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旧通産省産業政策局産業技術課大学等連携推進室(1995年)について


2年前の段階ではまだ推測に過ぎなかったことが、遠山プランで事実であることが明確になった。遠山プランは平沼プランに基づくものである以上当然であるが、6年前に旧通産省産業政策局産業技術課大学等連携推進室が企画した内容を忠実に実現しようというものとなっている。
この推進室のサイトは三菱総研内に設置されていたが、現在は閉鎖され経済産業省サイトにも公開されていないが、その理由を明らかにすべきであろう。さいわい、記録が残っていたので、紹介したい。大学を根こそぎ産業界に奉仕させようとする計画が露骨に示されており、すべてが、実現に向かっている。大学政策を誰が決めているかが一目瞭然と言える。
  1. 大学等連携推進室について
  2. 産学連携の考え方
  3. 産学連携関連施策
  4. 産学連携の取組
  5. 研究開発・技術開発制度
  6. 産学連携Q&A


産学連携から見た日米技術系大学の比較・評価調査報告書 より

4.産学連携に向けての方策 (2)テクニカルに実現可能な対応策

国の行うべきもの

○ 大学運営に関する規制撤廃

○ 教員の身分や大学の活動に関わる部分と、会計上の問題に大別されるが、規 制の根底にある、「管理し・統制する」という基本姿勢や、「悪平等的」基本思想そのものを撤廃すべき。行政と大学でプロジェクト・チームを作り、研究 経費に関わる費目のしばりや兼業の禁止等の問題について、規制緩和に取り組 むべきである。

○ 国家予算の「産学連携」と「大学の環境改善」への傾斜配分

○ 「産学連携」プロジェクトに対する研究費補助、税制上の優遇措置や基本的 住環境(スペースの拡大)に対する国家予算の投入を行うべきである。

○ 国レベルでの「産学連携」のための専門組織の設置

○ 国立大学が法律的なしばりによって、動きがとれないのであれば、私学を 中心に「産学連携促進センター」を設立し、知的所有権・機密事項に関する基本ルールの確立、大学間のコーディネーションによる大型プロジェクトの推進 等を行うことを検討すべき。

大学の行うべきもの

○ 大学の硬直的組織運営の改善・プロジェクトに応じた研究組織の形成

○ 硬直的運営の一因として、「講座制」が、産学連携」に不可欠なフレキシブ ルな組織運営を不可能にしている。「産学連携」において、最強のプロジェクトチームを編成することは、プロジェクトを獲得する上での必須条件であり、 臨時に必要な人材を雇用できるリサーチ・アソシエートを取り入れるべきである。

○ 大学レベルでの「産学連携」のための専門組織の設置

○ 大学に「産学連携」のための専門組織を設置することは、大学自らのイニシアチブで、すぐにでも取り組むべきものである。トップダウンでポリシーを明確に示し、産学連携のための専門組織を設置し、産学連携に関わる評価・報酬 システムの開発、知的所有権・機密事項の取扱いに関するルールの確立、マー ケティング機能、企業の課題に的確に応えるための最適なチームを編成する仕 組みづくり等を行うことが必要である。

○ 教員に対する評価制度の確立

○ 現在、評価は「論文の量」のみによっており、論文の量を稼ぐために研究領域 が選ばれている。これでは、産学連携は結果論に陥るのは当然であり、これを 改善するため、論文の質の評価、特許及び産学連携に関わる活動の評価制度を 確立し、競争原理を導入するとともに、報酬・処遇に反映させることが必要。

○ 教員の企業・社会的常識の確立

○ 企業と大学とどちらが歩みよるかという問題はあるが、大学はその研究成果を社会に提供することを目的とするものであるから、大学側から歩みよるべきもの。米国では、兼業として、企業にコンサルティングを行い、また、ベンチャーに関与することで、企業・社会的常識が身に付いていく。大学からは無給で、 企業の研究所で研究を行い、報酬を得る形のサバティカル制度を導入するのも一案である。


大学等連携推進室についてより

II. 大学等連携推進室の業務

1.基本的スタンス

大学等を経済社会へ有為な人材を提供する極めて重要な機関として再認識する とともに、高度な知的資産が 集積された機関として、その活性化・活用を図る ことが、我が国経済社会の活性化・高度化のためには不可 欠。

アプローチとしては、大学等と産業界との連携を、人・金・情報・モノあらゆる面 で促進し、

(1) 大学等と経済社会とのインターフェースの抜本的拡充
(2) 大学間の競争意識の醸成

等を図ることにより、

(3) 実践的な知識・技術を中核とする人材育成(教育)の 推進による労働需給の質的ミス・マッチの解消
(4) 大学の知的資産と企業の実践的ノウ・ハウと融合した研究開発の推進

等を目指す。