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Weekly Reports No.61 2001.7.19 Ver 1.2
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/wr-61.html 総目次:http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/all.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [61-0]◆内容紹介 [61-0-1]臨時国大協総会への動き [61-0-2]民営化とは何か [61-0-3] 最近の国立大学独立行政法人化調査検討会議 [61-0-4]総合科学技術会議の重点化方針の諸問題 ---------------------------------------------------------------------- [61-1]◆コラム:大学を考える「大学やその行政についての雑感」(読者より) ---------------------------------------------------------------------- [61-2]総合科学技術会議(第8回2001.7.11)の資源配分方針を巡って [61-2-1]平成14年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針(案) [61-2-2]◆大学共同利用機関 所長有志要望書 [61-2-3]科学技術振興事業団 戦略的基礎研究推進事業における戦略目標6.22 [61-2-4]産業技術力強化法 平成12年4月19日公布 [61-2-5]旧通産省産業政策局産業技術課大学等連携推進室(1995年) [61-2-6]総合科学技術会議の諸問題 ---------------------------------------------------------------------- [61-3]文部科学省 国立大学等独立行政法人化調査検討会議議事録より [61-3-1]◆調査検討会議組織業務委員会(第11回2001.5.31)」議事要旨より [61-3-2]◆目標評価委員会第10回(2001/05/16) [61-3-3]財務会計制度委員会第8回(2001/05/11) [61-3-4]人事制度委員会第9回(2001/05/08) ---------------------------------------------------------------------- [61-4]文部科学省「平成14年度概算要求ヒアリング」で統廃合計画を推奨 [61-4-1]事務連絡2001.7.3 [61-4-2]14年度概算要求聴取について・・・ [61-4-3]◆2001.7.14杉野大学改革室長講演会記録 ---------------------------------------------------------------------- [61-5]◆国立大学長有志「学長研修会」7.15で「臨時国大協総会」の開催を提起 [61-5-1]国立大学協会会則11条 ---------------------------------------------------------------------- [61-6]意見・論説・記事など [61-6-1]医学部教授に厚労省事務官 信州大、医療社会学を担当2001.7.14 [61-6-2]◆京都新聞2001.7.18:私大入試で数学選択 年間所得で+100万円? [61-6-3]桑原雅子・後藤邦夫「大学の民営化は学術研究の将来を危うくするか?」 [61-6-4]◆吉田和男「大学での研究をいかに考えるか」1998 [61-6-5]毎日新聞2001.7.14「現場では当分、試行錯誤か 教育改革関連3法」 [61-6-6]多競争時代の中の大学と受験産業「大学法人の財務状況を見る」1999 ---------------------------------------------------------------------- [61-7] ◆7.5国大協理事会報告 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [61-0]内容紹介 ---------------------------------------------------------------------- [61-0-1]臨時国大協総会への動き 17の国立大学教職員組合が7月5日の国大協理事会に、臨時国大協総会開 催を訴えたが、7月15日に28国立大学長有志が参加した「学長懇談会」が 開かれ、臨時国大協総会開催を求めるようである[61-5]。国大協会則第11条 に「会員総数の8分の1以上の大学から、議題を示して要求があったときは、 会長は、臨時総会を招集しなければならない。」[61-5-1]とある。 緊急の議題は少なくとも2つある。 一つは言うまでもなく、「6月総会法人化案了承」の誤報道を招いたことへ の責任問題[59-7-3]である。7月5日の国立大学協会理事会で「6月の国立大 学協会総会で、設置形態検討特別委員会の法人化案を受け取ることることが了 承された」と会長は訂正した[61-7]。しかし、現在なお京大のHPに「国立大 学協会が法人化案を了承した」と述べた記念式典式辞を掲載している[59-7-2] ことは、この件についての「責任」を不問にはできないことを明確に示してい る。 もう一つは、国立大学統廃合への文部科学省による強引な行政指導に対する 国立大学協会としての対応である。 来年度の概算要求の前提として、統廃合についての検討計画提出を要求して いる[61-4-1]ことが明らかになっている。また民営化が嫌なら統廃合せよと講 演会で「脅迫」している官僚もいる[61-4-3]。国立大学全体の統廃合のような、 高等教育行政の根幹にかかわる政策を国会での承認なしに実質的に開始したこ とは、文部科学省の権限を遥かに超える「違法」な行政指導であり、関係者の 責任が国会で追求されることは疑うべくもない。 会則第4条「協会は、国立大学相互の緊密な連絡をはかることにより、その 振興に寄与することを目的とする。」(および補足『(会則第4条の)後段の 「その振興に寄与すること」とは国立大学全体の振興と解釈すべきであり、国 立大学に関する共通の問題についての調査・研究から、共通の要望の実現の努 力まで及ぶものと考えてよい。そのための方法として、対外的な意見の表明も 含まれる。』)に従い、国立大学協会として明確な行動を取ることが不可欠で ある。 統廃合の行政指導に「具体的に」対応するための「相談所」的なものと想像 されるWG設置[61-7]は、国会の承認を得ていない文部科学省の「統廃合方針」 を大学自身が認めるようなものであり、国会無視の点で同罪と言えないだろう か。 ---------------------------------------------------------------------- [61-0-2]民営化とは何か 「民営化」は多義的であり、現在想定されている「基金を付与しない民営化」 は廃学(あるいは専修学校化)の別称で民営化とは言えない[61-6-4]。国立大 学は「民営化」から目を逸らすだけで冷静な吟味をどの程度したのだろうか [61-6-3]。民営化が嫌なら独立行政法人化せよ、というような「脅迫」は無意 味なことを悟らなければ、独立行政法人化が行政による効率的大学管理の理想 的形態の実現として追求され「大学改革の一環」などにはならないだろう。 ---------------------------------------------------------------------- [61-0-3] 最近の国立大学独立行政法人化調査検討会議 5月11日に国立大学の民営化が国会で言及された以降に開催された国立大学 等独立行政法人化調査検討会議の議事録がようやく出た。5月31日の組織業 務委員会では民営化についての文部科学省への質疑がある[61-3-1]。 目標評価委員会では、ある委員が、富士通の成果主義評価の失敗に言及し、 大学の評価そのものへの疑義を主張している[61-3-2](238-309)が、少数意見 として記録する、というに留まっている。実際の「実験結果」を踏まえた意見 が全く無視されるのは、会議に結論が先にあることを象徴するものと言えるだ ろう。 ---------------------------------------------------------------------- [61-0-4]総合科学技術会議の重点化方針の諸問題 総合科学技術会議が来年度の予算配分の方針[61-2-1]を7月11日に出した が、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の4分野に 重点投資しその他の分野とのメリハリを強調し、各分野内でも重点事項を明確 にすると共に、それ以外は必要な整理・合理化・削減を図る、と強調した。 これに対し、大学共同利用機関所長有志が、危惧の念を表明している [61-2-2]。その文書は、指導的研究者の有志が、学問全体の一体性を無視する 昨今の学術行政の姿勢を危惧して声を上げたもので、2月に創設された内閣府 総合科学技術会議[61-2-6]が、この数カ月間、学術関係者を実質的に排除する 中で産業界の要求をそのまま学術政策に取り入れたことへの鋭い批判になって いる。学術研究の指導者層22名からのこの批判を無視し、「資源配分の方針」 [61-2-1]を強行するとすれば、学術行政の信頼性はたいへん危ういものと言え るだろう。 この方針原案が総合科学技術会議の第5回重点分野推進戦略専門調査会で策 定された6月22日に、科学技術振興事業団が、それに応じた4つの新たなな 戦略的基礎研究推進事業を掲げたページを開いている[61-2-3]。しかも、これ は今年度募集課題分である。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本文 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [61-1]◆コラム:大学を考える「大学やその行政についての雑感」(読者より) http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/voices/001718-dokusha.html 「一つは権力・影響力の強い組織・機構は、同一機能に対して、複数の組織が 競いあって一般人の直接の選択下にあるべきで、その働き方に時間軸的な平等 があることが必要と痛感します。例えば、裁量の大きい官庁は課長以上は5年 程度で全て交替すべきで、その母体は異なっていて、対一般人に対してサービ スの向上を競う競合関係にあるべきだと。**氏は、官僚が悪いのでは無くそ れを使えない政治家が悪いと言いますが、それは政治家個人の問題でも、官僚 個人の問題でもなく、現行の官僚制度がそうさせています。官僚機構を主権者 の主権遂行が直接とどかない、もどかしくも歯がゆい制度です。 こう書くと米国の制度や##氏の主張と一致するのかもしれません。それが良 いとは言い切れませんが、それを主軸にして、問題点を修正するのが、主権= 一般人という民主主義の原理に叶った制度だと思います。いいかえれば、現行 は民主主義の殻を被った官主主義なのでしょう。 教育という点だと、最も気になるのは、(昔からそうなのですが)教育機会均等 性の崩壊です。指導要領をやさしくして「下限」といい、それにそった教科書 しか配らないというのは、ハナから、塾に行って情報を集めろと言っているわ けで、機会は均等ではないことの象徴です。下限を下げるのは多様性の点で良 いとしても、教育費追加や「引っ越し」せずにいくらでもレベルを上げられる ようにすべきです。分厚い教科書を配るべきなのです。文部省は一体何をやっ てるのかと思います。 もっとも、教育に選抜があること自体が今日では機会均等と真向から矛盾する ものだと思います。情報配布にコストがかかった時代は、その観点から選抜す るというのはreasonableですが、現今の技術をもってすれば、実験系以外は、 望む人全員にいくらでも高級な知識を極めて廉価でアクセス可能にできるはず です。高速通信網が行き渡るのは、いますこし時間がかかるとして、また、内 容の善し悪しはあるとしても、たとえば放送大学の放送でも、関西では通常電 波でみれません。 最近****のビデオを使い始めましたが、ハードディスクビデオの利便性と 近将来的な低価格可能性をもってすれば、教育の機会均等性は著しい前進が可 能と思います。 高等教育では機会均等が第一ではなく、エリート(官僚)養成のための環境作り が第一だという意見があります。もしそうなら、そう明言して、その政策の是 非を一般人の選択に任せるのが民主主義だと思います。 勿論、機会がいくらあっても本人の「やる気」が一番問題なのだとおもいます。 そのためには、自分の(楽しい)将来イメージ・夢が持てる開かれた社会を作っ てゆくのが私達(大人)の責務で、それが夢物語ではなくリアリティをもってく る方法が体得できるようにする(希望を自ら創り出せる力を授ける)のが教育の 目標ではないでしょうか?」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [61-2]総合科学技術会議(第8回2001.7.11)の資源配分方針を巡って 議事次第 http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu08/haihu-si08.htm ---------------------------------------------------------------------- [61-2-1]平成14年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針(案) http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu08/siryo1-1.pdf これは2001.6.22 の第5回 重点分野推進戦略専門調査会で決められたもので ほぼそのまま7.11 の全体会議で了承された。 ---------------------------------------------------------------------- [61-2-2]◆大学共同利用機関 所長有志要望書 「わが国の最近の科学技術政策についてーー基礎的科学研究の推進の必要性」 http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/711-krkk-to-koizumi.html 90 [以下では煩を避けるため、『平成14年度の科学技術に関する予算、人材等 91 の資源配分の方針』を単に『方針』、『科学技術基本計画』を『計画』と呼 92 ぶことにする] 96 『方針』は、重点分野としてライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテ 97 クノロジー・材料の4分野のみに絞り込んだ。その基準は、国家的政策、社 98 会産業への迅速な還元、戦略的な効果効率である。しかし、もし短期的な産 99 業技術育成のみをクローズアップするとすれば、それは科学のもつ性格とは 100 矛盾するものであろう。まずこの点について考えてみたい。 115 ・・・・・今回の『方針』における大きな問題点は、『計画』では第一に 116 挙げられている基礎研究の重視にはあまり具体的な言及がなく、一方では重 117 点4分野に著しく力点が置かれていることである。そして、それ以外の分野 118 は、ほとんど「整理・合理化・削減」の対象という表現になっていることで 119 ある(注2)。 120 121 『方針』が挙げる4重点分野は、広範な科学の中ではごく限られた分野で 122 ある。総合科学技術会議では多くの議論がなされた末、重点分野を4つに絞 123 り、さらにその内容も、当面の産業創出と国際競争力強化に直接資する研究 124 へ厳しく絞り込まれたということである。その結果を見ると、『計画』に盛 125 られた理念が有効に活かされる方向とは見受けられない。「科学技術創造立 126 国」実現のための道筋が見えて来ないのである。 127 128 言うまでもなく科学研究は、利益誘導で性急に進められるものではない。 129 それは人間が自然に学びつつ創意と実験を積み上げて行くという、科学の本 130 来的性格に由来する。『計画』が述べているように、科学技術は国家百年の 131 計として幅広く着実に、かつ持続的に推進する中で発展を図らねばならない。 132 もしも科学技術研究の大部分を占める広範な分野を急場の役に立たないとし 133 て退け、重点分野以外の見直し削減を強調するとすれば、将来必要となる未 134 来の科学技術の芽を摘むことにもなり、かえって世界に後れをとる結果にな 135 るであろう。 136 137 同様に、人文科学・社会科学の視点が科学技術にとっても重要性を増して 138 いる現代社会にあって、『方針』ではそれらが全くと言ってよいほど取り上 139 げられていないことにも、私たちは注意を喚起したい。科学技術会議から総 140 合科学技術会議への改組に際しての、科学技術偏重ではなく総合的な視野に 141 よる文化社会をめざすという視点は、時宜を得たものと私たちは考える。し 142 かし『方針』においては、「文化」尊重の傾向ではなく産業経済への傾斜が 143 優先しているのではないかと危惧するのである。 144 145 社会に役立つ科学や技術の発展は、バランスの良い栄養と、日差しとを受 146 けた豊かな土壌の育成なくしてはあり得ない。土壌を忘れて気に入った枝だ 147 けを保護育成することは、避けなければならない。この点への配慮を、切に 148 求めたい。 ---------------------------------------------------------------------- [61-2-3]科学技術振興事業団 戦略的基礎研究推進事業における戦略目標6.22 http://www.jst.go.jp/jst/b-h13app/crest/1-2-2.html 遺伝子情報に基づくたんぱく質解析を通した技術革新(平成13年度設定) 先進医療の実現を目指した先端的基盤技術の探索・創出(平成13年度設定) 新しい原理による高速大容量情報処理技術の構築(平成13年度設定) 水の循環予測及び利用システムの構築(平成13年度設定) ナノスケールにおける融合的革新技術の構築(平成13年度設定) ---------------------------------------------------------------------- [61-2-4]産業技術力強化法 平成12年4月19日公布 http://www.meti.go.jp/meti_hou/body/00000105.html 概要: http://www.tohoku.meti.go.jp/sangaku/shiryo/tlo/sangiho.htm 抜粋:(目的) 第一条 この法律は、我が国の産業技術力の強化に関し、国、地方公共団体、 大学及び事業者の責務を明らかにするとともに、産業技術力の強化に関する施 策の基本となる事項を定め、併せて産業技術力の強化を支援するための措置を 講ずることにより、我が国産業の持続的な発展を図り、もって国民生活の安定 向上及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする。 (大学の責務等) 第六条 大学は、その活動が産業技術力の強化に資するものであることにかん がみ、人材の育成並びに研究及びその成果の普及に自主的かつ積極的に努める ものとする。 2 国及び地方公共団体は、産業技術力の強化に関する施策で大学に係るもの を策定し、及びこれを実施するに当たっては、研究者の自主性の尊重その他の 大学における研究の特性に配慮しなければならない。 報道 http://www.jca.apc.org/toudai-shokuren/dekigoto/000414n.html ---------------------------------------------------------------------- [61-2-5]旧通産省産業政策局産業技術課大学等連携推進室(1995年) http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/714-sangaku.html ---------------------------------------------------------------------- [61-2-6]総合科学技術会議の諸問題 http://www.ac-net.org/go/cstp/index.shtml ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [61-3]文部科学省 国立大学等独立行政法人化調査検討会議議事録より ---------------------------------------------------------------------- [61-3-1]◆調査検討会議組織業務委員会(第11回2001.5.31)」議事要旨より http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/006/gijiroku/003/010501.htm 行番号付:http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/531-tkk3.html 27 ○中身に入る前に、民営化を総理がおっしゃったこともあり、それをフォロー 28 するようにいろいろなことが伝えられているが、どういうことになるのか大 29 変心配している。おそらく今の段階においては、我々は粛々と従来のことで 30 進めていくということだろうが、念のために今の段階で説明いただけること 31 があれば、文部科学省側から少し話を伺いたい。 32 33 ◇5月11日の参議院本会議において、思い切って国立大学の民営化を目指 34 すべきではないか、という質問に対し、「国立大学でも民営化できるところ 35 は民営化する、地方にゆずるべきものは地方にゆずるというこういう視点が 36 大事だ」という答弁を総理がされている。このため、文部科学大臣に同様の 37 質問があるわけだが、それについてご紹介すれば、「我が省では、国立大学 38 の法人化について、大学改革の一環として制度の在り方の検討を進めている。 39 その際、国立大学を法人化する場合であっても、現在、国立大学が担ってい 40 る諸機能のうち、民間に委ねられるものがあればこれを委ねた上で法人化す 41 ることは当然のことと考えている。」というお答えをしている。すなわち、 42 独立行政法人化の行政改革会議における検討を思い起こせば、最初に国が担っ 43 ている様々なもののうち、民営化できるものは民営化すべき、地方移管でき 44 るものは地方移管すべき、というプロセスの検討を経た上で、国として実施 45 する必要があるものについては、独立行政法人化という論理、検討の流れを 46 たどっている。行革会議においては、国立大学の民営化の問題については、 47 いくつかの理由から不適切である、という中間的な見解をまとめ、独立行政 48 法人化を大学改革の一環として検討するということであった。したがって、 49 文部科学大臣の答弁を踏まえれば、国立大学の独立行政法人化と具体のそれ 50 ぞれの大学あるいは大学が担っている諸機能を、例えばできるものは地方移 51 管あるいは民営化は併せて検討されるという理解である。経済財政諮問会議 52 については、現時点では具体的にそこに提出されるいわゆるスケルトンはま 53 だ見ておらず、私共も報道等で承知するしかないわけであり、様々な構造改 54 革のプログラムの中の一つとして民営化プログラムがあり、その民営化プロ 55 グラムの中で、空港、公社公団、郵政事業と併せて国立大学が民営化プログ 56 ラムの一つの骨格として挙がっているという状況であると聞いている。 57 58 ○ 今の文部科学省からの説明では、大学が担っている様々な機能を一部 59 分解してその中で民営化すべきものは民営化する、できないものは独立行政 60 法人化する、場合によっては国の行政機関そのままになる、そういう基本的 61 な考え方があるのではないかと思う。そうなれば、そういう基本的な考え方 62 を大学のケースについてあてはめれば、現在、国立大学が担っている様々な 63 機能を、例えば教育と研究を分ける、教育の場合においても様々な教育があ 64 ると思うが、それを分類して、これは独立行政法人化しなければ民営化する、 65 国立のままで残す、そういう工夫が必要ではないかと思う。今の大学を一括 66 りにして独立行政法人化するにはそれなりの理由がないといけないのではな 67 いか。 68 69 また、全体として競争原理の導入が検討の視点でうたわれているが、そう 70 なれば当然国立大学でもつぶれる、あるいはつぶすべきものというのが生ま 71 れてくる可能性がある。企業でいえば破産法である。どのような場合に大学 72 がなくならなければならないのか。おそらく、私立大学の場合には、民事再 73 生法なりなんなり法的な手だてがあると思うが、国立大学の場合、独法化し 74 た後でも何かそのような手だてというものが必要なのか。銀行の場合は、そ 75 れがなかったがために大変問題になったということはご承知のとおりである。 76 そのような点においても、どのように大学がつぶれるのか、その場合どうす 77 るかということの精力的なケアを独法化する場合には考えなければならない 78 のではないか。 79 80 ◇法人の単位は、法人化するときにいくつかの大学がまとまって法人になる 81 のか、それとも各大学ごとに1大学が1法人となることなのか、という大き 82 な議論についての答えとして、原則、それぞれの大学に法人格を与えること 83 ではないだろうかという整理をしているつもりである。複数大学で1法人あ 84 るいは全国立大学で1法人という議論がこれまであったため、原則として各 85 大学ごとに法人格を与える、しかし与えた場合であっても民営化できる部分 86 があれば民営化する、あるいは地方移管するものがあれば別途検討する余地 87 があると理解できるのではないかと思っている。 88 89 2点目であるが、競争の結果、ダメなところはどういうふうにつぶれるの 90 かという点については、独立行政法人は、政府から独立した法人にはなるが、 91 国の法律によっていわば強制的に作られる法人であるため、逆に言えば、廃 92 止するときも国の意思としてこの大学はいらないとなれば、法律を改正して 93 廃止する手続きは想定されるため、そういう意味では基準をどう考えるかと 94 いうことはあると思うが、廃止する手段がないわけではなく、国の判断でこ 95 の大学はいらない、あるいはこの大学とこの大学が統合すればよいとなれば 96 国会で法律を改正すればよいということになる。 97 98 99 ○ 技術的なプロセスはそうであると思うが、今、判断、基準ということに 100 ついては何ら考えておかなくても良いということなのか。いわば、国の意思 101 とは関係なしに競争の結果、市場の方がこの大学はいらないと判定を下すこ 102 ともあり得るわけである。それに対して、国が判断するからということは、 103 すべて形式的になってしまう。いわば、親方日の丸的な考え方が国立大学の 104 中で抜けきらないのではないか。銀行でいえば、銀行法第14条があり、こ 105 れまで使われたことがないが、銀行は国がつぶすことができるが、使いたく 106 はなく、具体的なプロセスが考えられていなかったということである。 107 108 ◇ そういう市場の評価も含めて、おそらく制度 としてはあらかじめ評価のシ 109 ステムが組み込まれており、評価委員会なりの評価は、組織の在り方まで対象 110 となっているため、評価を行い、市場が明らかにいらないといっている、学生 111 が定員割れをおこしているというところも当然評価の対象になってくる。そう 112 すれば、当然、議論としてはそこを廃止するべきであると評価委員会の中から 113 出てくることも考えられ、そういう評価委員会の評価を踏まえて主管の大臣が 114 判断し、最終的には国会で審議して決定することになるのではないかと思って 115 いる。 274 ○ この資料は、かなり具体化してきているが、まだ基本が理解できていな 275 い側面がたくさんある。それは、独法化された国立大学法人は、国が設置者 276 であるとここに明記されているわけで、国が設置者であるから学長が直接任 277 命され、その学長を中心としていろいろな機関が設置されると受け取れるが、 278 法人とはいったい何かよく見えてこない。・・・・ ・・・・・・・・・ 305 ・・・。したがって、基本的な課題として、国と法人との関係がどうなるの 306 か。要するに今私立学校が受けている国の監督、所轄庁としてのいろいろな 307 認可を行う、学生の定員についてもすべて許可を取って行っていることを弾 308 力化して、国立大学は定員が自由で、私立だけががっちりしているというこ 309 とになってしまうのか。国が設置者だからがっちりとしめて、私立学校は弾 310 力化してくれるのかという辺りの関わりあいをきちんと行っていただかなけ 311 ればならないと思う。一般論としては活力を付けるために自由化して行うと 312 いうことは非常によく理解できる。しかし、一方で私立大学は国立大学の4 313 倍もあり、必死に民間の力で行っているわけである。そこへ持ってきてこの 314 ようにすると大きくいえば、身の圧迫になりかねないということが、私立大 315 学の大変な危惧である。国立大学の国の力をもって民間にそういうことをさ 316 れれば、私学でやろうとしていたことが一変に崩れ去ってしまうのではない 317 かと思う。多少狭い考え方に聞こえるかもしれないが、私学の方ではそうい 318 う考え方が大変強い。したがって国の関わり方をどのように考えているのか 319 きちんとしていかなければ、なかなか納得は得られないのではないかと思う 320 ので、その辺についてお伺いしたい。 321 322 ◇ 最初に、アウトソーシングする場合にただ単にアウトソーシングするだ 323 けで民営化ということでなく、民間者も入って初めて民営化というべきであ 324 るというご指摘は、全くそのとおりであると思っている。表現上、少しわか 325 りにくかったと思うが、出資のところについては、なぜそういうアウトソー 326 シングがよいのかというところで、そうすることにより複数の出資者を募る 327 ことができ、資金確保の途の拡大に資すると記載しているが、まさにそうい 328 うイメージをしている。国が出資するだけでなく、幅広く出資者を募る、そ 329 の場合には民間からの出資もあり得ると理解している。 ・・・・ 360 次ぎに、法人と国との関係について、独立行政法人という仕組みはマイ 361 ナス面もあるが、国の関与が明確な法人制度であると思っている。国の責任 362 が明確であり、かつ、国の関与が明確になった仕組みであるが、しかし、関 363 与する場合を限定して日常的な運用においてはかなり法人の裁量を尊重して 364 いくという仕組みであると思っており、そのために目標や計画、評価の仕組 365 みが作られている。さらに国立大学に限っていえば、内部組織についても例 366 えば運営組織についてはこうあるべきだ、ということを国の責任で法令上制 367 度として位置付けようとしている。そういう意味では、私立学校、学校法人 368 に対する関与の度合いとは明らかに違うものと思っており、多少資料のまと 369 め方としてこんなに変わるということを強調するために、裁量が拡大すると 370 いうことを強調した資料になっているが、大前提として、国立大学としての 371 使命を踏まえた国立大学らしい法人制度ということを念頭に置いた、つまり、 372 国の関与が先頭になるようなそういう法人制度としてやはり作成すべきであ 373 ると考えている。 375 ○ 新しい国立大学法人がいろいろなフリーダムを持つときに、私立大学よ 376 りも大きいフリーダムを持つということはあり得るのか。もし、そのような 377 ことが起きれば私立大学についても緩和するということを考えているのでは 378 ないかと思うがいかがか。 379 380 ◇ 一般的に規制緩和ということは、あくまで民に対する規制緩和であり、 381 国が責任を負うべき大学に対して弾力的な運営は進めていかなければならな 382 いが、民を上回って一層規制緩和されるという仕組みは、この制度において 383 も考えられないというように思っている。 465 ○ 全体として今の方向で、なるべくがんじがらめにしないで、いろいろな 466 ことを大学に任せるということが、今のできるだけ多様化しようという社会 467 の将来像と一致しているというのは賛成である。したがって、基本的にでき 468 る限り決めない方向でいろいろなことを法律に書いていこうということは賛 469 成だが、やはりどうしても決めなければならない、書いておかなければなら 470 ない部分となるべく決めないでおこうという部分、それぞれの大学に任せよ 471 うという部分の二つの部分があるというのは、自ずとこのような問題に関し 472 てはあると思う。・・・・ 488 もう一つ、学生の観点から考えて、女子学生たちは、やはりスタッフに 489 女性をこのくらい入れてほしいというのはおそらく内心あるだろうと思って 490 いる。そのような点からも最低で決めなければならないことの中の一つに学 491 外者でなくても良いが、組織のところに少なくとも30%は女性委員を入れ 492 るという文言は是非記載していただきたいと思う。そのような点で、先ほど 493 ご意見があったが、人事制度委員会と合流して議論するという際に、是非、 494 その方向で行っていただきたいと思う。 496 ○・・・・ 526 最後に、学生定員・職員定員の問題について、評価によって財源措置を 527 考えていくということは当然のことであり考えていかなければならないと思 528 うが、少なくとも現在の段階では十分な評価等ができないので、そのことは 529 できてないわけである。少なくともスタートの地点、あるいは5年後、10 530 年後位の地点までは何の指標もなく財源措置が積算できるのかという極めて 531 具体的な問題であると考えている。したがって、十分ではないが学生定員・ 532 職員定員を基にして二合五勺程度のものは保障する、さらにその上に評価に 533 よって必要な金額を加えていく。これは評価の仕組みが十分になってくれば、 534 もっと違うやり方、進んだやり方が出てくる可能性はあると思うが、とりあ 535 えずのところはそういった二合五勺程度のやり方ということで学生定員・職 536 員定員の問題は考えなければならないことであると思っている。 ---------------------------------------------------------------------- [61-3-2]◆目標評価委員会第10回(2001/05/16) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/006/gijiroku/002/010501.htm 行番号付:http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/516-tkk2.html 238 ○ 多くの方は、この案を大変明るい方向でこれをアクセプトしている方向 239 で聞こえているが、私は多少懸念をもって聞いており、果たしてこれでよい 240 のかというのが率直な感想である。資料2で長期目標の制定、内容というと 241 ころに、中期目標、中期計画の設定及び中期目標、中期計画の達成度等の評 242 価は、大学の質的向上を図るための改革サイクルとして位置付けると記載さ 243 れており、この考え方自身はよいと思うが、実際、中をみてみると質的向上 244 を図れるのか、極めて困難ではないかというのが私の心配である。今まで何 245 回か申し上げたが、現在、国立大学に限らず、大学においては目標を設定し 246 実行して評価を行うということは日常的に行われている。教育についてはも 247 ちろん学生と対話を繰り返しながら考える力を与えていくというようなこと 248 は行っており、研究については未知の学術的価値の発見というようなことで 249 内発的に行うべきであるのは当然のことである。このことは、今まで何回も 250 強調してきたし、これを蔑ろにしたのでは教育研究の発展はないと思う。一 251 方でそういうことが原理的にあるが、このまとめをみれば中期目標・中期計 252 画を書面にし、大臣のチェックを受け、しかもそれは運営費交付金の配分に 253 かかわるということになれば、どうしても数値化しなければならないという 254 面もあり、教育研究の発展を阻害する方向ではないかと思う。基本的に、今 255 の改革全体だと思うが、市場競争原理というのを原理として要するに競争さ 256 せているわけだが、もちろん競争が重要な部分もあると思うが、教育研究の 257 内容そのものについては競争原理が当てはまらないと思う。これは当然、報 258 酬とつながるわけだが、報酬目当てであれば成果が下がるということをアル 259 フィ・コーンという人たちがかなり前から言っている。例えば、これをすれ 260 ばあれをあげるというようなことになり、これを学問だとすればあれをあげ 261 るというのが資金配分になってくる。したがって、資金の配分を受けるため 262 に一生懸命行って本来の学問が2番目になるという可能性が当然あるわけで 263 ある。そういったことをアルフィ・コーンはいろいろと言っているわけであ 264 る。特に報酬や監視、評価というものがあると内発的動機付けが下がってし 265 まうということははっきりしていると思う。報酬目当てであれば、成果が下 266 がる理由として、一つは人間関係を破壊するということがあるし、もう一つ 267 は報酬を目指す動機付けになるという意味で本来のものとは随分違ってくる 268 というようないろいろなことがあるわけである。 269 270 最近、朝日新聞にも載っていたが、富士通が成果主義の見直しを行った 271 という記事がある。仕事の目標を決めて、その達成度に応じて処遇賃金を決 272 める成果主義という制度を見直すこととなったということである。短期的な 273 目標ばかりで、ヒット商品が生まれないということ、つまり、失敗を恐れる 274 あまり長期にわたる高い目標に挑戦していなかったということ、地味な普通 275 の事務がおろそかになるといったこと、自分の目標達成のために手一杯で問 276 題のあるものは他人へ回すといったこと、大型のプランが有利であるなどと 277 いったことがいわれており、やはり競争原理そのものというものは我々とし 278 てはきちんと考えておかなければならないのではないかと思う。 279 280 このようなことから考えれば、ここに出てくる中期目標や中期計画をこ 281 のような形で教育研究の内容に適用することは、教育研究を阻害するという 282 ことは明らかであると思うので、私自身は賛成できない。そういう点で我々 283 の目的は、教育研究の高度化、質的向上ということを本来の目的として行っ 284 ているわけであるが、その辺のことについて作業グループではどのように考 285 えたのか伺いたい。 286 287 ○ この委員会の報告書について大多数の委員の合意が得られたとしても、 288 反対であるという立場の人もいる。そういう人の意見については、例えば、 289 資料等をつけるということも考えられると思う。 290 291 ○ 作業委員として、この委員会から付託された役割は、今後の大学にふさ 292 わしい目標の在り方についてであり、初めからこれを否定してしまうという 293 作業はできないため、そういう環境の中で大学の教育研究、社会活動等で何 294 が一番望ましいのか、社会の批評も踏まえて検討してきたということである。 295 296 ○ 制限がある中でいろいろ検討され、随分苦労されたということもよく理 297 解しており、そういうことを否定するわけではないが、やはりある制限の中 298 にあっても教育研究については国家百年の大計であり、一定の主張は教育研 299 究の中身を知っている者としてはきちんと言うべきであるというのが私の考 300 えである。例えば、教育研究の内容に関連した計画を立て、それに対して評 301 価を行い、その結果運営費交付金を配分するということになれば、教育研究 302 の中身そのものに非常に外部の力というものが関係してくるわけである。そ 303 ういう部分は除くべきではないかということを前から申し上げているわけで 304 あり、外形標準的な部分について中期計画を立てるということは、通則法の 305 どの枠組みを壊してよいのか、壊していけないのか解らないところがあるの 306 で苦労するわけだが、少なくとも教育研究の内容について自主的なものでは 307 なくて外から付加されたもの、あるいはその結果を報酬として配分されるも 308 の、そういった部分は最低限きちんと除いてほしいとそのように思うわけで 309 ある。 342 ○ ・・・・ 367 もう一点は、やはり評価を行うのは文部科学省におかれる評価委員会で 368 あるが、評価委員会がどういう方々によって構成されるかということである 369 と思う。ここでは、有識者というように記載されているが、有識者とは何な 370 のかということがやはり問題であると思う。どういう方向性でもよいが、世 371 界的なレベルというものが大切である。学問の人であれば、学問において世 372 界的なレベルの人でなければならないし、産業界からこられるなら産業界と 373 してあるいは会社として世界的なレベルでなければならない。世界的という 374 言葉はここではなかなか書けないと思うが、何かそういうことをはっきりと 375 示すということが必要で、有識者というのは非常に曖昧な言葉であると思う。 376 特に、ここで評価する場合には、大学なり研究所なりを評価するわけである 377 ので、そういうものの活動や意味ということについて、十分な理解があると 378 いうことが必要であり、もちろんそれは必ずしも大学関係者以外にそういう 379 方がおられると思うので、そういう方々がきっちりと入ってその立場で行っ 380 ていただくということが重要ではないかと思う。 406 ○ 私もグランドデザイン云々は、はずした方がよいのではないかという意 407 見であった。これは、国のために申し上げたわけであり、現実には今の予算 408 の組み方等々では文部科学省にグランドデザインを立てなさいというのは、 409 非常に酷な要求になるわけである。したがって、そのあたりは十分議論され、 410 今説明のあったように、あるいは、ひょっとしたら国もまた変わってやって 411 くれるかもしれないということですので、そういう点でご理解をお願いした 412 い。一つだけ申し上げておきたいのは、中期目標、中期計画において、目標 413 を大学の実績を評価する際の主な基準にするというのはよいと思う。しかし、 414 計画のところを具体的要素にするということで、これは非常に苦心されたと 415 思う。やはり、評価ということと査定ということをもう一度考えていただい 416 た方がよいのではないかと思う。計画というのは、評価する対象ではなく、 417 達成度については評価だが、しかし、評価されたことで資源配分が行われる 418 が、計画というのはそこにバジェットを含めて主務省とやりとりを行うわけ 419 である。したがって、それは評価の要素といえば評価の要素だが、そういう 420 ものは査定といっているのではないかという意見が第8常置委員会などでは 421 評価と査定ということを混同しないようにということが出ていたので、少し 422 注意いただければと思う。 ・・・・ 427 ○ 今の点であるが、中期計画をどういう形で後に評価するかという部分の 428 中で、自己点検評価の部分、外部評価の部分、それから第三者評価機関によ 429 る評価の部分といろいろな部分があると思う。査定という言葉を使うと、第 430 三者評価ということだけに限定されてしまい、自己評価の部分が欠落するの 431 ではという気がする。むしろ、一番重要なところは、自己点検評価の部分で 432 あり、例えば大学が社会に対して説明責任を果たしていくときには、やはり、 433 大学が自らこういう形で評価しましたということが一番のポイントではない 434 かと思う。そういう意味では、査定という言葉だけに限定すると、若干狭い 435 のではないかという印象を持っている。 ---------------------------------------------------------------------- [61-3-3]財務会計制度委員会第8回(2001/05/11) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/006/gijiroku/004/010501.htm ---------------------------------------------------------------------- [61-3-4]人事制度委員会第9回(2001/05/08) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/006/gijiroku/001/010501.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [61-4]文部科学省「平成14年度概算要求ヒアリング」で統廃合計画を推奨 ---------------------------------------------------------------------- [61-4-1]事務連絡2001.7.3 http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/703-mext-hearing.html 「 事 務 連 絡 平成13年7月3日 各国立大学事務局長 殿 文部科学省高等教育局大学課長 合 田 隆 史 平成14年度概算要求ヒアリングについて 平成13年7月6日(金)から行う予算の標記ヒアリング(A班)において は、先の学長会議でお配りした、「大学(国立大学)の構造改革の方針」に掲 げる国立大学の再編・統合に関する現時点での大学の考え方、検討状況につい てお尋ねすることとしております。 その際、各大学におかれては、①対外的に説明するとした場合のスタンス、 内容、②対外的に公にするまでに至らないが、可能性を含め学内で検討してい る内容、の2つの観点からご回答をお願いいたします。」 ---------------------------------------------------------------------- [61-4-2]14年度概算要求聴取について・・・ http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2276.htm 「先日ご紹介しました平成14年度概算要求「ヒアリング」の件ですが、大学課 長名による事務連絡は7月3日付、岐阜大学の「ヒアリング」は7月9日でし た。この「ヒアリング」はA班といわれるもので、具体的な概算要求の細部は B班、C班で行われています。A班の「ヒアリング」はどこも紹介したような 内容で行われたと予想していたのですが、he-forumでもreformでもその後のニュー スが続きません。関東の一部の大学の学部長クラスが知らないという状況であ ることも判明しました。文科省のこうしたやり方が大学事務当局の判断で「隠 されている」としたら、それこそ重大問題です。各大学で、学部長や学長、そ れに事務局長、経理部長などに照会する行動を起こす必要があると思います。 そこで、大学課長名で書く国立大学事務局長宛に出された文書を以下にその写 しを紹介します。このままでは、年末までに官僚の作文したシナリオに沿う形 での「改革プラン」を作らされることになるでしょう。日本の高等教育と大学 の「大転換」をこんな形で見過ごしたら、現在の大学に籍を置くものの責任を 後世の人々に問われざるをえません。もうひとつ、情報を忘れました。この7 月から文科省には従来の「改革推進室」に加えて、大学改革官なる官職を設け、 数名を配置し、「遠山プラン」の推進役を用意したようです。」 ---------------------------------------------------------------------- [61-4-3]◆2001.7.14杉野大学改革室長講演会記録 #(読者からの便りの抜粋。文責発行者) 関西一円より参加者があった。1時間講演と30分の質疑応答で、講演の前半 は民営化について、後半は遠山プランに関するものであった。 (前半)文部省は独法化賛成だが,多くの大学を民営化することには反対。/ 民営化論は、非武装中立論と同じで、手段が目的になっている。/民主党の質 問に小泉首相が民営化賛成といったのは完全なアドリブ,あの質問に対する答 弁原稿は私(杉野)が書いたが全く違う内容の答弁を首相がするのでテレビを みていて驚いた。/みな民営化反対だろう。そうなら統合しなさい。今回文部 省は本気だ。 (後半)構造改革のペーパーは私(杉野)が書いた。/1の再編統合について、 数について,50という人,60という人がいる,80,90という人はいな い。/1で重要なのは地方移管等,統合等の「等や」などで,国立と公立,国 立と私立の弾力化を考えている。/2の民間経営の導入についての注意として, このペーパーには0枚目があってそこには,採算とはあわない大学の部分があ ること,基礎学問は大切であること,トップ30以外の底上げも不可欠と書い てある。/3のトップ30については,現在文部省がよくやっているとみなし ている大学は30もない。/最後に、大学は評価の時代を迎える。#(コメン トに「大学は氷河の時代を迎える、と聞こえた」とあった。) ◇質疑応答より Q.メリーランドの大学の教授はトップ30以外は1年目100%,2年目70 %,3年目50%と予算を削られていくと覚悟した方がいいといっていたが、 そうなのか? A.「メリーランドの先生余計なこといいますね,そんなことは...」 Q.トップ30以外はどうするのか? A.「なんとかします」 Q.トップ30の策定はどうするのか? A.「分野別に評価するが,最終的にはトップ30の大学を決め,この重点化 は来年からはじめる」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [61-5]◆国立大学長有志「学長研修会」7.15で「臨時国大協総会」の開催を提起 [he-forum 2280 2001.7.18] 「去る7月15日、地方国立大学長有志による「学長研修会」が開催されました。 (今回は、通算4回目で28大学の学長が参加しました。) そこでは、先の国大協総会における設置形態検討特別委員会の報告文書、特に、 「国立大学法人化の枠組」についての取り扱い方や文部科学省から突如、提示 された「国立大学構造改革方針・プラン」について意見交換されたようです。 今後、できるだけ早い時期に「臨時総会」を開催するよう、長尾会長に働き かけるようです。」 ---------------------------------------------------------------------- [61-5-1]国立大学協会会則11条 http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/kokudaikyou-kaisoku.html 「会長は、必要があると認めたときは、臨時総会を招集することができる。 2 会員総数の8分の1以上の大学から、議題を示して要求があったときは、 会長は、臨時総会を招集しなければならない。」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [61-6]意見・論説・記事など ---------------------------------------------------------------------- [61-6-1]医学部教授に厚労省事務官 信州大、医療社会学を担当2001.7.14 http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2271.html ---------------------------------------------------------------------- [61-6-2]◆京都新聞2001.7.18:私大入試で数学選択 年間所得で+100万円? http://news.yahoo.co.jp/headlines/kyt/010718/knk/10310000_kytnws014.html 「私立大入試で数学を受験科目に選んだ人は他の科目を選んだ人より、年間所 得が約百万円以上も高くなっているというアンケート調査結果がまとまり、京 都大経済研究所の西村和雄教授らが十七日、発表した。・・・」 ---------------------------------------------------------------------- [61-6-3]桑原雅子・後藤邦夫「大学の民営化は学術研究の将来を危うくするか?」 再掲[4-14] http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/00329-kuwabara-goto.html ---------------------------------------------------------------------- [61-6-4]◆吉田和男「大学での研究をいかに考えるか」1998 再掲[44-10]「財政改革が日本を救う」p168-170 日本経済新聞社刊1998 ISBN 4-532-14648 http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/317-yoshida.html 「いずれにしても、高等教育ももっと自由に機能できるものでなければ、本来 の役割も果たすことができない。価値財的性質の強い高等教育と公共財的性質 の強い研究を同特に行わせるためには、たとえ民営化によって私立大学化した としても、同時に研究を支えるための基金が必要になる。 大学に基金を持たせて、その収益で運営しているアメリカの大学は、その機 動性と自立性を同時に兼ね備えている。たとえば、現在の経費を一定率で割り 引いた交付国債を交付して、その運用益で大学を運用することとし、特別会計 でなく一種の会社としてその内容を大学に委ねることも一つの方法になる。い わゆる教授等の給与の資金(教授の給与はチェアーの基金から出される)とと もに基本的な研究費用も基金の運用益から供給されねばならない。交付国債で あれば国債の利子が収入となる。学問の自由と国家予算との矛盾から解放され るためにも有効な手段となろう。 このように高等教育・研究分野にも、競争原理を持ち込むことになり、より 効率的な教育・研究を可能にしていくだろう。一般に考えられている民営化論—‐ 学生の授業料で大学を運営しろというのは「私立大学」ではなく「専修学校」 の発想である。新しい時代をつくる発想から改革を考えねばならない。」 ---------------------------------------------------------------------- [61-6-5]毎日新聞2001.7.14「現場では当分、試行錯誤か 教育改革関連3法」 ニュース速報[2001-07-14-00:20] http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2274.htm 「・・・今後、国会では、国立大学の独立行政法人化や、政治性を一段と帯び る教育基本法改正などが議論となる。独立行政法人化には大学側に慎重論が強 く、基本法改正には公明党が反対するなど与党内でも意見が分かれている。今 回の3法以上に紆余曲折がありそうだ。」 ---------------------------------------------------------------------- [61-6-6]多競争時代の中の大学と受験産業「大学法人の財務状況を見る」1999 1999 教育環境研究所: http://www.erix.com/bunko/omuni/omuni08.htm 改行付: http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/doc/99-u-zaimu.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [61-7] ◆7.5国大協理事会報告([he-forum 2289]) 平成13年7月11日 設置形態検討特別委員会 平成13年7月5日 国大協総第69号 各国立大学長殿 国立大学協会 会長 長 尾 真 臨時理事会の開催等について(報告) 一段と厳しさを増す国立大学を取り巻く諸情勢に対処するため、本日午後、臨 時の理事会を開催し、国大協としての今後の取り組み等について検討いたしま した。その結果は、以下のとおりであります。 (1)別添1にあるとおり、当面は理事会の中に「将来構想ワーキング・グルー プ」を設置して、「遠山プラン」への対応など喫緊の諸課題に対し柔軟かつ機 動的に対処していく。そのメンバーは、(別添2)のとおり。なお、理事会終 ア後に第1回のワーキング・グループ会合がもたれました。 (2)国立大学の法人化への対応としては、6月の総会における議論も踏まえ、 「設置形態検討特別委員会」(以下「設置特委」と略称、)を、なお当分の間 存続させて対応する。委員長は、石副会長に交代する。 (3)上記(2)の設置特委の存続等の議論に関連して、6月の総会における設 置・特委の報告書の扱いに関し、新聞報道等では種々の書き方がされていて実 際どのような結論だったのかを巡り、大学の現場では混乱しているので、その 点を明確化し、各大学に説明してほしいとの要請がありましたので、以下のと おりであったことをお知らせいたします。 総会では、種々の議論のあと、会長として「設置時委がまとめた報告書を、 総会として受け取るということでよろしいか」と諮り、特に反対の発言がなかっ たので、この発言を了承していただいたものといたしました。また、引き続き 「記者会見においては、批判的な意見も含めでいろいろな意見があったことも 付け加えてお話ししたい」とお約束をし、そのような対応をいたしました。混 乱があったとすれば、上記表現の記者側の解釈によって起こったことと思われ ますが、上記のとおりですので、よろしくご理解をお願いいたします。 ***************************** (別添1) 理事会「将来構想ワーキング・グループ」要項 平成13年7月5日 理事会了承 (設置の趣旨) 第1 第108回総会以後の諸情勢の変化に対応して、新しい視点から当面する諸 課題に柔軟かつ機動的に対処するため、理事会の中に「将来構想ワーキング・ グループ」(以下「WG」と略称する。)をおく。 (役割) 第2 下記の主要な検討事項等に関し、自主的に又は関係機関等からの要請等 に応じ、具体的な対応案の検討、提言・意見等の原案作成、対外窓口などの役 割を担うものとする。 (構成) 第3 次のメンバーで構成する。 ア 副会長2名(うち1名を座長とする) イ 地域バランス等を考慮しつつ会長が指名する理事6名 (2)会長は、常時会議に出席し、意見を述べることができる。 (3)WGの作業を補佐するため、若干名の専門委員をおくことができる。 (主要検討事項等) 第4 当面は、次の諸課題を検討する。 ア 「大学(国立大学)の構造改革の方針」(遠山プラン)について イ 政策的な見地からの国立大学法人化問題について ウ 国立大学協会の在り方について (検討の進め方等) 第5 原則として、座長がWGを招集し、協議・検討等を進めるが、必要に応じ 文書、電話、ファックス、Eメール等(以下「文書等」という。)の適宜の方 法を用い、持ち回り形式で対応することもある。 (2)WGは、必要に応じて、学識経験者等から意見を聞くことができる。 (3)WGの検討状況や対処等については、理事会構成員の意見をフィードバッ クできるよう、文書等による形式も含めて常に理事会構成員に報告するものと し、意見・提言等については、理事会の審議を経て取りまとめるものとする。 (存続期間) 第6 当面は、本年度内とし、状況により延長する。 (その他) 第7 WG及びこれに関連する事項を審議する理事会の検討・審議内容について は、速やかに議事要旨を作成し、原則として全国立大学長へも配布する。 (2)WGは、理事会で了承された日から活動を開始する。なお、WGの存続期間 の延長又は廃止については、理事会で決定する。 ***************************** (別添2) (H.13.7.5現在) 将来構想ワーキング・グループ 座 長 松 尾 稔 名古屋大学長 委 員 石 弘 光 一橋大学長 〃 山 田 家 正 小樽商科大学長 〃 佐々木 毅 東京大学長 〃 佐 藤 博 明 静岡大学長 〃 吉 川 通 彦 島根大学長 〃 鮎 川 恭 三 愛媛大学長 〃 池 田 高 良 長崎大学長 専門委員 川 村 正 幸 一橋大学長特別補佐 〃 奥 野 信 宏 名古屋大学副学長 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【発行の趣旨】国立大学独立行政法人化問題を広い視野から考えるのに役立 つと思われる情報(主に新聞報道・オンライン資料・文献・講演会記録等)を 紹介。種々のML・検索サイト・大学関係サイト・読者からの情報等に拠る。 メール版で省略されている部分はウェブ版参照。ウェブ版は目次番号が記事 にリンクされている。転送等歓迎。 【凡例】#(−−− )は発行者のコメント。・・・は省略した部分。◆はぜ ひ読んで頂きたいもの。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行者:辻下 徹 e-mail: tujisita@geocities.co.jp http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/ ---------------------------------------------------------------------- 発行部数 2164 (2001.7.18現在) 1432 Mag2:857|CocodeMail:357|Pubzine:90|Macky!:56|emaga:32|melma:40 732 直送(北大評議員・国立大学長・国大協・報道関係・国会議員等) ---------------------------------------------------------------------- Digest版 発行部数 約1600(北大), ML(he-forum,reform,aml,d-mail) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ End of Weekly Reports 61