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国立大学独立行政法人化問題 週報 Weekly Reports  No.17  2000.7.24 Ver 1.2

==目次================================================================ [17-1]文部省独法調査検討会議 [17-2]国立大学教員の動き [17-3]「反対運動への批判」と今後の反対運動のありかた [17-4]教育改革国民会議 [17-5]公務員定員削減計画とワークシェアリングについて [17-a] 知人からの手紙 ==================================================================== [17-1]文部省独法調査検討会議 文部省独法調査検討会議のメンバーが決まり7月31日に第一回の会合が開か れる予定である[17-1-1]。また、国立大学協会の設置形態検討特別委員会は、 すでに2回の会合(7月5日・19日)があったと言われているが、議事内容 としては、4分科会に対応した4専門委員会[17-1-2]が設置されたことしか公 開されていない。 [17-1-1]新聞報道 http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/net/nethefo1120.html http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/net/nethefo1117.html [17-1-2]4専門委員会の構成 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/kdk/00714.html [17-1-3]2000.7.25 0:05 追加 調査検討会議協力者名簿(案) http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/tkk/meibo.html 「組織業務委員会」 独法化後の国立大学の組織、業務等に関する調査検討 「目標評価委員会」 独法化後の国立大学の目標、計画、評価の仕組みに関する調査検討 「人事制度委員会」 独法化後の国立大学の人事制度に関する調査検討 「財務会計制度委員会」 独法化後の国立大学の財務会計制度に関する調査検討 #「法人の基本問題」グループと言われていたものが「組織業務委員会」になってしまった。 ---------------------------------------------------------------------- [17-2]国立大学教員の動き 教員側からの動きとしては、独立行政法人化を既定路線とする7/15NHK報道 への適切な対処を求める要望書[17-2-1]が出された他、国立大学協会に調査検 討会議への参加撤回・国民への働きかけ・独自対案、形成などを求める共同要 望書[17-2-2]へ39大学44名の教員が参加を呼びかけており現在59大学か ら324名の賛同が集まっている。7月27日に国立大学協会と前国立大学長 に提出するとともに数箇所での記者会見も予定している。なお、北大の藤田正 一氏が自律性や自主性という言葉の濫用を警告し[17-2-3]、新潟大学の渡邊勇 一氏が「法人」を主観的に解釈する議論の危険性を論じている[17-2-4][17-2-1]NHK報道への適切な対処を求める要望書 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/007/17-nhk.html [17-2-2]共同要望書 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/007/10-shomei.html [17-2-3]藤田正一「大学の独立行政法人化と「学問の自由」」 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/007/13-fujita.html [17-2-4]渡邊勇一「主観的な「法人」のとらえ方は危険である。現実は?」 独立行政法人化問題会議室 http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/read.bbs?BBS_MSG_000713195122.html ---------------------------------------------------------------------- [17-3]反対運動への批判と今後の反対運動のありかた この要望書の是非については、反対派の間でも意見が分かれている。実際に、 ある地方医科大学の方から頂いたメールには、独立行政法人化に反対しつつも、 小講座制の弊害を説き「「ニセモノのアカデミズム」を養護することになる 「独法化反対」にくみすることもできない」というメールを頂き、衝撃を受け た。これに限らず、独立行政法人化で悪化する危険性が大きいとしても現状の ままよりは前向きだという意見が6月以降急増している。これについて、知人 から、「独法化反対が現状擁護になるという批判には、改革の提案をすればい いことだ。改革のために独法を(消極的に)支持するというのは「改革」を権 力的に行うことであり大学の自治に本質的に反することだ。」という趣旨のメー ルを頂いたので許可を得て一部紹介した[17-a]。 現在及び未来の国民が納得するような明快な大学改革案を提示し、独立行政法 人化という迷路からの突破口を開ける方向に進みたい[17-3-1][17-3-2]。 [17-3-1]「真の対案」に向けて:理念と現状とを足場に http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/philosophy.html [17-3-2] Yahoo! JAPAN 独立行政法人トピより No. 2040 国立大学改革の大前提 http://messages.yahoo.co.jp/bbs?action=m&board=yahoo.17.0a.86166&topicid=1652m00&msgid=8kteg4$jak$2@m100.yahoo.co.jp ---------------------------------------------------------------------- [17-4]教育改革国民会議 [17-4-1]中間報告 http://ha4.seikyou.ne.jp/home/kinkyo/index.htm#07/22_1 15才からの大学入学や、大学年度を9月からとすることをなどを提言している。 [17-4-2]教育改革国民会議第3分科会(第4回)・議事概要2000.6.23 http://www.kantei.go.jp/jp/kyouiku/3bunkakai/dai4/3-4gaiyou.html 「 本日は、主として高等教育までにおいて「独創的、創造的な活動のできる 人材」をいかに育成するかについてご議論いただきたい。 」 [17-4-3]「教育改革国民会議」分科会報告書の要旨(7/22) http://ha4.seikyou.ne.jp/home/kinkyo/index.htm#07/22_3 ---------------------------------------------------------------------- [17-5]公務員定員削減計画とワークシェアリングについて ところで、7月18日に定員削減の具体数が閣議決定されました[17-5-1]。今 後5年間に46000人削減(文部科学省5700人)となっている。実際には新規部 局増員があるため削減数と純減とは一致しないため、独立行政法人化等によっ て25%純減を目指すことを明言した。行財政改革で有害無益な方法が、企業の 場合と同じく、人員削減だ。残った公務員は過重な仕事に疲弊し、国民の受け る公的サービスはとめどなく形骸化していく。会社のリストラで削減して支障 がなくしかも効果が高いのは人事部・企画部であると指摘している本がある [17-5-3-2025]。国でも同じことだ。大学でも学科事務は年々人が減るが中央 事務だけは減らない。本来のワークシェアリングを大学で実現し日本社会の流 れを変えるきっかけの一つにならないだろうか。 [17-5-1]純減13万6千人が目標 5年間4万3千人削減 定員管理方針決定 http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/net/nethefo1112.html [17-5-2]定員削減計画問題について、総務庁行政管理局永長管理官の発言 http://www.kokko-net.org/kokkororen/t000705.htm 「独立行政法人については、10年間で10%の定員削減をやれ、それに独立 行政法人化と公社化で更なる上乗せをすることとなっている。つまり、独法化 以外で、10年10%の削減をやるように法律はなっている。独立行政法人化 で、25%達成したと言っても、独立行政法人以外で10%の定員削減をやら ないといけない。独立行政法人で出ていったところは、我々の手を放れるが、 そこは、中期目標・中期計画でやっていくことになる。出ていくまでの間は、 定員削減の率が掛かっている。出ていった後に、残ったところがかぶるような ことは考えていない。当然、残った分で調整することになる。残存にしわ寄せ はしないということだ。」 [17-5-3]Yahoo! JAPAN 独立行政法人トピ より [17-5-3-2025] 定員削減から賃金調整へ http://messages.yahoo.co.jp/bbs?action=m&board=yahoo.17.0a.86166&topicid=1652m00&msgid=8kn523$b39$1@m100.yahoo.co.jp [17-5-3-2036] 真の行政改革に向けて http://messages.yahoo.co.jp/bbs?action=m&board=yahoo.17.0a.86166&topicid=1652m00&msgid=8kprui$c58$2@m100.yahoo.co.jp [17-5-3-2039] ワークシェアリングの誤解 http://messages.yahoo.co.jp/bbs?action=m&board=yahoo.17.0a.86166&topicid=1652m00&msgid=8ktee8$j6t$1@m100.yahoo.co.jp ------------------------------------------------------------ [17-a] 知人からの手紙 「独法化反対が、現状の積極的支持であるというのは論理的にもなり立ちませ ん。現状を擁護することになるという意見にたいしては、改革の提案をすれば いいことです。上記のような意見をもとに、改革のために独法を(消極的に) 支持するというのは、結局、「改革」を権力的に、あるいは権力を利用して行 うということです。これは大学の自治に本質的に反することです。法的規制が いつもいけないとはいいませんが、最小限に限ることです。また適用の判断を 政府など公権力の介入によって恣意的運用が可能にならないような決め方をす る必要があると思います。 いずれにしても実効性をもたせるには世論を高めることです。その一つは学 内世論、2つに学会の世論、3つに国民・社会の世論です。そのために地道な 努力をしないで法的規制や制度を利用しようとしても無理です。一般の教職員、 学会員、国民の力を引き出すことをしなければ、権力を頼りたくなります。わ たしはここに水戸黄門的思考、つまり、「この印籠が目にはいらぬか」という シーンを期待し、それがはじまれば拍手喝采、実はそれに頼って自分はたいし た努力をしない、の傾向を見ます。要するに他力本願なのです。 あいつらはひどい奴だ、それにひきかえ俺の見識は優れている、にもかかわら ず奴らはそれを認めない、そして自分たちの利益ばかり追求している、これは そのとおりだと思います、まったく正しい意見だと思います。しかしいまの問 題は、何が正しい意見かではなくて、正しい意見がどうして受け入れられない か、ということです。もちろん利害誘導をしているからですが、それが通用し ているのが現実でしょう。ですからその現実をどう変えるかが、明らかにされ なければならないのです。利害誘導をしている人間は権力をもっている人間で すから、権力に頼っても解決しないことは明らかでしょう。ですから現在の問 題を解決するために、独法化を使うというのは本質的な間違いだと思います。 いまの政府は、こういう問題にたいして中立公平な立場ではないということを はっきり見極めるべきでしょう。 具体的な手段の一つとして、情報開示を求めるということが考えられるでしょ う。学内の人でも学外の人でも要求していいでしょう。社会の目にさらしたと きにどう判断されるか、世論を喚起することが出来ます。また学会で話題にし ていくこともいろいろ道はあるのではないでしょうか。コロキュウムなどを行 うとか、発表をするとか、著書や論文を出すなど。 ただ医学などの学界ではまだまだ難しいことが多いかも知れませんが、住民運 動などと結びついて行うということもできます。いま声をあげることが個人的 には経済的な損失になるかも知れません。しかし先にあげたような身内の利益 を求めるやり方を批判するならば、自分の利益にならないということで行動し ないということは、批判すべき行動と同じ質のものになってしまうのではない でしょうか。 きっと現状を何とかしなければと思う人は他にもたくさんいると思います。そ ういう人たちと力をあわせれば、だんだんにできることが増えていくと思いま す。時間はかかると思います。人間の考えを変えることですからそう簡単に進 まないでしょう。この点ではあせらないことです。時間がかかることを覚悟し てやることです。 現状を批判する人は多いのですが、かなりの人がせっかちにすぐ解決すること を求めます。自分が考えている時間のうちに解決しなければすぐ失敗だといい ます。しかしそんなに簡単に解決するなら、これまでも問題を指摘した人はた くさんいたのですから、とうに解決しています。そうでないからまた批判され、 指摘されているのです。 ですから独法化反対の主張について、自信をもって粘り強く主張し続けたいと 思います。まだまだ決着はついていません。政府や文部省にとってもクリアし なければならない問題点はたくさんあります。そして実施できたとしてもそれ からがなお大変です。これにたいしていつでも問題を指摘し批判することが出 来ます。われわれはここまできたら、もう何もできないという限界はないので す。まだまだ食い止める可能性があります。もし実施されてもやめさせるため のチャンスは、実際にやめるまでいつでもあるのです。 いまのままでは、という意見は確かにそのとおりです。しかし、そのことは独 法化することにはなりません。独法化しないで、本当の改革のために必要なこ とをどんどんいっていくべきです。本当の問題は、政府の厳しい規制や予算の 出し渋りにあるのですから。大学人自身も反省をすべき点があることは事実で す。独法化反対のためにこれを隠す必要はありません。むしろどんどん問題を 明らかにして、その原因を解明し、これまでの大学政策の問題を指摘していか ねばなりません。そして本当の解決の方向を提案していくことが必要です。 率直に申し上げると、国立大学の人たちの反対運動はこの点が少し弱いのでは ないかと思います。議会対策のロビー活動のような感じがします。国立の教職 員に呼びかけるだけでなく、もっともっと国民、市民に広く呼びかけて欲しい と思います。国立大学なのですから、国民が支持してはじめて国立として存続 できるのです。再度いいますが、独法化反対運動は国立大学の現状擁護運動で はないのです。 ====================================================================== ◆その他の資料 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/ ====================================================================== ◆謝辞 以下を主な情報源としています。 ・国大独法化反対首都圏ネットワーク http://www.asahi-net.or.jp:80/‾bh5t-ssk/nettop.html ・全大教近畿速報 http://ha4.seikyou.ne.jp/home/kinkyo/index.htm ・メーリングリスト高等教育フォーラム he-forum http://www.dango.ne.jp/fuj/mlopen.htm ・メーリングリスト大学改革情報 reform http://www.edugeo.miyazaki-u.ac.jp/reform/reform-ML.html ・メールマガジン【行政・政治・団体ホームページ更新情報】 http://www.urban.ne.jp/home/space/mag.htm ====================================================================== 発行者: 辻下 徹 homepage:http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/tjst/ e-mail: tujisita@geocities.co.jp バックナンバー http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/wr/backnumber.html 登録・解除手続き http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/wr/ 発行部数(2000.7.24現在) CocodeMail:305 / Mag2:501 / Pubzine:25 /Macky!:25 / emaga:19 / melma:4 /直送 約 200 ===================================================================== End of Weekly Reports No.17 2000-7-24 **この週報は発行者の個人的な意思で行っています** ===================================================================