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国立大学独立行政法人化問題週報

Weekly Reports  No.73  2001.10.26 Ver 1.1

http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/wr-73.html
総目次:http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/all.html
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       目次
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[73-0] 内容紹介
 [73-0-1] 日本の大学政策に不安を感じはじめた日本社会
 [73-0-2] 大学「幹部」に広がる奇妙な「法人化後の精神主義」
 [73-0-3] 学長アンケートにみる遠山プランの「効果」
 [73-0-4] ◆10/29 臨時国立大学協会総会・・・「引き返す誠意を」
 [73-0-5] 文部科学省曰:97年見解と中間報告は整合的
 [73-0-6] ◆北大ネット声明:国への規制を緩和する国立大学法人化
 [73-0-7] 若手に酷い学術政策
 [73-0-8] 小学校の36万人の先生の中で23才は0.2%
 [73-0-9] 産官が支配する総合科学技術会議が支配する学術社会
 [73-0-10] ◆プロクルステスの寝台「国の研究開発評価に関する大綱的指針」
 [73-0-11] GPA(Grade Point Average) 評価法の報道の問題性
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[73-1] 「大学が危ない!国立大学の独法化に反対する10.29緊急集会」
[73-2] 独立行政法人化関係の意見
 [73-2-1] ◆独立行政法人化阻止全国ネットワーク「引き返す勇気を」
  [73-2-1-1] 10月5日の文部科学省交渉について
 [73-2-2] ◆独立行政法人化問題を考える北大ネットワークより
  [73-2-2-1] 声明 2001.10.24
  [73-2-2-2] 北大学長への公開質問状 2001.10.24
  [73-2-2-3] 北海道新聞10/25
 [73-2-3] ◆首都圏ネット「中間報告・国大協臨時総会・私たちの見地」2001.10.23
 [73-2-4] ◆千葉大センター速報 No.9 (2001.10.18) 特集:教育学部改革
 [73-2-5] 第105回国立大学農学系学部長会議(2001.10.16)
 [73-2-6] 学長:独法人化「賛成」17%「反対あるいはやむを得ず」61%
 [73-2-7] 沖縄タイムス社説10/11「国立大法人化 計画の練り直しが必要」
[73-3] 大学構造改革
 [73-3-1] 藤永 茂「世界的なコーポラティズムを越えて - カナダから見る日本の大学(抄)」
 [73-3-2] 日経10/20「地域貢献へ研究交流―学長提言 再編再考求める―地方28国立大」
 [73-3-3] 中央教育審議会大学分科会(第4回2001.10.10) 配付資料10
[73-4] 教育大学政策
 [73-4-1] 毎日新聞10/15「<教員養成>教育大・学部を半数以下に統合へ」
 [73-4-2] 小学校教員数年齢別分布(36万人中23才は0.2%の678人)
 [73-4-3] Yahoo! JAPAN! 独法化トピ 
  [73-4-3-1] No3686 tjst 「小学校で23才の先生は0.2%」2001.10.22
  [73-4-3-2] No3697 cpoirewjp「私は半々かな?」2001.10.23
[73-5] 総合科学技術会議
 [73-5-1] ◆「国の研究開発評価に関する大綱的指針(案)」に対する意見
 [73-5-2] 朝日10/25:「研究型の特殊法人、省庁から移管検討 自民行革推進本部」
[73-6] 大学での成績評価法
 [73-6-1] 一橋大の「GPA」導入報道への
 [73-6-2] ◆渡邊勇一氏の批判
 [73-6-3] 大学改革情報メーリングリストでのGPAに関する議論
[73-7] 産学連携
 [73-7-1] 日本経済新聞10/22「経産省が大学ランキングを開始」
 [73-7-2] 経済団体連合会「国際競争力強化に向けたわが国の産学官連携の推進
[73-8] 冷淡で短慮な奨学金政策
 [73-8-1] 朝日新聞10/20私の視点:榎木英介「奨学金 安心して研究できる制度に」 
 [73-8-2] 日本育英会奨学金制度を考える若手科学者の会
 [73-8-3] 関連サイト:「研究問題メーリングリスト」
[73-9] 野依教授のインパクト
 [73-9-1] Yomiuri On-Line 2001.10.16「野依さん痛烈、国の教育・産学協同バッサリ」
 [73-9-2]  毎日新聞10/16「ノーベル賞:野依教授が「政府の30人目標は不見識」と批判」
 [73-9-3] 科学技術・学術審議会学術分科会2001/06/18議事録
 [73-9-4] 渡辺勇一「「国立大の研究レベルの証明だ」」
 [73-9-5] 元村有希子(毎日新聞科学環境部)「大切な研究見失う恐れ・・・
[73-10] 「アフガンで起きている本当のこと」(ペシャワール会現地代表中村哲氏)
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       本文
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[73-0] 内容紹介

[73-0-1] 日本の大学政策に不安を感じはじめた日本社会

 中間報告に対する意見表明が増えてきている。10月16日の全国農学部長
会議[73-2-5]に引き続き10月19日の全国32国立大学理学部長会議でも、
一昨年の声明*1を踏まえたパブリックコメントをすることが決まった。また、
これまで法人化について文部科学省の善意を信用していたように見えるマスコ
ミも、遠山プランという形で文部科学省の意図が明確に表明されたことにより、
日本の将来が心配になってきたようである。実際、率直な不安が行間から滲む
記事が目につくようになってきている。首都圏ネットは、それらの記事を総合
すると中間報告への的確な批判になっていることを指摘している[73-2-3]。ま
た、在外の研究者が遠山プランを読んで「マネー、マネー、マネー」という声
しか聞こえてこない、恐るべきことだ、と驚きを表明している[73-3-1]。

*1 国立大学理学部長会議 1999.11.10
「危うし!日本の基礎科学− 国立大学の独立行政法人化の行方を憂う −
http://www.sci.hokudai.ac.jp/oshirase.htm#a
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[73-0-2] 大学「幹部」に広がる奇妙な「法人化後の精神主義」

  学長や部局長の中には「学外者を運営に参加させて大学運営を牛耳られるよ
うではだめだ」という奇妙な精神主義を主張する方が居るようだ。法人化後も
しっかり大学自治を守らなければならないという学長もおられる。間接的行政
指導下でも財政的な縛りだけで大学自治は形骸化してきたのに、多様な直接的
発言権を複数の省庁が大学に対して持つようになる法人化後の大学運営で「大
学自治を守る」とは何を意味するのだろうか。

 骨組の間違いの中で運用で正せるものはわずかであろう。「国立大学法人大
学」を運用で大学に近いものにしようというのは、魚の骨に肉付けして人間の
形を作ろうとするのと似ていないだろうか。

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[73-0-3] 学長アンケートにみる遠山プランの「効果」

読売新聞の学長アンケートで、独立行政法人化「賛成」17%「反対あるいは
やむを得ず」61%という結果があった。2000年9月の「論座」アンケー
ト[19-3]との大きな違いは、法人化の中身次第だと態度を保留していた62大
学長の大半が「諦めた」ことであり、遠山プランの効果を如実に証明した結果
となった。力づくで「やむを得ず」と言わせ現場の士気を殺いでまで、大学を
思い通りに手術する政策は成功するのか。大学には創造性も自発性も喜びも誇
りも要らない、必要なのは指令を仰いで黙々と忍耐強く従順に働く人材だけだ、
と考えているとするならば成功の見込みはない。

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[73-0-4] ◆10/29 臨時国立大学協会総会・・・「引き返す誠意を」

 中間報告[70-1]に対する文部科学省の意見募集期限の10月29日に臨時国
立大学協会総会が開催される[71-1-1-3]。昨年6月に、99人の国立大学長の
方々は、独立行政法人化に反対しつつ、独立行政法人化のための調査検討会議
への参加を決めた。独立行政法人化が財政改革の視点だけで行われることを防
ぎ、大学の自主性・自立性を真に増す機会になるかどうかを見極めようという
意図があったのであろう。法人化の是非は内容が明確になるまで保留、という
ことであった。1年の調査検討の結論である中間報告を見ると、描かれている
法人像は、独立行政法人よりもさらに大学の自律性を低下させる代物であり、
唯一の成果は「国立大学法人」という呼称だけであった。これまで独立行政法
人化には前向きであったジャーナリストからも種々の批判が出ているように、
中間報告の法人像で、大学自身が良くなると考える者は、学内外には誰もいな
い。中間報告を評価しているのは、大学の諸資源を利用しようと虎視眈々とし
ている人達だけだ。

「国立大学法人」化が大学にとっては何も意義のない変革であるだけでなく、
将来の大学にとって重荷となる変革であることが明確になった今、国立大学長
の方々は、大学構成員の信任を受けている存在として、また、日本社会の一人
ひとりから直接の負託を受けている大学の長として、法人化の議論を白紙に戻
す誠意を示し、教育・研究の現場が抱える諸問題を教職員が一つ一つ粘り強く
解決できる環境を整えるため、現場を混乱させ疲弊させる気紛れな大学政策の
乱発に対して決然とした態度を取る決意を表明して頂きたい。理の通らない圧
力に屈し「長いものに捲かれろ」を地で行くような振るまいは、独立不羈に
「理」を追求することを社会から直接負託された大学には許されない、という
ことを今一度、直視して頂きたい[73-1]。
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[73-0-5] 文部科学省曰:97年見解と中間報告は整合的

10月5日の独立行政法人化阻止全国ネットワークと文部科学省の交渉の際に、
文部科学省は1997年の文部大臣の記者会見で表明した意見*1を今も堅持し
ていることを明言している[73-2-1-1]。中間報告が1997年の意見と整合的
であると主張するのは居直りに近い。首相が国会で「法律的な一貫性、明確性
を問われれば答弁に窮しちゃいますよ」と居直っても国会侮辱罪にもならない
し解散にもならないどころか審議の能率が良くなった、というのが、朽ち果て
た民主主義の現実だから、文部科学省もこの程度の矛盾を指摘されて怯む必要
を感じていないのだろう。しかし過去の発言との整合性を軽視することは、現
在の発言について責任をもって対応する積もりなど全くないことを、行動で示
していることになる。遠山プランに右往左往している大学関係者は、それを出
した組織の性格を認識し、眉に唾して対応する冷静さが求められる。

*1 独立行政法人化についての文部大臣所信 1997.10.17
http://edugeo.miyazaki-u.ac.jp/reform/r770.html

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[73-0-6] ◆北大ネット声明:国への規制を緩和する国立大学法人化

「国立大学法人化のメリットとされる、大学の予算・組織・人事・経営面での
規制緩和の内容は何か。大学の諸活動を支える十分な人件費・教育研究費を保
障しなければいけないとする国への規制が緩和される。大学の組織を臨機応変
に国が変えることを規制する法律が緩和される。国による自由な教員任免を規
制する教育公務員特例法が廃止される。評議会審議を義務づける大学運営規制
が緩和される。・・・ 設置者であり主な出資者でもある国は、国立大学に対
して潜在的に強い影響力を持っており、放置すれば開発途上国の多くで起って
いるように、時々の政権の指揮が大学に直接および、長期的視野に立った教育・
研究を行うことは著しく困難になる。そのため、欧米諸国の多くは、国に対す
るいろいろな規制を設け、大学が自律的に活動できるように工夫している。こ
の点では、日本はかなり遅れてはいるものの、国を規制する仕組みが貧弱なが
らもあって機能してきた。これらの仕組みが「国立大学法人」化により消失し、
日本の大学は欧米諸国の大学からさらに遅れをとり、国際競争力を急速に失っ
ていくだろう。・・・」[73-2-2-1]

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[73-0-7] 若手に酷い学術政策

  未来の研究者・教育者を、最近の日本のように酷く扱い粗末にしていてよい
のだろうか、本当に心配になる[73-8]。一方で、端数が億の研究費の使い道に
困る所もあるとも聞く。機動的な学術政策遂行のために作られた総合科学技術
会議が、視野の狭い短慮な政策の実施に向けて猪突猛進[73-5]しており、諸事
情は深刻な様相から絶望的な様相に急速に移行しようとしている。

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[73-0-8] 小学校の36万人の先生の中で23才は0.2%

小学校への教員配備計画について、若手の先生を優先させることは必要だが、
中高年の社会人も、ある割合で小学校で教務に当たってもらってはどうか、と
いう提案[73-4-3-2]がYahoo! JAPAN の掲示板にあった。それによって、小学
校の教育が片手間でできないことを社会(経営者層)が広く認知するようにな
るのではないか、という意見である。

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[73-0-9] 産官が支配する総合科学技術会議が支配する学術社会

学術全体を統括する使命を帯びた国家機関である総合科学技術会議の事務局に
産業界から30名各省から40名が参加している[72-3-2-6]という。70名程
度の官僚が次期科学技術基本計画を立案したという話[62-5-2]があったが、こ
の70名の官僚の内、30名は産業界からの天上りであったというわけだ。次
期科学技術基本計画というには余りに子細な「研究開発」に満ちているわけが
それで明確になる。産業界が日本学術会議を俎板に載せ包丁をかざして玩んで
いる様子は、日本が野蛮な国に既になってしまったように思えて残念である。

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[73-0-10] ◆プロクルステスの寝台「国の研究開発評価に関する大綱的指針」

日本全体の研究評価に波及する大綱指針の意見募集があったので意見を提出し
た[73-5-1]。野依教授がドラマティックに産学官連携一辺倒の学術政策を批判
した[73-9]以上、発行者が言う必要はないようなものだが、種々の研究の現場
がある以上、それぞれの研究者が考えたことを伝えることは意味はあるだろう。

 この大綱的指針というベッドを使って研究社会のプロクルステス*1が行おう
としていることは何か。

*1 「ポセイドンの息子で、エレウシスとアテナイの間にあるエリネオスで旅
人をベッドに寝かせ、その長さよりも背が低いと無理矢理体を引き延ばして殺
し、背が高いとはみ出た部分を切り落として殺していた。」
(http://www.officenet.co.jp/‾yoji/icon/w_ha-fu_j.html より)

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[73-0-11] GPA(Grade Point Average) 評価法の報道の問題性

GPAという成績評価法が一橋で導入されたという報道[73-6-1]があり、報道
の仕方について渡辺勇一氏が批判している[73-6-2]。GPAについては(新聞
記者もかなり参加している)大学改革メーリングリストで昨年4月に議論
[73-6-3]があり、研究者から問題点などが明確に指摘されているが、[73-6-1]
はGPAの持つ問題性を意識した報道にはなっていない。「政府公報」型報道
からの脱却を期待したい。
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               本文
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[73-1] 「大学が危ない!国立大学の独法化に反対する10.29緊急集会」
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/011029yobikake.html
日時:2001年10月29日(月)12:20〜
   13:00〜13:30 国大協臨時総会要請行動(於:神田・学士会館)
場所:東京大学 安田講堂前
主催:東京大学職員組合
賛同:千葉大学教職員組合、北海道大学教職員組合、国立大学独法化阻止 全国ネットワーク
     新潟大学職員組合(10/25現在)

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[73-2] 独立行政法人化関係の意見

[73-2-1] ◆独立行政法人化阻止全国ネットワーク「引き返す勇気を」
-- 調査検討会議中間報告「新しい『国立大学法人』像について」への意見 --
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/znet/pubcom32.html

                       2001年10月25日

             国立大学独法化阻止全国ネットワーク
              代表 山住 正己(東京都立大学名誉教授)
              連絡先 豊島耕一(佐賀大学教授)
               840-8507 佐賀市本庄町1
               佐賀大学理工学部物理科学科
               電話/ファクス 0952-28-8845
               メール toyo@cc.saga-u.ac.jp

 この「調査検討会議」は言うまでもなく,昨年5月26日の国立大学長・大学
共同利用機関長等会議における文部大臣説明に端を発するものである.その際
大臣は「大学にふさわしい制度設計が可能であるかどうか」を「十分に時間を
かけて慎重に検討する必要がある」と述べている.すなわちこれは,さかのぼっ
て1997年10月に文部大臣が記者会見で「所信」(注1)として独立行政法人化に
明確に反対を表明した内容に関して,そこで述べた反対の理由が解消されるか
どうかが,文部科学省の立場としても明確にされなければならないはずである.
すなわちこの記者会見では項目2の(2)として次のように具体的にその理由を述
べている.

  「独立行政法人のねらいは,効果的な業務の実施にあるが,文部大臣が
 3〜5年の目標を提示し,大学がこれに基づき教育研究計画を作成,実施
 する仕組み,及び計画終了後に,業務継続の必要性,設置形態の在り方の
 見直しが制度化される仕組みは,大学の自主的な教育研究活動を阻害し,
 教育研究水準の大幅な低下を招き,大学の活性化とは結びつくものではな
 いこと.
  また,効率性の観点から一律に大学を評価することは,各大学の特色を
 失わせ,現在進めている大学の個性化に逆行すること.」

 文部科学省は,この「所信」を撤回していないことを本省における今月5日
の私たちとの交渉において明確に表明した.したがって文部科学省には,検討
の結果がこのような具体的な制度内容を含まなくなったかどうかを検証する責
任があろう.しかし,中間報告では,この批判の前段で述べられた仕組みはな
んら変更されていないのである.したがって文部科学省にとっても「大学の自
主的な教育研究活動を阻害し,教育研究水準の大幅な低下を招き,大学の活性
化とは結びつくものではない」と判断されるはずで,とうてい受け入れがたい
内容となっているはずである.まずこのことを文部科学省自身明確にすべきで
あろう.

 このように,そもそも大学にとって「ふさわしくない」独立行政法人制度を
基本にしているので,各論にわたっての検討に価するものではないとも言えよ
う.しかしこの中間報告には,大学にとって有害であり,ひいては社会全体に
とっても有害である事柄がいっそう明確に出てきており,また欧米など「国際
標準」からもかけ離れた異例の制度であることも明らかになっている.それら
の点をいくつか指摘することにしたい.

 まず,上に述べたこととも重なるが,この制度の中心的な問題点である,政
府による目標の指示,実行計画の認可という制度が大学にとってふさわしくな
いことはかつて文部省が指摘したとおりであるのみならず,このような手法を
大学に対して採っている例は,欧米の大学には存在しないのである.これは昨
年1月に公表された,国立学校財務センターの「大学の設置形態と管理・財務
に関する国際比較研究・第一次中間まとめ」(注2)によって明らかにされてい
る.もちろん,単に外国と違うからいけないと言っているのではない.同報告
書によると,諸外国がそのような制度を採らないのは「大学の自主性と自治的
運営を尊重して,特別の配慮を払っている」結果であることを考えれば,「独
立行政法人」の表向きのメリットとされる「大学の独立性を高める」こととも
明らかに矛盾するのである.

 第二に,「大学評価」はこれまで「第三者機関」によるとされてきたが,こ
れも実は「第三者」ではなく政府機関そのものであることが明らかになった.
「中間報告」によれば,既存の「大学評価・学位授与機構」が専門的な評価を
行い,それを受けて新たに設置される「国大協評価委員会」が「総合的な評価」
をおこなうとされている.つまり後者の委員会が上位に位置するのであるが,
これは文部科学省に設けられる事になっている.すなわちこれは政府による評
価以外の何ものでもない.しかもその評価結果は次年度以降の予算配分に反映
することになっている.

 このような点についても,先に挙げた国立学校財務センターの報告書は,欧
米では「資金交付にともなう政府の干渉の抑制」をするような方法で予算配分
がおこなわれているとある.すなわち政府機関が直接大学を評価し,それに予
算配分を直結させる制度を取っている国はないようである.これもやはり「独
立行政法人」制度を取ることにより世界と大きく乖離していくことを示すもの
である.

 役員人事の面でも同様の問題がある.新しく設置される「監事」は,中間報
告では「国立大学法人の業務を監査し」「学長又は文部科学大臣に意見を提出
することができる」とされる権限の大きな役職であるが,これの任免権は文部
科学大臣が握ることになっている.これも財務センターの報告書が示すヨーロッ
パの制度と本質的に異なる.すなわち,「イギリス、ドイツ、フランスでは、
大学管理機関の職に就く者の選出は、学内機関により行われ、原則として政府
は実質的な介入はしない」とされている.

 このように,中間報告によって具体的になってきたこの制度が重要な点で欧
米と大きく異なり,「国際標準」からの離脱をもたらすことは明かである.し
かしそれだけではなく,実は我が国の教育をめぐる法制度の基本からも乖離し
ているのである.すなわち,教育基本法10条の「不当な支配の排除」が官僚支
配の弊害から教育を守ることを重要な内容としており,また憲法23条の「学問
の自由」の保障はそのための手段として「大学の自治」を重視しているのは衆
知のことであるが,上の制度はこれらの条項を冒す疑いが強い.

 中間報告は他にも多くの問題点を持っているが,その中でもこれが学生の勉
学条件や諸権利についてほとんど考慮した形跡がないことは注目に価するだろ
う.ユネスコの「高等教育世界宣言」(注3)はその10条C項で,「国および教
育機関の意思決定者は、学生および彼らのニーズをその関心の中心に置き、彼
らを高等教育の革新における主たるパートナー、そして責任のある当事者とみ
なさなければならない。‐‐中略‐‐そして教育制度の施行、方針の作成と運
営における学生の関与を含まなければならない」,「学生は組織化し、代表者
を立てる権利を有する」と述べている.しかし中間報告にはこのような観点が
見られないどころか,「権利」の語が一度も使われていないのである.因みに
「教育基本法」も一回も引用されておらず,これはこの会議がユネスコの水準
や我が国の法制度の基本に無関心であることを示すものではないだろうか.

 国大協がこの会議に参加する際,文部科学省は国大協メンバーに「大学に適
さないことが分かればいつでも引き返せばいい」と述べて参加を説得したと言
われている.この会議の国大協メンバーにとっては今やこの制度が「大学に適
さない」ことが明白となったはずである.今こそ「引き返す」勇気が求められ
ている.

注
(1)宮崎大学のサイト参照.
  http://edugeo.miyazaki-u.ac.jp/reform/r770.html
(2)「大学の設置形態と管理・財務に関する国際比較研究」,
    国立学校財務センター,2000年1月
  http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/zaimc2000.html
(3)「高等教育世界宣言」,ユネスコ,1998年
  http://www.unesco.org/education/educprog/wche/declaration_eng.htm
 日本私立大学協会訳
  http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/AGENDA21.htm
 金澤哲氏 訳
  http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/3141/dgh/unesco-jp.html
 全大教訳
  http://www.zendaikyo.or.jp/daigaku/unesco/komuji.htm
                            ------------------------------

[73-2-1-1] 10月5日の文部科学省交渉について
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2676.htm
「岡山大学の野田です。

 去る10月5日(金)、議員会館内集会に先立ち、午前中に一時間、 文部
科学省交渉を行いました。 いずれ豊島さんから詳細が報告されると思います
が、そのことに関し 私の個人的感想を二、三、報告します。
 豊島さんを代表に教員6名が出席し、文部科学省側は杉野大学改革推 進室
長が応対しました。・・・

 私は、このような正当な理由に基づく独法化反対の方針を、文部省はなぜ
変更したのかと質したのですが、杉野氏は「今度の中間報告は文部大臣所信
と矛盾しない」、「文部科学省は所信どおりやっており態度を変えていない」
と強弁して譲りませんでした。・・・

 もう一つは学生の問題です。文部科学省に、私たちが予め提出していた質問
の一つは、ユネスコの「21世紀の高等教育に向けての世界宣言」にも学生の役
割が明確に述べられているにもかかわらず、中間報告には学生の大学運営への
参加が全く触れられてない点を質すものでした。
 これに対して、杉野氏は、そのような問題は調査検討会議では全く議論にな
らなかったと言うので、私はそのこと自体が、調査検討会議のメンバーが公正
に選ばれていない証拠で、そのような委員を選んだ文部科学省に責任があると
追求すると、「それは考え方の相違」とかわされました。
 学生の問題は本来なら国大協委員が提起すべきなのでしょうが・・・   」

                            ------------------------------

[73-2-2] ◆独立行政法人化問題を考える北大ネットワークより
http://www.ac-net.org/home/hokudai/

[73-2-2-1] 声明 2001.10.24
http://www.ac-net.org/home/hokudai/doc/01a24-hu-net-seimei.shtml
【呼びかけ】
 1.しばらくの間、法人化問題に再び関心を寄せて頂きたい
 2.あらゆる機会を捉えて意見を表明して頂きたい。
 3.全学投票への参加のお願い
【中間報告についての北大ネットワークの意見】
 I.誰にとっての規制緩和か
 II.強まる中央省庁の関与
 III.時代に逆行する中央集権化
おわりに
------------------------------------------------------------
北海道大学教職員各位

独立行政法人化問題を考える北海道大学ネットワーク

 9月27日に、文部科学大臣の私的諮問機関である「国立大学等の独立行政
法人化 のための調査検討会議」が中間報告「新しい『国立大学法人』像につ
いて」(以下、 中間報告)を公表し、法人化問題が一つの節目を迎えた。こ
こに、独立行政法人化問 題を考える北海道大学ネットワーク(以下北大ネッ
トワーク)は以下の呼びかけを行 うと共に、中間報告に関する意見を表明し
たい。なお、中村総長に対し、中間報告に 関連する公開質問状(最後に添付)
を送付した。

【呼びかけ】

1.しばらくの間、法人化問題に再び関心を寄せて頂きたい

 中間報告は、主要争点の中で未決着な部分があり、国立大学の法人化問題の
成り行きを大学が強い関心を持って見守ることが必要である。

2.あらゆる機会を捉えて意見を表明して頂きたい。

 大学構造改革案(遠山プラン)に従う強引な行政指導が始まってからは、大
学行政への批判が多方面から出るようになり、国立大学からの意見表明を促す
声が次第に増えている。しかし昨年来、「国立大学の法人化は既定路線である」
かのような記事も多く流れており、大学社会内部でも、法人化問題は決着がつ
いているとする意見も少なくない。それだけでなく、国立大学全体が統廃合問
題やトップ30政策への応対と「法人化の準備」に振り回されていて、法人化
問題について論じる機会が少なくなってきたようだ。

 法人化突貫工事が「工程表」通り進行することを黙認するならば、このあと
大学社会が法人化に影響力を行使できる機会は余り残されていない。残念なが
ら、大学側を代表する国立大学協会は、主に経営者の視点から発言しており、
教育と研究の現場からの意見が反映されることはほとんどない。大学の実体を
形成する教職員自身が、中間報告の描く法人化は大学における教育と研究の活
動を真に活性化するものか否かを見極めようとしなければならない。

 ぜひ、パブリックコメントの機会(10月29日締切、応募要項(*1))
を利用すると共に、マスコミへの発言、国会請願書への署名等などを通して、
現在の国立大学教職員の考えを、社会に伝えるように努めて頂きたい。

3.全学投票への参加のお願い

 北大ネットワークでは、調査検討会議の「最終報告」前後に全学投票を実施
することを検討している。大学経営者ではなく、教育と研究の現場の意思を確
認する作業により、国立大学法人化に対する日本社会全体の関心をわずかでも
高まることを願って実施するものである。協力と投票への参加をお願いしたい。
詳しい日程や方法などが決まり次第、改めて案内したい。


【中間報告についての北大ネットワークの意見】

 中間報告は「21世紀は、『知』の時代と言われる」という表現で始まって
いる。

 「知」は絶えず他のものに仕えてきた。長い「神の諸世紀」を通じ聖職者に
仕え、「国家の諸世紀」を通し国家と産業に仕え、「暴力の20世紀」の前半
には軍事に仕えて地球のあちこちに地獄を創出した。その悔いから「知」は、
人々が心身とも豊かな生活を営むことのできる世界の実現を目指し、その実現
を阻むものと戦うことを心に誓ったのではなかったか。

 しかし、地球上の日本というこの場所で、新世紀初頭のこの年に、「知」は、
隷属への岐路に立って迷っている。大学ーー「知」を支える社会的制度ーーは、
「学問の自由」の意味を忘れ、「大学の自治」の意義を見失い、「潤沢な研究
資金」と引き換えに、隷属への道に追い立てられるようにして歩み始めようと
している。しかし、その道の先に、地獄創成に喜々として励んだ退廃が、再び
「知」を待ち受けていないと誰が断言できるだろうか。

I.誰にとっての規制緩和か

 国立大学法人化のメリットとされる、大学の予算・組織・人事・経営面での
規制緩和の内容は何か。

 大学の諸活動を支える十分な人件費・教育研究費を保障しなければいけない
とする国への規制が緩和される。大学の組織を臨機応変に国が変えることを規
制する法律が緩和される。国による自由な教員任免を規制する教育公務員特例
法が廃止される。評議会審議を義務づける大学運営規制が緩和される、等々。

 要するところ、国と大学経営陣が大学を効率よく管理・経営し機動的に物事
を決めることができるよう、諸規則を取り除くことが法人化による規制緩和だ。

 しかし、設置者であり主な出資者でもある国は、国立大学に対して潜在的に
強い影響力を持っており、放置すれば開発途上国の多くで起っているように、
時々の政権の指揮が大学に直接および、長期的視野に立った教育・研究を行う
ことは著しく困難になる。そのため、欧米諸国の多くは、国に対するいろいろ
な規制を設け、大学が自律的に活動できるように工夫している。この点では、
日本はかなり遅れてはいるものの、国を規制する仕組みが貧弱ながらもあって
機能してきた。これらの仕組みが「国立大学法人」化により消失し、日本の大
学は欧米諸国の大学からさらに遅れをとり、国際競争力を急速に失っていくだ
ろう。


II.強まる中央省庁の関与

 法人化により国の権限の一部が大学経営者に委ねるられることを理由に、大
学に対する国の監視は、従来とは比較にならないほど強まる。

 中期目標は大学の意見を尊重して文部科学大臣が策定するが、大学が希望し
た中期目標群に、たとえば「任期制ポストを倍増する」というような中期目標
を一つ付け加える操作で、文部科学省は大学を思うように変形できるようにな
る。これは従来の行政指導による婉曲な干渉に比べれば、遥かに直接的で効率
のよい方法となろう。また、文部科学省内に大学評価委員会を作り、期末には、
大学評価・学位授与機構の評価などを参考に「総合的に」判断することになっ
ている。しかし審議会答申と同様に、最終評価が事務局案で実質的に決まるこ
とを防ぐことは困難であろう。

 策定された中期目標に対する中期計画を立てる作業は、人員計画も含むもの
であり、大学自身が財務省と交渉しながら行うことになるだろう。この作業は、
独立行政法人化した国立研究所の情報では、従来の概算要求作業よりも煩瑣に
なることが予想される。

 中間報告は明示的には述べていないが、国立大学法人は独立行政法人の一種
として設計されている。独立行政法人制度から完全に逸脱すれば国からの財政
的保障はなくなり、学校法人化(私学化)との違いも明確ではなくなる、とい
う意見に説得されたと推測されるのだが、文部科学省だけでなく国立大学協会
自身が独立行政法人制度から逸脱することを望んではいないと思われる。従っ
て、総務省の独立行政法人評価委員会は国立大学法人大学の改廃審査権を持つ
はずである。

 こうして、国立大学法人は、文部科学省から直接的な種々の制御下に置かれ
るようになるだけでなく、財務省、総務省からも直接的な干渉を受けることに
なる。

 なお、こういった事態では、「天下り」受け入れは必要悪となり、官公庁か
ら国立大学教員への転職数(「学校教員統計調査報告書」によれば全国で年に
約千名)は格段に増え、教育・研究の現場に従事する教員数は減少し、大学の
教育研究基盤の弱体化は避けられないだろう。


III.時代に逆行する中央集権化

 中間報告「新法人像」では、トップダウンの大学運営体制の司令塔となる
「役員会」を作り、そこに経営や大学運営に詳しい学外者を加える方向を打ち
だしている。この方向は国立大学協会の法人化案にもある。しかし、学外者が
大学経営を主導するようになれば、そもそも国立大学法人大学のアイデンティ
ティが不鮮明になり、自律性・自主性という言葉すら意味をなさなくなってし
まうだろう。「大学経営責任」の所在は、最初からないも同然である。

 しかし、たとえ、学外者が参加しない場合でもトップダウン経営には問題は
大きい。

 構成員一人ひとりの創意工夫の上に成り立つ組織では、少数の役員によるトッ
プダウンな運営形態が組織の全体的創造性を貧弱にすることは、種々の調査か
らも明らかとなってきている。企業でも、社員一人ひとりの創造性が要求され
る時代に入り、リストラされるべきは人事部である、という意見すらある。教
職員の創意工夫に支えられる大学にトップダウンな運営形態を導入する法人化
は大学の基本機能を衰えさせるリスクが余りに大きい。

 法人化を推進する学内外の人達は、このリスクを意に介さないようだ。それ
は、その方々が産学官連携を大学の主要な使命とすることに熱中する余り、大
学の基本機能を守り育てる配慮を捨て去ったことを示すものであろう。産業界
がどれほど困窮していようとも、人・時間・場所・予算等の大学資源全体の転
用を性急に強引に進めることは、産業の基盤そのものを破壊して科学技術後進
国にするだけでなく、日本の知的風土を荒廃させ、短期間に日本を文字通りの
後進国に変えてしまう。

「国立大学法人」化のリスクを知る人には「国立大学法人」化に対し静かにノー
を表明する義務がある。大学を損なうことを知りつつ、種々の圧力に押され時
流に流され、あるいは利益に誘導され、国立大学法人化の内容が何であれ、そ
れを推進しようとする人達が、大学独自の価値を理解しようとしない存在に大
学を譲渡することを看過してはならない。


おわりに

 いま国立大学に居るものは、大企業や政府の直属研究機関・教育機関になっ
て活力を失った大学群を次世代が相続することのないように努める必要がある。
財政節減と産学連携促進以外に必然性も意義もない国立大学法人化を退け、制
度工作のための諸会議と行政文書作成で失われる莫大な資源を救い、大学が抱
える多くの問題を真に解決し大学進化を促すことに投資しなければならない。

 国立大学法人化問題の正しい解決のために費やされる時間と労力は、今後、
日本の大学社会全体に良質の資源をもたらすであろう。パブリックコメントを
出すのに必要な時間と労力は大きなものではなかろう。全学投票に参加するの
に必要な時間はわずかではなかろうか。次世代への誠意の証として、この程度
の投資は実行しようではないか。

 繰り返して国立大学の全教職員・学生・院生の方々にお願いしたいことは、
初心に立帰って、法人化の是非自身を考え抜くことである。いま、強い関心を
持って声を出さなければ、上記のような問題を持つ法人化が中間報告通りに実
現してしまう危険性は極めて高い。仮に法人化される場合にも、私たち現場の
声の有無は、法人化後の大学に天と地ほどの違いを産むであろう。そのような
クリティカルな時期に、いま私たちは居るのである。

(*1)パブリックコメント応募要項(文部科学省ウェブサイト)
http://www.mext.go.jp/b_menu/public/2001/010901.htm

                            ------------------------------

[73-2-2-2] 北大学長への公開質問状 2001.10.24
http://www.ac-net.org/home/hokudai/doc/01a24-toi.html
                                   2001年10月23日

北海道大学総長 
中村 睦男 殿

                             独立行政法人化問題を考える
                                北海道大学ネットワーク


               公開質問状


大学を巡る状況が激動するなかで、多くの公務において、大学のために尽力されてお
られることについて、深く感謝の念を表明します。

さて、9月27日に文部科学大臣の私的諮問機関が「新しい「国立大学法人」像につ
いて」(以下、中間報告)を発表し、独立行政法人化問題が大きな節目を迎えており
ますが、いまなお重要な争点は未定のままであり、マスコミ報道の中にも大学人の意
見表明を促すところが少なからず出てきました。

国立大学の独立行政法人化を危惧する北大の教官有志による当ネットワークは、新法
人案による法人化は独立行政法人化以上に大学の機能を損なうものと危惧し、本学の
対応に関して、以下の点について公開で質問することに致しました。お忙しいなかで
はございましょうが、今週中に世話人服部までご回答いただければ幸いです。

公開質問状とその回答について、10月24日に報道発表する予定です。尚、本日、
本学教職員各位に対しまして声明を表明いたしましたので、併せて送付させていただ
きます

北海道大学ネットワーク世話人
服部 昭仁


                 質問状


本学の法人化問題検討ワーキンググループが評議会(5月16日)に提出した「検討
過程の中間報告」(以下、北大WG報告)にも、種々の問題点があると私たちは考え
ておりますが、今回は、北大WG報告の考えに立った場合に問題となる中間報告の内
容についてのみお聞きしたいと思います。

北大WG報告の序文には「教育研究の質的向上という方向に合致するならそれに賛成
し,そうでないなら,それに反対し批判を加える」立場を明らかにし、中村学長ご自
身も、私たちの公開質問状に対する6月7日の回答の中で、北大WG報告を重要な参
考資料として活用する意思を表明されておられます。そこで、中間報告についての以
下の質問に御回答下さいますようお願い致します。


(1)北大WG報告の【7.人事(2)職員の身分と教員にかかる特例】のところでは、
「大学の自治の基本は教員人事の自律的決定にあることに鑑み,教員の任免,分限,
服務等の法定に際しては,教育公務員特例法の精神を取り入れるとともに,それらの
具体的制度については,各大学の自主的決定に委ねるべきである。」と表明されてい
る考えに立つとき、中間報告が、教員の任免は部局長と学長が行い、部局長の任免は
学長が行うことを明確にし、教育公務員特例法の内容を継承しないことを明確にした
ことをどのように思われますか?


(2)北大WG報告の【4 基本的な考え方.(2)「学問の自由」の確保と大学の自
主性・自律性の拡大】のところでは「大学における,(i)「具体的研究の内容と方法
における自由」,(ii)「全ての判断を超越した神のような絶対者や独裁的権威の否定」
, (iii)「社会からの価値的自立」を確認し,教育研究は内発的自由に依って立つと
いう大学の特性を担保する機関として,教授会,部局長会議,評議会を,国立大学法
人の運営体制のなかに適切に位置付けるべきである。」という考えに立つとき、中間
報告が、学長・副学長・学外有識者などからなる少人数の「役員会」に大学運営の全
権を持たせ、従来の評議会・学部教授会のような「最高審議機関」を継承しない設計
がされていますことをどのように思われますか?


(3)北大WG報告の【8 財務と会計.  (1)基本原則】には「大学法人の設置者たる
国は,中長期的に安定した大学の財政基盤を形成しなければならない。」という考え
が示されています。中間報告では、標準的運営費交付金は評価に依存するという解釈
ができる部分(*1)があります。この点についてどのようにお考えでしょうか?


(4)中間報告では、目的・業務の項に「産学官連携を推進することが重要である」
と強調されていますが、北大WG報告では、この点についての言及はありません。法
人化を産学官連携の推進と結びつけることについては、どのようにお考えでしょうか。


(5)北大WG報告の【4.基本的な考え方(4)社会に開かれた大学】には「どのよ
うな学外者をどのような範囲で大学運営に加えるべきかは,それが何を目的とし,ど
のような機能を期待するかによって異なっているため,それが何のためであるかを明
確にした上,それに適切な形で制度設計される必要がある。」という立場が表明され
ています。中間報告では、学外者の大学運営参加を広範囲に認める一方、学外者が携
わる運営活動の内容については明確にはしていないと思われます。この点を、どのよ
うにお考えでしょうか。

以上の点について、よろしくご回答をお願い致します。それと同時に、学長選挙候補
者の公開討論会で「独立行政法人化についての情勢は厳しくなるので大学はしっかり
抵抗していかなければならない」と発言されたことを思い起こされ、国立大学の行く
末に大きな影響力のある大学の一つとしての北大の責務を重視し、北大の自立性を示
す独立した見解と毅然とした態度を、国立大学協会・調査検討会議・マスコミ等、あ
らゆる場において、とられますよう、お願い致します。

(*1) 中間報告 V 財務会計制度 2.制度設計の方針(2)運営費交付金」

                            ------------------------------

[73-2-2-3] 北海道新聞10/25:国立大の法人化で北大有志が質問状
「北大の教職員有志でつくる「独立行政法人化問題を考える北大ネットワーク」
は24日、国立大の法人化問題について中村睦男北大学長に公開質問状を提出
した。
 質問状では、9月に文部科学省の調査検討会議が中間報告としてまとめた
「国立大学法人(仮称)」制度の概要について、「大学の機能を損なうもの」
と批判し、中間報告に対する中村学長の考え方を聞いている。」

                            ------------------------------

[73-2-3] ◆首都圏ネット「中間報告・国大協臨時総会・私たちの見地」2001.10.23
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/011023stytokenkenkai.htm
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/011023stytokenkenkai.htm

 文部科学省調査検討会議の「中間報告」に対する意見募集の締切と、国大協
 が「中間報告」への対応を議論すると思われる臨時総会の双方が10月29日に
迫っ ている。この時にあたって、私たちは以下のような基本的見地を確認し、
それに基づいた行動を展開することを訴えるものである。

一、「中間報告」は多くの批判にさらされている。

 (1) 9月27日に「中間報告」が公表されて以来、各新聞社説は多くの批判的論
点を提示している。毎日新聞社説(9月28日)は、「独立行政法人のもとでの論
議にはやはり限界がある。報告は過渡的なもので、改革のゴールではなく出発
点と考えるべきだろう」としている。西日本新聞のコラム「直言曲言」(9月30
日)は、「気になるのはこういう"改革"が、大学の本来の役割を果たすのに支
障にならないか、という点だ」として、水俣病の病像解明を果たした熊本大学
医学部の例を挙げている。朝日新聞社説(10月1日)は、「これが規制緩和なの
か」というタイトルを掲げ、むしろ規制強化につながる内容を批判している。
北海道新聞社説(10月5日)は、法人化が「文部科学省の管理が強まる余地を残
している」点と「地方切り捨て」につながる点を指摘している。他にも、山陰
中央新報社説(10月5日)は「中途半端な自主性の確保」、南日本新聞社説(10月
6日付)は「国の関与が見え隠れ」と題し、「中間報告」の文言とは逆に、自主
性・自律性の発揮ではなく、文科省の規制が強まることへの批判が強まってい
る。沖縄タイムス社説(10月11日)は、明確に「計画の練り直しが必要」と述べ
ている。

(2) 国立大学農学系学部長会議(全国農学系学部長会議と改称)は、10月17日に
「新しい「国立大学法人」像について(中間報告)に対する意見」を発表した
(http://vert.h.chiba-u.ac.jp/kanko/buchokaigi/105_all.htm)。そこでは、
五点にわたって、「中間報告」に対する批判的意見が提起されている。

 全国28の地方国立大学長は、10月19日に文科省で記者会見を行い、ネットワー
ク化と協力原理に基づく、「国立大学地域交流ネットワーク」の提言を発表し
ている。

 また、読売新聞が、8月1日から9月19日にかけて行った「大学改革 全学長
アンケート」でも、法人化問題については、「行財政改革に端を発したもので、
大学の理念とは相いれない」(京都教育)、「大学運営の自由度や自主性の保
障が不可欠であるが、現状の法人化構想では不十分」(神戸)、「授業料値上
げ、地方国立大学の切り捨てにつながる」(宮崎)、「独立とは逆に、本省に
よる監督が研究・教育にまで大臣の許認可を求めるなど、極めて問題」(宮崎
医科)、「現状では制約が多すぎる」(京都)、「学問の基礎研究を軽視する
危険性を帯びている」(滋賀)と、問題点を指摘する声が強い。


二、「中間報告」批判の論点はすでに明らかである。

 こうした批判の論点を集約すれば、「中間報告」の問題点はすでに明らかで
ある。
 (1)国立大学法人とは独立行政法人のことである:毎日社説で指摘されている
ように、「独立行政法人のもとでの論議」には限界がある。「依然、独立行政
法人の大枠がはまっていることに変わりはない」(山陰中央新報社説)ものであ
るのなら、「枠組みそのものの組み替えを求めたい」(同)というのが、正しい
立場であろう。

 (2)個別の論点についても、各方面からすでに次のような問題点が指摘され
ている。

 ○学長選考方式については、文科省が一律に決めるのではなく、各大学の自
主性・自律性に委ね、多様性を認めることが必要である。

 ○学外者の関与については、「文科省があらかじめ決めようとするのはおか
しい。各大学に任せるべきだ」(朝日)。「参加方法や人数についても幾つかの
条件を示している。いずれも規制緩和に反する。それらは各大学に任せるべき
だ」(沖縄タイムス)

 ○学長の権限については、執行機能が暴走した場合に、それを掣肘する制度
的仕組みを埋め込むべきである。

 ○上記との関連で、評議会の権能を正しく位置付けるべきである。

 ○部局人事については、教育と研究の基礎単位を尊重するため、部局教授会
の意向・審議が十分反映する制度にすべきである。

 ○教員については、公務員型であれ、非公務員型であれ、教育公務員特例法
の精神が十分生かされる制度設計が必要である。

 ○中期目標を文科相が設定する方式については、「政府と一線を画して真理
を探求する大学にはふさわしくない。再考を求めたい」(朝日)。「大学の自主
性・自律性を尊重する観点を貫くならば、大学が作成し、文科相が認可する方
式が望ましい」(毎日)

 ○評価と予算配分に関しては、「評価委員会が文科省に置かれ、委員を選ぶ
のも文科省」(朝日)「予算配分を行う官庁が、評価に直接関与するのは好まし
くない」(東京新聞社説10月3日)。「予算配分の権限を持つ官庁が関与するの
では、客観的で公正な評価が保障されるとは言い難い」(北海道)。「資源配分
と評価制度のリンク」が文科省の権限をかえって強化する(南日本)し、基礎研
究を阻害する。

 ○大学が安定した活動を展開するためには、競争的経費に一元化したり、重
点を置くのではなく、充実した基盤経費を保障するシステムが必要である。 

 ○総じて、「国が、高等教育の将来像を示さないまま、競争や効率化の視点
のみで「改革」を図るのは容認できない」(北海道)。

三、国大協臨時総会の課題

 国大協の長尾会長は、10月1日に「国立大学協会長談話『新しい「国立大学
法人」像』の中間報告等について」を発表した。
(http://www.kokudaikyo.gr.jp/katsudo/txt_riji/h13_10_10.html)そこでは、次のように述べられている。
  「中間報告の内容には、学問の自由に由来する「大学の自治」を基礎に教育
研究を発展させるという観点、あるいは国立大学がもつべき自主性・自律性と
いう観点から更に検討を要する点がある。とりわけ、いくつかの重要な論点に
ついて、選択的記述がなされ、また曖昧と思われる表現も散見される。」

 そうであるなら、10月29日の国大協臨時総会の課題は、すでに述べた数々の
批判点を踏まえ、「中間報告」に対する国大協の立場を明確にし、「学問の自
由に由来する『大学の自治』を基礎に教育研究を発展させるという観点」を十
分反映させるべく、積極的な対応を取ることにある。

四、法人化問題と「構造改革」への対抗

 この間、文科省は、各大学に対して概略以下のような説明のもとに、「中間
報告」や「構造改革」への賛意を求めていると聞く。

(1)構造改革は、遠山プランによって突然出現したものではなく、文部省時代
から行ってきた一連の改革の流れの中のものである(小野文部科学次官は、
「遠山プラン」と呼ばれるのをいやがっている)。

(2)再編・統合は、個別大学のレベルでは十分な研究基盤が作れないために、
基盤強化を図るための政策である(数合わせでは決してなく、地方の切り捨て
でもない)。

(3)「トップ30」とは旧帝大、旧官立大、新七大学などの階層化を突き崩すた
めの政策である(しかし、複数組織が選定される総合大学、1組織のみが選定さ
れる総合大学、特定分野で選定される単科大学、「残念ながら選定されない大
学」など多様な結果が想定される)。

(4)「トップ30」とは研究を中心に選出するので、すべての大学がそれを目指
す必要はない(研究中心大学以外はアプライするな)。

 こうした文科省の政策は、言を左右にしながら、大学の種別化と選別を促進
し、大学を文科省のいっそうの管理と統制のもとに置こうとするものに他なら
ない。「トップ30」予算が、当初予算の初年度422億円から211億円へとあっと
いうまに矮小化されたように、またこれらの予算が国立学校特別会計や私学助
成から「流用」されるように、高等教育経費を縮小しつつ、国策に沿った研究
に特化させようとする意図は明白である。

 10月16日に、経団連は、「国際競争力強化に向けたわが国の産学官連携の推
進〜産学官連携に向けた課題と推進策〜」[]を発表した。現在、大学を研究資
源として消費しようとする経済界の意図が如実に示されている。これに対して
は、「大学が何か隠し球を持っていて、それを産業界に渡せば一気に事業化で
きる、と思ったら大間違いだ。日本の産業に元気がないのは、創造力が足りな
いからだ」という野依教授の言葉(読売新聞10月16日)を送る他ない。

 また、受験産業に引き続き、経済産業省も、産業界の視点から大学のランク
付けに取り組むという(日本経済新聞10月22日)。「産業界のニーズ」を経済産
業省が代弁するというのも、時代錯誤だが、ここでも政府管理による大学の格
付け(官製の大学ランキング)が進められようとしている。

 このような状況の下で、私たちが緊急に取り組まなければならないのは、次
の三点である。

 ○文科省、経産省、財界などの大学政策を正しく認識し、批判・拒絶するこ
と。これらの政策への矮小化された対応策や、生き残り策に埋没することは、
高等教育全体を阻害する。

 ○教授会、評議会、各組合機関などで「中間報告」に対する批判的見地を明
らかにすること。10月29日の「中間報告」に対する「意見募集」は、「パブリッ
クコメント」とも質的に異なる限界を持つものであるが、これに積極的に関与
する中で、各組織の意思を固めることが必要である。

 ○10月29日の国大協臨時総会に向け、各大学で意見集約と学長への働きかけ
を進めること。臨時総会はわずか2時間しか予定されておらず、十分な議論が
行われない可能性がある。国大協は各大学の意見を集約し、11月定例総会で本
格的な議論と意思決定を行い、最終報告に向けて大学の立場を鮮明にすべきで
ある。
                            ------------------------------

[73-2-4] ◆千葉大センター速報 No.9 (2001.10.18) 特集:教育学部改革
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/9154/n9.html
【開示1】学内評価委員会への質問状 
【開示2】学内評価委員会からの回答 
【分析】評価のあり方についての教授会・評議会での再検討が必要 
【開示3】教育学部改革 
「・・・当面必要な教員数の視点だけから教員養成系大学・学部の統廃合を押
し進めてしまって本当に良いのか、より本質的には、教育学部は本来、ひろく
教育学を研究教育する学部なのではないのか、もしそうであるならば、それぞ
れの大学に教育学部が存在する必要性があるのではないか・・・」
【独法化をめぐる動向】 
1.文部科学省調査検討会議「中間報告」をめぐる諸問題 
2.国大協臨時総会の開催 
3.遠山プランの現状 
【資料】 
<世界最高水準の大学づくりプログラム関係―国公私「トップ30」―> 
<<プログラムの骨格(案)> 

                            ------------------------------

[73-2-5] 第105回国立大学農学系学部長会議(2001.10.16)
新しい「国立大学法人」像について(中間報告)に対する意見
http://vert.h.chiba-u.ac.jp/kanko/buchokaigi/105_all.htm#seimei

                            ------------------------------

[73-2-6] 学長アンケート:独立行政法人化「賛成」17%「反対あるいはやむを得ず」61%
読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/education21/news/kikaku26_17.htm
                            ------------------------------

[73-2-7] 沖縄タイムス社説10/11「国立大法人化 計画の練り直しが必要」
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2696.html
                  ━━━━━━━━━━━━━━━━━

[73-3] 大学構造改革

[73-3-1] 藤永 茂「世界的なコーポラティズムを越えて - カナダから見る日本の大学(抄)」
「科学」2001.10 1359-(長谷川浩司氏ウェブサイトより)
http://www.math.tohoku.ac.jp/‾kojihas/2001/fujinaga
「・・・・今、私の机の上に、日本の文部科学省が発表した「大学(国立大学)
の構造改革の方針」と「大学を起点とする日本経済活性化のための構造改革プ
ラン」と題する驚くべき文書がある。映画「キャバレ」の歌の文句ではないが
「マネー、マネー、マネー」という声しか聞こえてこない。企業が求める人間
と技術的知識を生産することのみが大学に求められている。恐るべきことであ
る。・・・・・」
                            ------------------------------

[73-3-2] 日本経済新聞10/20「地域貢献へ研究交流―学長提言 再編再考求める
―地方28国立大」
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2726.html
(cf:提言詳細 2001.9.11)
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/911-yanu-net.html
                            ------------------------------

[73-3-3] 中央教育審議会大学分科会(第4回2001.10.10) 配付資料10
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/gijiroku/001/011001/011001l1.htm
「大学改革連絡会におけるこれまでの主な意見」
#(大学改革連絡会は6月14日に中央教育審議会会長・科学技術・学術審議
会会長の申しあわせ*1で設置されたが議事録などは非公開(名簿*2)。全学
問分野を10の枠に分け競争させるトップ30政策などは、学問に関する不見
識と、学術活動の心性への無関心を白日の下に曝したものだが、それを指摘す
る意見は記載されていないが、一方、「(トップ30政策の)分野構成につい
ては、概ね妥当ではないか」などという意見まで記載されている。「主な意見」
とは「事務局に媚びる主な意見」ということではないのか。)
大学改革連絡会構成員名簿
*1 
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gaiyou/010701e.htm
*2
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/meibo/010906.htm
                  ━━━━━━━━━━━━━━━━━

[73-4] 教育大学政策
                            ------------------------------

[73-4-1] 毎日新聞10/15「<教員養成>教育大・学部を半数以下に統合へ」
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2695.html
(cf:教育課程再編・統合懇談会情報)
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/ed/index.html
                            ------------------------------

[73-4-2] 小学校教員数年齢別分布(2001.3.31現在)(36万人中23才は0.2%の678人)
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/ed/shougakukyouinsuu.pdf
                            ------------------------------

[73-4-3] Yahoo! JAPAN! 独法化トピ 

[73-4-3-1] No3686 tjst 「小学校で23才の先生は0.2%」2001.10.22
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=ED&action=m&board=1086166&tid=9qna9bga4nfhna99tc0afka1bfm2bda1aa&sid=1086166&mid=3686
「小学校教員数の年齢別表を見れば誰でも首をかしげるでしょう。
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/ed/shougakukyouinsuu.pdf
平成13年3月31日の時点で36万1236人の小学校の先生の中で、
23才:678人
24才:1402人
25才:2551人
等で、20代の先生は全体の7%。
長期的な初等教育政策を考えれば(小学校教育では、人生経験豊かな訓話だけ
あればよく、専門的教員は不要という政策を取るのでないとすると)、どの年
代を優先的に教員配備しなけれならないかは議論は不要ではないでしょうか。
種々の方面から必然性と効果に疑念が表明されている「構造改革」の断行によ
り、必要のない痛みを押し付けられる方々を「救済」するためと言って、小学
校から若手の先生の姿が消えるのを放置するだけでなく、そもそも、若手の先
生を育てる場を縮小して得られる人員を産学連携に回す<大学構造改革>など
を進めることなどは、非に非を重ねるものだ、と考える人が多いのではないで
しょうか。
関連資料:
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/ed/index.html
特別免許状の活用推進案:
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/ed/tokubetsumenkyo.pdf 」
                            ------------------------------

[73-4-3-2] No3697 cpoirewjp「私は半々かな?」2001.10.23
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=ED&action=m&board=1086166&tid=9qna9bga4nfhna99tc0afka1bfm2bda1aa&sid=1086166&mid=3697  

「いびつな教員の年齢構成はいち早く正さなければならない。20代が数パーセ
ントで、職員の大半が40〜50代の企業の方が活力があるなんて話があったら聞
いてみたい。

  卒業後何年も教採浪人したり、30近くまで臨採で過ごさなければならない若手
教員は本当に気の毒だと思う。若者の就職難の問題も同様。私たち青年にとっ
て、今の社会は経済的にも政治的にも閉ざされ、魅力のないものになってしまっ
ている。この状態を何とかしなければ、と思う。

  けど、「社会で揉まれた中高年」を現場に投入するというOhusotsukanさん
の意見はそれなりの規模で実施してみたらいいんじゃないかな。一度に数千人
の程度の規模で。「ようこそ先輩」に出る人みたいな一芸に秀でた、大人から
子どもまでみな尊敬するような人ばかりじゃなく、「社会で揉まれた」程度の
人たちを、TVが取材にくるような学校じゃなく、ごく普通の進学校から底辺校
まで、また、マンモス校、荒れた学校、過疎の学校まで、文字通り全国津々浦々
のさまざまなタイプの学校に入れてみればよい。

  そうすれば、「社会で揉まれた中高年」たちは知ることになるだろう。いか
に学校が厳しい世界であり、いかに自分たちが学校というものを甘く見ていた
かを。

  もちろん、教師としてやっていけるだけの力量をもった中高年も少なからず
いるだろう。それもよい。成功しても、失敗しても、そこから学ぶことはある。
特に、失敗者が出れば出るほど、国民意識に大きなインパクトを与えることは
必定だ。

  ただ、この方法は“子ども不在”なのが気がかりである。子どもたちも、大
人を覚醒させるための実験台にされたんじゃ、たまったもんじゃない。」

                  ━━━━━━━━━━━━━━━━━

[73-5] 総合科学技術会議
                            ------------------------------

[73-5-1] ◆「国の研究開発評価に関する大綱的指針(案)」に対する意見
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/a24-tjst-cstp.html
#総合科学技術会議の意見募集*1に対する提出意見
*1 http://www8.cao.go.jp/cstp/pubcomme/hyouka/taikou.html

(1-a)意見募集期間を延長すべきである

理由:この期間は例年、大学教員の大多数は科学研究費申請の準備・新学期の
開始等で忙殺されるのに加え、今年は、国立大学の独立行政法人化のための調
査検討会議の中間報告への意見募集期間に重なる。案を検討し意見をまとめる
時間がとれない人が多いに違いない。実験系の研究者は多数の申請の準備に追
われ、コメントのための時間がないことが推測され、意見提出者が偏る怖れが
ある。

(1-b)タイトルは「国の研究評価に関する大綱的指針」とすべきである

理由:この指針は、日本における学術的活動全体に及ぶものを意図している。
従って、学術研究の中で周辺的に位置づけられる研究活動にのみ妥当する「研
究開発」という用語を用いることは適切ではない。一方、企業と係わりのある
研究活動の評価に適用する指針であるかのような外見をとって、注意と批判を
躱す意図すら感じられる。
   なお、このタイトルは、日本の学術活動全体を企業の研究開発活動の視野
からしか考えようとしない最近の学術政策の姿勢を象徴するものとも見れる。

(1-c) 評価を資源配分に過度に反映させることは好ましくない。

理由:研究活動の数値的評価尺度ですら多数あり、順位は尺度の重みづけに依
存する。従って、個々の尺度が客観的であっても、資源配分に評価を利用する
ときには、尺度間の重みづけが必要となるが、どの重みづけが適切かの判断は
主観的なものである。従って、評価と資源配分とを過度にリンクさせるときに
は、学術活動の内容ではなくロビー活動が資金の額を決めるようになり、国の
根本的研究レベルが(応用分野ですら)低下することは避けられない。
 さらに、数値的評価尺度が学術的重要性を十分表現できない多くの学術分野
では、「評価にもとづく資源配分」の大半が「コネによる配分」に退化する危
険性は高い。

(1-d) 経常的研究費を充実させ、競争的研究費についても事前評価を基盤とし、
厳正な事後評価は巨費を費やす国家プロジェクトだけを対象とすべきである。

理由:適切な評価にはピアビューが不可欠だが、各分野で適切に評価できる研
究者は限られているであろう。p10,p15 に「効果的・効率的な評価を行うなど
の工夫や配慮を行う」とあるが、いかに工夫をしても、数十万人の研究者の活
動を事後評価すればアクティブな研究者の多くが評価活動に忙殺され、日本の
研究機能は著しく低下するだろう。それだけでなく多額の予算と人員が評価活
動に費やされ、研究費と研究補助の人員が減少する主客転倒が起こる。
   それを避けるために、経常的研究費を充実させ、競争的研究費も事前評価
システムを公平なものとすることに力を入れるべきである。膨大なエネルギー
を要する徹底した事後評価は、巨額の予算を投入する国家プロジェクトだけを
対象とすべきである。

(1-e) 機関評価では、構成員の幸福度や健康度などを評価項目に加えるべきだ

ここで示された指針による「評価」は、研究者の生活全体を不安定化させる方
向にしか機能しないように感じられる。このままでは、日本の研究職全体が<
労働市場>で魅力を失い、日本社会の研究セクタの深刻な実力低下を避けられ
ないのではないか。
  創造的研究は喜びとは不可分であることはよく知られている。喜びのない
研究機関で創造的研究が行われるとは到底思えない。この大綱指針に従う評価
が、研究の現場から喜びを駆逐することだけは確実であり、日本から創造的研
究をなくすことが危惧される。

2. 各論について

多くの問題点があるが、字数と時間の制約で、以下の点の指摘に留めたい。

p2 下から3行目:評価実施主体として大学(国公私立を含む)を含めるべき
ではない。

理由:大学には大学の活動に適した評価法を独自に考えるべきで、それに制約
を与えるような上位指針を置くことは好ましくない。しかも、応用研究を主に
念頭においた上位指針は特に好ましくない。

p12 下から5行目:「目利き」が育成できるかのように書いてあるが、目利き
かどうかがわかるのは数十年後ではないのだろうか。目利きが育成できる、と
いう考え自身、学問に関する不見識を証明するもので、これを学術活動に関す
る国の公文書に残すのは日本の恥と言えるだろう。
                            ------------------------------

[73-5-2] 朝日10/25:「研究型の特殊法人、省庁から移管検討 自民行革推進本部」
http://www.asahi.com/politics/update/1025/001.html
「自民党の行政改革推進本部(太田誠一本部長)は24日、宇宙開発事業団や
日本原子力研究所など研究開発型の特殊法人を、各省庁から政府の総合科学技
術会議(議長・小泉首相)に移管する方向で検討に入った。研究開発予算の配
分などで、省庁間の縦割りを排すのがねらいだ。・・・」

                  ━━━━━━━━━━━━━━━━━

[73-6] 大学での成績評価法

[73-6-1] 一橋大の「GPA」導入報道への
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2736.html
                            ------------------------------

[73-6-2] ◆渡邊勇一氏の批判
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2739.htm
「・・・GPAは、学生を単一の点数で比較して、様々な状況で使える、管理者
には便利なシステムであるが、新聞に書かれているように、ばらつきが目立つ
成績の付け方に秩 序ができ、授業の工夫、学習意欲の向上につながるとみて
いるというのは、ものを見る目がな く、改革に何のイメージも持てない人間
が書く「たわごと」である。」

[73-6-3] 大学改革情報メーリングリストでのGPAに関する議論
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/00418-GPA.html
渡邊勇一氏 2000.4.18,Criticism on the Grade Point Average System
森田竜義氏 2000.4.19,GPAについて討論しませんか?
落合栄一郎氏 2000.4.29, 米国におけるGPAの事情
大野栄一氏 2000.4.29 "GPA" de omoukoto

                  ━━━━━━━━━━━━━━━━━

[73-7] 産学連携

[73-7-1] 日本経済新聞10/22「経産省が大学ランキングを開始」
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2732.html
(cf:大学等連携推進室)
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/01/714-sangaku.html
                            ------------------------------

[73-7-2] 経済団体連合会「国際競争力強化に向けたわが国の産学官連携の推進
〜産学官連携に向けた課題と推進策〜」2001.10.16
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2001/048/honbun.html
#(日本の大学政策・科学技術政策を細部まで決めているのが誰かを明確にす
る文書と言える。この意見書の内容で実現寸前でないものを探す方が難しい。
わずか6年で「大学人と社会の産学官連携アレルギー」を「完治」する使命を
達成した旧通産省産業政策局産業技術課大学等連携推進室[61-2-5]の歴史的<
偉業>だ。しかし、アレルギーを解消してΣプロジェクト[72-2]を失敗させた
産学官連携の体質は何も変っていない。この意見書は、日本を科学技術後進国
に向けて発進させる不吉な汽笛としか聞こえない。)

                  ━━━━━━━━━━━━━━━━━

[73-8] 冷淡で短慮な奨学金政策
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[73-8-1] 朝日新聞10/20私の視点:榎木英介「奨学金 安心して研究できる制度に」 
http://matsuda.c.u-tokyo.ac.jp/forum/message/3616.html
「・・・ 大学院生は、厳しい経済状態に置かれている。日本育英会の奨学金
を受けている場合でも、貸与額は月10万円前後であり、生活費と授業料を捻出
するには苦しい。研究時間を削ってアルバイトをするか、親からの経済援助に
頼らざるを得ない。また、大学院終了まで貸与を受けると、多い場合で貸与総
額は600万円を超える。
 こうした状況を外国の研究者に話しても、なかなか理解してもらえない。欧
米諸国では、大学院生に給与奨学金を払うこともめずらしくないからである。
例えば米国で学ぶ人の話では、大学によって事情が異なるものの、年間2万ド
ル(約240万円)程度は支給されるという。ところが日本では、研究に貢献
しているにも関わらず無給で、学費まで払い、20代後半になっても親から経済
的に独立できない人もいる。
 ・・・・
 日本政府もこの点を問題視はしており、先に経済財政諮問会議が示した改革
工程表をめぐる議論では、大学院生への経済的支援の充実、給与奨学金の導入
などが検討事項にあがっている。しかし、かけ声ばかりで具体像が一向に見え
てこないばかりか、現実には奨学金の縮小につながりかねない案の方が先行し
ているのだ。
 科学技術創造立国を掲げる国が、なぜ将来の科学を担う人材に対し、冷淡で
いつつけるのだろうか。いま必要なことは、返済しないですむ奨学金制度を充
実させるなど、研究環境の抜本的な改善である。」
                            ------------------------------

[73-8-2] 日本育英会奨学金制度を考える若手科学者の会
http://pfg.riken.go.jp/‾ikuei/index.shtml
                            ------------------------------

[73-8-3] 関連サイト:「研究問題メーリングリスト」
http://researchML.org/

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[73-9] 野依教授のインパクト

[73-9-1] Yomiuri On-Line 「野依さん痛烈、国の教育・産学協同バッサリ」
2001.10.16
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2705.html
「・・・・必要性が叫ばれている産学協同についても、「大学が何か隠し球を
持っていて、それを産業界に渡せば一気に事業化できる、と思ったら大間違い
だ。日本の産業に元気がないのは、創造力が足りないからだ」
                            ------------------------------

[73-9-2] 毎日「ノーベル賞:野依教授が「政府の30人目標は不見識」と批判」
2001.10.16
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/nethe2707.html
                            ------------------------------

[73-9-3] 科学技術・学術審議会学術分科会2001/06/18議事録
#(野依教授も出席。科研費に関する議論)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/gijiroku/002/010602.htm
「学術研究は目的が全て達成されればよいというものでもないし、目的が達成
されなかったからといって悪いというものでもない。また、研究と教育は割り
切れないところがある。」(#発言者は不明)
                            ------------------------------

[73-9-4] 渡辺勇一「「国立大の研究レベルの証明だ」」
http://www.asahi-net.or.jp/‾yp3y-wtnb/noyori.index.htm
○毎日新聞「みんなの広場」10/17 
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/011018watanabe.html
「・・・上に示した様な作業を全て、研究教育の現場の教員が行ってゆけば、
現在でも相当の「金と時」そして「精神的エネルギー」を研究とは本来余り関
係のない(理念をいくら書いても、研究の成果は何も得られない)スタイルの
文書作成に追われ続けている疲労した教員は、更に疲弊して研究に費やせる時
間と熱意が大幅に消失してしまうであろう。
 このように書くと、学外の人間からは贅沢だの、まだ恵まれているなどとい
う批判をメイルで送りつけてくることが時にある。しかし教員の仕事をここに
書いた事で尽きているわけではない。入試(極めて他種類)、ゼミ、卒業論文、
大学院の指導と学位審査判定、授業に成績づけ、公開講座、シラバス準備、予
算申請の書類書き、大学・大学院紹介のパンフの類、自己評価、客観評価、業
績報告書作成、まだまだあるが、このあたりでもうやめよう。本来教育と研究
という二つの(競合する側面は否定できない)枠の中で、研究には本来全力投
球することは出来ない運命にる教員は、かって無かったほどの書類作成作業の
洪水に首まで埋まっている。
  上のような状況にある大学教員の事が考慮され、国立大学のレベル向上を本
当に配慮しての「構造改革」「法人化」措置と言えるのだろうか?」

#渡辺氏のウェブサイト
http://www.asahi-net.or.jp/‾yp3y-wtnb/y
#渡辺氏の論説
○「学生による授業評価をどう見るか」
http://www.ac-net.org//home/watanabe-y/01401-hyouka.shtml
○「科学を金もうけの道具としかみなさない愚行で日本の科学は衰退する」
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/wr/voices/01624-watanabe-y.html
                            ------------------------------

[73-9-5] 元村有希子(毎日新聞科学環境部)「大切な研究見失う恐れ・・・
日本ノーベル賞戦(毎日新聞2001.10.17)
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/011018mainitiksyanomado.html
「・・・「50年で30人」という目標は分かりやすい。2年連続の受賞で「目標
達成も夢ではな い」と喜ぶ声もある。でも、それだけでは日本の実力を見誤
る。・・・ノーベル賞を取りやすい研究にばかり目を向ければ、何が大切な研
究かを見失う恐れがある。カネと権限を持つ政府がすべきことは、ノーベル賞
にとらわれず、次世代を見据えた研究に専念できる金の使い道を考えることだ
と思う。 」

                  ━━━━━━━━━━━━━━━━━

[73-10] 「アフガンで起きている本当のこと」
ペシャワール会現地代表中村哲氏
http://www.jca.apc.org/act/nakamurakouen.html
「干ばつによって農業生産力の九割が打撃を受けているところへ報復攻撃が始
まれば、100万人単位の人が死に、衆人環視の下でホロコーストと同じ状態を
生むことは間違いありません。」

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【発行の趣旨】国立大学独立行政法人化問題を広い視野から考えるのに役立
つと思われる情報(主に新聞報道・オンライン資料・文献・講演会記録等)へ
のリンクと抜粋を紹介。種々のML・検索サイト・大学関係サイト・読者から
の情報等に拠る。メール版で省略されている部分はウェブ版参照。ウェブ版は
目次番号が記事にリンクされている。転送等歓迎。
【凡例】#(−−− )は発行者のコメント。・・・は省略した部分。◆はぜ
ひ読んで頂きたいもの。
【関連サイト】http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/
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発行者:辻下 徹 e-mail: tujisita@geocities.co.jp
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発行部数(括弧内は増減)  (2001.10.24 現在)  
1652(+39): Mag2:956(+13)|CocodeMail:370(+4)|Pubzine:93(0)|melten:68(-1)
   |Macky!:56(1)|melma:62(+2)|emaga:27(-1)|melonpan:20(+20)
直送 約730(北大評議員・国立大学長・国大協・報道関係・国会議員等)
-------------------------
Digest版 発行部数 約1600(北大), ML(he-forum,reform,aml,d-mail)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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