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Weekly Reports No.60 2001.7.11 Ver 1.11
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/wr-60.html 総目次:http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/all.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [60-0]内容紹介 [60-0-1] 「構造改革は informed consent を得ているか?」 [60-0-2] 独立行政法人化の informed consent [60-0-3] 国会の委員会議事録より [60-0-4] 大学評価の諸問題 [60-0-5] 卒業制度廃止論 [60-1]首都圏ネットワーク:現在の情勢について―「再編・統合」プラン提出の強要― [60-2]国会議事録より [60-2-1]衆議院文部科学委員会6/20 [60-2-2]参議院文教科学委員会6/26:遠山プラン関連質疑より [60-3]内閣府 [60-3-1]総合規制改革会議:教育分野の規制改革の検討課題について(メモ) [60-3-2]産業構造改革・雇用対策本部 [60-3-2-1]◆「530 万人雇用創出計画と日本経済の再生」 [60-3-2-2]産業構造改革・雇用対策本部中間とりまとめ2001.6.26 [60-4]文部科学省 [60-4-1]大学などで失業者職業訓練、来年度に創設 2001.7.6Yomiuri On-Line 07/06 [60-4-2]総務省政策評価・独立行政法人評価委員会(第6回2001.6.22)での文部科学省の説明 [60-5]独立行政法人評価委員会関係 [60-5-1]厚生労働省第3回独立行政法人評価委員会議事録2001.5.16 [60-6]独立行政法人化阻止ネット [60-6-1]呼びかけ人・賛同者・賛同団体 分野別名簿 2001.7.10 [60-6-2]◆豊島耕一「独法化--現行制度との比較」(2001.7.7) [60-7]大学の動き [60-8]「大学改革」 [60-8-1]◆ML he-forum より:国立大学統廃合への熱の籠った行政指導 [60-8-2]東大、科類を全面見直し(読売新聞)2001.7.6 [60-8-3]信大人文学部評価、山口大に依頼 国立大で初 [60-9]学生の動き [60-9-1]◆東京大学教養学部学生自治会投票結果 [60-9-2]広島大学で学生自治会が結成 [60-10]構造改革について [60-10-1]北大緊急シンポジウム7/10:構造改革は日本を救うか? [60-10-1-1]濱田康行「経済構造改革とは何か?」 [60-10-1-2]金子 勇「高齢社会と構造改革−−少子化と長寿化の観点から」 [60-10-1-3]山口二郎「構造改革の政治力学」 [60-10-2]◆ A Leap in the Dark By PAUL KRUGMAN [60-11]論説など [60-11-1]日本経済新聞連載連載:教育を問う第7部 改革への青写真 [60-11-2](再掲)中嶋哲彦「国立大学独立行政法人化の問題」(2000.4) [60-11-3]豊島耕一「文部科学省の大学脅迫記事のパロディー」(2001.7.7) [60-11-4]◆藤田整「大学教育に卒業という制度は必要か」 [60-11-5]◆五味健作「若人はどちらを選ぶか」 [60-12]第13回2001.5.21 国立大学協会設置形態検討特別委員会(議事概要) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [60-0]内容紹介 ---------------------------------------------------------------------- [60-0]内容紹介 ---------------------------------------------------------------------- [60-0-1] 「構造改革はInformed consent を得ているか?」 現内閣が執刀する大手術「構造改革」はinformed consent を得ているか?ーー 北大法学研究科付属高等法政教育研究センター主催の緊急シンポジウム「構造 改革は日本を救うか?」における濱田教授[60-10-1-1]の指摘は、現況の危機 の本質を衝くものを感じた。金子教授は、一群の人達の特別な意見が国民的な 合意も経ずに、構造改革の中に巧妙に組み込まれていると述べ「国民にとって 「多様な選択」を、と主張しながら、「働く女性にやさしい社会」という一面 的・一律的価値観を押し付ける自己矛盾が見られる。」と批判している [60-10-1-2]。 ニューヨークタイムズは、現在の日本経済の危機の直接の原因である需要不足 問題に対し、この「構造改革」は供給側の非効率を正すことで解決できるかも しれないという希望的観測に基づいた、暗闇への跳躍だ、とする意見を掲載し た[60-10-2]。reform or bust(改革しなければ破 滅するぞ)と言っているが reform and bust となる可能性がぞっとする程高い、 という。 希望的観測の一例が、「530万人雇用創出計画」である。例えば、高度職 業教育、生涯教育関係で、現在の雇用25万人が5年後に45万人になるとい う[60-3-2]。文部統計要覧(2000年版)によれば現在の国立・公立・私立 大学全体の常勤教員数17万人、常勤職員数20万人である。常勤教員数とほ ぼ同数の非常勤教員が居ると言われている[4-11]。後中等教育関係の雇用が2 0万生じるとしても、構造改革で今後発生する失業者に対する受け皿としてカ ウントすべきものとは言えまい。 ---------------------------------------------------------------------- [60-0-2] 独立行政法人化の Informed consent Informed consent なしに痛みを伴う手術をする、ことが「機動的な運営」と いうことで、日本では大流行している。 小さな規模ではあるが、高等教育行政でも、全く同じことが進行している。 遠山プランでようやくinformed consent の前提となる、国立大学独立行政法 人化政策の意図の開示が行われた。独立行政法人化が、経済界に大学全体を提 供する制度変更であることが開示されたため、今度は当事者のconsentを得る ことは絶望的になった。その途端、consent なしに、手術を進めることに文部 科学省は決めたようである。国会では議員に叱責されながらも、淡々と統廃合 の一方的な行政指導が、概算要求のヒアリングという場で開始されている [60-1][60-8-1]。このような恐喝まがいの行政指導が違法でないと国会で主張す ることは、中々困難であろう。 なお、7月5日の国立大学協会理事会は、臨時総会は開催せず、会長の記者会 見発言も不問にし、松尾名大学長等、副会長等2名が加わる理事会にWGを設 置した[60-1]。統廃合などの相談に応じるそうだ。肝心なことの議論を避け、 誤魔化すことばかりに専念しているとしか見えない。 経済諮問会議の5月24日に予定されていた国立大学協会ヒアリングに会長代 理を出すことにしたと5月21日の理事会の議事録[60-12]にあるが、結局ヒ アリングは行われなかったようである。これは、経済諮問会議の国立大学への 態度を硬化させ、遠山プランを生む大きな契機となったことは想像に難くない。 大事な時期なのだから、もう少し丁寧に事に対処してもらえないのだろうか。 研究が忙しく暇がないのならば、辞任して他の方に会長を交代してもらうべき なのではないか。 ---------------------------------------------------------------------- [60-0-3] 国会の委員会議事録より 国会では、議員の方々が種々の問題について、文部科学省を問いただ している。文部科学省が国立大学協会の意向を無視して遠山プランを出した事 情については、6月20日の衆議院の文部科学委員会で質疑がある[60-2-1]。 また、遠山プランの詳細については、会期末の6月26日の参議院文教科学委 員会で詳しい質疑が展開されている[60-2-2]。国立大学の適性規模の概念もな く、まず削減ありき、という文部科学省の驚くべき姿勢も明らかにされている。 質疑される議員の方々のご努力には敬意を表したい。質疑の途中で時間切れで 議論が打ち切られる場合が多いのが残念である。 ビデオではすぐに公開されているが、中々見る時間はない。参議院で1週間、 衆議院でも3週間程度でオンライン化されることは実にありがたい。 ---------------------------------------------------------------------- [60-0-4] 大学評価は機能するか? 大学の独立行政法人化は、きちんと学術的な評価をするのだから、何の問題が あるのか、という議論をよく聞く。しかし、厚生労働省独立行政法人評価委員 会の議事録[60-5-1]を見ると、独立行政法人関係で想定されているような有識 者による「評価」なるものが、そもそも機能するかどうか危ぶまれる。「有識 者」は皆辟易してしまって、結局は事務局(お役人)に委ねてしまうのではな いか。大学評価機構でも、学者サイドは、評価活動には消極的であるという噂 もある。そうなると、結局は、数値化できるデータの組に、恣意的な重みづけ をして評価するというのが落ちではないだろうか。重みづけの根拠は何もない から、役人の恣意的な評価で事が決まっていく・・・。 ところで「公務員の先生はそれでもいいのだけれども、どっちにしろタック スペイヤーのお金で食っているわけだからどうということないのですけれども、 私企業の人はそれで業務に差し支えると非常に困る。」[60-5-1]という考えの 方は多いのだろうか。 ---------------------------------------------------------------------- [60-0-5] 卒業制度廃止論 東大駒場の学生自治会投票で、3773の投票(在籍数7245)があり27 01票が「学費の大幅な値上げにつながり、学問の自由と大学の自治を脅かす、 独立行政法人化に反対しよう。」という提案に賛成したという。独立行政法人 化問題を巡る議論では、経済界の視点と価値観に振り回されるだけで、肝心の 学生の視点は度外視されている。 <大学改革>をすればするほど、大学全体が表面的活動に忙殺され大学運営 に携わる人達だけが元気になり大半の教職員の志気が低下する一方なのはなぜ か。大学の最大多数の住人である学生・院生を外部者扱いし、理想を持ち政治 的な情勢とは距離を置いて物事を素直に見ることのできる若い人達が<大学改 革>に参画することを拒んでいることが大きな原因ではないか。 自分自身にかかわる現実問題と取り組む機会を与えることは、種々の専門家 であると同時に一市民としても目覚めた人達を育てる使命、これからの大学が 担うべき使命にも調和することだろう[60-11-5]。 大学紛争直後、1975年に藤田整氏は、大学卒業制度廃止論[60-11-4]を 提唱した。卒業制度を廃止し、「学生は,それぞれ自己の目的にてらして, かつ自己の責任において,当該大学における自分の勉強がひとまず完了した とおもう年度末に,大学生活の成果をしめす成績証明書をたずえて,社会に出 てゆく」ようにする、という提案だ。学生が学生生活を設計することができる ようになることは、学生の自覚は高めるのに有効であろう。 卒業に関する規制緩和は進んでいるが、国にとっての少数の「エリート」に 的を絞った改革で、ユニバーサル化する大学のあるべき方向を検討した上での 改革ではない。大学入試の諸問題の根は八方に張っていて、どこから手をつけ てよいかわからないが、卒業廃止が回り道のようで最短の解決法ではないかと 感じる。 卒業制度廃止は制度変更のコストが小さい点で実現の可能性が高い提案であ る。独立行政法人化に比して遥かに小さな努力で、日本の学校教育全体を歪め ている形骸化された「学歴」概念を実質的に風化できるだけでなく、卒業させ ねばならない、という心理的圧力を教育現場から消滅させることにより、大学 教育の実質化を容易にし、大学を根本から活性化する改革と感じる。背後から どつかれての暗闇への跳躍でしかない「独立行政法人化」、それに比して、卒 業廃止は冷静でしかも大学の使命とも調和する「改革」の名にふさわしいもの の一つである。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [60-1]首都圏ネットワーク:現在の情勢について―「再編・統合」プラン提出の強要― 「大学構造改革」「独立行政法人化」をめぐる現在の情勢について 2001.7.11 http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/010711genjoukyou.html 1.国大協―臨時総会は開催しない 国大協においては、総会における設置形態検討特別委員会の二文書の提出とそ の「了承」問題をめぐって、会長記者会見に対する批判が高まった。また、東 大職組の呼びかけによる17大学職組や阪大職組の臨時総会開催要求が行われた。 しかし、国大協理事会(7月5日)は、設置形態検討特別委員会の下にワーキング グループ(責任者: 松尾稔副会長)をつくり「当面の諸課題に対処すること」を 決め、多くの臨時総会開催要求に対しては、これを「開催しないこと」を確認 した。 ・・・ 4.各大学―大学当局は、情報をオープンにしなければならない 各大学の「再編・統合」案は、大学単位あるいは学部単位で具体的に検討さ れている。この検討作業は、学長および事務局長限り、あるいは事務局長限り、 などという形で全ての大学で行われていると見るべきである。 現在は、ほんの一部の大学執行部のみが情報を独占し、「対等合併」「吸収 合併」などの駆け引きが、何らの理念も持たないまま行われている。この種の 「再編・統合」にあたっては、・「法人化」への先行争い、・概算要求という 予算がらみの取り引き、・現員の「分限免職」の可能性、などが取りざたされ ている。 現在、大学に必要とされているのは、経済改革の視点しか持たず、大学を明 確に新産業の創出機関に変えようとする「構造改革」を批判し、文部科学省が 設定した拙速な「スケジュール」に乗らないこと、本来、大学(university)と 学問が持つ総合性と連帯を維持・発展させ、公開・対等の原則に基づいて議論 を行うことである。高等教育と大学制度の根幹に関わる問題に正面から対峙す ること、このことをおいて大学の将来を語ることは決してできない。地方分権、 高等教育の機会均等を保障する憲法的原則に基づき、各大学はそれぞれの地域 に対しても責任を負っている。この立場を堅持し、各大学が自らの視点で充実 させた方針を積極的に展開すべきである。」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [60-2]国会議事録より ---------------------------------------------------------------------- [60-2-1]衆議院文部科学委員会6/20 http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/620-shu-monbukagaku.html 398 ○藤村委員 ちょっと注意しないといけないと思う点があります。 399 400 経済財政諮問会議に報告をされた、こういうことであります。それは一般 401 的に、他の分野で言いますと、例えばむだな公共事業をやめようとか見直 402 そうとかということ、そのことと、国立大学の改革で、今回は、民間的発 403 想の経営手法導入とか、あるいは再編統合を大胆に進める、それから第三 404 者評価による競争原理の導入、トップ三十大学の問題という中で、むだな 405 公共事業を省くなど、どっちかといえば、今、財政が厳しいという中で、 406 むだを省く議論の中にこの国立大学の議論をそのまま持ち込んでいいのだ 407 ろうか。 408 409 先般いただきました経済財政諮問会議への報告の「「大学(国立大学)の 410 構造改革の方針」等について」ということで、これは官房長と高等教育局 411 長名の添付書類がついておりますが、この中に、「具体的な改革を大胆に 412 進めてまいりたい」とおっしゃっております。これは文部科学省の意思と 413 受けとめますが、それはすなわち、小泉首相の、ある意味ではさっき大臣 414 のお答えになった、そういうことを視野に置いてということではあろうと 415 思うのです。 416 417 トップダウン方式というのも時に必要であります。しかし、この際、この 418 国立大学問題は、今既に国大協の設置形態検討特別委員会や、あるいは国 419 大協その他にも委員会をつくったり、あるいは国大関係者ら相当多数を巻 420 き込んでのお話でございます。となれば、まず、その当事者である国大協 421 あるいは国大協関係者らとそれなりの意見調整はされているという前提で 422 この構造改革の方針は出されたのでありましょうか。 423 424 ○岸田副大臣 今回の方針は、大学改革を担当する文部科学省の責任にお 425 きまして、大学、特に国立大学の構造改革の方針を、大学関係者はもとよ 426 り、国民一般あるいは社会に対して表明したものであります。 427 428 今先生から御指摘がありました、その作業の中での関係者との調整の話で 429 ありますが、経済財政諮問会議の検討作業が進む中で、今回、改めて国立 430 大学協会など関係者と事前の調整などは行ってはおりません。ただ、その 431 方針作成に当たっては、関係者から従来さまざまな御意見もいただいてお 432 ります、また報告書もいただいておるわけでありますが、こういったもの 433 も十分考慮した上、整理したつもりであります。 434 435 こうした従来の積み重ねをしっかり踏まえた上で、文部科学省の責任とし 436 てこの方針を作成したわけでありますが、今後、具体的な作業、改革を進 437 めるに当たっては、さらに関係者の御意見を十分に承って、参考にしてい 438 かなければいけない、これは当然のことだと思っております。 ・・・・ 457 ○岸田副大臣 今後の進め方についての手続、考え方でありますが、まず、 458 国立大学の大胆な再編統合を進める、この点につきましては、既に幾つか 459 の検討途上の大学もあります。来年度から、可能なものについては一つで 460 も二つでも実施してまいりたいと思っています。また、今後、各大学から 461 の意見も踏まえつつ、さらに具体化を図り、その結果として、国立大学の 462 数の大幅な削減を目指すこととしたいと考えております。 463 464 そして、次に、民間的発想の経営手法の導入という部分につきましては、 465 現在、我が文部科学省におきまして、調査検討会議を置いて法人化の具体 466 的なあり方について検討しておるところでありますが、ことし秋には中間 467 まとめを、そして今年度中には最終報告を出したいと考えております。こ 468 の報告を踏まえまして、できるだけ早期に新しい法人に移行したいと考え 469 ております。 470 471 それから、第三者評価による競争原理の導入という部分につきましては、 472 大学評価・学位授与機構を活用した第三者評価システムを、昨年度から段 473 階実施を経て、平成十五年度から国立大学に本格的に導入する予定であり 474 ます。 475 476 そして、方針にあります国公私トップ三十の育成という部分でありますが、 477 これは、具体的な対応を目指して、来年度概算要求の上でも必要な措置を 478 検討していきたいと思っております。大体、こうした方針のもとに、関係 479 者の意見も十分お伺いしながら、大胆かつスピーディーに改革を進めてい 480 きたいと考えておるところでございます。 481 482 ○藤村委員 財政再建でどれを切り捨てていって、そしていわば経費を削 483 減するという発想で取り組んでいただくと――そもそも日本の高等教育に 484 対する投資というのは少ないというのはこの前も指摘したとおりでありま 485 すし、それはもう認識が十分あると思います。トップ三十、私は賛成であ 486 ります。つまり、本当に重点的な、必要なところに大きく投資をして、そ 487 れをやはり世界に冠たる日本の高等教育に育てていく、そういう発想は必 488 要であります。 489 490 それともう一つは、小泉首相の言う民営化の部分。国大協会長は、今回の 491 方針には民営化という言葉は一言もないと言って安心しているようであり 492 ますが、私は、例えば教員養成系など、大学の再編統合で、地方移管等と 493 いうことですから、当然民営化も視野に入れてというのは、さっき大臣も 494 お答えになった、そのこともあると思います。 495 496 しかし、その中で、やはり高等教育に対する投資というものは、くれぐれ 497 も、これは削減するというような発想は頭から当然外していただいて、必 498 要なところに十分な投資、大胆な投資をする。大胆な改革でありますから、 499 そのくらいのことを考えながら、時間も来ましたので、要望をして、終わ 500 りたいと思います。 ---------------------------------------------------------------------- 1762 ○中西委員 私は、本当に残念なんですね。その範囲の中でどのように動 1763 かし、やるかという、この前から論議しておる定数改善の問題と全く同じ 1764 ですよ。少なくとも、ここに答申されておるその中身というのは、その柔 1765 軟性をということは、本当に自由にそして活発にそうした研究なりなんな 1766 りがなされなくてはならぬわけですから。 ・・・・・ 1778 私は、こういうようなことで、何かむだ遣いをするという感覚、小さい政 1779 府がいいと言いさえすれば人員をどんどん削減するじゃないですか。なぜ 1780 私はこのことを言うかというと、国家公務員の総定員表を見た場合に、三 1781 十数年、もう四十年近く前に決めたもの、すき間があるのですよ。質的に、 1782 量的に物すごく拡大されておるのに、すき間が、それをまた五%削減する 1783 とやるじゃないですか。人を少なくすれば行政がうまくいくなどという、 1784 あるいは教育がうまくいくなどというこの感覚をなくしてもらわないと絶 1785 対だめです。これに反論ができるのだったら、やってもらいたいと思うの 1786 ですよ。 1787 1788 ですから、あなたたちは、例えばこの専任教員の問題だって、教授、助教 1789 授、助手という一つのあれがありますね。そうしますと、その下に現業的 1790 な多くの職員が必要なんですよ。削られるから、そこを全部削っていって、 1791 教授がお茶酌みから全部しなきゃならぬような状況だってあるじゃないで 1792 すか。施設だって、機械が大きくなればその部屋から追い出されて廊下に 1793 行き、廊下から追い出されて別のプレハブに住んでおるという状況をあな 1794 たは知っていますか。 1795 1796 こういうことで、学術研究だとかそういうことが十分なされる、そして、 1797 こういう講座、学科目の編制を柔軟化することによって活性化するなどと 1798 いうこの発想をやめてほしい。僕はそれを思うからこそ、このことをやわ 1799 らかく聞いたけれども、それはあなたたちの中にはない。これでは、日本 1800 のこうした教育、科学あるいは文化、芸術、すべてがおくれることは当然 1801 です。その責任を今度はだれかに押しつけていくわけでしょう、この前か 1802 ら言っているように。行政の本当の姿勢というものをもう一度あなたたち 1803 は考え直してもらわないと、先ほどからもう再三にわたって同じような答 1804 弁が出てくるし、みんな不満じゃないですか。これではどうすることもで 1805 きません。 1806 1807 ですから、この点を本格的に考えるということにならないとだめですから、 1808 この点は大臣に、そういう方向性についてどのように考えるのか、お答え 1809 いただきたいと思うのですよ、決意でいいですから。 1810 1811 ○遠山国務大臣 私自身も、本当に教育関係、学術研究関係、特にその人 1812 員それから研究費、そういったことへの投入が、率直に申しまして十分で 1813 はないと思っております。 1814 1815 御議論がいつも出てまいっておりますように、今日本の将来を考えますと、 1816 こういう分野、文化も含めて、一番基盤的なところで大事なことについて 1817 投入していくことが未来に対する投資ということで大変重要だと考えてお 1818 ります。予算委員会での御論議のときにもそういうふうにお答えいたしま 1819 した。 1820 1821 そういう姿勢ないし意欲は持っているところでございますが、現実のいろ 1822 いろな制約の中で、しかし最大限やれるべきことはやっていくというのが 1823 私どもの使命でありまして、そういう姿勢で今後とも取り組みたいという 1824 ことを申し上げたいと思います。 1825 1826 ○中西委員 私は、意欲と勇気を持ってもらわないと、大蔵がどうだろう 1827 かとか、各省庁がどうだろうとかというような目配りをしながら予算をと 1828 ろうなんということは、これは到底できません。このことは一番よく御存 1829 じだと思うのですよ。 1830 1831 ですから、バイパスでなしに、本当に真っ正面からこれをぶっつけて、教 1832 育論議はやはり徹底していただきたいと私は思うのですね。それなしにこ 1833 うした問題の解決にはならぬ、私はこう思います。ですから、口だけある 1834 いは制度だけでごまかすようなやり方はやめてほしいということを最後に 1835 申し上げまして、次に進みます。 ---------------------------------------------------------------------- [60-2-2]参議院文教科学委員会6/26:遠山プラン関連質疑より http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/626-kusakabe.html 79- 98 遠山プラン作成のいきさつについての質疑 106-121 「来年度を国立大学にとって歴史の転換点とし、」の意味 122-146 「投資対象となるべき大学」とは 148-199 独立行政法人化との関係 221-237 岸田副大臣回答:国立大学の削減方針策定の経緯 257-279 工藤高等教育局長回答:国立大学の削減方針策定の経緯 281-287 工藤発言「黙っていてもお金がふえるというものでもなく」への注意 295-321 国立大学の適性規模についての質疑(回答:工藤) 323-406 教員養成系大学の規模縮小についての質疑 408-440 国立大学単科大学の再編統合政策についての質疑 442-530 トップ30大学の選定法についての質疑 484-562 再編統合のスケジュールは 564-588 中教審に諮問しなくてよいのか? 590-632 経済効率・競争原理に基づく大学改革の是非についての質疑 634-677 真の教育改革について:佐藤初女さんの言葉の紹介 ○日下部禧代子君 しかしながら、やはり再編統合ということも含めまして、活力に富み、国際 競争力のある大学づくりということが経済効率とか競争原理というものを導入 することを中心にしてしまうということに関して、特に教育の部門であるだけ に、非常に私は危惧を持つわけでございます。経済効率あるいは競争原理とい う一つの物差しだけではかれるものではない、いわゆる量的に換算できないも のこそが教育の分野ではないかというふうに思うわけでございます。 二十一世紀というのは人間の時代だと、人間の復権ということが言われてお ります。そういう中でこそ文部科学省は心の教育ということに重点を置くとおっ しゃっているわけでございます。したがいまして、経済効率ということ、もち ろんこれは無視できないものでございます。競争ということも無視できないも のでございます。しかしながら、そのバランスというものをどのようにとって いくのか、そのことは非常に重要なことではないかと思うわけでございます。 ○国務大臣(遠山敦子君) 今、日下部先生が御指摘になりましたとおり、大 学というのはまさに学術研究の府であり、かつ人材養成の極めて重要な機関で あります。その学術の中には、単に科学技術に対応するものだけではなくて、 人文・社会科学、それからその中におきましても、必ずしも効率ないし何らか の尺度、スケールに、数値に見合うような分野でないものが含まれているとい うことは当然でございます。大学がその使命を果たすべきことについては、学 校教育法の規定その他、私どもは、これまで大学のあり方について極めて本質 的な使命というものを十分果たしてもらうという観点から、大学改革について も折々に大学人の意見を聞き、進めてまいったことは御承知のとおりでござい ます。 今回、御指摘の点につきましてもう十分過ぎるぐらい十分認識しております からこそ、経済財政諮問会議におきましても、経済の側面ということにも対応 できるということでそういう説明ないし資料提供というものを行ったわけでご ざいますけれども、その本質部分というものをむしろ将来に向けてさらに活性 化して、日本の大学というものが活力ある存在として国際的にも評価され得る 内実ある発展を遂げていくことを期待して、私どもとしても、今後そのような 観点からこの問題ないし大学改革の問題、教育改革の問題について取り組んで まいりたいと思っております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [60-3]内閣府 ---------------------------------------------------------------------- [60-3-1]総合規制改革会議:教育分野の規制改革の検討課題について(メモ) http://www8.cao.go.jp/kisei/giji/003/wg06.html # 「教育分野においては、本会議における規制改革推進の趣旨を踏まえ、競争原 理をより強く働かせることによる、教育サービスの活性化及び質的向上を図る ための諸改革を検討する。 1 大学における教育研究活動を活性化するための規制改革 ・理工系等の博士課程学生の社会的地位や待遇の改善(研究体制の弱体化に歯 止めをかける諸施策) ・大学生の学習に対する動機付けの促進(成績優秀者や意欲ある学生に対する 奨学金制度の充実、ダブルメジャー制、成績評価の厳格化、大学に対する機関 補助から学生個人に対する補助への移行の検討、等) ・教員の教育研究活動の評価及び外部への公表 ・学生のキャリア教育の活性化(インターンシップ制度の積極的活用、等) 2 大学の組織を活性化する規制改革 ・大学組織の一層の弾力化(学部・学科の編成の弾力化・自由化、大学設置基 準や工場等制限法の見直し、等) ・大学におけるガバナンスの改革(外部の専門家の登用、等) ・大学運営の透明性の向上(情報の公開、第三者評価、運営に対する第三者の 参加、等) 3 社会人のキャリアアップを強力に支援する規制改革 ・社会人向け大学教育、大学院教育の促進 (一年制大学院、夜間大学院、通 信制大学院、都心部におけるサテライトキャンパス、インターネット等の活用、 等) ・産業界等との連携による学習ニーズを的確に捉えた教育コースの設置、実務 家の積極的な大学教員への登用」 ---------------------------------------------------------------------- [60-3-2]産業構造改革・雇用対策本部 http://www.kantei.go.jp/jp/sangyoukouzou/index.html ---------------------------------------------------------------------- [60-]◆「530 万人雇用創出計画と日本経済の再生」 第2回6/18 本部配布資料(慶應義塾大学教授 島田晴雄) http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/626-koyou-plan.html 「2.社会人向け教育サービス:高度職業教育、生涯教育 ──学部、学科設置の自由化 現在25万人・5年後45万人・増分 20万人」 ---------------------------------------------------------------------- [60-]◆産業構造改革・雇用対策本部中間とりまとめ2001.6.26 http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/626-koyou.html 「○国立大学法人化の早期実現 ・民間的経営原理の導入による国立大学の法人化(経営責任の明確化、外部人 材の経営への参画、学部セクショナリズムの排除、学長リーダーシップの強化、 新しい人事システム等)を早期に実現する。 ・国立大学の法人化に際しては、民間との交流、兼業、能力に見合った処遇等 が自由にできるよう人事制度の見直しや非公務員型を含め改革の方向を検討す る・・・」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [60-4]文部科学省 ---------------------------------------------------------------------- [60-4-1]大学などで失業者職業訓練、来年度に創設 2001.7.6Yomiuri On-Line 07/06 http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2248.html 「厚生労働省と文部科学省は6日午前、両省連携協議会を開き、大学や大学院 を活用した失業者向け職業訓練制度を2002年度から共同で創設する方針で 合意した。小泉内閣による構造改革で不良債権処理が進めば、失業者の増大が 予想されることから、円滑な再就職支援体制を強化するのが狙いだ。 具体的には、国が失業者を対象に実施している「委託訓練」の委託先を、民 間の専修学校などだけでなく、大学や大学院にも広げる。委託訓練の費用は、 失業者が公共職業安定所の指示を受けて受講すれば無料。委託先の学校には、 1人当たり月6万―9万円が支給される。 訓練内容は、同協議会が今後、需要が見込まれる分野や大学側の事情などを 調査した上で検討を進めるが、IT(情報技術)関連や会計などの講座が人気 を集めると見られる。また、転職を目指す在職者が新設講座を受講することも 可能とし、その場合は、国が費用の8割まで支給する「教育訓練給付制度」の 対象とする方針だ。 両省は今秋をめどに、都道府県ごとに地元の大学関係者らを加えた官民の協 議会を設置し、来年度のスタートを目指す。 ---------------------------------------------------------------------- [60-4-2]総務省政策評価・独立行政法人評価委員会(第6回2001.6.22)での文部科学省の説明 http://www.soumu.go.jp/kansatu/seisaku-giji-1306.htm 「(2)文部科学省より研究開発の評価の取組について説明が行われ、質疑を行っ た。主な概要は以下のとおり。 ○国家戦略的視点に立った時にどのような研究開発が必要かということについ ては、インドや中国が随分追ってきている中で、日本がさらに新しい科学技術 の開発ができないと今後大変になるであろうとの指摘があった。 ○アメリカのIT等は、波及効果が大変大きかったが、研究の評価のときに民 間への波及も含めてどのように考えるかという点については、社会のための研 究となるよう、成果の反映を評価の中に組み入れていくのは当然であり、ピア レビューの中でそういう視点をもって行っていくことが重要であるとの説明が あった。 ○研究評価をした結果、次につなげることでむしろ資金が無駄遣いをされると いう点については、組織のシステムの問題であり、大学からのベンチャーの育 成、技術移転の促進を進めることによって、大学の中に成果が眠らないように していくのが大きな政策課題という認識であるとの説明があった。 ○研究費のうち、どれだけの費用をあてるか等、数値目標はない。研究費を圧 迫するのではないかとの点は、全体の中で評価に対する費用を組み入れて行か ざるを得ないと考えているとの説明があった。 ○例えばロケットの打ち上げに失敗した場合の事情をしっかりと説明できる評 価の仕組みであるか、説明責任を果たすチェックポイントはあるかとの問いに 対し、研究開発評価は一件一件の目的、状況を異にしているので、標準的にど の点をおさえれば研究開発の評価ができるという段階には至っていないとの説 明があった。」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [60-5]独立行政法人評価委員会関係 ---------------------------------------------------------------------- [60-5-1]厚生労働省第3回独立行政法人評価委員会議事録2001.5.16 http://www.mhlw.go.jp/shingi/0105/txt/s0516-1.txt http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/516-mhlw-dgh.html 003-081 政策評価官:法律の説明 083-181 政策評価官:評価法の唐沢案の説明 221-235 政策評価官:独立行政法人評価委員会は外部評価 292-298 委員:民間の研究との関係 315-325 政策評価官:効果的な指標というのは開発されていない 341-361 委員長:段階評価の恣意性 363-393 委員長:公務員の先生はそれでもいいのだけれども・・・ 395-421 委員:タックスペイヤーは何を望んでいるか? 423-464 委員長:アメリカでの大学評価について 466-501 委員:タックスペイヤーのオーソライズを得ずに大臣が目標を決め て良いのか。 503-555 委員長:インパクトファクターは研究者の世界で関係者が多ければ増 えるので余り意味はない 127 個別的な評価の評価方針でございますが、(1)から(8)まで8つ書いてござ 128 います。まず、(1)は5段階評価については理由を付記する。(2)といたし 129 まして業務実績の量的な側面だけでなく、その質的な側面についても考慮 130 する。(3)として中期目標に掲げられている具体的な取組内容に対するも 131 のだけでなくて、当該項目の評価材料となる実績がある場合には、これら 132 を考慮するものとする。(4)として業務実績という結果だけでなく、その 133 結果を導くに至った背景的要因(外的要因及び内的要因)についても考慮 134 するものとする。(5)として業務実績という結果だけでなくて、その結果 135 を導くに要した費用についても考慮をするものとする。費用対効果という 136 ことでございます。(6)として独立行政法人化の利点の活用状況について 137 も勘案する。(7)として業務実績のうち、個別の研究課 題に係る評価は、 138 外部専門家が行う研究評価の結果を考慮する。(8)として中期目標の達 139 成に向けた取組が進むようインセンティブを与える制度が整備されている 140 か、その制度 がモニタリング等により適切に見直されているかについて 141 も考慮するものとするという のが個別的な評価の評価方針でございます。 142 143 総合的な評価でございますが、業務全体について総合的に行うということ 144 でございますけれども、総合的な評価についても数段階の基準を設定をし 145 て評価をするかということがございます。つまりA、B、C、D、Eとい 146 うような評価の設定をいたしまして、そういう評価を行うかどうか、ある 147 いは文章で評価をするかということでございます。 148 149 総合的な評価の評価方針は次のとおりにしてはどうかということですが、 150 これも3番以降は個別的な評価の方針と同様のことが述べてございますけ 151 れども、(1)につきましては公衆衛生の向上又は労働者の安全の確保、若 152 しくは健康の確保にどの程度、寄与したか。(2)として個別的な評価の結 153 果を単に平均化するのではなく、(1)に照らし、各項目の重要性を勘案す 154 るというようなことがつけ加えられて、全部で9つの評価方針ということ 155 になっているわけでございます。 156 157 次の最後に4頁をご覧をいただきますと、スケジュール、段取りでござい 158 ますけれども、各事業年度が終了いたしまして、独立行政法人からヒアリ 159 ングをしていただきます。 160 161 この評価委員会で実績のヒアリングをまずしていただくというのが(1)、 162 その実績の結果を踏まえましてこの委員会の先生方お一人ずつがそれぞれ 163 毎に評価をしていただくというのが(2)でございます。その評価の結果と 164 いうものを私どもの方に提出をいただきまして、その評価結果を集計する 165 と、一旦、その集計をした評価の結果というものを取りまとめまして、そ 166 の取りまとめた資料を基にいたしまして、この委員会でご議論をいただく 167 ということでございます。そのご議論の結果、さらに修正をするというこ 168 とも出てくるでしょうけれども、まず、一旦、個々の先生方に評価いただ 169 いたものをさらに全体で議論をしていただきまして、最終的な評価を決定 170 していただくということでございます。 171 172 その結果を総務省の審議会への通知、併せて公表をしていくということを 173 考えているわけでございます。 ---------------------------------------------------------------------- 363 ○ 黒川委員長 373 我々 374 がこういうことを評価ばかりすると仕事が増えてしまうわけですよ、安井 375 先生がおっしゃったみたいに。安井先生の本来の業務は何ですか、それが 376 できなくなるわけですよ。公務員の先生はそれでもいいのだけれども、どっ 377 ちにしろタックスペイヤーのお金で食っているわけだからどうということ 378 ないのですけれども、私企業の人はそれで業務に差し支えると非常に困る。 ・・・・・ ---------------------------------------------------------------------- 466 ○ 堀田委員 475 そういう観点からいけば、中期目標というのは最終的には大臣がお定めに 476 なってもいいのですけれども、研究やっている人がこれが自分はタックス 477 ペイヤーのために一番いいことであり、自分のやれることはこういうこと 478 であるという、そういうことで自ら中期目標を定め、大臣がそれをOKな 479 らOKで、それを公にしていろいろな、タックスペイヤーと言ったって抽 480 象的ですから、いろいろな関係者の方々に公開して、そこで意見を募れば 481 よい。実際、相当いい意見が集まると思いますが、それを入れて中期目標 482 自体、達成すること自体が本当に今の姿でタックスペイヤーにとって一番 483 いいことだという、そこが確定できれば、あとは中期目標の達成をどう評 484 価すればいいのかと、評価の方は簡単になるわけですよね。 485 486 ところが中期目標が遺憾ながらそういうタックスペイヤーのオーソライズ 487 を得ていない、大臣がお定めになった、いや、信用していますけれども、 488 行政を信用しておりますけれども、果たしてそれでいいのかどうかという 489 点がどうしても凄くぐらついておるから、その部分の評価が結局、この評 490 価委員会に被さってくるという、重荷を負わざるを得ないと、こういう構 491 造になっているわけですね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [60-6]独立行政法人化阻止ネット ---------------------------------------------------------------------- [60-6-1]呼びかけ人・賛同者・賛同団体 分野別名簿 2001.7.10 http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/znet/meibo1.html ---------------------------------------------------------------------- [60-6-2]◆豊島耕一「独法化--現行制度との比較」(2001.7.7) http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/compare2.html ---------------------------------------------------------------------- [60-7]大学の動き ---------------------------------------------------------------------- [60-7-1]◆経済財政諮問会議への「公立大学協会意見」2001.6.21 http://homepage2.nifty.com/kodaikyo/iken_shimon.htm 「世界最高水準の大学作り」「人材大国の創造」「都市・地域の再生」の「3 つの改革」は、総論としては評価できます。但し、表題は誤解を招きかねませ ん。経済活性化が目的で大学改革をその手段と位置づけていると誤解されるな らば、これは「国家百年の大計」を誤ることになります。大学改革が、次世代 の優れた人材の育成、学術研究の持続的展開、地域住民・国民・人類の平和と 福祉、地球環境の保全等の人類的課題とならんで、経済活性化にも大きく寄与 するという姿がもっとも望ましいと認識しています。」 ---------------------------------------------------------------------- [60-7-2]「国公私立大学団体国際交流担当委員長協議会(仮称)」設置要綱(案)(2001.6.28) http://homepage2.nifty.com/kodaikyo/kyogikai.htm ---------------------------------------------------------------------- [60-7-3]大学基準協会「新構想の大学評価に関するアクション・プラン(その1)」2001.5.18 http://www.juaa.or.jp/main/oshirase/2001-1.html (PDF 117 ページ) http://www.juaa.or.jp/main/database/actionplan1.pdf ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [60-8]「大学改革」 ---------------------------------------------------------------------- [60-8-1]◆ML he-forum より:国立大学統廃合への熱の籠った行政指導 「ご存知の方も多いと思いますが、7月6日付で文科省大学課長名で、「平成14 年度概算要求ヒアリングについて」という文書が出され、7月6日から各大学の 事務局長、経理部長などが文科省にでかけ、ヒアリングを受けたようです。 問題はその中身。概算要求に関連することはまったくなく、例の遠山プラン にある統合などの計画の有無について詰問するような内容だったということで す。 **大学についていえば、**学部に他大学との統合の意向はないのか、* *学部の地方移管の余地はないのか、といったことから、現在のまま残して欲 しいというようなことでは話にならない、医・工など強いところに特化した構 想にならないのか、といったことまで、かなり強い調子で攻め寄られたという ことのようです。他大学でも相当厳しく責められたところがあると聞いていま す。このヒアリングの全容がわかれば改めてお知らせしますが、全国的にどの ような状況か情報の交換を望みます。遠山プラン、小泉構造改革路線が本格的 に大学に押し寄せているのですが、大学側も本腰を入れて、日本の大学と教育 を守る運動を展開しないと、受身だけの対応に終始したり、改革を競いあった りすることになってしまうのではないでしょうか。」 ---------------------------------------------------------------------- [60-8-2]東大、科類を全面見直し(読売新聞)2001.7.6 http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2245.html 「東京大学(佐々木毅学長)は、文科一〜三類、理科一〜三類に分けて新入生 を受け入れる現行の「科類」制度の在り方を約40年ぶりに全面的に見直し、 再編する方針を決めた。文科一類の入学者は法、文二は経済、理三は医学部へ の進学が約束されているが、これを見直し、全学的に「進学先」を限定せずに 入学させ、入学後の成績、適性などで振り分ける方向で検討する。・・・」 ---------------------------------------------------------------------- [60-8-3]信大人文学部評価、山口大に依頼 国立大で初 『信濃毎日新聞』2001年7月6日付 http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2250.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [60-9]学生の動き ---------------------------------------------------------------------- [60-9-1]◆東京大学教養学部学生自治会投票結果 http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2236.htm ---------------------------------------------------------------------- [60-9-2]広島大学で学生自治会が結成 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [60-10]構造改革について ---------------------------------------------------------------------- [60-10-1]北大緊急シンポジウム7/10:構造改革は日本を救うか? 主催:北海道大学大学院法学研究科付属高等法政教育研究センター ---------------------------------------------------------------------- [60-10-1-1]濱田康行「経済構造改革とは何か?」 (法学研究科教授・金融論) 経済財政諮問会議の基本方針は「病気を治すために手術をします。少し痛いけ れど我慢して下さい」というものだが、すぐに浮かぶ反応は、医者の腕は大丈 夫?、あまり痛いのは困る!、手術の時間が気になるというものだ。北海道で はすでに痛みに耐えてきているところにさらに痛みと言われてもどうしてよい かわからない。Informed Consent なしに手術が行われようとしていると言え る。・・・ 「不良債権処理で経済がなぜ良くなるかは不明。現時点で金融機関は貸し出し 余力が充分ある(100ある中70しか化していない)。公的資金の注入によ り実質的な国営化となるが、民のものは民へという方針とチグハグ。」・・・ なぜ、アメリカが、日本の不良債権問題にこれほどまでに関心があるのか、 それを考えるべきだ。・・・・」 ---------------------------------------------------------------------- [60-10-1-2]金子 勇「高齢社会と構造改革−−少子化と長寿化の観点から」 (文学研究科教授) 「★基本理念:「痛みを怖れず」と社会の「個人化」は相いれない。個人がエン パワーされる中間集団(公・共・互・私)のうち「共・互」育成こそ「構造改 革」の社会学的原点。」 「個人単位化」で失業者をどのように支えるのか?社会への視点はジェンダー とジェネレーションが基本だが、後者の視座が完全に欠落している。働けない 人、次の世代のため働きたくない人、等が無視されている。特定グループの考 え方に過ぎないものが、国民的合意もされないままに、巧妙に構造改革案の中 に組み込まれているという印象がある。 「国民にとって「多様な選択」を主張しながら、「働く女性にやさしい社会」 という一面的・一律的価値観を押し付ける自己矛盾が見られる。」 ---------------------------------------------------------------------- [60-10-1-3]山口二郎「構造改革の政治力学」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [60-10-2]◆ A Leap in the Dark By PAUL KRUGMAN NYTimes.com 2001.7.8 Article, RECKONINGS http://www.nytimes.com/2001/07/08/opinion/08KRUG.html 要約:「構造改革」は、経済危機の直接の原因が需要不足にあるのにもかかわ らず、供給側の腐敗や非効率を正す構造改革であるため、需要を悪化させ経済 を破滅させる危険性は極めて高い。竹中大臣が率直に語ってくれたのでわかっ たことだが、うまく行くであろう確固とした根拠はなく、単にうまくいくかも しれないというだけの理由により過激な処置がとられようとしている、まさに、 暗闇への跳躍だ。「小泉氏は成功するだろうか?成功して欲しい。しかし、悪 い予感を私は持っている。小泉政府の暗黙のスローガンは「改革しないと破滅 するぞ」というものだが、実際の結果が「改革して破滅する」というものであ る可能性はぞっとする程高いのである。」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [60-11]論説など ---------------------------------------------------------------------- [60-11-1]日本経済新聞連載連載:教育を問う第7部 改革への青写真 http://www.jca.apc.org/toudai-shokuren/dekigoto/0106n.html ---------------------------------------------------------------------- [60-11-2](再掲)中嶋哲彦「国立大学独立行政法人化の問題」(2000.4) http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/004-nakajima.html ---------------------------------------------------------------------- [60-11-3]豊島耕一「文部科学省の大学脅迫記事のパロディー」(2001.7.7) http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/614parody.html ---------------------------------------------------------------------- [60-11-4]◆藤田整「大学教育に卒業という制度は必要か」 大阪市立大学「経済学雑誌」第73巻第4号(1975.10.25) p64-74 http://www.ac-net.org/doc/01/705-fujita.shtml ---------------------------------------------------------------------- [60-11-5]◆五味健作「若人はどちらを選ぶか」 http://village.infoweb.ne.jp/‾gomiken/univ/hypo.htm 見出:感性についての仮説|独行法化の思想|科学の分類と大学| IncentiveとMotive|ナード社会の生産原理|アカデミズムと人間性の本来| 学生へのアンケート ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [60-12]第13回2001.5.21 国立大学協会設置形態検討特別委員会(議事概要) http://www.hokudai.ac.jp/bureau/socho/agency/j130521-1.htm 「経済財政諮問会議より国大協の検討状況に関して,5月24日にヒアリング実 施の話があり,国大協会長の小職に出席要請があったが,当日はどうしても都 合がつかず,副会長・各専門委員会座長の都合をお伺いしたところ,松尾座長 が予定を変更し出席いただけることとなったとともに,若杉専門委員が帯同い ただけることとなったので報告する。両先生には宜しくお願いしたい。」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ No 4 (2000.4.3) より [4-11] 大学非常勤講師問題会議編「大学危機と非常勤講師運動」 こうち書房 2000.3.1発売 ISBN 4-87647-469-9 http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/00328-dkk.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【発行の趣旨】国立大学独立行政法人化問題を広い視野から考えるのに役立 つと思われる情報(主に新聞報道・オンライン資料・文献・講演会記録等)を 紹介。種々のML・検索サイト・大学関係サイト・読者からの情報等に拠る。 メール版で省略されている部分はウェブ版参照。ウェブ版は目次番号が記事 にリンクされている。転送等歓迎。 【凡例】#(−−− )は発行者のコメント。・・・は省略した部分。◆はぜ ひ読んで頂きたいもの。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行者:辻下 徹 e-mail: tujisita@geocities.co.jp http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/ ---------------------------------------------------------------------- 発行部数 2164 (2001.7.11現在) 1430 Mag2:846|CocodeMail:368|Pubzine:92|Macky!:55|emaga:32|melma:37 732 直送(北大評議員・国立大学長・国大協・報道関係・国会議員等) ---------------------------------------------------------------------- Digest版 発行部数 約1600(北大), ML(he-forum,reform,aml,d-mail) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ End of Weekly Reports 60