「イラクから帰国された5人をサポ−トする会」
(代表世話人:醍醐聰氏)との懇談を終えて
テレビ朝日報道局「朝まで生テレビ!」
プロデュ−サ−日下雄一
テレビ朝日が企画、放送した(4・30)番組「朝まで生テレビ!」(副題:憎悪と虐殺!イラクの未来)について、貴団体世話人醍醐氏より、抗議・質問状が寄せられたことを受けて、6月17日番組プロデュ−サ−(日下雄一)とディレクタ−(山口栄一)2名と団体の3名で懇談を行いました。
(テレビ朝日としての回答は既に渡されており、懇談は「朝まで生テレビ!」番組独自の対応であり、非公開を前提としたものでした)
抗議・質問の主旨は、番組討論の参考として視聴者の意見を求める中で、インタ−ネット上に設問されたうちのひとつ「人質とその家族に対するバッシングをどう思いますか?」に対し、設問そのものが人権侵害であるとの指摘でした。
懇談は番組の企画意図、上記の質問を設定した理由等について3時間近く行われました。
醍醐氏と団体の抗議の主旨は、「バッシングへの問い」は、賛否を問う以前の人権侵害の問題であり、設問の回答選択肢の一つである「非難されて当然だ」について、設問そのものが、人権侵害の機会を提供するあるまじき行為であるとの点でした。
番組では、“バッシング”が既に大きな社会問題となっており(問題とされている中身の是非は別として)、社会問題を取り上げ、その是非、本質を問うことは、むしろメディア、とりわけ多数の国民に問い掛けるテレビメディアの役割であるとの認識を説明し、当設問を含めた論点・問題点は本討論(約3時間)に反映させ、この社会現象の背景と理由、分析、賛否、解決策などについて参考にしたいとの番組意図を説明しました。
議論は番組の意図、視聴者への影響、テレビメディアとしての責任と編集権等多岐にわたり、時に激しい議論が行われました。とりわけ、企画意図と影響の大きさ、人権侵害について多くの時間が費やされ、率直な論戦が交わされました。
この問題についてのテレビメディアの立場からの認識と団体の理解との間には、相当のギャップがあると感じざるを得ませんでした。とりわけ設問自体が、人権侵害であるとの抗議については、根本的認識の違いがあると思わざるを得ず、容易に違いの大きさは解決できないとの実感が残りました。
設問が適切だったのか、他に良い質問はなかったのかについても論議しましたが、番組としては検討した結果、上記の設問をしたのであり、ほかの案もあり得たことは認めつつも、放送の時点では妥当な問いであったと考えています。朝まで生テレビ!」は、3時間の議論の中身が番組の本意であり、全体をみて番組の主旨、意図を理解していただきたいというのが、制作側の考えであり、これについては番組のスタート以来一貫しております。
3時間近くに及ぶ論議の結果、認識、理解の差は、残念ながらこの懇談で埋められたとはいえませんが、多くの多様な意見、考えがあり、また、それを認めたうえで、率直に語り合いたいとの番組の姿勢については、今後も変えるつもりはありません。
尚、醍醐氏と団体からの抗議については、考え方の違いはありながらも、制作側にとり参考とすべき、又、耳を傾けるべきご指摘も少なからずあったことは、今後番組を作る上で、有意義であったと理解しているところです。
「朝まで生テレビ」は、今回の経験を奇貨とし今後とも多様な問題を取り上げ、
率直な論争の場を作ることに邁進したいと思います。
テレビメディアとしての責任を自覚しつつも、そうすることが、又、テレビ制作者の負うべき役割であり、開かれた民主主義と言論の自由へ寄与することになると考えるからです。
尚、当番組放送後、拘束された5人の方への批判については、「やりすぎ」を含め、「5人の行動を評価する」「悪いのは5人ではない」など、「自己責任論」へ疑問を呈する意見が多くなっているとの感触を持っている(会社に寄せられた意見、独自の番組モニタ−、マスコミ関係者との情報交換などから)ことを付言致します。
テレビ朝日報道局
「朝まで生テレビ!」
プロデュ−サ− 日下雄一
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