、そして何よりも、「教学優先」の立場を貫ける強い意 志と「全構成員自治」に基づくバランスのとれた実行力を持つ人物が、最も次の総長に相 応しいと再認識いたしました。 また、総合学園・立命館として、交友・父母を含めた全体の一体感を醸成できる人望ある 人物が求められています。同時に、国内外の機関、大学との対外的な交流、交渉において、 的確な判断ができ、社会環境に対する鋭敏な感覚とバランスを持った思考を有しているこ とが、今後の学園を代表する総長に求められます。 このような総長像に対し、私の現在の心境を述べておきたいと思います。私は現在副総長 を務めておりますが、学園在籍は短く、また2006年に一度退職し数年間学園中枢から 離れていました。役職として学園に復帰後数ヶ月の私には、学園の歴史やこれまでの取り 組みに明るくなく、本学に課せられた諸課題を遂行する能力は、残念ながら持ち合わせて いないというのが率直な思いです。私を推薦していただいた教職員の皆様に対し大変失礼 な発言かも知れませんが、正直なこの気持ちを察していただければと思います。 以上が、総長候補者としての私の基本的スタンスですが、この場を借りて日ごろ私が感じ ていることを2,3述べたいと思います。 まず、立命館は一学園にとどまらず、その一挙手一投足は、全国の教育研究機関が注目し ているという社会的な影響を十分に考慮することが大切です。従って、「教学優先」の立 場を貫くことはもちろんのこと、研究面においても、また大学の大きな使命のひとつであ る社会的貢献・地域貢献にも積極的に関与することが大切であると考えます。 次に、いま新キャンパスについて議論が進められていますが、ここで是々非々を述べるの は差し控えたいと思います。その理由は、総長候補者がこの新キャンパス取得の賛成派と 反対派とに別れ、その部分が大きくグローズアップされた選挙は適切ではないと考えるか らであります。全構成員による新キャンパス展開の議論は高く評価でき、その過程で不明 な点も多々指摘され検討が行われています。しかし「全員の合意」は、これだけ大きな組 織では事実上不可能であり、どこかの時点で決断しなければならないと考えています。結 果として意にそぐわない結論が出ても、学園の一体性は保持され、学園の活性化を減じる 要因となってはいけないと考えます。 さらに学園はいま、学園は2つの環境要因から未曾有の危機にさらされていると思います。 ひとつは、外的環境です。昨年、自民党から民主党へ政権交代しましたが、より一層の国 民目線、政策の可視化が問われています。そういった点から私学助成も今後社会貢献でき る大学か否かが大きな判断材料となり、私学にとってますます厳しい時代となるでしょう。 次に内的環境ですが、学園執行部と教職員の間の「信頼回復」の問題です。双方が努力し ていることは理解していますが、双方がいつまでも不信感を抱いていることは、学園の発 展・将来にとって大きなマイナスになります。まず、この課題について双方が歩み寄り、 全力を挙げて民主的な対話により解決する必要があると強く認識しています。 教育研究機関で、相互不信や組織の対立が発生したとき、一番の被害者は学生であること を忘れてはいけないと思います。 最後に、私がお約束できるのは、現常任理事会において設定している、前出課題を含む様々 な諸課題を引き続き、丁寧かつ着実に進めていけるよう、私の任務を遂行していくことで す。 以上、拙い内容ですが、私の所信表明とさせて頂きます。
総長候補者に推薦いただき、光栄に思っております。 今次の総長選挙は、立命館で学び活動するみなさんと、私たちの拠り所や未来について語 り合えるこのうえない機会であると考えています。 最も困難な時期を乗り越え、私たち立命館には今、ようやく前に向かって進むべきときが きました。 1. 総長職の二つの役割 私は総長には大きく言って二つの役割があると考えています。 第一に、学生・院生・生徒・児童、教職員といった学生構成員、父母、交友等学園を支援 くださる方々の願いや要求をしっかりと理解し、その実現の先頭に立つことです。総合学 園となった立命館においては、願いや要求も多様であり、総長にはそれらを自ら理解する にとどまらず、それぞれがお互いを理解しあい、立命館としてのアイデンティティを持つ ことを進める役割が求められます。 第二に、総長は学園を代表して、国内外の政治、行政、産業界、マスコミ等に対して、発 言し、行動するという対外的な役割を有します。この役割にひとつは社会の動向、要請を いち早く把握して学園構成員に伝え、構成員の要求と結び、政策化と実現の筋道をつけて いくという面です。そしてもうひとつは、学園の現状や発展方向を発信し、学生の成長、 学園の発展につながる政策の実現を進め、立命館のプレゼンスを国内外で高めていくとい う面です。 2.この4年間を振り返って 私の総長就任は、大変厳しい環境の中であり、私の総長としての仕事はまず、学内の不信・ 不和を克服することから始まりました。みなさんと常任理事会の真摯な取り組みにより、 学内の信頼回復は大きく前進していると考えています。今次の総長選挙がこうした取り組 みの到達点として、学園をあげて進められていることを心よりうれしく思います。 しかし、道はまだ途上にあります。この間のありようについては、学生のみなさんからも 厳しく指摘をいただいています。私は責任者としてこの4年間に学んだことを深く胸に刻 み、学園創造に取り組んでいくことを決意しています。 こうした中でも、学園の教学は教職員、学生諸君の奮闘によりしっかりと前進してきまし た。新たな教学分野確立と前進、既存教学分野の改革の取り組み、開学10周年を機に改 革を進めるAPU,一貫教育の前進、小学校の完成と高い社会的評価、3つのGCOEと R−GIROの展開など多くの前進がありました。とりわけ学生諸君の奮闘は目覚ましく、 難関分野での全国的高水準の定着、スポーツ・学術・文化分野での国内外における活躍な ど、学園の構成員と全国の交友・父母を励ましてくれています。 もちろん、多くの課題も生じてきています。これまでにも私は、全学の意見を聞きながら 改革を進めてきましたが、今、さらに、学生の声を正面から受け止め、学生の成長をなに よりも大事にしながら前進しなければならないと考えています。 3.これからの立命館をどうつくっていくか 今、立命館は2020年を目標とする学園ビジョン、そして新中期計画を、多くの教職員 の参加、そして学生の意見を聞きながら進めています。この新中期計画を策定し、その着 実な実践の先頭に立つことが、新しい総長の最大の責務だと考えます。その上に、私はと りわけ、立命館学園が「学びのコミュニティ」として発展していくことを強く望み、また 努力したいと考えています。 教育は世界的に、「教える」場から「学び」の場への転換が課題となっています。すでに 立命館は「学習者主体」の教学改革に取り組んでいます。新中期計画の議論は「質の向上」 と「ゆとりの創出」を軸に、それをさらに発展させるものです。学びのコミュニティの実 現には、教学システムや教職員体制ばかりでなく、ラーニングコモンズなどの施設やキャ ンパス条件の整備が不可欠です。現在論議しているキャンパス創造はまさにその意味で実 現を図っていかなければなりません。そして重要なことは、このコミュニティが世界に開 かれた多様性に満ちたものでなければならない、ということです。変化の激しい時代だか らこそ、多様性の中で鍛えられ、多様性の中から新しい道を見出すことのできる人間が育っ ていかなければなりません。 立命館学園の「学びのコミュニティ」としての発展は、必ず、全国の、さらには国際的な 教育改革への大きな励ましとなるでしょう。全学の叡知を結集すれば、こうした未来を作 り出すことができると私は信じています。 教職員のみなさん。私たちの目の前には、日々成長を遂げたくましく活躍する学生・院生・ 生徒・児童がいます。今、私たちがやるべきことはただひとつです。あらゆる改革を学生 の成長と結び、学生の学ぶ意欲に応えるために、全学で一丸となって前進しなければなり ません。 立命館で学び、活動する喜びを学生たちに実感してもらうこと。みなさんとともに未来を つくる先頭に立つことが、総長の最大の役割だえると私は考えています。
今回の総長選挙における、私の所信を述べます。 まずは全ての出発点となる、私がめざす学園像です。立命館は、立命館大学、APU、5 つの附属校から構成される総合学園ですが、私は、それぞれの学校が、学生・生徒・児童 の生き生きと学べる場となり、正課・課外を通して確かな学力を身につけ、人間的な成長 を実感できる学園であるべきだと考えています。そして、先生方の教育と研究が生き生き と進められ、職員の方々の各職場での創意と工夫が着実に実践できる職場風土が醸成され た学園であるべきだと思います。そのためには、教育や研究の現場を大切にし、現場から の意見が最大限に尊重される学園運営が必要です。私は、こうした自己発展的な取り組み で立命館らしい国際的にも個性を有した学園像を実現できると確信しています。 しかし、立命館の現状を直視すると、私のめざす学園像を実現できような状況には必ずし もないことに、深い危惧を覚えています。とりわけ過去5年間に、立命館に生じた様々な 事柄を振り返ると、真に学生・生徒・児童、そして教職員の立場に立った学園運営を貫け ていたのかという点について、大きな疑問が残ります。具体的には、一時金問題や最近の 新キャンパス問題が典型例として挙げられると思います。私は、学園運営の基本原則に立 ち返り、これまでの経緯を検証し、今後の民主的な運営のあり方を検討し、新総長がリー ダーシップを発揮して実践していく必要があると考えています。 次に、私が重点であると考える5つの学園課題について述べます。 第一は、新キャンパス問題です。学園の各キャンパスについては、日常的な改善視点が必 要ですが、特に衣笠キャンパス狭隘化の改善については、全学的な認識が一致していると 思います。しかし、そのことが、茨木での大規模キャンパス取得という結論に直結するの かという点については、慎重な判断が必要だと思っています。つまり、キャンパス取得が 先行するのではなく、衣笠狭隘化の改善や今後の各学部の教学改革議論を受けて、学園の 財政力量に見合った新キャンパスの合意を丁寧に議論すべきです。現在の常任理事会にお いて、私は、学園の将来に責任を負う学部長理事として、一貫してこうした問題を指摘す る意見を発信しています。 第二は、新中期計画の具体化に向けた全学の教学改善課題です。新中期計画の各委員会で は、2020年に向けた改革の最終案の取りまとめが進められています。本来はこの議論 の全学討議を受けて、それを各学部の教学改革へ具体化していく必要があります。その後、 各教学改革案に対する優先順位化と財政的な裏付け作業を行い、可能なことから順次実行 に移すべきだと考えています。そして、併行して、衣笠の狭隘化の解消、教学改革や学生 の課外活動等を支える施設整備の諸条件等を総合的に勘案した議論が展開され、適切な新 キャンパスの具体化を判断することになると思います。 第三は、学費問題です。新中期計画を支える財政問題においては、学費のあり方の議論が 避けられません。私は、現在の学費および奨学金政策は見直さなければならないと考えて います。そのためには、あらゆる学内外の状況を勘案した総合的な検討が必要ですが、少 なくとも次年度を待たずに、学費問題について早急に議論のできる準備を開始したいと考 えています。学費水準に関しても、どれだけの改善努力が可能かについて、同時に精査し たいと考えています。奨学金政策も、成績優秀者の奨励とともに、高等教育の機会を保障 する観点からすれば、経済支援重視の奨学金拡充が必要だると考えています。 第四は、APUの課題です。開学10周年で高い到達点を築いたAPUは、学園の貴重な 存在であり、その強みを学園全体で積極的に活かして国際化を推進することが、APUの 発展をも切り拓くと思います。一方、近年は志願者動向を含めた競争的環境の激化が進行 しており、優秀な国際学生や国内学生の確保に一層の努力と工夫が求められています。私 は、今こそ、学園全体の力とAPUの力を結びつけて、国際社会で活躍できる人材育成を さらに強めていくことが重要であると考えています。 第五は、附属校の課題です。私は、6500名を超える児童・生徒の学びと成長に責任を 持ち、日本の初等中等教育の先進を拓く附属校教育の充実は、学園にとって重要な教学課 題だと理解しています。これまでの附属校政策は、大学の規模拡大を入試の志願者構造か ら支える側面が相対的に重視されており、高大接続教育の充実や双方の教育の質を高める という視点がやや弱かったと思います。私は、これまでの一貫教育における児童・生徒・ 学生の学びと成長の実態と課題を全学で共有していくことが必要であると思います。また、 学園の附属校政策の位置付けを高めるために、附属校関係者の学園運営への参加のあり方 が、具体化されるべきだと考えています。 以上
今、立命館学園で学ぶ学生・生徒にとって学びがいがあり、立命館学園で働く教職員が教 えがい・働きがいがあり、社会に支持され、また、高く評価される学園作りのために、全 学構成員の英知を集めて、全力で取り組んでいる学園ビジョン「R2020」は、立命館憲 章に基づき、日本や世界での高等教育事情を見通した、国際的にも通用性を有することが 必要です。この学園ビジョンの実現には、全学構成員の協力なくしては実現不可能で、と りわけ、一つの目標に向かつて教職協同を通して力を合わせることがなによりも重要だと 考えています。 学園ビジョン[R2020]の前半期に相当する2015年を目途に、立命館学園が、取り組むべ き重要課題は、あらたな地平を切り開く教育・研究の展開とそれを保障する人的かつ教育 研究環境条件の整備と「ゆとり」あるキャンパスの実現に着手することです。 教育の展開では、各学部・学校において、小中高大院の一環教育である総合学園の強みを 活かし、広く日本や世界の地域から支持され、またその要請に応えられる学びの仕組みの 構築です。このためには、初年次教育を強化するとともに、国際的視点に照らして、それ ぞれの分野における専門知識とその技術の習得に加えて、不透明、不確実な時代を生き抜 くための高い教養と倫理観の育成です。厳しい競争社会で活躍できる学生を育てるには、 確かな専門知識のうえに、国際社会で通用する高いコミュニケーション能力の育成が何よ り必要で、立命館大学が長年取り組んできた小集団教育を卒業研究にまで展開して、一層 の充実を図る必要があります。教育における国際化の視点は避けて通れない課題です。G− 30に代表される国際化の課題は、立命館アジア太平洋大学(APU)にその先例を学び、 APUとの連携を強化する中で、国際化におけるリーデング大学を目指すべきでしょう。 研究は、大学院生や若手研究者も巻き込んだ重層的かつ戦略的研究政策により、世界的な 研究へと展開することです。そもそも研究は、研究者個人の自由な発想に基づいておこな われるべきものであり、研究者個人への研究基盤整備の立場から、科学研究費獲得のため の研究者個人への支援の強化は大学評価の観点からも重要です。また、わが国の発展にとっ て必要な国家戦略プロジェクトを研究政策に取り入れ、いち早く対応することが求められ ます。立命館大学で展開しているG−COEやR−GAIROなどの活動は高く評価でき、 研究成果を世界に向けて発進できる大学院教育と連動して更なる発展を図る必要がありま す。また、社会的に広い支持基盤を有する立命館大学の強みをもとに、外部資金の獲得と ともに産学連携による研究力の一層の向上をはかり、社会の期待に応えることが求められ ます。 これらの教育研究の展開には、ソフトとハードの側面から、「ゆとり」ある環境整備が必 要です。まず、教員当たりの学生比率(ST比)の改善は優先されるべき課題です。19 94年以降、BKCへの理工学部とそれに続く経済・経営学部の移転により、衣笠キャン パス、BKCとも、「ゆとり」あるキャンパスとして生まれ変わるはずでしたが、その後 の新設学部と大学院の展開により、食堂問題をはじめとして教育研究の物理的環境条件は きわめて厳しい状況にあります。今後、学習図書館構想とキャンパスアメニティの向上を 視野に入れた教育研究環境の改善は必要不可欠で、とりわけ衣笠キャンパスにおける狭隘 化は学園ビジョン「R2020」の前半期に解決しなければならない課題です。 学生・生徒の学びとともに教職員が「ゆとり」をもって教えがい、働きがいのある学園を 創造するためには、ハード面の改善の取り組みもさることながら、教職員が「ゆとり」あ る時間を生み出しうる仕組み作りに取り組む必要があります。学園政策へ全構成員の意見 の反映を担保したうえで、多キャンパスに渡る管理運営について新たな意思決定のあり方 について検討されるべきでしょう。 2005年以来、学園関係者相互間で、厳しい対立が生じ、学園としての一体感がそこな われたことは、わが学園にとってきわめて不幸な出来事といわざるを得ません。学園の創 造には教職員の理解と協力は欠かせません。今こそ、教職員が立命館の建学の精神「自由 と清新」と教学理念「平和と民主主義」のもと、一体感をもって、ひとつの目標にむかっ て協力することが強く求められています。今次の新しい総長選挙の実施により、学園関係 者相互の信頼回復の道が開かれ、立命館学園で学ぶ学生・生徒、立命館学園で教え・働く 教職員すべてが、新しい総長の下で、一致団結して、新しい教育研究の地平を切り開き、 誰もが希望に満ちた学園創造に参加されることを、切望いたします。 以上
┌─── │(前略) │今後は、各委員会答申の内容、学部・研究科・学校の教学展開、キャンパス創 │造といった議論を収斂させていく計画要綱を策定する段階に入ります。総合調 │整会議( 拡大) において計画要綱の検討を行い、学園の教職員、学生・院生 │とも意見交換をするなかで、年末/ 年度末にむけて計画を確定していく議論を │常任理事会として進めていきます。2020 年にむけた立命館の計画策定にむけて、 │教職員のみなさんには引き続きご協力をお願いします。 │ │さらに、各学部・研究科・学校・部課では、各委員会の答申について旺盛にご │議論いただくとともに、今次答申の提起に基づいて2020 年にむけた学部・研究 │科・学校の展開、各部課の行動計画の検討をいっそう進めていただくことを、 │強くお願いするものです。 │┌─── ││◎ 今次の委員会答申は、期間を設定した討議集約を行うものではありませんが、 ││答申へのご意見、ご指摘、ご質問等ございましたら総合企画課( 担当: 五坪 ││c h i - g @ s t . r i t s u m e i . a c . j p) までメール等でご連絡い ││ただきますよう、お願いします。 │└─── └───
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