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http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/wr/wr-32-00c14.html
国立大学独立行政法人化問題 週報
Weekly Reports No.32 2000.12.14 Ver 1.0
独立行政法人化問題 週報 Weekly Reports No.32 2000.12.14 Ver. 1.0
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/wr/wr-32-00c14.html
(ミラーサイト http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/wr-32-00c14.html)
総目次:http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/wr/all.html
=========================内容の紹介====================================
[32-1]科学技術基本計画(案)2000.11.30について
次期5カ年科学技術基本計画の問題点について
[32-2]公立小中で20人授業について
一見すると喜ばしいニュースだが、内実は深刻な問題を孕む。
[32-3]調査検討会議議事要旨
財政会計制度委員会の最初の議事録が出た。委員の間で率直な意見交換がある。
[32-4]「東京大学「UT21会議」について
国立大学協会の設置形態検討特別委員会の議論の肩代わりとなる可能性がある。
[32-5]独立行政法人物質・材料研究機構の準備状況
中期計画には論文数等の数値目標が書かれている。
[32-6]上野健嗣氏「教育を市民の手に−−新学習指導要領の実施を中止し、21世紀にふさ
わしい教育を作ろう−−」より
2002年実施予定の新学習指導要領の危険性を強く指摘。
[32-7]国大協への署名運動の継続
国立大学協会の調査検討会議参加中止の共同要望書の署名運動を継続
[32-8]三輪定宣氏「21世紀の大学像と国立大学の独立行政法人化問題」より
国大独立行政法人化を取り巻く現状(2000.9)のコンパクトで包括的なサーベイ
[32-9]発行者「大学社会は独立行政法人化問題をどのように解決すべきか」
今年4月の法改正施行により国大制度で<国際水準の運営>が可能になったという主張。
[32-10]豊島耕一氏論説
国立大学協会の存在についての分析
[32-11]辻内鏡人氏逝去
東京4大学連合の問題点を明らかにした大学間教職員連携運動を始めた辻内氏が急逝。
==========================目次========================================
[32-1]科学技術基本計画(案)2000.11.30について
[32-1-1]共同通信ニュース(2000.11.21)より引用
[32-1-2]科学技術基本計画案(2000.11.30)目次
[32-1-3]科学技術庁に2000.12.13に提出した発行者の「意見」
[32-1-4]発行者から国会議員へ「次期科学技術基本計画の問題点」
[32-2]公立小中で20人授業について
[32-2-1]報道「来年度から主要教科で実施(yomiuri on-line)」
[32-2-2]中嶋哲彦氏(名古屋大学・教育行政学)からのコメント
[32-3]調査検討会議議事要旨
[32-3-1]調査検討会議「目標評価委員会(第3回2000.10.18)」議事要旨
[32-3-2]調査検討会議「財務会計制度委員会(第1回2000.10.19)」議事要旨
[32-4]「東京大学「UT21会議」について
[32-4-1]首都圏ネットワーク事務局「東大「UT21会議」−国大協との関連はー」より
[32-4-2](資料より)
[32-5]独立行政法人物質・材料研究機構の準備状況
[32-6]上野健嗣氏「教育を市民の手に−−新学習指導要領の実施を中止し、21世紀にふさ
わしい教育を作ろう−−」より
[32-7]国大協への署名運動の継続
[32-7-1]継続の趣旨
[32-8]三輪定宣氏「21世紀の大学像と国立大学の独立行政法人化問題」より
[32-9]発行者「大学社会は独立行政法人化問題をどのように解決すべきか」
[32-10]豊島耕一氏論説
[32-10-1][he-forum 1492] 国大協に「代表権」があるのか?
[32-10-2][he-forum 1470] 通則法に反対」という言い方の誤謬
[32-11]辻内鏡人氏逝去
[32-11-1]辻内研究室ホームページ
[32-11-2]独立行政法人反対首都圏ネットワーク事務局「辻内鏡人さんを悼む」2000.12.5
[32-11-3]岩崎稔氏から辻内鏡人氏への追悼文より
======================================================================
■意見・感想などを歓迎します。内容の間違いなどがあれば指摘してください。
#以下は発行者のコメントです。
======================================================================
[32-1]科学技術基本計画(案)2000.11.30について
http://www.sta.go.jp/shimon/cst/kihon01130.pdf
に対する意見募集が11月30日〜12月13日に行われた。41頁の詳細な計画書
に対して2週間という募集期間と800字以下という字数制限を見ると、意見を本気
で聞こうとしているとは思えない。
[32-1-1]共同通信ニュース(2000.11.21)より引用
「科学技術計画案まとまる 24兆円の投資焦点に
二○○一年度からの五年間を対象とする次期科学技術基本計画の策定作業で、
生命科学、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の四分野を重点化し、研
究システムの改革を盛り込んだ計画案が、二十一日開かれた科学技術会議総合
計画部会でまとまった。
近く国民からの意見募集を行った上で、年内に正式決定する。
現在の計画は、政府の研究開発投資額について、五年間で十七兆円を目標と
し、達成した。次期計画では二十四兆円程度を目標にしたい考えだが、今後財
政当局などと調整を進めることになり、計画案には明記していない。...
研究者の所属を流動的にし、若手研究者を自立させるべきだとして、三十代
半ばまでは原則として任期付きの採用とする制度を提唱。老朽化した大学など
千百万平方メートルの施設整備が必要としている。...」
[32-1-2]科学技術基本計画案(2000.11.30)目次
はじめに..1
第1章 科学技術政策の基本的方向..3
I . 21 世紀初頭における我が国の目標3
1 . 我が国の課題と展望3
2 . 我が国が目指すべき国の姿..4
(1)知の創造と活用により世界に貢献できる国.4
(2)国際競争力があり持続的発展ができる国.4
(3)安心・安全で快適な生活のできる国..5
3 . 科学技術と社会の新しい関係の構築5
(1)科学技術と社会のコミュニケーション..6
(2)産業を通じた科学技術の成果の社会への還元.6
4 . 第1 期科学技術基本計画の成果と課題..7
II . 科学技術振興のための基本的考え方8
1 . 基本方針.8
2 . 政府の投資の拡充と効果的・効率的な資源配分..9
第2章 重要施策の計画的な実施.10
I . 科学技術の重点化戦略.10
1 . 基礎研究の推進..10
2 . 国家的・社会的課題に対応した研究開発の重点化11
(1)ライフサイエンス分野.11
(2)情報通信分野..12
(3)環境分野13
(4)ナノテクノロジー・材料分野14
(5)エネルギー分野..15
(6)製造技術分野..16
(7)社会基盤分野..16
(8)フロンティア分野..16
3 . 急速に発展し得る領域への対応..16
II . 科学技術システムの改革..17
1 . 研究開発システムの改革17
(1)優れた成果を生み出す研究開発システムの構築17
① 競争的な研究開発環境の整備.17
② 任期制の広範な普及等による人材の流動性の向上..19
③ 若手研究者の自立性の向上.20
④ 評価システムの改革..20
⑤ 制度の弾力的・効果的・効率的運用.22
⑥ 人材の活用と多様なキャリア・パスの開拓..23
⑦ 創造的な研究開発システムの実現..23
(2)主要な研究機関における研究開発の推進と改革24
① 大学等.24
② 国立試験研究機関、公設試験研究機関、独立行政法人研究機関等..25
③ 民間企業.26
2 . 産業技術力の強化と産学官連携の仕組みの改革.27
(1)産学官連携の強化のための情報流通・人材交流の仕組みの改革.27
(2)公的研究機関から産業への技術移転の環境整備28
(3)公的研究機関の研究成果を活用した事業化の促進29
(4)ハイテク・ベンチャー企業活性化のための環境整備29
3 . 地域における科学技術振興のための環境整備30
(1)地域における「知的クラスター」の形成.30
(2)地域における科学技術施策の円滑な展開.30
4 . 優れた科学技術関係人材の養成とそのための科学技術に関する教育の改革31
(1)研究者・技術者の養成と大学等の改革..31
(2)技術者の養成・確保.32
(3)研究者・技術者倫理の確立32
5 . 科学技術活動についての社会とのチャンネルの構築.33
(1)科学技術に関する学習の振興33
(2)社会とのチャンネルの構築34
(3)研究機関・研究者の説明責任34
6 . 科学技術振興のための基盤の整備34
(1)施設・設備の計画的・重点的整備..34
(2)研究支援の充実..36
(3)知的基盤の整備..36
(4)知的財産権制度の充実と標準化への積極的対応37
(5)研究情報基盤の整備.37
(6)ものづくりの基盤の整備.38
(7)学協会の活動の促進.39
III . 科学技術活動の国際化の推進..39
1 . 主体的な国際協力活動の展開39
2 . 国際的な情報発信力の強化.39
3 . 国内の研究環境の国際化40
第3章 科学技術基本計画の着実な実行と総合科学技術会議の役割41
1 . 重点分野における研究開発の推進41
2 . 資源配分の方針..41
3 . 国家的に重要なプロジェクトの推進..41
4 . 重要施策についての基本的指針の策定.42
5 . 評価42
6 . 基本計画のフォローアップ.42
[32-1-3]科学技術庁に2000.12.13に提出した発行者の「意見」
「当該科学技術基本計画には重大な欠陥がある。日本の研究者社会の協力体制
を弱め、日本社会総体の研究能力の質を急速に低下させるリスクが高い。
知の創造と活用により世界に貢献できる国、国際競争力があり持続的発展が
できる国、安心・安全で快適な生活のできる国を目指すことは良い。その目的
のため、科学技術と社会のコミュニケーションを深め、産業を通じた科学技術
の成果の社会への還元すべく、科学技術の重点化戦略、基礎研究の推進、国家
的・社会的課題に対応した研究開発の重点化を計ることも妥当であろう。それ
には、科学技術システムの改革と 研究開発システムの改革に取り組むことも
必要なことは言うまでもない。しかし、具体的な改革計画に問題がある。
改革の具体的方針は、競争的な研究開発環境の整備/任期制の広範な普及等
による人材の流動性の向上/若手研究者の自立性の向上/評価システムの改革/
制度の弾力的・効果的・効率的運用/人材の活用と多様なキャリア・パスの開
拓/創造的な研究開発システムの実現、などとなっているが、通底するものは
「競争原理を徹底すれば研究活動が活性化する」なる仮説への依存である。
当該仮説は検証されていないし、ニュージーランドでは反証されている。こ
の仮説を盲信し15年前に大学・研究機関の企業化を断行したニュージーラン
ドでは、知識や情報の囲い込み現象が起こり研究機関間の協力関係が薄くなる
とともに、経年的な研究者意識調査によれば、大学の大多数の研究者の志気は
明白に低下している。
当該科学技術基本計画は、研究者社会全体の協力体制を根底から衰退させる
欠陥を伴っている。それは構造的なものであり「研究者の倫理」のような精神
主義で克服できるような性格のものではない。徹底した競争原理がもつ致命的
リスクを見据えた上で計画全体を再検討することが日本社会の未来に責任ある
ものに強く要求される。」
--------------------------------------------------
[32-1-4]発行者から国会議員へ「次期科学技術基本計画の問題点」
(メールアドレスを持つ約400名の議員に送付)
「国会議員の皆さまへ
次期の科学技術基本計画がまもなく確定しようとしています。
大きな国家予算を投入するものでありながら重大な問題があります。科学技術庁科学
技術政策局科学技術基本計画室の意見募集
http://www.sta.go.jp/shimon/cst/boshu01130.html
に応じて提出したもの転送しますので一読くださいますようお願いします。その上で
計画を慎重に吟味され、日本社会の未来へ禍根を残すような計画とならないよう、超
党派で努力してくださいますようお願い致します。
なお、若干補足させていただきます。
1996年から5カ年の17兆円の政府研究開発投資計画によって、ブレークスルー
がいくつかありましたが、重要な点は、億単位の研究費によってブレークスルーが生
まれたのではなく、貧弱ではあるが経常研究費によって長年に亘って、曖昧模糊とし
たアイディアを育んできたからこそ、多額な研究費を生かせてブレークスルーが実現
したのだ、と複数の研究者が証言していることです。
次期基本計画は経常的研究費は競争へのインセンティブを殺ぐものと見なし、競争的
研究費へ全移行する方針を打ち出しています。人海戦術でやるような研究分野は確か
に成果が増えると思いますが、ブレークスルーが将来日本で生まれる可能性は大幅に
縮小されると思います。
経常研究費をなくす(だけでなく任期制などで身分まで不安定にする)政策は、生活
を賭して競争する環境を作れば研究効率が上がるという未検証な仮説に基づいていま
す。夢を育くみ冒険を可能にする安定した研究空間を滅ぼし「科学技術立国」なるも
のすら空洞化させてしまう危険性の方が高いと思います。
なお、もう一点補足させていただきますと、(闘技場的意味での)競争的環境への耐
性と、研究者としての創造性とは、人間的な素質としては独立していますし、私の知
りあった研究者を観察する限り、むしろ相反するものであると思われます。研究者を
闘技場的環境への耐性力でまず篩いにかけ、その後で研究能力で篩いにかけるのは、
日本社会の潜在力を引きだす方法としては構造的に欠陥があり、国家戦略としては、
あまりに問題が大きいと思います。」
--------------------------------------------------
[32-2]公立小中で20人授業について
[32-2-1]報道「来年度から主要教科で実施(yomiuri on-line)」
00c/04-monbu.html
「公立小学校と中学校の国語、算数などの主要教科の授業を、通常の学級とは別に二
十人程度の少人数グループで行う新制度が二〇〇一年度から導入される見通しになっ
た。文部省が少人数授業の導入を目指して、来年度予算に要求している教職員定数の
改善(増員)計画について、大蔵省が大筋で認める方針を固めたためだ。文部省は少
人数授業に合わせた教員の配置を来年度からスタートし、五年後に少人数授業を全国
で完全実施する考えだ。
5年で全国実施目指す
少人数授業の教科は、英語、算数(数学)、国語、理科などの主要教科の中から、
各都道府県が3教科を選び、2学級の児童・生徒を3グループに分けて、20人程度
の編成で授業を行う案が有力になっている。 ...
公立の小、中学校は現在、授業などほとんどの活動が「学級単位」で行われている
。しかし、文部、大蔵両省は、現在の「40人学級」体制のまま、画一的な授業を改
革して学習効果を高めるには、教科に応じてグループを編成する少人数授業が効果的
と判断した。
文部省は来年度予算の概算要求で、少人数授業の実施のため、2005年度までの
5年で計2万2千5百人の教員を増員する「教職員定数改善計画」を求めている。初
年度分としては、小・中学校で計4千5百人の増員を要求している。
教員給与など国庫負担金の要求総額は、前年度当初比703億円増の3兆936億
円となっている。
大蔵省は、少人数授業の導入を認める方針ながら、要求の増員数については厳しく
査定する。財政負担の少ない非常勤講師や、教務主任などで授業を行っていない教員
の活用により、予算の圧縮を強く求める見通しだ。
教員の定員数は児童・生徒数に応じて算出されているため、現状では少子化の影響
で減少する見通しになっている。しかし、少人数授業が導入されると、実際の教職員
数がほぼ横ばいとなる可能性がある。
このため、教職員定員をめぐる予算折衝の最終決着は、政府案決定の直前まで持ち
越される公算が大きい。」
-----------------------------------------------------------------
[32-2-2]中嶋哲彦氏(名古屋大学・教育行政学)のコメント
「少人数学習集団を実現するために、5年間で22500名の教職員定員増をするという
ニュースは、読み取り方が難しいと思っています。
私は愛知県犬山市で教育委員を兼職しています。犬山市では国の計画とは別に以前
より、主要教科の少人数学習を実現するために、市独自予算で非常勤講師を採用する
ことを計画しています。市内14の小中学校に具体化策の作成を求め、それをもとに非
常勤講師の必要数を算出したところ、今のところ新たに13名の非常勤講師任用が必要
であることが分かりました。来年度を試行期間とし、再来年度から本格実施する予定
です。
国の増員計画が実施された場合、これにより来年度犬山市に配分される教諭は2名
程度と推測されます。非常勤講師ではなくフルタイムの教諭が配置される点はありが
たいのですが、実際には完全実施されたとしても必要数には満たない可能性が高いの
です。22500名というのは、やや中途半端な数字ということになろうかと思います。
そこで、実際には教諭の定数を崩して非常勤講師を任用することになるのではない
かと予想しています。つまり、教諭の週当たりの勤務時間数は40時間ですから、この
ポストを使って週当たり20時間の非常勤講師を2名任用し、主要教科に配当するとい
うことです。これを「定数崩し」と呼ぶのだそうで、高等学校ではすでに行われてい
るとのことです。
これには問題があります。
1 非常勤講師は授業時間単位での雇用になりますから、授業が終われば帰ってい
く、または別の学校の授業に向かわなければならない。生徒との交流や、他の
教職員との連携が困難です。
2 不安定雇用の教職員を大量に生み出すことになる。
犬山市のプランも非常勤講師任用ですから、2の問題は共有しています。1につい
ては授業時間以外に連絡調整等の時間を勤務時間化できるよう検討しています。
なお、これとは別に、学級集団を主要教科の少人数学習集団に再編成する際の編成
基準が問題になります。教科ごとの能力別編成が導入されてしまう可能性があること
を危惧しています。犬山市では教育委員会の方針として能力別編成はせず、能力混合
集団を維持することを確認しています。
限られた財源の中で定員増が行われることは教育行政の教育条件整備義務の遂行と
いう点から一定の評価もできるかもしれませんが、かなり問題が多い施策だと思いま
す。本来は、学級編制基準を改めて、学習集団ではなく、学級の規模を小さくすべき
ところです。(学級とは別に学習集団を組織し運営することに伴う困難も見逃すこと
はできません。また、どういう方を採用するかという点も重要で、ベテランの方でな
いと務まらない仕事になると予想しています。)
これまでの地方教育行政は、国や都道府県の教育政策に対して受動的な立場を法制
的にも事実の上からも強いられてきたし、そこに安住してきたと思います。しかし、
「地方分権」スローガンの下で、都道府県教育委員会や市町村教育委員会がほんとう
にその責任を果たしているか、その能力と主体性が問われなければならないと思いま
す。」
[32-3]調査検討会議議事要旨
[32-3-1]調査検討会議「目標評価委員会(第3回2000.10.18)」議事要旨
http://www.monbu.go.jp/singi/chosa/00000495/
[32-3-2]調査検討会議「財務会計制度委員会(第1回2000.10.19)」議事要旨
http://www.monbu.go.jp/singi/chosa/00000500/
#かなり率直な意見交換がなされている。ぜひ読んでいただきたい。
【財務会計制度委員会委員】
石 弘光(一橋大学長)
江口 吾朗(熊本大学長)
大崎 仁(国立学校財務センター所長)
樫谷 隆夫(日本公認会計士協会常務理事)
勝方 信一(読売新聞社編集委員)
桐村 晋次(古河物流株式会社代表取締役社長)
児玉 隆夫(大阪市立大学長)
菅原 寛孝(高エネルギー加速器研究機構長)
鈴木 章夫(東京医科歯科大学長)
武田 建(学校法人関西学院理事長)
本間 正明(大阪大学大学院経済学研究科教授)
宮島 洋(東京大学大学院経済学研究科教授)
宮本美沙子(日本女子大学長)
宮脇 淳(北海道大学大学院法学研究科教授)
山田 家正(小樽商科大学長)
若松 澄夫(北海道大学事務局長)
【財務会計制度委員会関係者】
小川 浩平(東京工業大学大学院理工学研究科長)
上野 一彦(東京学芸大学副学長)
細谷 昌志(大阪外国語大学副学長)
道上 正規(鳥取大学副学長)
(以下は発言の一部。連続した発言ではない。)
○99の国立大学が存続するようなことを考えていいのかという問題を提起され
たが、国立大学の役割を高等教育と研究という風に考えたとき、こと理科系に
関する限り現在まで国立大学が果たしてきた役割は非常に大きいものがあった
と思う。しかし、理科系に限らず21世紀を考えたときにどの分野にしても非常
に規模の大きいものになっていく可能性がある。医学が既にそうであるし、生
物学全体がそうだと思う。高等教育そのものをとれば、私学、公立、国立、そ
れぞれに重要な役割があると思う。特に地域社会に対する貢献と言った観点に
立てば、これは国立大学の役割であろうし、いろいろな形での対応性のある人
材の養成という意味での私立大学という役割は非常に重要と思うが、今後の国
際競争力、特に学術研究、科学技術研究という観点に立つと国の役割というも
のが非常に大きく、かつ、重要になってくると思っている。
そうした観点から考えると国立大学は、ある一定規模を確保する必要がある。
今後、議論を積み重ねていくことになるが、これは必然的にある一定規模の入
学者数を確保出来るような総合大学でないと今後の国際競争力のある大学とい
う役割は果たせないと思っている。
財政会計制度を考える上においても、国際競争力のある学術研究、科学技術
研究を担い、かつ、高等教育を担うという観点で、ある一定の規模を確保した
上での財務会計というスタンスを取り、全ての国立大学が今後存続するという
ようなことを念頭に置かないことが非常に重要と思っている。
○ 民間企業の会計制度は、この2〜3年で極端に変わってきており、会計が表
舞台に出ることによって企業の行動が変わってしまうようなことが実際に起こっ
ている。例えば、退職年金の会計制度が出来ると巨額の負債が見えてくるとい
うことである。会計と言うと今までマイナーなイメージがあったが、この2〜3
年、新聞記事の中でも、会計のことが一面に出ているというような状況になっ
ている。会計制度のある意味での恐ろしさを理解し、一種のインフラとしてき
ちっと整備するという観点から会計制度を議論する必要があると思っている。
○ 大学に関係する我々がインサイダー的に予算を取る担保として、財務会計
を議論した場合にどれだけ応援団があるかどうかという問題、つまり、インサ
イダーのある種の談合的な議論はしないほうがいい、ディスクロージャーも含
めてきちんと正当性ある形での議論を積み上げておいた方がいい、これを当面
の我々のスタンスとして確認していく必要があるのではないか。
国立大学協会における今までの議論は、継ぎはぎだらけで、身内を納得させ
るためにいい所だけを整理をして、そこで本質的に矛盾しているようなところ
を放置した形で議論を展開をしている。本委員会の議論は、皆が気にするよう
な所をタブー視して触れないでインコプリートな形でこれを提案して、どこま
で受け入れてくれるのですかという形で議論を本当にしていいかどうか、まさ
に、高等教育の公共性をどういう具合に我々が主張するかという問題と関連し
てくるわけで、ご都合主義の提案・提言をするべきではないと考えている。
そうすると、予算制度の抜本的な部分に関わってくる。国立大学特別会計と
いうものの存続を前提にするのか、今の方法がいいのかどうかということから
始まって、新しい制度にどのような方向で変えていくか、そのときに私立との
関係で言えば、私立は私学振興財団を通じて補助金的な形でやっているお金の
流れ方と国立大学に流しているお金の今の付け方、そして運営費交付金という
のは使途が限定されない一般的な形での自主財源になり、同じ国からの財政支
出が一方は依存財源に一方は自主財源になるとか、いろいろな点に関連が及ん
でくる。
その配分のルールというときに評価の問題が一体どのような形で関与するの
か、また、例えば、地方交付税交付金のように明示的なルールとして設定する
のか、理念的な面では競争的にいくのか、あるいは今までと同じようにあまね
く公平に教職員の数だけでやるのかそういうようなことが制度設計の理念と結
びついてくる。
○競争原理を導入するというのは一つの重要な視点だと思うが、何を競争する
のか。研究面はいろいろな制約を外して国からの競争的資金を増やし、国立大
学の対応の鈍いシステムを改革していくというようなことで競争というのは大
いに出来ると思うが、教育面の競争というのは何なのか。それとファンディン
グをどう結びつけるか、つまり、学生を自由にとっていいということで学生の
獲得競争ということになると、そもそも学生の獲得競争が望ましいかどうかと
いうことになる。これを是として全面競争というものを考えると、それこそ、
国公私の競争システムをどう構築するかということにならざるを得ないと思う。
何を目標に何を競争するのかということで競争システムは自ずから固まって
くる。大学は一定の数の学生を教育するということでできている以上、それを
教育するための資源というのは国の金と授業料しかないわけで、そこのところ
を競争的にするというのは無理ではないか。つまり、金に関して言えば競争的
部分と安定した経営が出来る部分というのを二分割して考えないと混乱するの
ではないかと思う。」
[32-4]「東京大学「UT21会議」について
[32-4-1]首都圏ネットワーク事務局「東大「UT21会議」−国大協との関連はー」より
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/UT21.html
「東京大学は、「東京大学21世紀学術経営戦略会議(UT21会議)」を設置し、精
力的な検討を開始しました。この「UT21会議」は、東大における「東京大学のあ
るべき姿の検討とその実現方策(実施計画)の策定」に留まらず、現在、国大協「設
置形態検討特別委員会」で進められている検討項目・内容に大きな影響を与えること
は必至であります。
国大協は、11月30日の「設置形態検討特別委員会」で「基本的考え方」を討議
したもようで、この「基本的考え方」を来年3月までにまとめたいとしています。な
ぜ、3月なのか。「UT21会議」の2つの委員会も3月までに評議会上程というこ
とで、国大協の日程と重なります。それは、蓮實東大総長(国大協会長)の任期が来
年3月—東大の次期総長は12月21日に決まりますーまでだからです。さらに、国
大協執行部の有力学長の何人かも3月末、4月末交代です。従って、東大も国大協も
現執行部での「責任」は、果たしておきたい(次期学長、会長をしばらない)という
ことであろうと思われます。4月からの国大協の会長人事をどうするのかー平時だと
副会長が会長代行をし、6月定例国大協総会で会長を選出するのだが・・・。7月に
文部省「調査検討会議」の中間報告が予定されている中で、一番大事な時期に「会長
代行」では、国大協の舵はとれないと思います。ましてや、「独法化」急先鋒の副会
長が会長代行にでもなったら、それは悲惨です。4月以降の国大協会長人事は、重大
な関心ごとであります。
東京大学の「UT21会議」の内容と国大協の動向から次のことが推察されます。
・「東大憲章」が全国大学の「大学憲章」作成のモデルとなると思います。現在、
「名大学術憲章」(名大HP掲載)があるのみです。大学憲章は、その大学の基本理
念、特質などを明確にするという点だけであれば、なんら問題ないと思います。しか
し、「通則法」の枠内での「大学憲章」は、「通則法」を糊塗する役割をはたす危険
性があることに留意すべきだと思います。
・「UT21会議」は、「法人化した場合の条件整備」、「国立大学法人法大綱の
制定」を今年中、来年3月までとしていることに注目せざるをえません。今回の「U
T21会議」の一連の文章から「独法化」という言葉が消えた印象を受けるが、東大
の「国立大学制度研究会報告」は、「通則法」の枠を超えていませんので、その真意
がわかりません。むしろ、東大として、「通則法の枠内でなく、東大が良いと思う法
人化をめざす、それが認められないなら東大は国立のままで良い」というようなわか
りやすい態度表明をしてほしいと思います。
・これまでの事例からすると、東大の「教授任期制」導入が、国大協、他大学の引
き金になる可能性があることから「教授任期制導入」にも十分留意する必要があるよ
うに思います。
[32-4-2](資料より)
「2.会議の検討方針
・文部省、国大協等において様々な形で検討されている設置形態の議論のなかで、東
京大学のとるべき姿勢の選択は、今後、東京大学が総体としての力をどのように発揮
できるかにかかっている。例えば、外的制御の道具として最も悪用されうる運営経費
について、仮に東京大学がその総意として、「自由な発想による教育研究と如何なる
ものにも制約を受けない自由な発言力を保持することを重視し、現在の基盤経費(教
育経費+最低必要経費(生活費))を保障するため、競争的資金等の一部をプールし
基盤経費の確保に活用する」ことを合意するなら、部局の利害得失を離れた総体とし
ての判断にたつことができ、本学の設置形態の論議に対する姿勢は、堅牢な後ろ盾を
得ることになる。同時に、東京大学が一個の有機体としての力を発揮できる組織的機
能を整備することは、法人化の制度設計にあたっても、きわめて強固な鉾を得ること
になる。
・従って、東京大学が早急に行うべきことは、東京大学が如何なる設置形態の下にあ
ろうとも、学問自由、部局と大学の自治を総体として堅持しうる態勢を固めることで
あり、そのための合意を形成することであると考える。
・東京大学の将来を構想しつつ合意を形成するためには、先に提案した9つの小委員
会はいずれも必須の視点を担う委員会であることを再認識する。ただし、このことは
現執行部の責任期間を超える来年度以降の本会議の在り方を少しも規定するものでは
ない。
・この備え立ての上で、大学法人制度を検討することは、磐石の備えを得ることにな
る。」
[32-5]独立行政法人物質・材料研究機構の準備状況
中期目標(4頁)
http://union.727.net/new/kinzai-mokuhyo.pdf
中期計画(22頁)
http://union.727.net/new/kinzai-chuki.pdf
中期計画には数値目標が数多く挙げられている。例:
「・萌芽的研究の重視
研究の活性化を図るため、所内公募による競争的環境の下で、次期プロジェクト等の
シーズとなり得るもの、先導的でリスクが大きな研究で比較的少人数で実施するもの
等萌芽的研究として行う。研究機関は3〜5 年とする。また、評価は内部評価によ
るものとする。研究成果の口頭または誌上による発表は、平均600 件/年を目標
とする。
・研究成果の普及及び成果の活用
機構において得られた成果の普及と活用を目的として、1.2 に記載した研究基盤・
知的基盤を有効に活用していくとともに以下のような知識戦略事業を推進していく。
成果普及・広報活動を推進していく。
①研究発表
外部への研究成果の発信のため、学協会等での発表を積極的に行うこととし、口頭・
誌上を併せて平均で2,600 件/年の発表を実施する。また、様々な国際シンポ
ジウム、研究成果発表会等の開催を行う。
・・・
・技術移転の促進
新産業創出に向けて機構を活性化し技術移転を促進するため、特許出願については国
内・国外を併せて160 件/年を実施する。重要性の高い事業は鋭意、プロジェク
ト化することにより、成果の実用化も踏まえた研究実施を図るとともに、取得特許の
実施のためJST などの制度の活用を図る。」
[32-6]上野健嗣氏「教育を市民の手に−−新学習指導要領の実施を中止し、21世紀にふさ
わしい教育を作ろう−−」より
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/ac-net/00c/08-ueno.htm
【学習指導要領がかかえる構造的問題】
これまで、学習指導要領は機械的に十年毎に改訂されてきた。改訂の際、前の指導要
領のどの点に問題があり、どの点はよかったのかが全く議論がされない。そのために
、真に改良すべき点が見落とされ、どの単元を採用し、単元をどのように配列するか
にのみ焦点が当てられてきた。今回の改訂では内容を厳選するという中教審の方針が
いつの間にか内容の3割削減となった。この3割という数値をどこで誰が決めたのかさ
えはっきりしない。内容を厳選することは必要であろうが、それは初等・中等教育に
おいて生徒が学ばなければならない内容は何かという議論から決まることであって、
最初から3割削減という数値がでてくること自体が、指導要領の改訂がきわめて非科
学的、政治的なものであることを意味している。
...
【我が国の「教科教育」が抱える構造的問題】
この指導要領の形式的改訂を支えているのが、我が国独特の「教科教育」のあり方
である。各「教科教育」は一種の独立王国として君臨し、互いに内政不干渉の立場を
とる。今回の改訂のように、授業時間数の削減が迫られるときに、この考え方は威力
を発し、全ての教科の授業時間が一律に削られるということになる。それは、各教科
の先生の数を減らされたら困るという政治的な背景がある。教育改革は子供のために
ではなく、大人の都合のためにあるといわれても、仕方がない現状がある。
さらに、学校教育でも教科の壁は高い。それぞれの教科で単なる知識の詰め込みの
みが行われ、各教科の知識を有機的に結びつけて考える授業が行われていない。知育
偏重教育といわれるが、実は知育がきちんと行われていないのが現実である。新指導
要領では新しい試みとして「総合的な学習の時間」が創設されることになっている。
私たちは日本総合学習学会
http://www.kusm.kyoto-u.ac.jp/~jaise/
を創設し場の先生がたの支援を行っているが、教科の壁を壊して真の知育を行おうと
する試みは少ない。現状では、「総合的な学習の時間」が単なる体験学習やお祭りに
終わる危険性が極めて高いことを指摘しておきたい。
【教科書検定がかかえる構造的問題】
・・・
今回の指導要領の改訂では、教科の内容が3割削減されたので、教科書のページ数
を3割削減せよという文部省の強い指導があると噂されている。教科内容を削減した
のであれば、現在のページ数は最低限確保して、説明を詳しくし、また進んだ内容を
付け加えるべきである。教科書に進んだ内容を記すことを禁止する文部省の説明は「
教科書に書いてあることを教師はすべて教えようとするから」と説明するが、その一
方で、「学習指導要領の理念が今回から変更されて、学校や生徒の実情に応じて進ん
だ内容を教えてもよい」としている。その際、進んだ内容に関しては教師がプリント
等を自ら用意すべきであると文部省は説明する。しかし、これでは、意欲のある生徒
がいても、先生に意欲がなければ生徒は進んだ内容を勉強する機会を逸する。生徒が
自習できるように、教科書に工夫をすることこそが、こうした問題を解決する方法で
ある。
【「ゆとり」を奪った「ゆとり教育」】
学習指導要領の内容が希薄になっていくもう一つの原因は、文部省の進めている「
ゆとり教育」にある。教育における「ゆとり」というのは、生徒がじっくり考え、理
解を確実にするためにある。生徒がどこでつまづいているかを先生が授業できちんと
把握し、先生の手助けのもとで生徒自らがつまづきを克服することが大切である。そ
のためには、授業時間数を増やす必要がある。それが「ゆとりの時間」である。とこ
ろが、文部省の「ゆとり」は授業内容を減らすだけでなく、授業時間をも減らすこと
にすり替えられてしまっている。減った授業時間が文部省の「ゆとりの時間」である
が、この「ゆとりの時間」はテレビを見る時間に使われているという調査結果がでて
いる。「ゆとり教育」には誰もが賛成する。しかし、実際には文部省の「ゆとり教育
」の結果、授業時間数が減り、生徒は駆け足で学習しなければならなくなり、理解が
一段と不確実なものとなってしまっている。その結果、塾が繁盛し、子ども達はます
ますゆとりを失っているのである。
【経済大国日本の責務】
...私たちは、地球の将来に対して大きな責任を負っている。その責任の一環とし
て、21世紀の主役である子ども達に、できうる限りの優れた教育と教育環境を与える
義務がある。我が国では、あと2兆円毎年教育に投資すれば、少人数学級を実現して
優れた教育環境を作ることが可能であるといわれている。世界で活躍する人材の育成
に寄与することは、公共事業で景気の建て直しを行うよりはるかに大切で価値のある
ことではなかろうか。
【教育を市民の手に】
1. 新指導要領の実施を中止しよう
以上のように欠陥だらけの新指導要領を2002年から実施することを中止し、指導要
領について幅広い国民的議論を起こす必要がある。すでに述べたように、新指導要領
実施中止の署名運動がインターネット上で行われている。
http://www.naee2002.gr.jp/
読者の方々の積極的な支援をお願いしたい。...
2. 指導要領にとらわれない教科書、参考書を作ろう
教育を市民の手に取り戻すためにも、学習指導要領にとらわれない教科書作りを提
唱したい。各教科間の連絡を密にして、相互に学習できる教科書が必要である。たと
えば...
その際、大切なことは、大人も興味をもって読める教科書であるともに、基礎基本
に徹することである。今日の科学技術文明を全て理解し尽くすことは不可能である。
しかし、後に必要になったときに自分で勉強することのできる基礎を与える教科書で
あることが重要である。
また、現代の高度に発達した科学技術を、科学者はもっと分かりやすい形で世の中
に伝えることを真剣に考える必要がある。とくに、小・中・高校の先生方が読んで授
業の参考になる本の出版、教科書の記述を拡げ学問の広がりが分かる形の解説の出版
が強く望まれる。これは、今すぐにでも実行することが可能である。本の形で出版す
ることが難しい場合でも、電子的に資料を提供することはいつでも可能である。
子ども達に質の高い勉強のできる環境を整えることは私たちの義務である。文部省
に期待できない以上、私たちの手で実質的な教育改革を行う必要がある。我が国が生
き残ることができるために残された時間はわずかしかないが、叡智を出し合って問題
を解決していくことは可能であると思う。」
[32-7]国大協への署名運動の継続
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/kdk-shomei/
佐賀大学の豊島耕一です.(佐賀大学理工学部,toyo@cc.saga-u.ac.jp)
「国大協への署名運動」について,世話人の辻下,野田,私の3人で相談いたしま
して,さらに継続を呼びかけることにしました.第4次の集約を2001年1月末に
行いたいと思います.多くの方々のご賛同,ご協力をお願いします.
呼びかけ人のリスト,最初の呼びかけ文,署名者のリストなど,この運動の詳細につ
いては次のサイトをご覧下さい.
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/kdk-shomei/records.html
今回の呼びかけ文などは次にあります.
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/kdk-shomei/index.html
[32-7-1]継続の趣旨
「国大協への署名」を引き続きお願いします
北海道大学 辻下 徹
岡山大学 野田 隆三郎
佐賀大学 豊島 耕一
今年の6月に国大協が,「独法化」を前提とした文部省の「調査検討会議」に参加
を表明したことに対し,これは事実上の独法化容認であるとして,その撤回を求めて
署名運動を行ってきました.そして去る11月15日国大協総会開催日に,681名共同
で要望書を国大協会長と出席学長に提出致しました(注).しかし未だ国大協の態度
は変わっていません.そこで改めてさらに多くの皆さんに,この署名への賛同をお願
いします.
この会議への参加は,マスコミによって「事実上の独法化受け入れ」と報じられて
います.国大協は「独法化反対の姿勢は変わらない」と言っているにもかかわらずこ
の報道に対して何の抗議もしていません.このような姿勢は国民に理解してもらおう
という努力を放棄するものです.その後の新聞などの「国立大の独立法人化が事実上
決定」というような,すでに動かし難いものであるかのような報道がくり返されるこ
とに対しても国大協はこれを放置しています.
調査検討会議もこれまでの自由討議,いわばガスぬきの前置き部分が終わり,今後
は実務的な議論に移って行くものと思われます.国立大学の「独立行政法人化」を前
提にしたこの会議に留まり続けることは,否応なしに国大協をこの政策への本格的な
協力者に変えていくでしょう.会議の中で本質的な変更をさせうると考えているとす
ればそれは自己過信ですし,他方今の段階で「条件闘争」しかないと判断するのは逆
に運動の自主規制ないし自主撤退に他なりません.
このままでは憲法や教育基本法ににかかわるこの問題の本質が国民の前の「テーブ
ル」にのせられることなく,制度論の狭い枠内の議論に終わってしまいます.それを
避けるには国大協は「調査検討会議」から離脱することで国民に対して「独法化」拒
否の鮮明なメッセージを送らなければなりません.そして会則4条の「国立大学相互
の緊密な連絡と協力をはかることにより、その振興に寄与する」という会の目的に沿っ
て,国立大学の振興策を練り上げる努力をこそするべきです.
さらに多くの方の賛同で国大協に再考をせまり,「調査検討会議」参加を軸とした
国大協の変節にブレーキをかけ,独法化阻止の展望を切り開きましょう.
2000年12月12日
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[32-8]三輪定宣氏「21世紀の大学像と国立大学の独立行政法人化問題」より
(日本科学者会議常任幹事会報告2000.9.30)
現状の全貌をコンパクトに鮮明にまとめている。
text 版
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/009/30-miwa.html
「..これに対し、「国民のための大学づくり」を合言葉とする大学改革運動は、憲
法・教育基本法の定める人類普遍的原理ー「学問の自由」「教育を受ける権利」の保
障(憲法)、「文化的な国家」建設による人類社会への貢献、「教育の機会均等」の
実現、「不当な支配」の排除と国民への直接責任の遂行(教育基本法)などの理念の
もとにすすめられてきた。そこでは、学生参加を含む大学の自治・全構成員自治の確
立、教育研究の充実と共同、教職員の地位・権利の確立、大学の格差是正・拡充と教
育研究条件の整備、大学への国民参加、地域にねざす教育研究活動、国民に対する責
任の遂行、入試改革や希望者全員入学、学費軽減・無償化と奨学金拡充、大学財政の
飛躍的拡充と財政自主権の確立、などの諸政策を掲げ、大学を真に国民に奉仕し、開
くさまざまな改革を提起してきた(『21世紀の大学像を求めて』、日本の教育改革
をともに考える会『21世紀への教育改革をともに考える』2000年、フォーラム
A、参照)。」
[32-9]発行者「大学社会は独立行政法人化問題をどのように解決すべきか」
琉球大学教授職員会講演会2000.12.8
00c/08-tjst.html
【講演要旨】
「国公立大学の独立行政法人化により学問の自由は法的保障を失う。学問の自由の衰
退に無頓着な行政の過失を未然に防ぐことは学術教育関係者に課せられた緊急課題で
ある。独立行政法人化は大学自身が受け入れない限り実現しない。国立大学制度に踏
みとどまりグローバルスタンダードの運営体制により世界の人々に貢献できる大学を
目指して解決を模索することが可能である。緊急的には、各大学の学長が当該目的の
実現のために4月より強化された法的権限を行使することを英断し学生を含む全構成
員参加の運営による内発的活性化を推進すること、長期的には学術教育関係者が社会
に向けて胸襟を開き、学問の自由の真の価値を日本の人々一人一人の目に見えるもの
とすること、それが真の解決には欠かせない。」
[32-10]豊島耕一氏論説
[32-10-1][he-forum 1492] 国大協に「代表権」があるのか?
国立大学の「独立」行政法人化について,国大協があたかも国立大学全体を代表
するかのように振る舞っていますが,果たしてこれには正当性があるのでしょうか.
たしかに全国の国立大学の包括的な合議体としては国大協が存在するだけなので,
これには一見疑いがないようにも思えます.しかしその会則を見ると疑問が生じま
す.会則の第4条は国大協の目的を次のように規定しています.
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/net/nethefo978.html
第4条:協会は、国立大学相互の緊密な連絡と協力をはかることにより、その振興に
寄与することを目的とする。
「その振興」の「その」はもちろん国立大学を意味します.この場合,「国立」
大学としての振興か,それとも一般に大学としての振興か,とで意味上の重大な分
岐があります.前者であれば,国大協が国立大学を国立大学でなくすような決定や
活動に関わることはできないはずです.しかしもし後者であれば可能でしょう.ど
ちらの解釈が正しいのでしょうか.
会則が今日のような事態と「議題」とを予測していないのはたしかでしょう.ま
た国大協はそのような重大な議題を扱うにはあまりにも粗末な組織です.なぜなら,
それは単に「学長会議」にすぎず,国立大学全体の死活に関わるような案件を処理
するのに最低限必要とされるであろう「民主的な代表制」という条件を備えていな
いからです.したがってそのような目的には不適格なのです.言い換えると,第4
条の「その」の意味がどうであれ,組織の実態からしても,独立行政法人化問題に
ついて結論を出すような行為は,会の権限と能力の範囲を超えている,すなわち規
約4条にもとる行為であると見なされるのではないでしょうか.
規約の第5条を見てもこのことは明らかでしょう.
第5条:協会は、前条の目的を達成するために、次に掲げる事業を行なう。
(1)国立大学の振興につき必要な調査研究
(2)研究及び教育における大学相互の協力援助に関して必要な事業
(3)前2号に掲げるもののほか協会の目的を達成するために必要な事業
「独立」行政法人化への同意(するとすれば)は「調査研究」ではないので項目1に
は該当せず,もちろん項目2にも該当しません.したがって項目3にこじつける以外
にありません.そうすると4条の「目的」と衝突するかも知れないのです.
国大協がこれまで独立行政法人化反対を表明してきたのが4条に適合するのは自
明です.しかし「自己否定」はふつう,まず自らの組織を解散するのが先決です.
このような目的外の決定がある組織に許されるとしても,それは,代わるべき決定
方法をとることができない緊急にしてやむを得ない場合に限られるでしょう.
ここまで読まれて,このような主張は単なる手続き上の難癖だろうと思われる人
も多いかと思います.そうではなく,私が主張したいのは,もしこのような重大な
意志決定を国立大学全体として行うのであれば,それにふさわしい手続きを取るべ
きだ,ということなのです.各大学に一票しかなく,またそれぞれの意見集約の手
続きも不明確というのでは国立大学の構成員全体の意見を正確にまとめることは出
来ません.「独立」行政法人化への賛否が大学ごとにまとまっている(または偏っ
ている)というわけでもないからです.だいいちメンバーが学長だけですからその
年齢構成は非常に偏っているはずです.委員会があるといっても,その任命権はす
べて学長にあるのです.
どうしても「独法化」の是非を国立大学として決めなければならないとすれば,
例えば,各地域ごとに各大学から数名ないし十数名を選出して「合同評議会」のよ
うなものを構成して審議し,それを全国で持ち寄る,というような本格的な意見集
約の手続きを踏むべきでしょう.つまり,賛否の意見のいわば「数え直し」をやる
べきなのです.現在の「表向き反対だが実は容認」という「投票結果」の数え直し
です.国大協がこのような手続きの媒介者になることはありうるでしょう.
念のために付け加えますが,国大協への働きかけが重要でないとか,意味がない
と言っているのではありません.その逆です.現状は不当とはいえ国大協がデファ
クトの「代表権」を握っているのは事実なのですから.そしてその働きかけの第一
項目は「越権行為をやるな」ということです.
鹿児島大学の田中弘允学長が「鹿大広報」で述べられた言葉(注)に次のようも
のがあります.
「今の社会で本質的議論の少ないことに大きな懸念を禁じ得ない」,「まず独法
化の方向を決め、それから制度設計に入るといったことは、知の怠慢と言われても
仕方がない」,「密室での議論ではなく開かれた場における議論がなされ」ること
が必要だ.
この表現になぞらえれば,次のように言うことも出来るでしょう.すなわち,「本
格的な規模での議論」が計画されないことも同様に問題で,「これらの作業を省略
して」国大協で代用しよう,というのもやはり手続き上の怠慢である.例えば上で
提案したような,もっと本格的な議論の場を設けること,このことが「密室の議論
を避けて開かれた場における決定がなされ」る条件でもある.
(注)国立大学の独立行政法人化−行革の論理の暴走−
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/tanaka.html
[32-10-2][he-forum 1470] 通則法に反対」という言い方の誤謬
「[he-forum 1459] 「独立行政法人適用の違法性の明示」では触れませんでした
が,独立行政法人というのは,通則法ではなくてそれ以前の「中央省庁等改革
基本法」で完全に定義されているのです(比較対照表
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/hikaku.html
をご覧下さい.通則法
はそれを少しばかり詳しく述べたものに過ぎません.ですから国大協などが
「『通則法』のもとでの独立行政法人化に反対」と言っているのはほとんど無
意味です.「二階の部屋での殺人に反対」というのと同じようなものです.殺
人はどこでやっても殺人なのですから.
reform:03258の改訂版
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/legality.html
をご覧下さい.
また,ずっと昔に指摘しましたが,そもそも国立大学にこれを当てはめることは,こ
れら二つの法律で明示している目的条項に合いません.
中央省庁等改革基本法第三十六条
国が自ら主体となって直接に実施する必要はないが、民間の主体にゆだねた場合には
必ずしも実施されないおそれがあるか、・・・1
又は一の主体に独占して行わせることが必要であるもの・・・・・・・・・・2
私大があるので1に該当せず,独占体である必要もないので2にも当たりません.官僚
の方々はこの「ボタンの掛け違い」に早く気づいて,膨大な事務作業の無駄が生じな
いうちに引き返して下さい.
[32-11]辻内鏡人氏逝去
[32-11-1]辻内研究室ホームページ
http://www.higashi.hit-u.ac.jp/~amstud/indexj.html
[32-11-2]独立行政法人反対首都圏ネットワーク事務局「辻内鏡人さんを悼む」2000.12.5
「すでに報道されましたように、一橋大学教授辻内鏡人さんは、昨12月4日夜、軽ト
ラックにぶつかられ、亡くなられました。事件の詳細についてはまだ明らかとなって
いません。
辻内さんは、1954年兵庫県に生まれ、東京大学大学院経済学研究科を修了され、桜
美林大学助教授を経て一橋大学社会学部教授をつとめられました。著書に『キング牧
師』(共著、岩波書店)、『アメリカの奴隷制と自由主義』(東京大学出版会)などがあ
ります。
辻内さんは、この間、一橋大学教職員組合委員長として、独立行政法人化問題やい
わゆる「四大学連合」問題などに取り組まれ、首都圏ネットワークの活動にも数多く
のご協力をいただきました。
痛恨の極みという他ありません。謹んで辻内さんのご冥福をお祈り申し上げます。」
[32-11-3]岩崎稔氏から辻内鏡人氏への追悼文より
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/tuitoubun.html
「... 10月には東京外国語大学に「四大学連合問題調査検討小委員会」ができ、
これが三大学の副学長と会見するという機会を一橋でもつことになりましたが、あれ
は11月6日でした。この時期にも、辻内さんは問題を曖昧にしないために有形無形
の努力をしてくださいました。このときの三大学副学長との会見によって次第にはっ
きりしてきたのは、大学連合なるものが、総じて実体はなにもないということでした。
羊頭狗肉の構想が、無節操に対外的にふりまかれた幻想のせいで、もはや訂正するこ
とも、地に足がついたものへと組み替えることもままならないまま、奇妙に一人歩き
しているということでした。副学長たちとの会見のあとの懇談会で、辻内さんは一橋
大学側からこうした問題に批判的な見解を一貫して表明してきたひとりとして、ご自
身で東京外国語大学側の委員に向かって、高等教育がいま陥っている陥穽を鋭く指摘
してくださいました。あなたの憤りは、つねに今日の大学教育が「改革」と称しなが
ら、その実ますます劣悪なものを濫造している現実に対する冷徹な分析に裏打ちされ
ていました。その直後のメールにもこんな風に書いていらっしゃいました。
『打ち上げ花火ではなく地道な改革をしないと大学は本当にだめになると思います。
株式相場のようにめまぐるしく変わる市場の原理を学問・教育の論理に何の疑いもな
く当てはめようとする学長(あるいはもっと上の政治勢力)のために、大学は窒息死寸
前のように見えます。...足下を見ない「改革」のつけがどのような形でやってく
るのか、恐ろしい限りです。』
・・・
辻内さん。安らかに眠ってくださいと、月並みな言葉で申し上げるには、あなたの
死はあまりに無念です。この突然の死も、あなたが無節操な大学行政にたいして示さ
れたのと同じ高潔な正義感が、一方通行路を逆走してきた無謀なトラックに勇敢に示
されたことから起きたのでしょう。
友人として、研究者として、そして闘いの仲間として、あなたの記憶をわたしたち
はずっと胸にたたんでまいります。」
======================================================================
◆国立大学独立行政法人化問題サイトの入り口
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/
======================================================================
発行者: 辻下 徹
homepage:http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/tjst/
e-mail: tujisita@math.sci.hokudai.ac.jp
総目次:
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/wr/all.html
登録
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/wr/mg2.html
発行部数 1068 (2000.12.11現在)
内訳:Mag2:599 / CocodeMail:339 / Pubzine:57 /Macky!:38 / emaga:21 / melma:14
ダイジェスト版 約 2500
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End of Weekly Reports No.32 2000-12-14
**この週報は発行者の個人的な意思で行っています**
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