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Weekly Reports  No.54  2001.5.29 Ver 1.1

http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/wr/wr-54-01528.html 総目次:http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/wr/all.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [54-0] 発行者より [54-0-1] 国立大学協会が6月12・13日の定期総会で「原案」[54-1]を了 承予定とされている。その通りになれば、国立大学全体は独立行政法人化が大 学改革にプラスになると認め自主的にこの道を選択することになる。そのよう な見え透いた取り繕いをして本当に良いのだろうか。 これは、国立大学の「役員会」の暴走と言えるだろう。学長等「役員」しか まだ知らないのっぴきならない事情があるならば、国立大学の現場に居る者に 包み隠さず情報公開し説得しようとすることは「役員会」として望ましい姿勢 ではないだろうか。それとも、独立行政法人化後の大学「役員会」の上意下達 型リーダーシップの予行演習をしているのだろうか。  100人の「役員会」は12万人の職員に、今決めようとしていることの必 要性を説明し説得し、説得が通用したかどうかを12万人の投票で確認すべき である。反対が多ければ、もう一度説得を試みる必要はあるだろう。再度投票 しても反対が多い場合にも、独立行政法人化以外の道がないと判断したのなら ば、国立大学「役員会」99名の責任を明確にして独立行政法人の道を選択す ればよい。それがリーダーシップに伴う責任であろう。  この程度の手間は、1世紀に1度あるかないか、という生死を賭けた大学の 大手術の前には惜しむべきではない。社会が大学に求めているアカウンタビリ ティの真意は、このような重大な事柄における意思決定過程の透明性であろう。 大学に対する社会からの信頼を回復する契機として大いに利用して欲しい。  刈羽村の住民・徳島市の市民は、国立大学とは比較できない程の圧力や利益 誘導を受けているに違いない。それにも怯まず、自らの意思を確認する作業を 省かなかった。国立大学教職員も少しは見習って、独立行政法人化についての 自らの意思を確認すべきであろう。その作業を通して、国立大学という日本社 会の無形の財産を預かる現場の者としての自覚を鋭くすることができるのでは ないか。 ---------------------------------------------------------------------- [54-0-2] 国立大学の独立行政法人化の歯車が動き出した1999年2月の総 務庁長官対文部大臣の個人的会談の経緯[54-7-1]は、何度読んでも心穏やかで いられない。このようなレベルの議論に負けて学問の自由と大学の自治を質に 入れ、日本社会の高等教育・学術研究の場を行政に手渡してしまうような学者 が行政トップに居たことは実に不幸なことであったと感じるのである。さらに、 この政策決定を非公式に知らされた国大協「幹部」が、最初から独立行政法人 化を前提にして、その毒消し作業に没頭してしまったことも不幸なことであっ たし、独立行政法人制度設計者の国大教授の「ジュリスト論文」[54-7-3]が非 公式に全国立大学教員に配付されたことも不幸なことであった。  当時の文部大臣は回想して「公務員型独立行政法人」なら反対する理由はな いと考えたと言っている。しかし、そもそも「公務員型」なるものも、最初の 5年ほどしか意味がないことは、当時の総務庁長官の国会答弁[54-7-2]を見れ ば明白であるし、現実には、小泉内閣は、国立大学の独立行政法人化は非公務 員型とする方針を明確にしている[54-7]。そのためか、国大協の原案にも、 非公務員型を否定しない、と明言している。給与の大きな格差・公務員型にあ る厳しい兼業規制や倫理規定の制約がなくなるために、非公務員型に魅力を感 じる教員も居ることを反映したものらしい。しかし、文部大臣自身が独立行政 法人化を容認した契機であった[57-7-4]ように、大半の国大教職員にも「公務 員型」は独立行政法人化を考えるときの大前提ではないのだろうか。このよう な大きな因子を政府にゲタを預ける形で独立行政法人化容認に踏み切ることは、 国大協「幹部」の背信行為と言えるだろう。  「公務員型・非公務員型」は問題点の一例である。同様の「背信行為」とい える内容は「原案」に少なくない。 ━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [54-0]発行者より [54-1]国大協 特別委 専門委員会連絡会議 0521文書への批判等 [54-1-1]全大教東北地区協議会:東北地区国立大学学長会議への申し入れ [54-1-2]日本科学者会議第34回定期大会 声明2001.5.27 [54-1-3]独立行政法人問題千葉大学情報分析センター(2001.5.25) [54-1-4]「ありうる枠組み」の大半は通則法に埋め込めることの確認(発行者) [54-1-5]日本科学者会議:国立大学の独立行政法人化問題に対する第三次見解 [54-1-6]国大教職員が6月12日までにすべきこと(発行者) [54-1-7]毅然として「大学の自治」を守るよう、国大協に訴える [54-1-8]5・21特別委員会文書に対する首都圏ネット声明 [54-1-9]「国立大学法人化についての基本的な考え方」(案)等について [54-2]国立大学独法化阻止 全国ネットワーク 活動開始 [54-2-1]「5・21国大協文書はみずから「独法化」への道を選ぶものである」 [54-2-2]国立大学を独立行政法人化しないよう求める請願署名 [54-3]総務省統計局「統計で見る日本の科学技術研究」 [54-3-1]支出源別研究費 [54-3-2]性格別研究費 [54-3-3]大学:研究関係従事者数 [54-3-4]大学:研究本務者専門別内訳 [54-4]旧文部省「「知の時代」にふさわしい技術移転システムの在り方について 」 [54-4-1]今後の産学連携の在り方に関する調査研究協力者会議(旧文部省) [54-4-2]産学の連携・協力に関する調査研究協力者会議 2000/07/31 議事録より [54-5]日経新聞連載「国研から脱皮 独立法人始動−産業技術総合研究所」 [54-6] 衆議院文教委員会 平成13年5月18日(金曜日) 議事録 [54-7] 国公立大職員は非公務員型 総合科学技術会議が方針 [54-7-1] 「国立大学」が消える日 第2回:「公務員型なら」 文相も転向 [54-7-2]国公労連「行革闘争ニュース」1999年6月1日付その1 第108号より [54-7-3] 公開質問状への藤田宙靖氏からの回答 [54-7-4] 有馬元文部大臣「反対から賛成に転向した理由」 [54-8] 総合科学技術会議 評価専門調査会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [54-1]国大協 特別委 専門委員会連絡会議 0521文書への批判等 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/01/521-kdk-shiryou.html ---------------------------------------------------------------------- [54-1-1] ◆全大教東北地区協議会:東北地区国立大学学長会議への申し入れ(2001.5.28) http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/01/528-yamagata.html ---------------------------------------------------------------------- [54-1-2]日本科学者会議第34回定期大会 声明2001.5.27 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/01/527-jsa.html ---------------------------------------------------------------------- [54-1-3]独立行政法人問題千葉大学情報分析センター(2001.5.25) http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/9154/n5.html ---------------------------------------------------------------------- [54-1-4]「ありうる枠組み」の通則法への埋め込み(発行者) http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/521-kdk-tsuusokuhou.html ---------------------------------------------------------------------- [54-1-5] ◆日本科学者会議:国立大学の独立行政法人化問題に対する第三次見解 2001.5.26 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/01/526-jsa.html ---------------------------------------------------------------------- [54-1-6] ◆国大教職員が6月12日までにすべきこと(発行者) http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/525-tjst.html 国立大学教職員 各位 一昨年来、国立大学の独立行政法人化が検討され始めて以来、国立大学の諸 部局が独立行政法人化に反対する声明を出しましたが、大多数の部局は、特例 措置が未確定であることを理由として沈黙を保ってきました。ようやく大学側 の具体的提言・要求の原案*1が国大協の設置形態検討特別委員会で決まり是非 の議論ができる時がやってきました。しかし、これを検討し是非を判断するた めに残された時間は最悪の場合には、原案を審議する6月12日国大協総会ま での17日間しかありません。 検討すべきことは、文部省自身も1997年に簡明に指摘した独立行政法人 化の問題点*2が「原案」で真に解決されているのかどうかの吟味です。  私自身の検討結果によれは、原案に書かれている特例措置は、(1)中期目 標を大学が申請して文部科学省が認可する(2)学長は大学が選出する(3) 評価において、大学評価機構などの第三者評価機関の評価を参考にする、に留 まり、通則法が実現する行政による大学管理体制の弊害を弱める効果は望めま せん。それだけでなく、非公務員型の容認、任期制の推奨、文部科学省が使命 する監事を含む「役員会」を頂点とするトップダウン運営体制の提言等、大学 側が提案するはずの無い内容が含まれています。 原案の詳しい分析は既に複数出されています*3。  この点について、各大学・部局・学科・個人で検討し、早急に何らかの意思 表明することが国立大学の将来を大きく左右するものと考えます*4。 なお、国立大学の独法化問題はもはや政治的領域に舞台が移っており、その 是非を議論するなど、現実認識を欠いた馬鹿げた行為である、という政治的信 念を持ち発言される教員もおられるようですが、学問以外では没理的プロセス も仕方がないという姿勢を大学社会全体がとることは、理を基盤とする大学の 自己否定ではないか、と私は危惧します。  政治的には無に等しい知の共同体が頼れるのは理の力だけではないでしょう か。政府は形の上だけとは言え大学を尊重し「国立大学の独立行政法人化につ いては、大学の自主性を尊重しつつ、大学改革の一環として検討し平成15年 までに結論を得る」と言いました。現政府はまだこれに縛られています。独立 行政法人化は大学改革を阻むものであると私たちが心の底で信じているとすれ ば、それを黙っていることは不作為に公共の利益を甚だしく害するものです。  原案*1に書かれているような国立大学法人化は大学を損なうとしか思えない 人はそのことを言う義務があるのだ、と私は信じています。この17日間が、 その最後の機会となる可能性は非常に高いのです。  最後に、原案に見られる別の深刻な問題点を指摘したいと思います。それは 「これらの批判を社会の期待のあらわれとして真摯に受け止め、その期待に応 え社会の理解を深めるよう、最大限の努力を惜しんではならない。」という文 に象徴される姿勢です。社会に開かれた大学を目指すのならば、外からの批判 を「期待の現れ」と解釈して「期待に応えるよう努めます」という無内容な反 応をするのではなく、批判の具体的内容を吟味し、反論が必要ならば反論し、 すぐには解決できないのならば協力を要請するなど、の実質的な応対が不可欠 です。 国立大学は多方面から種々の批判を受けています。木を見て森を見ない他愛 もない罵詈雑言、教育行政の失政の大学への責任転嫁*5 などの不当な批判か ら、国立大学が容易には解決できない深刻な問題が存在する可能性を示唆する 批判(「研究優先・教育軽視」の風土、大学入試の初等中等教育への悪影響、 大学間の格差、大学教育人事の不透明性等、常勤教員と同数と言われる非常勤 講師の問題、学生・院生・若手教員の人権侵害等)もある。これらの批判を分 析しようともせず均一に「大学への期待の現れ」などと言うこと自身が、大学 が社会の意見を聞く気などないことを証明していることになるのです。今の段 階では、その責は設置形態検討特別員会にありますが、これを了承すれば、国 立大学全体がその責を負うことになります。  これらの批判に示唆される問題の多くは大学社会全体が協力して取り組まな ければ解決しようがないものですが、大学同士が生き残りをかけた競争的関係 に置かれることで解決が不可能になる所にも独立行政法人化の致命的問題性が あるのです。 --------------------------------------------------------------------- *1 http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/521-kdk-shiryou.html --------------------------------------------------------------------- *2 http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/doc/97a-monbu.html 1997年文部大臣の独立行政法人化に関する声明 (1)大学の教育研究は長期的視点にたって多様性をもつことを本質とするもの であり、独立行政法人はこのような大学の教育研究になじまない。 (2)独立行政法人のねらいは、効果的な業務の実施にあるが、文部大臣が3〜5 年の目標を提示し大学がこれに基づき教育研究計画を作成、実施する仕組み、 および計画終了後に業務継続の必要性・設置形態の在り方の見直しが制度化さ れる仕組みは、大学の自主的な教育研究を阻害し、教育研究水準の大幅な低下 を招き、大学の活性化とは結びつくものではない。また、効率性の観点から一 律に大学を評価することは、各大学の特色を失わせ、現在進められている大学 の個性化に逆行する。 (3)現下の厳しい財政状況の下で独立行政法人化する場合、安定的な研究費、 人件費等の確保の保障がなく、その結果、独自の資金を有しないわが国の大学 においては学術研究水準が低下し、科学技術立国を目指すわが国の発展は望め ない。 --------------------------------------------------------------------- *3 略 --------------------------------------------------------------------- *4 略 --------------------------------------------------------------------- *5 たとえば、欧米での大学ランキングの評価項目の中で、学生/スタッフ数比、 常勤スタッフの割合、教育研究補助スタッフの数、等、教育研究環境整備に関す る項目のウェイトが大きいにも関わらず、日本の大学のランキングが低いことが 大学を批判することに用いられることが多い。 ---------------------------------------------------------------------- [54-1-7] 毅然として「大学の自治」を守るよう、国大協に訴える 東京大学職員組合 2001.5.25 http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/010525seimei.html ---------------------------------------------------------------------- [54-1-8]5・21特別委員会文書に対する首都圏ネット声明 2001.5.24 http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/010524net527noseimei.htm ◆独行法反対首都圏ネットワーク事務局からの行動提起 http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/010525netkoudouteiki.htm ---------------------------------------------------------------------- [54-1-9]「国立大学法人化についての基本的な考え方」(案)等について 全大教中央執行委員長談話 2001.5.23 http://www.zendaikyo.or.jp/dokuhouka/zendaikyo/010523danwa.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [54-2]国立大学独法化阻止 全国ネットワーク 活動開始 ---------------------------------------------------------------------- [54-2-1] ◆「5・21国大協文書はみずから「独法化」への道を選ぶものである」 2001.5.28 http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/znet/kokudaikyo521.html      国立大学独法化阻止全国ネットワーク(独法化阻止ネット)               事務局長 豊島耕一              (佐賀大学理工学部,toyo@cc.saga-u.ac.jp)  去る5月21日の国大協設置形態検討特別委員会・専門委員会連絡会議で審 議了承された2文書,「国立大学法人化についての基本的な考え方」と「国立 大学法人化の1つのありうる枠組」が公表され,すでに議論が興っています. 独法化阻止ネットも簡潔に意見を表明してこの議論に加わりたいと思います. 以下では前者の文書を「考え方」,後者を「枠組」と略します.  まず「考え方」と「枠組」とが同一の書き手によるものとは考えられないほ ど趣旨が異なっているという点を指摘しなければなりません.  前者で,「憲法が保障する学問の自由は,直接的には,国家から自由である ことを意味する」とし,国の関与は「不正を防止し監視する仕組み....以上に,.... 大学運営に,外部からの規制を持ちこむことは,高等教育研究のシステムを歪 める危険性が強い」と断じています.ところが後者「枠組」では「中期目標の 認可」や国による評価など,「国家から自由であること」を全く否定する仕組 みを際限なく導入しているのです.「考え方」部分にも問題がないわけではあ りませんが,そこだけを読んで安心してしまうような迂闊な読者は騙されてし まうかも知れません.  通則法と「枠組」との目立った違いは「中期目標」作りを官庁から大学に移 したことぐらいのようです.「中期目標」,「中期計画」の概念の導入と,そ れらの官庁による認可,評価制度はそのままです.さらには,通則法には明示 されていないにもかかわらず,国による評価に基づく資金のコントロールまで 提言するに至っています(II-20).人事制度では任期制の導入を奨めており, また能力・業績給まで提言しています.「監事」として文部科学省天下りのポ ストが準備されています.  「枠組」の見過ごせないもう一つの特徴は,最近の国立学校設置法や学校教 育法の改悪点,いわば「隠れた大学管理法」をそのまま引き継いでいることで す.「法人化」されれば少なくとも前者の法律から自由になるのですから,こ れらの点についても当然再考すべきであったはずです.ところが学長への権限 集中と教授会,評議会の諮問機関化などの非民主的な改悪をそっくり,何の疑 問もなくみずからの案に取り込んでいるのです.  「考え方」の部分では,なぜ法人化か,現行形態のどこがまずいのかという 点が全くと言っていいほど吟味されていないことが最大の問題点です.国立大 学がしばられる法律自体に問題があるのか,それとも運用の仕方が悪いのかの 分析もされていません.例えば「組織の設置改廃」に制約があるといいますが, これは最近大幅に自由化されたはずです.もし法律が悪いというのであれば, 国立学校設置法の改正ではなぜダメなのか,どこに限界があるのかを検討すべ きです.このような作業の形跡が見られない以上,「はじめに法人化ありき」 という姿勢で作文されたものであると見なさざるを得ません.  これらの文書の性格は,故意か不作為かは別として全体として人を欺くもの です.なぜなら「考え」で述べた事とほとんど180度違ったことが「枠組」 にプログラムされているからです.(このようなもので欺かれるとしたら,欺 かれる方も悪いと言えます.)また,文書の隅々まで散りばめられた「高度化」, 「活性化」,「自己責任」,「個性化」などの官庁用語の数々は,この文書の 本当の著者は誰なのかと疑わせます.  「枠組」は,独法化をめぐるせめぎ合いにおいての意図的な「オウン・ゴー ル」以外の何ものでもありません.このようなチームではゲームに勝てるはず がありません.委員会メンバーは総員交替すべきではないでしょうか.また, いやしくも「最高学府」の最高責任者たちが集うであろう6月12日からの国 大協総会において,このような案が間違っても認められるような事があっては なりません.  最後に,たとえこのような案であっても,国大協が言う「通則法をそのまま の形で適用することには反対」という条件を満たしていることに注意すべきで す.むしろこのような,少しでも通則法から変更されれば独法化を受け入れる かのような曖昧な姿勢が今日の事態の原因です.国大協は「独立行政法人制度 およびそのいかなる亜種も許さない」という「国民にわかりやすい」姿勢を取 るべきです. 2001年5月28日 ------------------- 独法化阻止ネット呼びかけ文  日本語 http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/znet/plea-znet.html  英語  http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/znet/pleae.html ---------------------------------------------------------------------- [54-2-2] ◆6・12国大協総会へ向けての行動提起 Subject: [he-forum 1985] 6・12国大協総会へ向けての行動提起 he-forum会員の皆様        2000年5月29日         国立大学独法化阻止 全国ネットワーク         http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/znet/plea-znet.html             (事務局長  豊島耕一,toyo@cc.saga-u.ac.jp)  国大協総会での行動と,独法化反対の署名のお願いです.  いま国立大学の独法化問題は大きな山場を迎えています。  ご存知のとおり去る5月21日、国大協の設置形態検討特別委員会・専門委員 連絡会議に「国立大学法人化についての基本的な考え方」と「国立大学法人化 の一つのありうる枠組み」と題する二つの文書が提出されました.これらは理 事会で検討の上、来る6月12、13日開催の国大協総会に諮られようとして います。  特に、具体案としての「枠組み」(国立大学法人)は、通則法に基づく独法 化に限りなく近いものであり、文字通り「名前を変えた独法化」と呼ぶ以外に ないものです。  このような案が国大協総会で承認されれば、通則法型法人化への流れが一気 に加速し,阻止運動は極めて困難になるでしょう。その意味で6・12国大協 総会は国立大学の命運を決する正念場と言っても過言ではありません。  組合また有志グループが、署名、新聞広告、あるいは地方自治体への働きか け等、これまで営々と努力を積み重ねてきたのは、このうような法人化を実現 するためでは決してなかった筈です。  いまこそ、特別委員会案の総会決定を押しとどめるために全力を注がなけれ ばなりません。そのために以下の二つの行動を提起いたします。  みなさまのご協力をお願いいたします。 1. 6月12,13日、国大協総会会場(学士会館)前行動      (東京都千代田区神田錦町3-28  電話03-3292-5931       都営三田線/新宿線/半蔵門線 神保町 徒歩1分)     当日、9時20分 会場前集合。出席の学長たちに要望書、署名者     名簿等の配布、また傍聴要請等を行います。     多数の参加により、学長たちに私たちの独法化反対の強い意思を伝     えましょう。(首都圏ネットも同様の呼びかけを行っています) 2. 国大協会長あての緊急の署名運動    「国立大学独法化阻止 全国ネットワーク」では結成(5月18日)と    同時に、下記の署名運動に取り組むことを決定しました。    6月12日に国大協に提出するため、第一次集約(6月8日)までに    できるだけ多くの署名を集めたいと思います。この署名は国会請願も    兼ねているため,直筆が必要ですが,取りあえず国大協向けに電子メ    ールで集めようというものです.     ご賛同くださいます方は、本文末尾にある署名書式にご記入のうえ、    集約先 noda@ems.okayama-u.ac.jp へ電子メールでご送付願います。    なお、国会提出用に直筆の署名簿のために,署名用紙のPDFフアイル    を次に置いていますので、ご自身でプリントされ,ご記入の上、また    できればまわりの方々の署名と共に集約先に郵送くださいますよう    お願いいたします。     http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/znet/shomei.html   PDFフアイルを開くことが出来ない方にはこちらから署名用紙をお送りしま   すので、以下の書式にご記入ください。         署名用紙の郵送を希望します      送付先        署名集約先 700-8530 岡山市津島中3丁目 岡山大学環境理工学部      野田隆三郎(TEL・FAX 086-251-8820)                  noda@ems.okayama-u.ac.jp ------------------------------------  署名書式  以下の,国立大学を独立行政法人化しないよう求める請願署名に賛同します.   お名前   住所   所属大学名・学部名  (大学関係者の場合。現役でない方はそれと分かるようにご記載ください) ------------------------------------         国立大学を独立行政法人化しないよう         求める請願署名 衆議院議長   殿       2001年 月 日 参議院議長   殿 国立大学協会長 殿  請願理由 現在、国立大学を独立行政法人(あるいは名称は違っても実質的な独立行政法人 )にする計画が進められていますが、国立大学の独立行政法人化は、企画立案、 評価、財政配分、さらには統廃合にいたるまで、行政の大学への大幅な介入を許 すものであり、学問の自由を保障した憲法23条、また教育への行政の不当な介 入を禁止した教育基本法10条に著しく違反するものです。  さらに、現行の民主的な学長選挙制度の廃止、学外からの大学運営への発言力 の強化、評議会・教授会の形骸化などは、大学の自主的・民主的運営を妨げ、大 学の社会的責任の遂行を危うくするものです。  よって、下記の事項を請願いたします。 請願事項 (1)国立大学を独立行政法人にしないこと (2)さらに、独立行政法人の名称でなくても、実質は    独立行政法人とかわらない法人にもしないこと  請願団体  国立大学独法化阻止 全国ネットワーク     事務局 佐賀市本庄町1.佐賀大学理工学部 豊島耕一                    TEL0952-28-8845     署名集約先 700-8530 岡山市津島中3丁目 岡山大学環境理工学部      野田隆三郎(TEL 086-251-8820)      第1次集約 6月8日(金)(第2次以降の集約は毎月末) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [54-3]◆総務省統計局「統計で見る日本の科学技術研究」 http://www.stat.go.jp/data/kagaku/4.htm ---------------------------------------------------------------------- [54-3-1]支出源別研究費 http://www.stat.go.jp/data/kagaku/4-06.htm ---------------------------------------------------------------------- [54-3-2]性格別研究費 http://www.stat.go.jp/data/kagaku/4-08.htm ---------------------------------------------------------------------- [54-3-3]大学:研究関係従事者数 http://www.stat.go.jp/data/kagaku/4-17.htm ---------------------------------------------------------------------- [54-3-4]大学:研究本務者専門別内訳 http://www.stat.go.jp/data/kagaku/4-18.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [54-4]旧文部省「「知の時代」にふさわしい技術移転システムの在り方について 」 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shinkou/002/gaiyou/001271.htm ---------------------------------------------------------------------- [54-4-1]今後の産学連携の在り方に関する調査研究協力者会議(旧文部省) 2000/12/27 概要 より 【参考】産学連携における「利益相反」に関する諸問題・課題について http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shinkou/002/gaiyou/001271a.htm#07 5) 日本でも産学連携が活発化するにつれて、海外の大学等と同様にCOIの 問題への対処が必要になるのではないか。仮に国立大学等が法人化した場合、 各大学等が一方で公的資金に支えられ、他方で産業界等の私的な機関との知的 資源の流通を促進させることを想定すると、利益相反に関する問題に遭遇する 可能性が増すので、教員の行動基準としての利益相反のガイドラインが必要に なると思われる。」 ---------------------------------------------------------------------- [54-4-2]産学の連携・協力に関する調査研究協力者会議 2000/07/31 議事録の発言より http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shinkou/002/gijiroku/001/000703.htm#top 「国は基本的に豊かでなくてはならない。国立大学の運営も税金によって賄わ れている。国からの研究費であっても、特許は国で持っていても活用されない ので、企業が持って儲けてもらって、法人税を稼いでもらった方がよい。国の 研究成果は国に属すると必ずしも考えなくても良いのではないか。」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [54-5]日経新聞連載「国研から脱皮 独立法人始動−産業技術総合研究所」 2001.5.15-23 http://www.jca.apc.org/toudai-shokuren/dekigoto/0105ns.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [54-6] 衆議院文教委員会 平成13年5月18日(金曜日) 議事録 http://www.shugiin.go.jp/itdb_main.nsf/html/kaigiroku/009615120010518010.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [54-7] 国公立大職員は非公務員型 総合科学技術会議が方針 共同通信ニュース速報[2001-05-24-11:20] http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe1965.htm 「小泉政権下で初めてとなる総合科学技術会議(議長・小泉純一郎首相)の本 会議が二十四日、官邸で開かれた。同会議では、国公立大の職員や研究者の身 分を公務員型から非公務員型に変えることを検討するなど、大学と民間企業と の交流を促進する規制緩和策を進める方針が示された。  尾身幸次科学技術担当相が、現在検討中の来年度予算に向けた五項目の政策 課題について中間報告。私立大が民間企業から委託を受けて実施する研究活動 を活性化するための減税措置や、大学での研究を基にしたベンチャー企業を育 成するための制度改革、さらに国公立大の研究施設の整備に公共事業費を積極 的に活用することなどが大筋で了承された。  小泉首相は「来年度の科学技術関連予算は大枠で増額する方針だが、不要な ものは削ってメリハリをつけてほしい」と述べ、六月中をめどに有識者議員ら による下部会合で重点項目の洗い出しを急ぐよう指示した。  会議ではまた、理化学研究所の研究者らが米司法当局に起訴された遺伝子ス パイ事件の調査状況に関して有識者議員から報告があり、特許や研究成果の保 護など知的財産権に関する検討を始めることを決めた。(了)」 ---------------------------------------------------------------------- [54-7-1] 「国立大学」が消える日 第2回:「公務員型なら」 文相も転向 2000年2月12日 東京新聞連載 「『文部省からの独立』を求めた東大病院有志による“直訴”事件は、文部省 や学内の反対でつぶれた。しかし同大医学部は1997(平成9)年8月、正 式に改革案を出し、事実上、独立行政法人化支持に踏み切った。直訴を受けて いた行革会議事務局長(当時)の水野清(75)も同年10月、東大と京大を 先行して独法化する案を打ち出した。  東大病院の火種は、再び燃えかけたが、行革会議では結局合意に至らず、同 年12月の最終報告では「大学の白主性を尊重しつつ、研究・教育の質的向上 を図るという長期的視野に立った検討を行うべき」だとして、国立大学を独法 化の検討対象から外した。  「“長期的視野”というのは、やらないのと同じ。事実上消えたと思った」。 会議の中心メンバーで、現在も中央省庁等改革推進本部顧問会議に残る、東北 大の教授の藤田宙靖(64)は振り返る。水野も「(含みを持たせた表現は) 私の顔を立てて入れてくれたようなものだ」といったんあきらめたことを認め る。  しかし「消えた話」は突然、復活する。「政治の動きとして、定員削減の話 が出たことが大きい」と、藤田は指摘する。行革会議の最終報告では、国家公 務員を10年間で1割、削減することになっていた。それが小渕政権の方針で 2割に増え、自民、自由両党の合意で昨年1月には25%にかさ上げされた。  そんなに多くの官僚を減らすのは、事実上不可能で、当初の10%以外は独 法化による削滅分とされた。その削減の対象として政府が目を向けたのが、1 2万5干人もの定員を抱える国立大学だった。 ◇ 98年の暮れから、翌年1月にかけて、文部大臣(当時)の有馬朗人(6 9)と総務庁長官(同)の太田誠一(54)は三たび会談した。官僚を交えな い「差し」の話し合い。太田から話を持ちかけ、自らが会員となっている東京 都内のレストランや国会内の空き部屋で、有馬に国立大学を独立行政法人化さ せるよう迫った。  「長期的視野とは、どのくらいの期間か」。国立大の独法化に執念を燃やす 太田が尋ねた。「長ければ長いほどいい」と考えた有馬が出した答えは「20 08年」。太田は納得せず「10年後まで待てない。政治家にとって、やると いうのはせいぜい1年先の話だ」と、有馬を追い込んだ。  「経済面は保障する」「国立大学だけ削減しないわけにはいかない」。大田 は25%の定員削減をちらつかせながら、さまざまな口説き文句を連ねたとい われる。「決定権はこちらにあるんですよ」。最後は、こう有馬に決断を迫り 「2003年」までに結論を出すことで、二人の大臣は折り合いを付けた。  「大学の自主性を尊重しつつ、大学改革の一環として検討し、平成15年ま でに結論を得る」。99年1月26日に決定した「中央省庁等改革にかかわる 大綱」には、明確にタイムリミットが盛り込まれた。国立大独法化への流れは、 このとき形作られた。 ◇ 「独立行政法人化は効率化の観点から行われるもので、大学の教育研究に なじまない」「国立以上に財政支援がなされるとはとうてい考えられない」 「大臣からの中期目標の提示、中期計画の認可等の仕組みは、大学の教育研究 活動の自主性に反する」一−。水野が東大と京大の独法化案を出した97年当 時、有馬はこう反論、独法化に強く抵抗していた。その1年後、小渕政権下で 文相となっていた有馬が宗旨変えしたのはなぜか。「あの時は、独法化は民営 化の第一歩だと思っていた」。有馬はそう説明する。ところが行革委の最終段 階で多くの機関が「国家公務員型」となった。国が人件費を賄うなら反対の理 由は一つ消える。「公務員型なら、大学改革の選択としてあり得ると思ってい た」と有馬は言う。  先進各国の大学の多くは法人格を持っている。国立大のままでは、細かい規 制に縛られる。文部省と直接の関係を切り、教育や研究についての方策を自律 的に考えて運営するのも悪くない……。次第にそう考えるようになっていた有 馬が、太田との会談で妥協し、独法化へと踏み出すのは、自然な帰結だった。」 ---------------------------------------------------------------------- [54-7-2]国公労連「行革闘争ニュース」1999年6月1日付その1 第108号より http://www.intio.or.jp/arbeiter/gyoukakunews/990601(1).htm (中略) 1999年5月31日午後、行革特別委員会の一般質疑 水野賢一委員(自民党) 【独立行政法人】 ○ 独立行政法人は、今回の行革の目玉である。スリム化の切り札となってい る。職員の身分については公務員型と非公務員型があるが、89機関事務の内 どれくらいが公務員型なのか。 ●(太田総務庁長官) 公平・公正な審議の結果85機関となった。 ○ 公務員型と非公務員型はどういう基準で分けたのか。 ●(太田総務庁長官) 中央省庁等改革基本法第40条(職員の身分)に基づ き、公平・厳正に検討した結果である。個別には激しいやりとりをした。 ○ 独立行政法人通則法の第2条の定義に「その業務の停滞が国民生活又は社 会経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすと認められるものは」とある。国 立博物館や美術館は公務員型で、貿易保険は非公務員型となっている。貿易の 方が国民生活に影響があると思う。公務員型と非公務員型の分け方がいい加減 ではないか。 ●(太田総務庁長官) そこだけを見ればそうだが。公務員型の身分を与える とは、国家の仕事を担っている責任感や堂々として仕事をしてもらうために身 分を与える。組織として自己責任が求められており、配属される職員が公務員 型、非公務員型とかにこだわると損なわれる。 ●(河野内閣審議官) 通則法第2条の定義は、基本法の文言をそのまま持っ てきたものだ。公共性など法案に「総合的に勘案して」とあるように、検査や 検定などは権力的な要素も含んでいる、その辺を総合的に判断した。 ○ 国家公務員の削減数に独立行政法人が含まれるのはおかしい。 ●(太田総務庁長官) 独立行政法人を3年から5年おきに評価する中で、職 員の身分が非公務員型になる改変もあり得る。 ○ 独立行政法人の職員も国家公務員なら、削減目標があってもいいはすだ。 ●(太田総務庁長官) 効率性を求められる独立行政法人の職員削減は、25 %くらいでは困る。特に生産性を求められるような部分では、新規採用をゼロ にするぐらいのペースでないと困る。 ○ 通則法第35条(中期目標の期間の終了時の検討)に見直しが規定されて るが、改廃も含まれるのか。 ●(太田総務庁長官) そのとおりだ。 ○ 3年から5年で見直すのは大変良いことだと思う。行政だろうと民間だろ うと失敗はあり得る。見直し制度の導入は画期的だ。独立行政法人の改廃も含 むと答弁していただいたことは、大変良いことだ。第66条(解散)に「独立 行政法人の解散については、別に法律で定める。」とあるが、どういうことか。 ●(太田総務庁長官) 解散の判断は、個別の法律で定めないといけない。 ○ 独立行政法人の長の用件としては、第20条に高度な知識力と経営力との 2つが上げられると思うが、どちらが優先するのか。 ●(太田総務庁長官) 経営者の能力と高度な知識経験者としての能力の両に らみだ。個人的には経営者の能力だと思う。しかし、各大臣が政治的な判断で やることで。私がここで経営能力だと言ってしまうと各大臣を縛ることになる。 ○ 高度な知識及び経験を有するものとなると、官僚の天下り先になるのでは ないか。独立行政法人への官僚の天下りを容認するのか。 ●(太田総務庁長官) 大事なポイントだと思う。独立行政法人の長について は、特別職にするということに努力した、大変思い入れがある。監督庁にいる 方も排除はしない。 ○ この法案では天下りもあり得ると言うことですね。天下り先として、第2 の特殊法人になってはいけない。独立行政法人は、特殊法人の批判と反省にたっ て設計したと答弁しているが、そんなに特殊法人に問題があるなら、全部なく して独立行政法人にすれば良いのでは。特殊法人を独立行政法人にするという のは、一つの選択肢としてあり得るのか。 ●(太田総務庁長官) より良い制度を作ったと思うので、特殊法人もそれに ならっていただきたいと思う。今回の行政改革に特殊法人まで視野に入れてい ない。絞って検討している。 ○ 有馬文部大臣は、理化学研究所の理事長として長く行革会議のメンバーを されていた。今は科学技術庁の長官でもある。今でも理化学研究所を独立行政 法人にした方が良いと思っているのか。 ●(有馬文部大臣) 特殊法人を独立行政法人にするかは、今から検討するこ とである。理化研は特殊法人なので、これから検討していただくことになる。 ○ 特殊法人を独立行政法人にする場合は、現在、公務員ではないので公務員 を増やすことになるので注意していただきたい。 特殊法人は、子会社、孫会 社を持っている。子会社と癒着したり天下り先となったりと指摘がされている。 独立行政法人は、子会社、孫会社を持てるのか。 ●(太田総務庁長官) 独立行政法人の業務が、国民のニーズとは無関係に自 己増殖することは厳に慎まなければならない。目的達成に必要な本来業務以外 は認めないようにし、法律で規定している。特殊法人は、周辺業務や業務を遂 行する上で必要な業務等、広く規定している。 ○ 特殊法人は情報公開を先送りした。独立行政法人は、情報公開の対象にな るのか。 ●(太田総務庁長官) 国民に要求されてやる情報公開と自らやる情報公開が ある。独立行政法人は自らやる情報公開だ。特殊法人について情報公開制度を 先送りしたという気持ちは持っていない。情報公開法は国家の仕事の公開が対 象であり、特殊法人は一部民間の顔も持っているので、検討に時間を要した。 ○ 国民が情報公開の請求をした場合には公開するのか。 ●(太田総務庁長官) 独立行政法人は一般の行政と違うので、手当をしない といけない。 ---------------------------------------------------------------------- [54-7-3] 公開質問状への藤田宙靖氏からの回答 http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/00127-fujita.html ---------------------------------------------------------------------- [54-7-4] 有馬元文部大臣「反対から賛成に転向した理由」 週間『エコノミスト』'99.11.30 (p.72-73) http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/99b23-arima.html 「九八年六月と一二月では微妙な差があった。六月は独立行政法人は民営化へ の第一歩と言えるものだったが、一二月には変わってくる。すベて民営化路線 なら郵政は反対だろうということで、職員の身分を国家公務員にする「公務員 型」という考え方が入ってきた。初めは「非公務員型」だったのが、公務員型 が主流になる。それまでは民営化、私学化への一歩だったものが、公務員とい う身分を残したままで、独立行政法人化が可能になった。それは国の予算で面 倒を見ようということだから、私が強烈に反対した理由の一部が薄れてくる。  独立行政法人の公務員型が許された場合、良いことがある。例えば研究費な ども、その年度のうちに無理やり使ってしまわないで、翌年に持ち越すことが 楽になる。優秀な人に対しては給料をたくさんあげることができる。国の援助、 公務員型を残すことを前提に置きながら、国立大学に自由度を増やすことがで きる利点がある。私が反対派だということはよく知られていたが、そういう事 情の変化があった。」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [54-8] 総合科学技術会議 評価専門調査会 http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/main.html ---------------------------------------------------------------------- 第1回議事録(案) 2001.4.13 http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/hyouka/haihu02/siryo5.pdf ---------------------------------------------------------------------- 第2回議事次第 2001.5.14 http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/hyouka/haihu02/haihu-si02.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【発行の趣旨】国立大学法人化問題を広い視野から考えるのに役立つと思われ る情報(主に新聞報道・オンライン資料・文献・講演会記録等)を紹介。種々 のML・検索サイト・大学関係サイト・読者からの情報等に拠る。  メール版で省略されている部分はウェブ版参照。ウェブ版は目次番号が記事 にリンクされている。転送等歓迎。 【凡例】#(−−− )は発行者のコメント。・・・は省略した部分。◆はぜ ひ読んで頂きたいもの。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行者:辻下 徹 e-mail: tujisita@geocities.co.jp http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/ 発行部数 2013 (2001.5.28現在) (1280) Mag2:742|CocodeMail:351|Pubzine:83|Macky!:52|emaga:27|melma:25 直送 732(北大評議員・国立大学長・国大協・報道関係・議員等): Digest版 発行部数 約1600(北大), ML(he-forum,reform,aml,d-mail) --------------------------------------------------------------------------- End of Weekly Reports 53 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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