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国立大学独立行政法人化問題 週報
Weekly Reports No.7 2000.4.24 Ver 1.01
目次(◎は、是非読んで頂きたい情報です)
--------------------------------------------------------------------
[7-0]◎今週号についての発行者のコメント
◆政府
[7-1]古川内閣官房副長官(九大広報2000.1.14記事:座談会より)
[7-2]教育改革国民会議が国民の意見を募集中(再録)
[7-2-1]第1回教育改革国民会議(2000.3.27)・議事概要より
[7-2-2]第2回教育改革国民会議(2000.4.17)・議事概要より
[7-3]財政制度審議会制度改革・歳出合理化特別部会(第4回:平成11年11月26日)
[7-3-1]細田主計官による「国立学校特別会計問題」の説明
[7-3-1-1]◎大学院重点化について
[7-3-1-2]財政基盤
[7-3-1-3]財務内容等のディスクロージャー
[7-3-1-4]科学技術関係
[7-3-1-5]「科学技術振興費の位置付け」をどう考えるか、
[7-3-1-6]「科学技術振興費の分野別の配分のあり方」についてどう考えるか、
[7-3-1-7]「科学技術関係の研究費の効果的活用のあり方」についてどう考えるか
[7-3-2]貝塚委員の質疑:学部を廃止し大学院だけにしてはどうか。
[7-3-3]五十畑委員の質疑から抜粋:国立大学は独立行政法人化後のビジョンを示せ
[7-3-4]◎本間委員の質疑から抜粋
[7-3-5]俵委員質疑より:
[7-3-6]細田主計官の回答から
◆学術団体
[7-4]◎若手天体物理学者による提言立案活動
◆大学
[7-5]国立大学協会 大学評価に関する特別委員会WG最終報告(2000.3.30)
[7-6]◎公立大学協会・公立大学のあり方検討会『分権時代の公立大学』(2000.3)
[7-6-1](1)設置形態論の不可避性
[7-6-2](2)国立大学の独立行政法人化の意味
[7-6-3](3)独立行政法人制度と公立大学
[7-6-4](4)公立大学にとっての選択肢
[7-7]◎ミレニアム座談会/21世紀の九大を考える/国立大学の設置形態より
◆大学人の社会的使命について
[7-8]◎小野有五氏の(北大ネットワークへの)メッセージより
◆意見・論説(独立行政法人化を危惧する意見)
[7-11]◎北大農学研究科独立行政法人化を考える会
[7-12]国民の医療、教育、行政サービスを考えるつどい2000-4-11アピール
[7-13]◎滋賀県有志 239名の声明
[7-15]◎井上政義氏「独立法人化の目指すもの:通則法の下での大学」
◆意見・論説(独立行政法人化に意義を認めるもの)
[7-16]箱島 信一 朝日新聞社社長
◆本の紹介
[7-17]◎「国は頭にして金主、国立大学法人は手足」
◆謝辞
◆宣伝マガジンの解除法
■■■ 本文 ■■■
[7-0-1] 教育改革国民会議に寄せられた有識者・国民の意見は事務局による<
圧縮>で主張のトーンが消去されているようだ[7-2]。全文掲載すべきだ。特
に国民からの意見の要約の仕方は国民の声を聞く積りがあるとは思えないほど
大ざっぱだ。内容だけでなくニュアンスや語調にも重要性がある。
[7-0-2] 大蔵省の財政制度審議会での国立大学予算の議論[7-3]を聞いている
と、国立大学の命運を実際に左右しているのが大蔵省であることが肌で感じら
れる。
[7-0-3] 委員の本間阪大副学長の発言[7-3-4]で、国立大学予算配分法が現在
は全く不透明であることがわかった。
[7-0-4] 公立大学協会文書[7-6]は国立大学独立行政法人化を醒めた分析をし、
国立大学でうまくいくかどうか見極めてから考えよう、と言っている。
[7-0-5] 国立法人大学運営の実態は、地方自治体に酷似したものになることが
予想される[7-17]。主務省は文部科学省だが<監督省>となる総務省は自治省
が母胎だそうなので、なおのことであろう。
[7-0-6] 北大小野教授の活動[7-10]は国立大学法人化の非について強い説得力
を持つ。
[7-0-7] 独立行政法人問題について若手研究者が力強い発言を始めた[7-4]。
彼らがこの問題の主役であることは明らか。
[7-0-8] 滋賀県の声明[7-13]は広範囲な職種の方々が連名していて励まされる。
◆政府
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/00114-kyudai-kouhou.html#furukawa1
「私どもには,大学のあり方を効率や財政のみから議論するのは国を誤らせる
元だという認識があります。自主性,自立性は確保する。これは原則です。こ
れからは,国がきっちり枠を決めるのではなく,ある程度弾力的に自主的にや
れるようにしようと。しかし一方で,財源をしばってしまうと自由化はむつか
しい。これをどうするのか。
文部省の検討の方向にも,自主,自由ということを前提としながら,公的な
資金を大学が十分に運営できるようにするということはあり,これはもっとも
だと思います。寄附や産学連携関係も財源にできるようにしていく。公益法人
だといろいろ免除もあります。財源的にも今までと違ったものを認めていく。
大学を潰せとは誰も思っていない。そこをどう持っていくかだと思うのです。
ただ,本当に大学が自立性,自主性をもって運営できるのかという懸念はあ
ります。これまでの大学の自治は権力からの自治だったが,本当に自主的に運
営できるのかという懸念。」
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/00114-kyudai-kouhou.html#furukawa2
「私は,箱島さんの御意見の後半部分には賛成ですが,最初の部分の,独法化
の議論は動機が不純だという部分は,少し違うように思います。改革というの
は,歴史的にみても,必ずしも最初から高邁な動機が常にあるわけではない。
これではにっちもさっちもいかないというところから,すばらしい改革が生ま
れてくることがある。大学も戦後50年たって社会に適合しなくなっている面が
ある。新しい21世紀に向けて今のままでいいのか。これは天の声ではないか。
そういう時代だとまず認識し,このピンチを大きなチャンスに変える努力をす
べきだと思います。」
「独立行政法人化がなぜ大きな議論にならないか。大学に一種の恐怖感からく
る守りの姿勢があるからではありませんか。こういう条件でこう変わりますよ
と,むしろ大学の側からどんどん出していけば,最後は国民が判断すると思い
ます。」
#恐怖感は国民に対するものではなく所轄省に対するものではないのだろうか。
http://www.iijnet.or.jp/sorifu/kantei/jp/kyouiku/goiken.html
これまでの投稿や有識者の意見が収録されているが大学問題に関するものはわ
ずかで表面的なものしかない。もっと多くの多様な意見が集まらなければ大学
問題の重要性を会議は認識しない恐れがある。法人化に関連する意見も出そう
ではないか。
文部省が<要約>した有識者の意見
http://www.kantei.go.jp/jp/kyouiku/dai1/yuushikisha.html
で大学関係のものは次だけ
----
(高等教育の在り方)
○大学前期2年間は、哲学・文学・宗教など古典的な人文学の知識を教える時
間とすべき。
○高等教育政策では、科学技術振興だけでなく、実践知を身につけたエリート
を養成するプロフェッショナル教育にも重点的な配慮が必要。
(研究環境の改善)
○研究者の資質や活動の問題よりも、研究環境の改善の方がはるかに重要。
(文部省の対応)
○イデオロギー的偏向傾向を帯びる教職員団体に対して、文部省は無原則な妥
協的態度と受け取られるような対応をすべきでない。
----
ところで文部省による要約はかなり恣意的な取捨選択をしているに違いない。
たとえば、橋爪氏の提言
http://www2.valdes.titech.ac.jp/‾hashizm/FRAME/ACT/edu100y.html
をたまたま知ったが「文部省が教育行政から一切手を引くぐらいの覚悟がない
と、国民の主体性を引き出して、真の改革をなしとげることはむずかしいと思
います。 」という主張に相当するのは要約では
-----
○中央教育委員会の創設と文部省の事務局化、国のカリキュラムセンターの創
設と教育行政の科学化・分権化を行うことが必要。
-----
という部分だが、ニュアンスが全然違うではないか。下手な要約などせず提言
をすべて原文で掲載すべきであろう。その位大事なテーマではないのか。
http://www.kantei.go.jp/jp/kyouiku/dai1/1gaiyou.html
(藤田委員)
臨教審以降の教育改革は日本を駄目にしている。世界的には教育の「再武装」
が潮流なのに、日本では逆に「武装解除」を行っているようなものである。
教育には多くの資源を投入する必要がある。また、教育の問題は、学校病理
なのか社会病理なのかを見極める必要があるが、実態はその多くが社会病理で
あり、学校に全てを引き受けることを期待し、問題を解決できないといって学
校を責めるのは間違っている。
世界では知的ヘゲモニーをどこが握るかについて高等教育機関は競争してお
り、我が国の大学改革に当たっては、このような考え方を明確にする必要があ
る。
---
http://www.kantei.go.jp/jp/kyouiku/dai2/2gaiyou.html
(勝田委員)
「河上委員の話は中学校でのことということだが、多くの部分で大学生にも共
通する。今の大学生は無気力で、だらしがなく、勉強する意欲が感じられない。
私の同僚の話では、ドイツのフンボルト大学でも、日本のように私語こそない
が、学生が哲学の講義中にハンバーガーやジュースを飲食しており、授業が難
しく面白くないと教室から出ていってしまう。ドイツの大学の水準は高等学校
レベルに落ちてしまったという。日本も同じ状況だと考えるが、豊かな社会に
おいては礼儀作法がだらけてしまうのではないか。意識改革のためにショック
を与える必要があるという森先生の話があったが、海外青年協力隊などで半年
程度、貧しい国へ行ってボランティアをさせてはどうかと思う。今の若者に貧
乏を味わせてみたい。」
(クラーク委員)
「学力については、高校レベルではオーストラリアに比べて日本は高い。問題
は大学。日本の学生は無気力で自主性がない。親や教師が悪いというが、両者
も教育制度の産物であり、学校がどうというよりも社会がしっかりすべき。オー
ストラリアではボーイスカウトが子どもと社会をつなぐ一定の役割を担ってい
るが、日本での活動は活発でない。日本の子どもは社会との接触が少なく、そ
の数少ない接触も悪影響ばかり受けている。 」
http://www.mof.go.jp/singikai/zaisin/zai3.htm
#政府からは大蔵官僚しか出席していない会議で大学の財政問題が詳細に論じ
#られている。大蔵省が国立大学の支配者ということが実感できる議事録だ。
#また、考え方1、考え方2、という説明の仕方が面白い。実際には政府の考
#え方は一方に決まっているのだが、一見公平に吟味したかの印象をうける。
以下の説明で言及される資料は次のPDFファイル(約500K)
http://www.mof.go.jp/singikai/zaisin/siryou/za015.pdf
http://www.mof.go.jp/singikai/zaisin/siryou/za015a.pdf
[7-3-1-1]◎大学院重点化について
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/99b26-mof-monbu-yosan.html#juutenka
「考え方1」「国立大学は、国の機関という面を有しており、行政組織の減量
が進められている現在、新規の拡大については、基本的に抑制的に対応すべき
ではないか。」
「考え方2」「社会人向けを含め、社会的ニーズに応じて、国立大学が大学院
レベルの高度な教育を提供していくことに意義がある場合もあると考えられる。
ただし、個別の要求については、その具体的な内容に応じ、ケース・バイ・ケー
スで、必要性の有無などの検討を進めることが適当。その際、国立大学全体と
しての組織の膨張とならないよう、スクラップ・アンド・ビルドの原則を基本
とすることが必要であるし、また、今後とも大学院の整備を検討する際には、
横並び的な発想は止め、各大学の特色を活かしたものとすることが適当ではな
いか」
[7-3-1-2]財政基盤
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/99b26-mof-monbu-yosan.html#jugyouryou
「考え方1」「現在の国立大学の授業料の水準を考えれば、授業料については、
物価水準等を考慮した程度の改訂にとどめるべきではないか(この場合、国立
大学の経費の増加分の大半は、一般納税者の負担増となる)。」ということで
す。
「考え方2」「我が国においては国立大学に対して私立大学に比べ相当大きな
財政負担が行われていること、高等教育を受けることはその本人にとってのメ
リットが大きいこと、などを勘案すれば、受益者負担の徹底及び自己財源の充
実の観点から、国立大学の授業料等の学生納付金について適正化を図ることが
必要ではないか。具体的には、私立大学との格差の実態を踏まえ、これを是正
していく必要があるのではないか。」
[7-3-1-3]財務内容等のディスクロージャー
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/99b26-mof-monbu-yosan.html#disclosure
2つの方策があるということでございます。「1 まずは、国立学校、附属病
院、研究所といった分野別の歳入、歳出を示すことはどうか。」「2 さらに、
今後、国立学校特別会計全体についてのバランス・シートの作成の検討を進め
ることはどうか。」ということでございます。
[7-3-1-4]科学技術関係
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/99b26-mof-monbu-yosan.html#sci-tech
[7-3-1-5]「科学技術振興費の位置付け」をどう考えるか、
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/99b26-mof-monbu-yosan.html#gourika
「考え方1」「科学技術の振興のためには、研究費の量の拡大が重要であり、
今後とも、科学技術予算については、その総額に着目し、量的拡大を第一に考
えてはどうか。」
「考え方2」「...我が国においては民間の研究開発投資が活発であること、
政府負担研究開発投資の総額も近年伸びてきた結果、諸外国と対GDP比率を
比べてもそう遜色ない水準に達していること、を考慮すれば、今後の科学技術
振興予算については、内容面での充実を図り、効果的使用に配意することが一
層重要になっているのではないか。」この場合の「内容面での充実」という観
点からは、以下で述べますように「分野別配分のあり方や研究費の効果的活用
が課題となる。」ということでございます。
[7-3-1-6]「科学技術振興費の分野別の配分のあり方」についてどう考えるか、
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/99b26-mof-monbu-yosan.html#bunpai
「科学技術振興費の分野別の配分については、その有効活用を図るため、時代
の要請に応じ、弾力的に対応することが必要ではないか。その場合、科学技術
会議政策委員会が、平成12年度に取り組むべき重点事項として、ライフサイエ
ンス・情報科学技術・地球環境技術の分野をあげていることを踏まえることが
考えられる。」
[7-3-1-7]「科学技術関係の研究費の効果的活用のあり方」についてどう考えるか
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/99b26-mof-monbu-yosan.html#kouka
「1 研究の一層の活性化のため、競争的配分の行われる資金の充実」
「2 その際、可能性の高い若手研究者への研究費配分にも留意」
「3 研究に際しては、省庁間及び、産学官の共同研究・連携が十分行われる
よう一層配意」
「4 研究内容の改善および研究費の適切な配分に資するため、研究について、
事前・中間・事後の各段階における評価」
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/99b26-mof-monbu-yosan.html#kaizuka
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/99b26-mof-monbu-yosan.html#isobata
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/99b26-mof-monbu-yosan.html#honma
さらに、文部省の中に独立行政法人化がもし仮に実現をされますと、評価委
員会というものができます。さらに、総務庁の中に、評価委員会というのが独
立行政法人の通則法の下ではできます。さらに加えれば、大学内部で、内部の
評価機構というものを我々はつくっておりまして、五重、六重にこういうもの
をつくって、一体どういうぐあいにこれは活用するんだということを非常に我々
は危惧をいたしておりまして、私は、まず第1点、この大学評価機構と基準協
会、これはもう一度整理をしていただけないかという気がいたします。これは、
屋上屋を重ねるような部分が当然出てくる危険性があるわけで、その機能につ
いてぜひ整理をきちんとした上でやっていただきたい。
それから、今後の、
今申し上げました評価委員会との関連等についても、将来の展望も含めて議論
をしていただけないかという気がいたしております。
もう1つ、ここで最後の方の国立学校特別会計、3の財務基盤の部分のとこ
ろでございますけれども、これは伏魔殿みたいな世界でございまして、基準財
政需要額及び基準財政収入額の自治省の交付税よりももっとわからない世界に
なっている。どういう形で予算が配分されるのか、その大学のパフォーマンス
とどのように結びついているのか、設備投資の問題も含めて全く魑魅魍魎の世
界になっておりまして、それを財政当局はどの程度きちんと把握されているの
かということを私は常々疑問を持っております。
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/99b26-mof-monbu-yosan.html#tawara
「独立行政法人の議論がある中で、こうしたものが出てくる、あるいは、財務
基盤にしてもディスクロージャーにしても、独立行政法人になれば、おのずか
ら解決する問題でありますから、なぜここでこういう問題意識が今出てこなけ
ればなければならないのかというのは、全く私どもに理解不能である。理解不
能であることを何で議論しなければならんのかという、まあそこについてのご
説明があるなら伺いたい。」
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/99b26-mof-monbu-yosan.html#answer
「大学院につきましては、今、国立大学におきましては、資料には7ページに
ありますが、大きな流れとしては、学部の定員を縮小して、大学院の定員を拡
大する、こういう大きな流れにあります。トータルとしては、大体イコール、
とんとんぐらいということで進められてございます。」
「それから、そういう意味で、財務内容の問題につきましても、これは独立行
政法人化ということが決まれば、基本的には通則法を眺めますと、企業会計を
やるんだということになっておりますので、財務の面も企業会計的な財務を導
入することが原則となります。これは、各独立行政法人ごとに導入するんだ、
こういう理解になってございます。」
◆学術団体
http://www.miz.nao.ac.jp/staffs/hiimai/agency.html
次回に詳しく紹介したい
◆大学
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/00330-kokudaikyou-houkoku.html
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/003-koudaikyou.html
[7-6-1](1)設置形態論の不可避性
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/003-koudaikyou.html#1
[7-6-2](2)国立大学の独立行政法人化の意味
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/003-koudaikyou.html#2
「要約すれば、本来、事業実施部門を企画立案部門(本省)から切り離し自立性
を与えることによって業務の効率化を図ることが目的であるはずの独立行政法
人を、国立大学に適用した場合には、これまで確立されてきた文部省本省から
の自立性をむしろ逆に制約することになり、大学における教育研究機能の遂行
上望ましからぬ悪影響を生じる(より強く言えば憲法違反の疑いさえ生じる)か
らである。それを端的に象徴するのが、法人の長の任命に関する所管大臣の権
限、中期目標・中期計画の認可等の手段による所管大臣の監督、所管省等によ
る事後評価システムのいわゆる「三点セット」の問題ということになる。」
[7-6-3](3)独立行政法人制度と公立大学
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/003-koudaikyou.html#3
...
「以上の検討の結果、独立行政法人制度と公立大学の関係につき、少なくとも
次のことを確認できる。
1. 独立行政法人通則法に具体化されている制度形態は、そのままでは、国立
か公立かの如何を問わずに、およそ公共主体が設置する大学というものの組織
的機能的特性にふさわしくない。
2. 現行法制度上は、公立大学をただちに独立行政法人化する根拠法が存在し
ないだけでなく、国立大学の場合以上に、あえて独立行政法人化をする必然性
に乏しい。
3. しかし、国立大学の大学としての特性に十分配慮しつつこれに適合するよ
うに修正された「特例法による独立行政法人」ないし「国立大学法人」が制度
化された場合には、あらためてその制度趣旨を公立大学にも適用することの是
非が問題になりうる。
4. 国立大学の独立行政法人化が進行し、「効率性の向上」(後述のようにまさ
にその中身が問題なのではあるが)など制度改革が成功したと判断される場合
には、公立大学についても同様の制度改革が必要であるとの論議が強くなるこ
とが予想される。
5. 逆に国立大学の独立行政法人化が進行しても、本来の改革目的が達成され
ず、むしろ混乱が増すような状況になるのであれば、公立大学として独立行政
法人制度に関心を払う必要はなくなる。
6. いずれにせよ、「公立大学も独立行政法人化すべし」との政治的要請が顕
在化していない現在の段階においてこそ、多様な制度改革の可能性の中から、
各公立大学及び設置者の主体的選択として、公立大学に最も適合的な制度形態
を選び取るという態度の確立が必要である。」
...
[7-6-4](4)公立大学にとっての選択肢
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/003-koudaikyou.html#4
...
「 したがって公立大学にとっての現下の選択肢として実質的に存在するのは、
国立大学の独立法人化の影響を主体的に受けとめ、直営形態を維持しつつも大
学運営の自律性を飛躍的に強化する方向で改革を進める「自律性強化方式」か、
思い切って公立大学の軌を脱し、学校法人化の道をたどる「公設民営方式」か
の二つしかないと思われる。
しかし、さらに進んで公立大学の特性に応じた組織形態という視点からすれ
ば、この二つの方式は、実質的には共通性が高いことに気づかざるを得ない。
すなわち、その共通性とは、
1. 自治体が大学を設置することの公共的意義の確認、
2. 自治体からの安定的な財政支出の保障、
3. 大学の組織的経営的自律性の強化、の3点である。
言いかえれば、国公立大学に関するこれまでの固く画一的な法制度の下で、
この三つの要素を十全に備えるためには、公設民営方式をとるしかなかったと
言うべきことになろう。しかし新たに国立大学の独立法人化が契機となって、
地方自治法、地方財政法など関連法規の必要な改正と設置者の理解さえ得られ
るならば、形式的にはあえて公設民営形態をとらずとも、直営形態のままで、
大幅な自律性強化による実質的な独立法人化を実現する可能性が生じてきたの
だと表現してもよいと思われる。そうだとすれば、あえて公立大学というカテ
ゴリーを捨ててまでも、学校法人化の途を選ぶ意味はあまりないことになり、
公立大学という設置形態のまま、設置者の安定した支持の下に、大学の特性に
応じた必要にして十分な自律性を確保できる途が最上ということになるであろ
う。」
...
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/00114-kyudai-kouhou.html
廣田総合研究大学院大学学長
「国立大学の独立行政法人化の議論は,21世紀の日本の高等教育を責任を持っ
て担当していくということを前提に進めていくべきではないでしょうか。その
意味で通則法はダメで,大学の独自性を認めるというのが本来の趣旨だと思い
ます。改革を一層の飛躍につなげなければなりません。
日本の大学は,努力していろいろやっています。私の大学は10年になります
が,本当に評価される結果が出るのに50年はかかると思います。一般的な意味
の効率的ではないのが大学です。切りつめるべきところ,努力すべきところは
大学もやらなければなりませんが,長い目で見る必要があります。世界の中の
日本として活躍するためには,文化・学術,高等教育のあり方は大切です。ま
ず私ども大学の人間が努力しなければならないわけですが,社会や国もぜひあ
たたかく御援助いただきたいなと思っています。」
◆大学人の社会的使命について
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/00417-tomari.html
「今回の独立法人化問題で、大学の社会的責任ということがいろいろ話題にな
りましたが、この問題が大学の外ではほとんど話題にされないというのも、こ
れまで大学の人間が社会の問題にはほとんどコミットしてこなかったことのツ
ケではないかと思っています。それで、僕としてはこれまで以上にいままで関
わってきた市民運動に関わり、大学の研究者がそうやって市民とともに社会を
変えていくためにも、政府の言っている独立法人化には反対すべきなのだとい
うことを訴えてきたつもりです。」
「泊3号機の問題はすでにご存じと思いますが、先進国のなかでいま原発を増
やそうとしているのは日本だけであり、これがいかにあやまった選択かはおわ
かりいただけると思います。北電は、エネルギーが足りなくなると宣伝してい
ますが、そんなことはなく、自然エネエルギーと節電で十分対処できるという
のが僕たちの研究結果です。それで、とりあえずは、賛否を問うための住民投
票をよびかける署名を始めました。有無を言わさずつくってしまおうとする道
庁の動きがかなりありますので、5月中旬までに100万の署名を、とかない
急なスケジュールになっています。1枚5名書ける署名用紙を用意しています
ので、賛同してくださる方はメールでご連絡下さい。」
------------------
#詳しくはリンクを見て下さい
◆意見・論説(独立行政法人化を危惧する意見)
「過半数は明確に“ノー!!”−独法化問題、アンケート調査の結果−」
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/00419-hu-agr.html
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/00411-kyoto-tsudoi-report.html
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/00419-shiga.html
「以上のように、国立大学の独立行政法人化は短期的・財政効率的な観点から
短絡的に結論を求めるのではなく、教育・研究のあり方、高等教育における国
立大学の役割、地域間公平性の確保、地域社会・経済・文化の発展、学問の世
界的・総合的発展の見地などから、国民的な議論と検討が必要であることは明
らかです。
日本政府および文部省は、以上のような問題点を認識し、拙速な態度を改め、
ユネスコを含む国際機関における高等教育改革の論議や国民各階層および大学
関係者の意向を踏まえた慎重な議論を開始すべきです。また、滋賀県において
も、地方国立大学の役割を再検討する中で、21世紀の新たな大学像を模索し、
検討すべきであると考えます。
以上の理由から、私達は、現在進められている国立大学の独立行政法人化に
は強く反対するとともに、多くの滋賀県民の方々がこの問題に対し関心を持た
れ、新たな大学改革のための県民的討論が開始されることを呼びかけるもので
す。」
[14]S.Yuasa, "WE REJECT THE PLAN OF TRANSFORMING NATIONAL UNIVERSITY INTO INDEPENDENTLY MANAGED AGENCY"
http://jsao.chem.sci.osaka-u.ac.jp/bull/bull73.html#REJECT
国立大学の独立行政法人問題に関する声明。文部省の昨年9月の方針、問題点が述べられている。
http://phys.sci.kagoshima-u.ac.jp/‾hata/gakkai0003.html
日本物理学会2000年春の分科会
「国立大学の独立行政人化とは何か―存亡の危機に立つか,国立大学の教育・研究―」
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/00407-arima.html
における講演からの抜粋:
「通則法の適用を阻止する歴史的使命
通則法の立法趣旨と大学の理念が根本的に矛盾しているので、 特例措置でこ
れを解消できない。 通則法は国家統制の悪法であり、これを大学に適用する
と、それは歴史的な悪法となる。これは、単に国立大学だけの問題ではない。
市場原理により採算のとれない基礎科学や地方大学は衰退し、長期的に見て
歪な社会を招来する。もとより、大学は時の政権に奉仕するものではなく、よ
り普遍的な立場から未来の歴史に責任をもたなければならない。 今、必要と
されていることは、国公私立が担う高等教育に国が他の国並みの財政措置をす
ることであり、大学が自主・自立ができる 真の法人格をもつことである。 そ
して、大学人が本来の仕事である教育・研究に専念できるようにしたい。 そ
のために、通則法の適用を阻止する歴史的使命が我々にあり、また国大協はそ
の本領が試される、最初で最後の時である。この責務の遂行こそ、大学人の最
後の矜持の証となる。」
◆意見・論説(独立行政法人化に意義を認めるもの)
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/00114-kyudai-kouhou.html#hakoshima
「独法化問題も,一刀両断の切り口はなかなかないのでしょう。基礎研究がお
ろそかになる危惧はある。しかし一方では,一般の人の抱く大学のイメージに
「こんな世の中なのに,大学は一体何をやっているのだろう」という不信感が
ある。このままでいいという議論には誰も組しないでしょう。オール・オア・
ナッシングでは建設的な議論はなかなかできない問題だと思いますが,大学を
崩壊させていいとは誰も思っていない。しかし,独法化の目的が目先の効率化
ではないと言っても,そうなる危険性はある。結局,そうなるならないは,大
学がどれだけ独自のプランと実行力を持っているかにかかっていると思います。
独法化への言いわけでなく,大学のために改革をやるのだということを忘れず
にいていただきたい。」
◆発行者より
(本の紹介)「教育における分権の意味を考える」木村 武司
教育総研理論講座「21世紀を拓く教育」第3巻黒沢惟昭・鎌倉孝夫編
「教育の未来をつくる」p104-130(明石書店1996 ISBN 4-7503-0815-3)
宮脇教授は4月11日の北大歯学部勉強会で独立行政法人運営交付金と地方交
付金の類似を指摘し、拠出根拠があっても予算化されるとは限らないと指摘し
ていた。独立行政法人と地方自治体は似たところが多いことは以下の引用から
もわかる。
「日本における中央・地方の「中央集権的」関係は「三割自治」とか「補助金
行政」というような通俗的言説でしばしば表現されるように、財政面では一見
より明瞭である。前者は、財源の半分近くを国庫に依存している事態の謂いで
あり、後者は国庫依存財源のさらに半分が「ひもつき」の補助・負担金である
ことの謂いである。」
「一般的にいって、補助・負担金という制度が中央・地方の財政面での中央集
権的関係の要をなすことはみんなが指摘するところであるが、いかなる意味で
そうなるのか、というと必ずしも自明ではない。筆者の見解によれば、国が補
助・負担金にかかる事業を設計する、という意味でそうなるのである。」
「故・高橋誠は、補助・負担金をとおしての中央・地方の関係をこう表現した
−−「国は頭にして金主、地方は手足」。つまり国、具体的には各省庁、さら
に具体的にはその事業担当課が、施策を形成し実施するときにその多くを補助・
負担金による事業として形成する。自治体はこれを選択し(あるいは団体・機
関両委員事務がそうであるように選択の余地なく)申請し、採択され、補助・
負担金配分を受け、自治体負担分を合わせてこれを実施する、ということであ
る。中央省庁の官僚たちが施策を作り、自治体が実施するという関係になって
いるのである。」
◆謝辞
以下を主な情報源としています。
http://www.edugeo.miyazaki-u.ac.jp/reform/reform-ML.html
・全大教近畿速報
・メーリングリスト高等教育フォーラム he-forum
http://www.dango.ne.jp/fuj/mlopen.htm
・メーリングリスト大学改革情報 reform
http://ha4.seikyou.ne.jp/home/kinkyo/index.htm
・メールマガジン【行政・政治・団体ホームページ更新情報】
http://www.urban.ne.jp/home/space/mag.htm
◆メールマガジンを購読するとき、宣伝のメールマガジンが自動的に送られて
きますが、書かれている指示に従えば簡単に配送解除できます。
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発行者: 辻下 徹 tujisita@geocities.co.jp
バックナンバー
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/wr/backnumber.html
掲示板: http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/room.bbs
発行部数(2000.4.24現在)
CocodeMail:212 / Mag2:316 / Pubzine:17 /Macky!:7 / 直送 約 200
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End of Weekly Reports No.7 2000-4-24
**この週報は発行者の個人的な意思で行っています**
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