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国立大学独立行政法人化問題週報

Weekly Reports  No.76  2001.11.30 Ver 1.13

http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/wr-76.html
総目次:http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/all.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━        目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ [76-0] 内容紹介  [76-0-0] 日本の知的国土を襲う前震  [76-0-1] 密室で決まる教育行政  [76-0-2] 正気を失いつつある教育行政:教育から産業・司法への重点移動  [76-0-3] 法学系部局が独立行政法人化に積極的な理由  [76-0-4] 文部科学委員会10/31での構造改革に関する議論・遠山大臣の謝罪  [76-0-5] NHKの独立行政法人化問題:NHKは政府から独立しているか?  [76-0-6] 「産学官」を詐称する産官サミット  [76-0-7] 遠山プランが日本社会に与えるダメージ  [76-0-8] 教育基本法見直し諮問:中教審委員の全人的存在が問われる時 [76-1] 国会  [76-1-1] 衆議院文部科学委員会10/31議事録   [76-1-1-2] 森岡議員 教育基本法について   [76-1-1-3] 斉藤(鉄)議員 科学技術基本計画二期目について   [76-1-1-4] 斉藤(鉄)委員:基礎研究について   [76-1-1-5] 石井議員 構造改革について  [76-1-2] 参議院文教科学委員会11/20議事録   [76-1-2-1] 小林元議員「民間的発想」の問題点   [76-1-2-2] 林紀子議員:日本育英会の問題   [76-1-2-3] 林紀子議員 非常勤講師の問題   [76-1-2-4] 山本正和議員「生涯教育」について   [76-1-2-5] 西岡武夫議員:独立行政法人化問題 [76-2] 行財政改革  [76-2-1] 公益法人「役員報酬に対する助成」廃止案   [76-2-1-1] 行政委託型公益法人等改革の実施計画各府省案(補助金等関係)に対   [76-2-1-2] 意見募集中  [76-2-2] ◆財政制度等審議会財政制度分科会2001.11.15   [76-2-3] 塩川財務大臣閣議後記者会見の概要(2001.11.20)より  [76-2-4] 司法制度改革推進法2001.11.16   [76-2-4-1] 司法制度改革推進本部令 2001.11.28  [76-2-5] 独立行政法人の動き   [76-2-5-1] 総務省政策評価・独立行政法人評価委員会(第9回2001.10.26)議事要旨   [76-2-5-2] 毎日11/15「独立行政法人:57組織で役員100人増 次官超す報酬も」   [76-2-5-3] ◆読者より  [76-2-6] 日経(11/15) NHKの独立行政法人化についての記事 [76-3] 文部科学省  [76-3-1] 教育基本法改正を中教審に諮問、関係社説集  [76-3-2] 日経2001.11.19 「ポストドクター、助教授並み処遇――頭脳流出防止へ制度」  [76-3-3] 滋賀医科大学全学集会(2001.10.20)における杉野大学改革推進室長講演  [76-3-4] 文部科学省官房決定2001.8.6「今後の国立大学等の施設管理に関する調査研究について」 [76-4] ◆大学構造改革  [76-4-1] NHKBS1ディベートに関連する公開要望書2001.11.27   [76-4-1-1] Yahoo!JAPAN  [76-4-2] ◆掲示板「遠山プランに対する日本の人々の意見」  [76-4-3] 朝日11/17「「大学はみんな民営化を」ノーベル賞の利根川進さん語る」  [76-4-4] 国立大学が30近くも減る――統廃合マップ(2001/9/7号 週刊朝日)  [76-4-5] 北海道新聞11/17「佐々木帯畜大学長が辞意 体調不良 22日に正式表明へ」  [76-4-6] 「top30に踊らされ、エゴに陥る大学人の今の姿」(reform より)  [76-4-7] 奥山(自民党)議員ウェブサイトより「『国立大学法人』制度の概要」  [76-4-8] 一橋大学評議会『新しい「国立大学法人」像について』に対する意見 2001.10.24 [76-5] ◆教員養成系大学・学部の在り方に関する懇談会 2001.11.22  [76-5-1] 報告書  [76-5-2] 社説 [76-6] 国立大学協会  [76-6-1] 総会11/14・15関係報道   [76-6-1-1] 朝日2001.11.16 「数合わせではない」 国立大再編で文科省が説明    [76-6-1-2] NHKニュース2001.11.15「教員養成学部統合は慎重に 大学側から意見相次ぐ」   [76-6-1-3] 共同通信2001.11.15「再編は数合わせではない 学長懇で文部科学次官」   [76-6-1-4] 読売 2001.11.15「教育大・学部大幅統合で地方国立大から懸念続出」  [76-6-2] 総会での要請行動報告  [76-6-3] ◆産学連携サミット 2001.11.19   [76-6-3-1] 薬事日報2001.11.26「産学官連携サミット」に300人が参加    [76-6-3-1-1] 第一回産学官連携サミット共同宣言   [76-6-3-2] ◆「教育への経済界の要請を排すーーそれを行えば国益を損なう」  [76-6-4] 国立大学協会臨時総会2001.10/29 議事録  [76-6-5] 国立大学協会第15回 設置形態検討特別委員会(議事メモ)  [76-6-6] 理事会メモは会長の一存 [76-7] 国立大学独立行政法人化問題の運動  [76-7-1] ◆豊島耕一「独法化問題をめぐるイデオロギー」2001.11.26  [76-7-2] ◆豊島耕一「主権者のための,主権者としての教育を」(2001.11)  [76-7-3] 独立行政法人問題速報 No.10 特集:『千葉大学の将来構想 II』(第3版) [76-8] 大学の動き  [76-8-1] 弘前大学在職死亡者数倍化  [76-8-2] 全大教北海道第10回教研集会(2001.12.8)  [76-8-3] 公立大学   [76-8-3-1] ◆共同通信ニュース「公立大も法人化の方向 国立と同じ条件で競争へ」 2001.11.22    [76-8-3-1-1] 『朝日新聞』11月23日付朝刊   [76-8-3-2] 都立大新局面、大学改革大綱発表」 [76-9] 奨学金問題  [76-9-1] 日経2001.11.29「育英会の奨学金、存続を」医学生が投書  [76-9-2] 東京新聞2001.11.16「小泉改革で学生ピンチ」  [76-9-3] Yahoo!JAPAN 掲示板 No 4032「イギリス医学生の窮状」  [76-9-4] 「大事な日本の「明日」への投資―奨学金」『読売新聞』2001.11.19社説 [76-10] 意見  [76-10-1] 宮本憲一滋賀大学長「大学はどう生きるべきか 公共財としての役割明確化を  [76-10-2] 山岸駿介「文部科学省の『ルネッサンス』とマスメディア」東海高  [76-10-3] 高等教育フォーラムより   [76-10-3] No 3770「「大学改革」と日本の大学の「特殊事情」」   [76-10-3] No 3767「身内に性善、他者に性悪」 [76-11] 資料   [76-11-1] 内田研二著、『成果主義と人事評価』  [76-11-2] 行政監視局No 238-1 「公務員給与について」(2001.11.17)  [76-11-3] 筑波大学大学研究センター ━━━━━━━━━━━━━━━━━ [76-0]  内 容 紹 介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ [76-0-0] 日本の知的国土を襲う前震 11月、日本の知的国土に更なる前震の連続を感じた。19日の産学官サミッ ト声明[76-0-6]、22日の教員養成系大学・学部の在り方に関する懇談会最終 報告[76-0-1]、29日の教育基本法改正の諮問[76-0-8]、法人化に向け法整備 を求める公立大学協会決議[76-8-3-1]、いずれも日本社会の精神的基盤を崩壊 させる大地震の前触れとなり兼ねないものである。実際の地震と違うことは、 大地震の到来は意識的に防げる点である。大震災の前震を感じた方は、その到 来を防ぐことに関心を持ち続けて頂きたい。             ------------------------------ [76-0-1] 密室で決まる教育行政 教員養成系大学・学部の在り方に関する懇談会が、パブリックコメント募集も 行わずに最終報告[76-5-1]を出した。各県への教員養成学部配置の基本原則を 放棄する方針に対し、多くの新聞社が批判[76-5-2]している。素性が不明な 「懇談会」の報告で「教員養成」政策が決まるわけではない。             ------------------------------ [76-0-2] 正気を失いつつある教育行政:教育から産業・司法への重点移動  教員養成系大学・学部の縮小は大学スクラップアンドビルド政策の一環であ るが、「節約」された財政(人員)は産学連携[76-6-3]・法科大学院整備 [76-2-4]に回すことが予想される。人を育てることを手抜きして、人を利用す ることと、逆らう人を罰するシステムに力を入れる「教育政策」は国を劣化さ せる。教育事業を縮小し司法事業を拡大する、いわば、「教員を減らし看守を増 やす雇用対策」はとても正気とは思えない。             ------------------------------ [76-0-3] 法学系部局が独立行政法人化に積極的な理由  国立大学独立行政法人化に関し、各大学で最も積極的なのは法学系学部であ る。これは一つの疑念を抱かせる。ロースクールを現在の法学部人員で実現し ようとすれば、学問としての「法学」は日本の主要な大学からはなくなる。そ れにもかかわらずロースクール構想への反対意見がほとんどないのは、新たな 人員投入を期待しているからではないかと推測せざるを得ない。しかし、財務 省はロースクールのための財源を新たに用意する意思は今のところない [74-1-1]ようなので、国立大学のスクラップアンドビルドを期待するしかない。 国立大学協会の委員会、あるいは、各大学の委員会において、法学系部局の教 員が法人化に積極的なことの背景には、こういう思惑があるのではないか。も ちろん明示的な動機になっているとは思わないが。             ------------------------------ [76-0-4] 文部科学委員会10/31での構造改革に関する議論・遠山大臣の謝罪 10・31に大学構造改革に関する石井議員の質問に対し遠山大臣が、他の議 員に回答したとして、回答を省略しようとした[76-1-1-5]。質問は「学問の自 由」にかかわる新たな論点であったため紛糾。そのために、議事録の公開が大 幅に遅れた。文部科学省が「学問の自由」に何の関心も持っていないことを示 してしまった事件と言えるだろう。  11月21日の委員会で、遠山大臣はこの件につき謝罪している[76-1-3]。             ------------------------------ [76-0-5] NHKの独立行政法人化問題:NHKは政府から独立しているか? NHKの独立行政法人化については、公共放送機関への国家の支配が強まると して所轄省である総務省が反対した[76-2-6]。しかし、NHKが、政府から独 立した報道機関と言えるかどうか疑念を抱いている人は多い。BS1で大学改 革に関する特集があるが、その資料は政府の言い分を「客観的報道」の体裁で 紹介している[76-4-1]のに対し、反対意見のウェブサイトへのリンク紹介は、 そのリンク先に移る前に「ここから先はNHKの意見とは無関係」という画面 を出すという慎重さである。NHKが文部科学省広報部になっていることを如 実に物語っている。政府への従属が強まるから、という理由でNHKの独立行 政法人化に反対する理由は理解できない。(が、もちろん、NHKの独立行政 法人化には反対である。NHKがもっと公共放送機関として政府から明確に独 立した姿勢を示してほしい、という要望を述べただけである。)  しかし、独立行政法人化により政府への従属を強めることについて、NHK については問題だが国立大学については問題にはならない、となっていること は、単に所管省の見解が違うだけなのだろう。国立大学が文部科学省への従属 を強めることは文部科学省としては大歓迎なことは言うまでもない。             ------------------------------ [76-0-6] 「産学官」を詐称するサミット 産学官サミット共同宣言[76-6-3-1-1]の中で、学のイニシアティブとして「 国立大学の非公務員型法人に移行することを目指す」とある。これは、大学で は全く議論されていない項目で、このような内容が記載されていることは、こ のサミットでいう「学」とは「大学」のことではないことを証明している。実 際、宣言の署名は、尾身大臣、今井経団連会長の他は、日本学術会議議長・総 合科学技術会議議員・独立行政法人産業技術総合研究所長を兼任する吉川氏で あり、大学セクタ代表の署名はない。国立大学関係者は出席するだけで起草に は関与していない「一方的宣言」を「産学官サミット共同宣言」と詐称するよ うでは、経団連は産学官連携に必要な大学セクタの信頼を失うだけでなく、日 本社会の信頼をも失うだろう。             ------------------------------ [76-0-7] 遠山プランが日本社会に与えるダメージ 藤原正彦氏が「日本の論点2002」で経済セクタに大学を移管させることに 警鐘を鳴らしている[76-6-3-2]。自分の判断や決断が日本社会を破壊しようが しまいが無頓着な日本の指導者層に危惧し、利害関係のない著名な方々も声を 挙げ始めたように思える。これまで沈黙していた多くの人々が声を挙げ始めた ことは、少しでも遠くを見る余裕がある者には、遠山プランが日本社会に与え るダメージの大きさが余りに歴然としているからであろう。             ------------------------------ [76-0-8] 教育基本法見直し諮問:中教審委員の全人的存在が問われる時 文部科学省が教育基本法の見直しを中央教育審議会に諮問した[76-3-1]。教育 基本法の精神が活かされていないことこそ問題であるという視座が今最も必要 であろう。教育基本法に無関心であり続けた中央教育審議会がその視座を取る 可能性は低いが、新たな委員も居る。事務局案の推敲をするだけの審議会から、 事務局に案を提示する審議会に脱皮することは可能なはずだ。中教審委員30 名[76-3-1-1]の方々の精神的自立性・使命感・良心・見識等、全人的な存在が 厳しく問われる時である。委員全員が、自分自身で時間をかけて調査研究し、 自分自身の結論を国民に示し、質問に応えることが要求される。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ==>   本文 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【発行の趣旨】国立大学独立行政法人化問題を広い視野から考えるのに役立 つと思われる情報(主に新聞報道・オンライン資料・文献・講演会記録等)へ のリンクと抜粋を紹介。種々のML・検索サイト・大学関係サイト・読者から の情報等に拠る。メール版で省略されている部分はウェブ版参照。ウェブ版は 目次番号が記事にリンクされている。転送等歓迎。 【凡例】#(−−− )は発行者のコメント。・・・は省略した部分。◆はぜ ひ読んで頂きたいもの。 【関連サイト】http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行者:辻下 徹 e-mail: tujisita@geocities.co.jp ------------------------- 発行部数(括弧内は11/13からの増減) (2001.11.27 現在) 1664(+3):Mag2:957(+4)|CocodeMail:370(-2)|Pubzine:98(+3)|melma:68(+1) |melten:63(-2)|Macky!:57(0)|emaga:27(0)|melonpan:24(-1) 直送 約730(北大評議員・国立大学長・国大協・報道関係・国会議員等) ------------------------- Digest版 発行部数 約1600(北大), ML(he-forum,reform,aml,d-mail) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ End of Weekly Reports 76
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