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国立大学独立行政法人化問題週報

Weekly Reports  No.74  2001.11.4 Ver 1.12

http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/wr-74.html
総目次:http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/all.html
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       目次
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[74-0] 内容紹介
 [74-0-1] 法科大学院構想へのパブリックコメント締切11月15日
 [74-0-2] 高等教育受益者負担政策の徹底
 [74-0-3] 第二期科学技術基本計画でも国立大学施設整備後回しの気配
 [74-0-4] 高等教育に関する「確実で効率的な政策」について
 [74-0-5] 45通のオンライン化されたパブリックコメント
 [74-0-6] 国立大学協会意見書について
  [74-0-6-1] 実質的な法人化拒否として機能
  [74-0-6-2] 新聞報道について
  [74-0-6-3] 疑問点1:「文科大臣は大学の意思を全体的・部分的に否定してよい」
  [74-0-6-4] 疑問点2:非公務員型容認と財政基盤拡充要求との矛盾
 [74-0-7] 中間報告は初等的政治手法として利用されていないか
  [74-0-7-1] 国立大学協会「第二の意見書」
  [74-0-7-2] 国立大学協会が頼る専門委員集団についての懸念
 [74-0-8] 政治が関与しない問「石油公団と国立大学のいずれが日本に重要か」
 [74-0-9] 審議会議事録にみる中央省庁間の違い
 [74-0-10] 総科議が各省熱意評価:数値目標5年24兆円を形骸化しないか
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[74-1] 法科大学院(仮称)制度に関する意見募集について:2001.11.15 迄
 [74-1-1] 司法改革に対する財務省見解
  [74-1-1-1] 毎日2001.5.23 法曹人口の拡大異議「絶対ない」
  [74-1-1-2] 毎日2001.5.21 司法改革 財務省が「異議」
 [74-1-2] 歳出合理化部会及び財政構造改革部会合同部会(第4回)
[74-2] 「新しい「国立大学法人」像について」パブリックコメント一覧
[74-3] 文教関係予算削減情報
 [74-3-1] ◆財務省見解
 [74-3-2] 日経2001.11.2「99年度奨学金総額、4年で25%減」
 [74-3-3] 時事通信2001.10.30  科技予算、3.3%増にとどまる
 [74-3-4] ◆第二期科学技術基本計画でも「国立大学施設整備」は後回しの気配
 [74-3-5] 朝日2001.11.3 「各省庁の科学技術熱意を予算要求で評価」
 [74-3-6] 総合科学技術会議資料2001.10.30 各省の熱意評価表
[74-4] 経済財政諮問会議2001.10.26
 [74-4-1] 議事録より
 [74-4-2] 経済財政諮問会議後記者会見要旨 
[74-5] 総務省政策評価・独立行政法人評価委員会 (第6回2001.6.22) 議事録
  [74-5-1] 川上計画官(文部科学省科学技術・学術政策局)の質疑
  [74-5-2] 独立行政法人の中期目標、中期計画等についての説明と質疑
[74-6] 文部科学省
 [74-6-1] ◆文部科学省:大学職員の位置付け見直し 若手活性化に
  [74-6-1-1] 毎日新聞2001.10.28
   [74-6-1-1-1] alfujita氏コメント
   [74-6-1-1-2] <首都圏ネット事務局コメント>
 [74-6-2] ◆文部科学省中教審教育制度分科会:教養教育重点大学案
  [74-6-2-1] NHK2001.10.3「中央教育審議会:大学の教養教育を抜本的に見直」
  [74-6-2-2] 時事通信「教養教育で「重点大学」=中教審分科会が骨子案」
  [74-6-2-3] 文部科学省中教審教育制度分科会名簿2001.10
  [74-6-2-4] 中央教育審議会教育制度分科会(第7回2001.9.5)配付資料
   [74-6-2-4-1] 【「新しい時代における教養」とは何か】
   [74-6-2-4-2] 3高等教育段階
    [74-6-2-4-2-1] 【大学設置基準大綱化の影響】
    [74-6-2-4-2-2] 【大学における教養教育の在り方】
    [74-6-2-4-2-3] 【大学における教育の充実が重要】
   [74-6-2-4-3] 【教員の資質向上・多様な人材の参画】
 [74-6-3] 文教速報 第6239号/平成13年10月12日(金)
[74-7] 国交省 工業・工場等制限2法廃止へ
 [74-7-1] 朝日2001.10.31「工業・工場等制限2法を廃止へ 国交省が方針(11/1)」
  [74-7-1-1] Yahoo!JAPAN におけるganbarou氏の発言
 [74-7-2] 文部省大学審議会組織運営部会((第69回1998.5.22)議事要旨)
 [74-7-3] 国土交通省都市・地域整備局2001.5.31の技術的助言
 [74-7-4] 関経連:インテリジェントアレー構想研究会報告書骨子2001年6月14日 
 [74-7-5] 朝日新聞2000.7.26「大学はどこへ 逆風化の私大ii」
[74-8] 国立大学協会
 [74-8-1] 国立大学協会の意見書
  [74-8-1-1] 国立大学協会の意見書に関する報道
   [74-8-1-1-1] 共同通信10/29:国の教育支出削減の恐れ国大 協、法人化案を懸念
   [74-8-1-1-2] 朝日新聞10/30:国大協法人化案に批判の意見書
   [74-8-1-1-3] 東京新聞10/30:法人化案を受け入れ/教職員身分『非公務員』に理解
   [74-8-1-1-4] NHK10/30:法人化おおむね評価
   [74-8-1-1-5] 北海道新聞10/30:国立大学協会独立法人化案の改善求め意見書
 [74-8-2] 第1常置委員会拡大小委員会(2001.9.10)議事録より
 [74-8-3] 「平成13年度大学運営研究セミナー」2001.11.1/2
 [74-8-4] 10月1日の第7回将来構想ワーキング・グループ議事録
 [74-8-5] ワーキンググループ意見書案
[74-9] 運動
 [74-9-1] 「大学が危ない!国立大学の独法化に反対する10.29緊急集会」集会宣言
 [74-9-2] ◆「11・14国大協総会要請行動」の呼びかけ
[74-10] 新聞記事より
 [74-10-1] 東奥日報社説11/02「国立大改革にもっと注目を」[he-forum 2815] 
 [74-10-2] 宮崎日日新聞2001.10.29「地方国立大が知的協力ネットワーク構築」
 [74-10-3] 宮崎日日新聞2001.10.31「宮崎大と宮崎医科大統合で4学部体制を確認」
 [74-10-4] 北海道新聞<香山リカ本音のコラム>「若者の心に広がる絶望感」
[74-11] インターネット上の意見表明紹介
 [74-11-1] Yahoo! JAPAN BBS より
  [74-11-1-1] 11/3 GoldandGreen氏「市場原理ー医療も大学も不要」
  [74-11-1-2] 10/30 GoldandGreen氏「北欧諸国の高等教育政策」
  [74-11-1-3] 10/30  GoldandGreen氏「イギリス医学生の苦悩ーTheTimes」
  [74-11-1-4] 10/30 cpoirewjp氏「能力給=人件費抑制効果」
  [74-11-1-5] 11/3 cpoirewjp氏「指導的研究大学の自治」
  [74-11-1-6] 11/2 cpoirewjp氏「経費を私費にたよる日本の高等教育」
 [74-11-2] 高等教育フォーラムより
  [74-11-2-1] 11/2 「アメリカ留学」
[74-12] 発行者の意見・要望など
 [74-12-1] ◆発行者のコメント
  [74-12-1-1] 序:「国立大学法人」化は格段の意義を要する
  [74-12-1-2] 1.不毛な「大学改革」を繰り返してはいけない
  [74-12-1-3] 2.「国立大学法人」にポジティブな意義は認められない
  [74-12-1-4] 3.「国立大学法人」化の大学社会への影響
  [74-12-1-5] 4.日本社会が必要としている大学改革
  [74-12-1-6] 結語 「国立大学の独立行政法人化は不可能」を結論として頂きたい
 [74-12-2] ◆文部科学委員・文教科学委員への要望状 2001.10.30
 [74-12-3] 「次の世代が相続する大学」
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[74-0] 内容紹介
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主な内容は、中間報告「新しい『国立大学法人』像について」に対するパブリッ
クコメント[74-2]と、財務省の高等教育予算削減方針に関すること[74-3-1]。
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[74-0-1] 法科大学院構想へのパブリックコメント締切11月15日

法科大学院構想は法学部だけの問題ではない。司法改革に対する財務省の姿勢
が不透明[74-1-1]であり、法科大学院実現は国立大学の「スクラップアンドビ
ルド」によって行われることになるだろう。
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[74-0-2] 高等教育受益者負担政策の徹底

財務省の財政制度審議会の財政制度分科会の歳出合理化部会と財政構造改革部
会の第3回合同部会が10月10日に開催され、桑原主計官から文部科学関係
の予算削減方針の説明と質疑があった[74-3-1]。これまでの受益者負担政策を
さらに徹底させる基本方針が強調され、奨学金廃止に向けた取組み(奨学金返
還免除制度の廃止など)、学部別・大学別学費導入への検討、国立大学施設整
備を国立大学学生に負担させることなど、種々のアイディアが淡々と提案され
ている。

 さらに、国立大学関係の歳出については、「人件費が半数以上を占める非常
に硬直化した構成」を是正するために、国立大学法人化を活用する決意が示さ
れており、大学には人間は余り要らない、という日本独特のハコモノ高等教育
政策が再確認されている。
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[74-0-3] 第二期科学技術基本計画でも国立大学施設整備後回しの気配

  しかし高等教育についてはハコモノすら国が用意する必要はない、とする気
配が濃厚になってきている。第一期科学技術基本計画(1996年〜2000
年)では国立大学施設設備計画が25%しか達成できなかった反省から、第二
期では国立大学施設設備計画に必要な1兆6千億円が主要な項目として言及さ
れてきた[50-6-1](2001.4.18)。しかし、「平成13年度は、平成12年度補
正予算を含めて概ね2,500億円、来年度概算要求は1,383億円」となっ
ていて、設備計画は最初から等閑視されている[74-3-4]。
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[74-0-4] 高等教育に関する「確実で効率的な政策」について

 自覚症状が出た時には手遅れとなるように、確実に一国を衰退させる方法と
しては、若い優秀な人達が高等教育に進学することに種々のハードルを設ける
ことや、高等教育・学術研究関係の人件費を徹底的に削減して、優秀な若者が
教育者・研究者になることを妨げることなどが、効率のよい賢明な政策である。
この政策が数十年着実に続けられながら、大学セクタの国際競争力がいまだに
保たれているのだから、この国は実に不思議な国である。
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[74-0-5] 45通のオンライン化されたパブリックコメント

中間報告「新しい「国立大学法人」像について」に対するパブリックコメント
[70-2]が10月29日に締切られた。科研費申請の時期と重なっていたにもか
かわらず、大学関係機関・団体・個人からの意見書でオンライン化されている
ものだけでも45通に上る[74-2]。ぜひいくつかを読まれたい。
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[74-0-6] 国立大学協会意見書について

[74-0-6-1] 実質的な法人化拒否として機能

国立大学協会からの意見書[74-8-1]は、設置形態検討特別委員会の専門委員連
絡会議がまとめたもので、10月29日の臨時総会で反対意見はあったが国立
大学協会の意見として了承された、と言われている。法人化について財政的充
実・自主性の拡大・組織や公務員型か否かなど未決着部分の確定などを要求し、
最終報告に向けて国立大学協会の意見を尊重することを要望したものとなって
いる。財務省方針[74-3-1]が変らないとすると、相当の財政的基盤の拡大がな
ければ無意味とする意見表明は、事実上の法人化拒否とも言えよう。

 差出人(国立大学協会会長)と受取人(調査検討会議座長)とが同一人物で
ある異例の意見書を敢えて提出したのは、国立大学関係委員の主張の肝腎なと
ころが中間報告に十分反映されなかったことに対する抗議であろうか。
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[74-0-6-2] 新聞報道について

共同通信・朝日新聞・北海道新聞は、中間報告に対する批判に重点を置いた報
道を行った。これに対し、NHKと東京新聞は、国立大学協会が法人化案をお
おむね受け入れた、と報じたが、これは記者会見での長尾会長の発言をそのま
ま伝えたものと推測される。長尾氏が記者会見においては、個人的見解を国立
大学協会見解として語る傾向があることは大学社会だけでなく報道関係者の間
でも衆知の事実となっていることは、「中間報告が示した法人化は大学の活性
化につながり評価できるという結論に達した」という発言に重点を置いた記事
が少なかったことからもわかる。
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[74-0-6-3] 疑問点1:「文科大臣は大学の意思を全体的・部分的に否定してよい」

 意見書には奇妙な特殊な「見解」が紛れ込んでいる。

 中期目標を文部科学大臣が策定するのは困るが認可するのは良い、という主
張の理由だ。文部科学大臣が個別大学の意思を全体的・部分的に認めたり否定
したりすることには何も問題がないとする見解は、日本国憲法も教育基本法と
抵触する。なお、「およそ他に類を見ないぶざまな制度」というような品と実
質に欠ける批判表現が残っていることは、意見書作成過程の適切さを疑わせる。
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[74-0-6-4] 疑問点2:非公務員型容認と財政基盤拡充要求との矛盾

 また「職員団体が公務員型を強く望んでいる場合、非公務員型には移行のフ
リクションが大きいという難点がある。」という一節があるが、問題の本質を
労使問題と見做すのは見当違いも甚だしい。第一に、ユネスコの勧告にあるよ
うに高等教育教員の身分の安定は、人事の透明性と共に、教育・研究には不可
欠であること、第二に、公務員制は学問の自由を守る効果的装置であること、
第三に、財務省が「硬直化した歳出構造」と不快感を示していることで証明さ
れているように、国立大学の人件費は、政府が歳出を法的に義務づけられてい
る唯一の「標準的運営費交付金」であることが認識されていない。大学の財政
基盤の拡充を主張しながら、唯一の法的財政基盤の実質を成している公務員制
を破棄することは矛盾しているのではないだろうか。

 努力すべきことは、非公務員制や任期制の導入ではなく、教員人事の透明性
であり公開性である。毎年1000名近くが官公庁から国立大学教員に就職し
ているという文部省の統計があるが、その内容や人事は全く知られていない。
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[74-0-7] 中間報告は初等的政治手法として利用されていないか

このように、中間報告への多方面から批判の声が挙がっているので、最
終報告は国立大学側に譲歩したものとなるだろう。しかし、文部科学省側の立
場に立ってみると、中間報告段階で国立大学側の主張を全面的に退けておくこ
とが初等的政治手法としてなされたものである可能性が高いことに気付く。最
終報告で多少なりとも譲歩すれば、最終案は国立大学の意思を尊重したものだ
と主張できるし、政府広報型報道機関はそのように報じるであろう。そのこと
を国立大学法人法の国会審議に向けた重要な布石の一部とみなしていることは
容易に想像される。
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[74-0-7-1] 国立大学協会「第二の意見書」

国立大学側の法人化推進者も、この政治手法に期待している者も居るのではな
いだろうか。国立大学協会理事会将来構想ワーキンググループの意見書が一旦
<葬られた>ことはそれを傍証しているように思う。この点を、公開されてい
る資料で確認したい。

 10月1日の国立大学協会理事会将来構想WGの議事録[74-8-4]をみると、
この時点では、WG意見書と専門委員連絡会意見書の2文書があり、その扱い
については、WG意見書を理事会・臨時総会の了承を得て文科省へ提出し、設
置特委の意見はパブリック・コメントとして別途文科省へ提出する、という方
針が了承されていた。しかし、実際に臨時総会に提出されたのは後者であった。

 専門委員連絡会メンバー全員が調査検討会議委員でもあるのに対し、将来構
想WGは座長・副座長以外の5学長(佐々木東大学長・佐藤静岡大学長・吉川
島根大学長・鮎川愛媛大学長・池田長崎大学長)が調査検討会議には加わって
おらず、先入観なしに中間報告検討作業を行うのに適していることは明らかだ
ろう。事実、WGの意見書案[74-8-5]には、調査検討会議ではほとんど議論さ
れて来なかった「日本の高等教育の将来を議論し、文部科学省に提言・勧告す
る機関の設置」の提言があり、昨年6月の国立大学協会総会合意事項を尊重す
る提言がされている。
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[74-0-7-2] 国立大学協会が頼る専門委員集団についての懸念

 専門委員のメンバーには、「問答無用。前倒しの改革を急ぎに急ぐ必要があ
る。」と大学政策先取りを大学社会に説得している方[66-5-7]も参加している。
大学の特性に無関心な大学政策に対し、藤田宙靖氏のジュリスト論文が典型例
だが、法学系の方は、クレバーな応対だけを熱心に大学社会に説得しようとす
る傾向が強い。短期的な損を避け、短期的な得を追求する努力を繰り返して大
学がどこまで損なわれてきたことか。現在も学校法人化を避けるためには独立
行政法人化しかないと主張している人達が居るが、独立行政法人化が民営化の
準備以外の何者でもないこと、国立大学法人化でもその点では何も違いはない
こと、をどう思っているのだろうか。

  設置形態検討特別委員会専門委員9名中、法学関係5名、経済関係2名、国
際社会学1名、理学は1名である。国立大学の将来の在り方を考える時に、法
学的専門知識だけあれば良いわけではあるまい。高等教育研究者が一人も加わっ
ていないことも異様であるし、理系の委員が1名であることや、実験系の教員
が全く加わっていないことも(時間がないためだろうが)奇異である。このよ
うな偏った教員集団に国立大学協会が意見形成を委ねていることに強い懸念を
感じる。多種多様な大学の活動についての生きた経験を背景とした人達が集わ
なければ、国立大学の意見を適切に反映することはできないことは明らかであ
る。学問の自由や大学の自治についての奇妙な見解が意見書に紛れ込んでいる
のは、そのことが原因ではないか。
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[74-0-8] 政治が関与しない問「石油公団と国立大学のいずれが日本に重
要か」

  特殊法人改革は所管省の徹底抗戦で先行きは不明。国立大学と石油公団とを
比較したとき、いずれが日本社会にとって重要か、そんなことは、日本の政治
セクタにとってはどうでよいことである。所管省のがんばりと圧力団体の経済
力が政策を決めていく。
                            ------------------------------
[74-0-9] 審議会議事録にみる中央省庁間の違い

 審議会の議事録がオンラインで公開されているが省庁間の慣習差が大きい。
文部科学省の審議会議事録は、中央教育審議会のような主立ったものでも、発
言者名は伏せられており、しかも意見の羅列に過ぎないものが多く、また発言
は要約されていて発言者の抑揚が聞こえてこないため、どういう主張がどうい
うニュアンスで行われたか、ほとんどわからない[74-6-2-4]。それに対し、財
務省の議事録は、深刻なテーマであっても 委員も官僚も実名入りで、発言も
テープ起こしに近く臨場感と迫力があり、発言の個人責任が一目瞭然である
[74-3-1]。権力構造における財務省の自信の表れだろうか。
                            ------------------------------

[74-0-10] 各省の熱意を3段階評価:数値目標5年で24兆円の形骸化の恐れ

 総合科学技術会議は第11回本会議(10月30日)配付資料[74-3-6]に、科学
技術基本計画に向けた各省予算増額の前年比を三段階評価している。こんなや
りかたしかないのだとすると、「科学技術」にこじつけることができる項目を
すべて「科学技術予算」として計算して「5年で17兆円」という数値目標を
辛うじて成就した第一期の二の舞いとならないだろうか。

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==>本文
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【発行の趣旨】国立大学独立行政法人化問題を広い視野から考えるのに役立
つと思われる情報(主に新聞報道・オンライン資料・文献・講演会記録等)へ
のリンクと抜粋を紹介。種々のML・検索サイト・大学関係サイト・読者から
の情報等に拠る。メール版で省略されている部分はウェブ版参照。ウェブ版は
目次番号が記事にリンクされている。転送等歓迎。
【凡例】#(−−− )は発行者のコメント。・・・は省略した部分。◆はぜ
ひ読んで頂きたいもの。
【関連サイト】http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/
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発行者:辻下 徹 e-mail: tujisita@geocities.co.jp
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発行部数(括弧内は増減)  (2001.11.2 現在)  
1660(+8):Mag2:955(-1)|CocodeMail:370(0)|Pubzine:94(+1)|melten:69(+1)
   |melma:65(+3)|Macky!:58(+2)|emaga:27(0)|melonpan:22(+2)
直送 約730(北大評議員・国立大学長・国大協・報道関係・国会議員等)
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