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国立大学独立行政法人化問題週報


Weekly Reports  No.114 2003.5.15 Ver 1
http://ac-net.org/wr/wr-114.html
総目次:http://ac-net.org/wr/all.html
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   	         国立大学独立行政法人化問題週報

		  Weekly Reports  No.114 2003.5.15
		   http://ac-net.org/wr/wr-114.html
		総目次:http://ac-net.org/wr/all.html
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                      目     次
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[114-1] 国会情勢速報 No.12(2003.5.15)
[114-2] 東京大学職員組合から衆議院文部科学委員へ 2003.5.15 
[114-3] 編集人から衆議院議員 文部科学委員へのメール  2003.5.15
[114-4] 国立大学協会幹部の辞任を求める国立大学教官共同意見書 2003.5.14 
  [114-4-1] 連署者名簿
  [114-4-2] 国立大学協会会則第28条:
  [114-4-3] 石副会長から各国立大学へ送付された文書
  [114-4-4]井上幸夫弁護士意見書 
[114-5] 国立大学全体投票中間報告 2003.5.12
  [114-5-1] 呼びかけ人
  [114-5-2] 機関別投票者数
[114-6] 国公立大学通信目次 http://ac-net.org/kd
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明日5月16日の衆議院文部科学委員会で、国立大学法人法案が強行採決され
ることになりました[114-1]。古屋圭司委員長は、議論は尽されたと主張し、
職権を行使することを宣言しました。これまでの議事録を見ると、問題点が指
摘されただけの段階ですので、議論が尽されたなどと言うのは、話しを聞いて
いなかったか、あるいは聞いても理解できなかった、ということを自白したも
同然で、まさに、委員長に相応しくない方が職権だけ濫用することを絵に書い
たような事態です。

古屋委員長は、小泉内閣発足直後に経済産業省副大臣に就任し、昨年10月に
現職に就くまでは文教関係に関与したことはありませんので、審議が理解でき
なくても仕方がないかも知れません。安部晋太郎議員秘書を務めていたことも
ありますので現内閣の忠臣の一人です。小泉内閣のただひとつの目覚ましい業
績と言われている国立大学制度廃止だけは、なんとしても実現しなければなら
ない、という現内閣の意気込みを感じさせる人員配置です。それは同時に、高
等教育と学術研究の氷河期を日本に呼びよせた業績により日本史に残ることを、
期せずして努力していることになるのですが、後世の評判などに関心のない政
治家にとっては気づかないことなのでしょう。

行政に大学改革白紙委任状を発行する、国立大学法人法案に危惧を持つ方は、
どうぞ、明日が日本の高等教育と学術研究の氷河期開始の記念日となることを
回避するよう、何かしてください。祈りを捧げることだけでも結構です。
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[114-1] 国会情勢速報 No.12(2003.5.15)
独立行政法人反対首都圏ネットワーク事務局/独立行政法人問題千葉大学情報
分析センター事務局:共同編集
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◎採決を目論む政府・与党

明日、16日の衆議院文部科学委員会における質疑日程が決まった。

 9:00-9:05 修正案(民主)の提案理由聴取
 9:05-9:50 鳩山由紀夫(民主)
  休憩(参議院本会議のため)
 10:45-11:15 松原仁(民主)
 11:15-12:00 山元勉(民主)
  休憩(本会議13:00-13:10)
     本会議散会後直ちに再開
 13:10-13:50 佐藤公治(自由)
 13:50-14:30 児玉健次(共産)
 14:30-15:10 中西績介(社民)
 その後、討論、採決、附帯決議


◎このように、16日の委員会では法案の採決まで予定されている。こうした暴
挙を許さないためにも、今日、各議員へFAXなどで要請すること、さらに当日、
多くの人々が委員会への傍聴に詰めかけることが重要になっている。

また当日は、昼休みと委員会終了後に、以下の行動も予定されている。衆議院
での徹底審議を求める声を国会に届けるため、全国各地から国会での行動に参
加しよう。

 ○昼休み緊急集会(12:00〜13:00 衆議院議員面会所周辺)
 ○総括集会 委員会終了後、衆議院議員面会所にて
 以上、「法人化反対連絡会」主催

 ○【「国立大学法人法案」関連6法案を阻止する緊急国会内集会】
  日時:5月16日(金)午後4時45分から6時半まで
  場所:衆議院第2議員会館 第3会議室
  主催:独立行政法人反対首都圏ネットワーク事務局 
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[114-2] 東京大学職員組合から衆議院文部科学委員へ 2003.5.15 
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                         2003年5月15日

衆議院 文部科学委員 殿

                           東京大学職員組合

 国立大学法人法案の審議に関するご尽力に敬意を表します。

 聞き及ぶところによりますと、昨日の衆議院文部科学委員会理事会で与党は
「審議が尽くされたこと。会期末を控え参議院の審議を保障する必要があるこ
と」などを理由に5月16日の委員会における採決強行を主張し、最終的に文
部科学委員長の「判断」という形で16日に審議及び採決が行われる運びになっ
たとのことです。

 同理事会の場で野党が「審議は尽くされていない」と主張した通り、趣旨説
明と参考人質疑を除くと、委員会はこの重要な法案に対して僅か2回の審議し
か行っていません。しかも、政府の答弁は具体性を欠き疑問に答えるものでは
ありませんでした。

 例えば、5月14日の審議でも取り上げられましたが、国立大学協会の法人
化特別委員会は5月7日に「国立大学法人制度運用等に関する要請事項等につ
いて」なる文書を各国立大学長に送付し、5月15日までの回答を求めていま
す。この文書には法人化が労働安全衛生法や労働基準法に違反する事態を生み
出す恐れがあることが示唆されており、法案の成立が法的に違法な状態を生み
出しかねないという点で法案そのものがきわめて重大な問題を含んでいること
を示しています。しかしながら、14日の政府答弁は「(法人化までに)施設
整備をするつもり」「緊急面について見積中でなるべく早く算定する」(文教
施設部長)といった曖昧なものでした。

 同日の審議では他にも、1兆円を超す負債を国立大学法人(東京大学の場合
利子184億円を含め941億円)に承継させる問題――その償還は可能なの
か、計画はどうなっているのか――について野党議員の質問がありましたが、
政府は具体的には何も答えませんでした。審議が進むにつれ、議論が尽きるど
ころか、大学関係者をはじめ国民の疑念・不安は増すばかりです。

 私たちは衆議院文部科学委員会理事の皆様に、下記について強く要望するも
のです。

                記

 5月16日の衆議院文部科学委員会では、国立大学法人法案等6法案の拙速
な採決を強行せず、国立大学法人法案等6法案について引き続き慎重かつ徹底
的な議論を行うこと。

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[114-3] 編集人から衆議院議員 文部科学委員へのメール  2003.5.15
http://ac-net.org/dgh/03/515-to-giin.html
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衆議院議員 文部科学委員 のみなさま
Cc:国会議員のみなさま

明日の文部科学委員会で採決されると聞きましたので、一国立大学教官として、
国立大学法人法案についてお手紙を差しあげることにいたしました。

審議過程で、国立大学法人法案の問題点の数々が明らかになり、法人化に賛成
している人でも、この法案で大学は終わりだ、と判断する人が急増しています。
にもかかわらず法案の採決が明日行われ無修正で可決される可能性が高いと聞
いています。世紀に一度という大学改革について、行政の提案を無修正で容認
してしまうことは、自己権益の拡大に強い関心を持つ行政の習性を考えれば、
まことにあやういものを感じます。

  野党議員の方々が、この法案の種々の問題点を広汎に的確に指摘されてきた
ことには深い敬意を抱いております。しかし、理解に苦しむことは、野党第一
党がなぜ、法案の無修正可決を帰結する「修正案提出」をされたのか、という
ことです。多くの問題点を指摘しながら、なぜ、無修正の法案が可決されるこ
とを実質的に助けるようなことをされるのか。野党の役割のなかで主要なもの
の一つは、国立大学法人法案のような、政局の争点ではない法案については、
過半数与党の案が無修正で通ることがないようにするところにあるのではない
でしょうか。

  おそらくは付帯決議で「修正」することを検討されているのでしょうが、法
案の持つ無数の本質的問題が、法的に効力のない付帯決議によって、解決する
と本当に考えている方はいないのではないでしょうか。これまでの種々の付帯
決議が何の効き目も持っていないことは、よくご存知なのはずだからです。な
ぜ、付帯決議の内容をきちんと法律にしないのですか?行政が作った法律案は
国会議員が指一本触れてはいけないような神聖なものなのでしょうか。


  与党の方にもお願いしたいことがあります。

  審議の中で、この法案は、運用次第でよくも悪くもなるが、やはり賛成であ
る、と発言された方がいました。「運用次第でよくも悪くもなる」というのは、
法案はザル法である、という言うも同然です。「運用次第でよくも悪くもなる」
法律は、肝心なことを行政の裁量に委ねる法律であり、それを知っていて通す
ことは、三権分立の一翼を担う国会の議員として、みずからの存在理由を放棄
するも同然のことではないのですか?

  また、与党議員の方にも、国立大学を独立行政法人(別名:国立大学法人)
にすることを懸念する方もおられることが、自民党のニュースで報じられてい
ました。政党政治では、政党の判断が党員の個人的判断に優先することは自然
ですが、諸政党の政治的理念とは独立した問題については、党議拘束を外して、
それぞれの議員の方々が、個人としての考えに従って決におい投票するように
べきではないでしょうか。

  年々、政党政治への無関心が社会に広がっています。その理由はこういうこ
とではないでしょうか。議員のかたの大半は、所属する政党のコマとしてしか
活動が許されず、議員一人一人のかたが豊かにもっておられる個性と独自の信
念を活かして政治の舞台で活動されたならば伝わってくるはずの感動が伝わっ
てこないからではないでそうか。

  大学改革は、どの政党に属しているかとは独立に、その意義や問題点につい
て、考え判断することができるテーマの一つだと思います。種々のアイディア
をお持ちの方もおられると思います。文部科学省という行政が作った「大学改
革」を鵜飲みにされず、党員としてではなく国会議員として、また、同時に一
市民として、国立大学法人法案の是非について判断してくださいますよう、お
願い致します。

  最後に警告しておきたいことは、国立大学法人法案は、行政への大学改革白
紙委任状だ、ということです。自己権益を守り拡大する本能を持つ行政に、白
紙委任状を出せば、大学を自己権益拡大に利用することは当然のことです。法
案がもしも可決された場合に、大学が行政の権益の道具として利用されて衰退
していったとしても、その責任は行政だけにあるのではなく、その危険性を承
知の上で行政に大学を白紙委任した、文部科学委員のみなさんと、委員会採決
結果をそのまま本会議採決とされた全議員にある、という点を忘れないで頂き
たいと思います。」

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[114-4]国立大学協会への国立大学教官共同意見書 2003.5.14 
http://ac-net.org/dgh/03/514-ikensho-to-janu.html
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#(現在56大学240名が連署しています。)
                          平成15年5月14日

国立大学協会会長
長尾 真 殿

 国立大学協会会則28条(*1)に従い、わたくしたち、53国立大学の教
員197名は、国立大学協会に対する以下の意見書を提出します。迅速な対応
をよろしくお願い申しあげます。

                 	連絡先:辻下 徹
			北海道大学大学院理学研究科
                	〒060-0810 札幌市北区北10条西8丁目
			tel/fax 011-706-3823,080-5715-3963
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                           意 見 書


国立大学法人法案の国会審議が開始されて1月が経過したが、国立大学協会は、
総会を開催し日本社会に向けて法案について意見表明することを回避しつづけ
ている。国立大学全体を代表する役割を実質的に果たす存在としての責務を放
棄したまま、5月7日に石副会長は、国立大学法人法の運用において政府等に
求めるべき夥しい配慮事項のリストを全国立大学に送付し、その検討を要請し
た(*2)。

  締め切りの5月15日までに全国立大学からこれを容認・支持する回答が集
れば、全国立大学が法案を容認していることが間接的に確認されたと解釈され、
5月16日の文部科学委員会における強行採決を後押しするものとなりかねな
い。しかし、問題はそれだけではない。その要望項目リストは、国立大学法人
法案の欠陥のリストであると同時に、この法案により来年4月に法人化された
場合に国立大学が強いられる違法行為(*3)のリストにもなっているのであ
る。

  すなわち、中期目標・中期計画における大学の自主性・自律性の尊重に不安
があること、国立大学法人評価委員会の性格が法案では明確になっていないこ
と、評価を受けるために大学に過度な負担がかかること、運営費交付金の算定
基準が明確でないこと、高等教育への公財政支出の充実に関し何も保障がない
こと、労働関係法規・医療機関関係法規等の適用に伴う各種届出に必要な規約
整備等の準備が間に合わず法人化後しばらく違法状態が避けがたいこと、労働
衛生法適用で必要となる環境整備のために不可欠な財政措置が検討されていな
いこと、医療過誤や医療事故による賠償責任システムなどが未整備であること、
等々を、そのリストは明らかにしているのである。

  このような数々の根源的問題が国立大学法人法案にあることを当事者として
認識していながら、国会と日本社会に警告する義務を国立大学協会が果すこと
を阻む一方で、法人化後の違法状態を看過するよう政府に要請する準備を行う
協会運営は、国立大学協会に、政府との癒着・国会軽視・法の無視等の由々し
い過ちを犯させるものであり、国立大学と国立大学教職員全体の社会的信用を
著しく傷付けるものである。

  それだけでなく、国立大学協会の現運営者は、これまでも、法人化推進の強
引な運営により、国立大学社会を混乱させてきた。2001年6月の国立大学
協会総会後の記者会見では総会で合意されていない「法人化容認」を長尾会長
が記者に伝えたため、会長自身が文書で発言を訂正するまでの一ヶ月間、国立
大学全体で混乱が続いた。また、2002年4月の臨時総会では、調査検討会
議の最終報告について議論が行われている最中に強行採決をおこない法人化を
「容認」した。また、この2月中旬には、法案概要について種々の問題点が各
国立大学から指摘されているときに、石副会長が自民党のヒアリングにおいて
国立大学協会の意見が法案了承でまとまったと発言したことが自民党の機関誌
で報じられている。以上は、国立大学協会の現運営者が、個人的信念を協会の
意見としてしばしば表明してきたことを示すと言っても過言ではない。

  以上のような協会運営は、国立大学協会が現実に担っている重い公的責務を
ないがしろにするものである。よって、わたくしたち、53国立大学の教員1
97名は、運営責任者である長尾会長、松尾副会長および石副会長に、職を辞
することを求めると同時に、国立大学協会に対し、次のことを求める。


  1)臨時総会をただちに開催し、国立大学法人法案の持つ問題点を
      明らかにすること。

  2)来年4月からの国立大学法人への移行は違法行為なしには実現
      できないことを明らかにすること。

  3)法案とスケジュール撤回を文部科学省に直言すべきこと。

  4)日本社会と国会に対し、当事者として証言すること。

以上
以下略
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[114-4-1] 連署者
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	浅井哲也(静岡大学)    高橋英樹(北海道大学)            
	安達定雄(群馬大学)     竹内 茂(岐阜大学)             
	油川英明(北海道教育大学) 竹浪 聰(富山大学)             
	阿部剛史(北海道大学)   立石雅昭(新潟大学)                
	尼川大作(神戸大学)        田中 稔(岩手大学)             
	荒川秀雄(東京工業大学)  田中康博(小樽商科大学)           
	飯田泰雄(鹿児島大学)   谷本盛光(新潟大学)             
	池永敏彦(長崎大学)     谷本泰子(信州大学)             
	池田光則(山形大学)     種倉紀昭(岩手大学)             
	池田道正(山形大学)	    田端博邦(東京大学)             
	池内 了(名古屋大学)   田吹亮一(琉球大学)             
	漁田武雄(静岡大学)     玉置昌義(名古屋大学)            
	石渡 明(金沢大学)     田村陽子(山形大学)            
	一條眞古人(北海道大学)  田村博志(金沢大学)             
	市川聡夫(熊本大学)     太和田勝久(九州大学)           
	伊藤 進(北海道教育大学) 辻下 徹(北海道大学)            
	伊藤秀郎(名古屋大学)   鄭 漢忠(北海道大学)            
	伊藤谷生(千葉大学)     豊島耕一(佐賀大学)             
	伊藤正彦(熊本大学)     仲澤 和馬(岐阜大学)              
	井上 淳(東京工業大学)  中溝幸夫(九州大学)             
	井上隆義(岩手大学)     中村 郁(北海道大学)            
	猪飼 靖(神戸大学)     中村富美男(北海道大学)           
	伊吹紀男(京都教育大学)  中島 洋(名古屋大学)            
	岩崎公弥(愛知教育大学)  中尾愼宏(九州大学)             
	岩崎俊介(新潟大学)     中野元裕(大阪大学)             
	岩崎 稔(東京外国語大学)  仲正昌樹(金沢大学)             
	宇井啓高(富山大学)     仲尾善勝(琉球大学)             
	上野 聡(広島大学)     西 恭宏(鹿児島大学)            
	宇佐美広介(広島大学)   西垣 敏(九州工業大学)           
	打出喜義(金沢大学)     西田美昭(金沢大学)             
	内田伏一(山形大学)     新田 滋(茨城大学)             
	梅田康夫(金沢大学)     野崎一洋(名古屋大学)            
	浦辺徹郎(東京大学)     野崎浩成(愛知教育大学)            
	遠藤広光(高知大学)     野村剛史(東京大学)             
	太田英利(琉球大学)     萩原正樹(小樽商科大学)           
	太田弘一(愛知教育大学)  橋爪健郎(鹿児島大学)            
	大原興太郎(三重大学)   橋本修輔(宮崎大学)             
	大西 広(京都大学)    橋本秀美(東京大学)             
	大野 威(岡山大学)     藤本喬雄(香川大学)                
	木村浩則(熊本大学)     蜂巣 泉(東京大学)             
	岡本 悟(佐賀大学)     服部昭仁(北海道大学)            
	岡本敏一(広島大学)     花見仁史(岩手大学)             
	小賀百樹(琉球大学)     羽部朝男(北海道大学)            
	奥山育英(鳥取大学)     浜本伸治(富山大学)             
	小沢弘明(千葉大学)     濱田 明(熊本大学)             
	小澤紀美子(東京学芸大学) 濱田武士(東京水産大学)           
	落合豊行(奈良女子大学)  林野友紀(東北大学)             
	小野雅之(山形大学)     椿 淳一郎(名古屋大学)           
	小野寺英輝(岩手大学)   半田 駿(佐賀大学)                
	小原達朗(長崎大学)     東 信彦(長岡技術科学大学)        
	折出健二(愛知教育大学)  東崎健一(千葉大学)             
	賀数清孝(琉球大学)     比屋根肇(東京大学)             
	角縁 進(佐賀大学)     平賀章三(奈良教育大学)           
	加藤静吾(山形大学)     藤井啓之(愛知教育大学)           
	神沼公三郎(北海道大学)  藤條純夫(佐賀大学)                
	金子 守(筑波大学)     藤中隆久(熊本大学)             
	神谷章生(北海道教育大学) 麓信 義(弘前大学)             
	河合崇欣(名古屋大学)   細川 滋(香川大学)             
	川村軍蔵(鹿児島大学)   堀 啓映子(東京大学)            
	川中子 正(東京工業大学) 堀 浩太郎(熊本大学)            
	鬼界彰夫(筑波大学)     本田勝也(信州大学)             
	菊池政道(九州大学)     朴 紅(北海道大学)              
	北川勝弘(名古屋大学)   牧村 進(宮崎大学)             
	木山喜隆(新潟大学)        牧野 哲 (山口大学)             
	熊野真規子(弘前大学)   増子捷二(北海道大学)            
	栗山次郎(九州工業大学)  松居誠一(九州大学)             
	小島純一(茨城大学)     松瀬憲司(熊本大学)             
	寿 卓三(愛媛大学)     真野純一(山口大学)             
	小林幹夫(宇都宮大学)   南 守夫(愛知教育大学)           
	小林武彦(富山大学)     三宅晶子(千葉大学)             
	小林邦彦(名古屋大学)   三好正毅(山口大学)             
	小林民憲(和歌山大学)   村松惠二(弘前大学)             
	駒田 聡(京都教育大学)  森 秀樹(兵庫教育大学)           
	近藤義臣(群馬大学)     森 茂(金沢大学)              
	斎藤 靖(熊本大学)     森川和則(小樽商科大学)           
	齋藤恭司(京都大学)     森田 譲(佐賀大学)             
	逆井基次(豊橋技術科学大学)森本淳生(京都大学)             
	坂井雅夫(鹿児島大学)   安中武幸(山形大学)             
	坂井伸之(山形大学)     屋富祖建樹(琉球大学)            
	坂下明彦(北海道大学)   山下明昭(香川大学)             
	笹谷春美(北海道教育大学)  山口和秀(岡山大学)             
	佐藤 眞(岩手大学)     山根正気(鹿児島大学)            
	佐藤敬一(新潟大学)     山崎正秀(九州大学)             
	佐藤宏明(奈良女子大学)  山田 渉(宮崎大学)             
	佐藤寿邦(横浜国立大学)  山田雄司(三重大学)             
	澤田裕治(山形大学)     山本雅史(鹿児島大学)             
	志賀瓏郎(岩手大学)    山本敏郎(金沢大学)             
	重松公司(岩手大学)     山野井徹(山形大学)             
	篠崎 榮(熊本大学)     大和祐一(広島大学)         
	嶋田一郎(東北大学)     横井雅明(岩手大学)             
	白井浩子(岡山大学)     横尾恒隆(岩手大学)             
	白井深雪(東京大学)     吉田 修(広島大学)             
	菅野文夫(岩手大学)     吉田千秋(岐阜大学)             
	菅原邦生(宇都宮大学)      吉武純夫(名古屋大学)            
	鈴木教世(北海道大学)   世取山洋介(新潟大学)            
	鈴木恒雄(金沢大学)     和才京子(九州工業大学)           
	鈴木守夫(佐賀大学)     渡辺 治(東京工業大学)           
	鈴木淳一(北海道教育大学) 渡邉信久(北海道大学)            
	鈴木洋一(東北大学)   

 連絡先:辻下 徹
 北海道大学大学院理学研究科
 〒060-0810 札幌市北区北10条西8丁目
 tel/fax 011-706-3823, 080-5715-3963
----------------------------------------------------------------------
添付資料
[114-4-2] (*1)国立大学協会会則第28条:

国立大学の教員は、協会の事業に関して協会に意見を述べることができる。

2 前項の意見は、文書で提出するものとする。

3 意見が協会に提出されたときは、会長は、これを関係のある事項を担当す
る委員会に回付するものとする。

4 前項の規定により、意見の回付を受けた委員会は、必要があると認めたと
きは、口頭によってその教員の意見を聴取することができる。
----------------------------------------------------------------------
[114-4-4] 石副会長から各国立大学へ
----------------------------------------------------------------------
(*2)
平成15年5月7日

  各 会 員 校 代 表 者  殿

 

                   国立大学協会副会長

                   国立大学法人化特別委員会委員長

                          石   弘  光


国立大学法人制度運用等に関する要請事項等について(依頼)

 既にご報告のとおり、本特別委員会としては今後、法人化後における制度運
用等に関する政府等への要請事項を盛り込んだ国立大学法人化に関する国大協
の総括的な見解案をとりまとめ、6月の総会へ提案する方向で作業を進めつつ
あります。

 その見解に盛り込む要請事項等については、各会員校のご意向を反映したも
のとなるよう、各会員校のご意見を伺うことになりました。

 つきましては、時間的な関係もあり、ご意見を検討いただく際のたたき台と
して、別添の(検討案)を用意しました。この検討案に加除修正する形でご意
見をお寄せいただきたく、よろしくお願いいたします。

 なお、理事会までの作業時間の関係もあり誠に恐縮ですが、ご意見について
は、5月15日(木)午後5時必着で,Eメールにより国大協事務局までご回
報ください。また、加除修正部分については(検討案)と明確に判別できるよ
う、文字色等についてご工夫をお願いいたします。


国立大学法人制度運用等に関する要請事項等(検討案)


I. 明確な内容の政省令等の制定実現

(1)政省令等の確定にあたっては、国立大学法人法と最終報告(調査検討会
議「新しい「国立大学法人」像について」)の趣旨に則り、国立大学における
教育研究の特性に配慮し、国立大学法人の自主性・自律性を十分に尊重した、
明確な規定とすること。

(2)国立大学法人法の施行に必要な政省令等の詳細制度設計については、早
めに国大協と意見交換をすること。

(3)とりわけ、国立大学法人評価委員会に関する規定については、上記(i)・
(ii)の点について十分に配慮すること。


II 法人への移行過程に関する事項

1.各種法令の適用に関する運用上の協力と配慮

 国の組織から国立大学法人へ移行することに伴い、労働関係法規、医療機関
に関する法規をはじめとする各般の法令が新たに適用されることとなるが、関
係行政庁への各種届出義務に関する規定及びこれに関連する罰則規定の適用を
はじめとする諸法令の適用に関しては、当面は、各大学が法人化へ移行する経
過的期間であることに鑑み、その準備が整うまでの一定期間、弾力的な運用が
図られるよう、例えば以下のような点で、関係行政庁の十分な協力と配慮が必
要であること。

 ・ 労働基準法に基づく関係行政庁への各種届出義務に関する運用上の配慮

 ・ 労働安全衛生法の適用に関する運用上の配慮

 ・ 法人化に伴う関係行政庁への附属病院の開設承認再申請に関する運用上
の配慮

2 事務系職員の適切な人事交流システム構築への協力

 ・ 法人の人事権のもとで、事務系職員の人事交流による人材活用と職場の
活性化をはかるための適切な人事交流システムの構築や国の機関との人事交流・
異動の円滑な実施への協力等

3 法人への移行に伴う新たな必要経費の確保

 ・ 労働安全衛生に対する計画的な対応への必要経費、財務会計システム等
の構築のための経費、などの確保

  ・ 出資財産(土地・建物等)の確定・整理・評価・登記に伴う諸経費の確保
 

III. 法人移行後の制度運用に関する事項
 

1 高等教育への公財政支出の充実

 ・ 中教審で検討中の高等教育のグランドデザインに基づく公財政支出の拡
大と充実

 ・基盤的研究・基礎科学的分野への基盤経費の確保

2 法人の財政的な自律性を高める観点からの適切な運用

 ・ 剰余金の処理における法人の経営努力の幅広い認定

 ・ 中期計画終了時の積立金の処分における法人の立場の最大限の尊重

 ・ 効率化係数等による運営費交付金の一律減額措置の排除

 ・ 運営費交付金の算定基準の明確化

 ・ 国立大学の存在意義を踏まえた適切な学生納付金の標準額の設定等 

 ・ 土地処分収入の一定額の当該法人への留保

 ・ 収益を伴う事業実施に関する法人の判断の尊重

 ・ 寄附金、受託研究経費等の運営費交付金の算定からの除外


3 法人の実状に応じた確実な財政措置

 ・ 労災保険、雇用保険、各種損害保険等の保険料、各種手数料、監査に要
する経費、事務系職員の採用試験実施経費など、法人化に伴う必要経費の確保
等 

 ・ 施設の維持・保全に要する経費の運営費交付金への反映

 ・ 附属病院の施設整備に充てる資金の国立大学財務・経営センターからの
円滑な借り入れの確保 

 ・ 寄附金税制を含む現行の税制面での取り扱いの継続


4 国による各種損害の補填システムの整備

 ・ 自然災害及び火災等による被災施設等の復旧補填システムの確立(施設
災害補助金等)

 ・ 医療過誤や医療事故による賠償責任システムの確立(賠償金等)

 ・ 教育研究中の事故等による賠償責任システムの確立(賠償金等)


5 文部科学省の国立大学法人行政体制の整備等

 ・ 法人化された国立大学に対する大学の自由度を尊重した文部科学省の新
しい行政体制等の整備

 ・ 中期目標・計画を前提とした事後評価を尊重する具体的な事務処理体制
      の整備

 ・ 概算要求作業の簡素化等新しい関係における国立大学の事務負担の軽減
 

6 中期目標・中期計画における大学の自主性・自律性の尊重

 ・ 文部科学大臣が中期目標を定めるに当たって、大学の意見を最大限配慮
      すること。

 ・ 文部科学大臣が中期計画を認可するに当たって、大学の自主性・自律性
を最大限尊重すること。なお、中期計画について、大学の教育研究の特性を踏
まえ数値目標など詳細な内容指定を排除すること。

 ・ 年度計画の取り扱いについて、大学の教育研究の特性に十分配慮すること。

 ・ 計画期間中における計画変更を容易にする運用


7 国立大学法人評価委員会等による評価とその評価結果の活用方法

 ・ 国立大学における教育研究を伸張する適切な評価の実施

 ・ 大学の教育研究の特性を踏まえ数値目標などによる評価を排除

 ・ 大学に過度な負担をかけない評価方法の実施

 ・ 評価結果に対する大学の意見申し立て等の制度化

 ・ 評価結果の資源配分活用への慎重な配慮

 ・ 年度ごとの評価結果を資源配分に活用することを排除

 

8 国立大学の特性を踏まえた国立大学行政の確立

 ・ 教育研究の特性に配慮した適切な法律等の運用

 ・ 新連合組織(新国大協)と文部科学省との定期的な意見交換システムの構築

 ・ 監事の選任における透明性の確保
 

9 その他の要望

 ・ 法人化後における会計検査院との関係の明確化(計算証明、実地検査等)
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[114-4-4]井上幸夫弁護士意見書 
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(*3)

                            意 見 書
                                                 2003年5月13日

                          東京都新宿区四谷1−2伊藤ビル
                         東京法律事務所
                          弁護士 井  上  幸  夫

 国立大学法人と労働基準法,労働安全衛生法の適用等に関する問題について,
独立行政法人反対首都圏ネットワーク事務局から意見を求められたので,次の
とおり意見を述べる。

1 2004年4月から国立大学を国立大学法人化する法案が,現在,国会で審議
されているが,独立行政法人反対首都圏ネットワーク事務局によれば,国立大
学協会は,政府への要請事項の一つとして,国立大学法人へ移行される2004年
4月以降,その準備が整うまでの一定期間,「労働基準法に基づく各種届出義
務に関する運用上の配慮」及び「労働安全衛生法の適用に関する運用上の配慮」
を政府に求めることを検討しているとのことである。

2 労働基準法及び労働安全衛生法は,日本国憲法27条2項(「賃金,就業
時間,休息その他の勤労条件に関する基準は,法律でこれを定める。」)に基
づき制定された法律であり,その違反には使用者に対する刑事罰をもって処す
る最低の労働条件の基準を定め,法違反の罪について労働基準監督官が司法警
察官の職務を行うこととされる法律である。

 このように,法違反には刑事罰をもって処する刑罰法規である法律について,
国立大学法人へ移行された時点以降の「運用上の配慮」を政府に求めるという
ことは,実質上,刑罰法規違反を黙認するよう政府に求めるものと解さざるを
得ない。

  しかし,このような刑罰法規違反の黙認を政府に求めることは一般に考えら
れないことであり,政府としてもこのような刑罰法規違反の黙認を認めること
は考えられない。

3 したがって,現段階の国立大学における準備の都合上,国立大学法人化時
点では,例えば,就業規則の作成・届出,時間外労働をさせる場合の36協定
の締結・届出などの労働基準法に基づく各種届出や労働安全衛生法による要件
を充たした設備等の履行など,労働基準法及び労働安全衛生法を遵守できない
状況にあるというのであれば,国立大学法人化の実施時が再検討されるべきで
あると思料する。

なお,刑罰法規に関する「運用上の配慮」などという法律上考えられない取扱
ではなく,2004年4月から一定期間は労働基準法及び労働安全衛生法の一部の
適用除外という取扱をするのであれば,現在国会で審議されている法案の修正
が必要不可欠であるが,その一定期間は,人事院規則も適用されず,国立大学
法人の労働者にとっての最低労働条件の基準が空白になってしまうことにもな
るから,その点で重大な問題が生じることになる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
[114-5] 国立大学全体投票中間報告 2003.5.12
http://ac-net.org/rfr/2/report-1.html
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                                            平成15年5月12日(月)

     国立大学法人法案の賛否を問う国立大学全体投票中間集計報告


                                        国立大学レファレンダム準備会 

  国会議員各位

  前略

 現在衆議院で審議中の国立大学法人関連法案は、国立学校設置法を廃止し、
そこに規定されている、国立大学、大学共同利用機関、国立高等専門学校等の、
研究教育にかかわる機関をすべて独立行政法人に変えるものですが、これらの
機関の研究と教育の現場に居る教職員と学生の意思が問われたことがありませ
ん。そこで、国立大学教官有志(呼掛け人[1])で、国立大学法人法案の賛否
を問う国立大学全体投票を実施しております。第一期(4月28日〜5月7日)
の投票結果をご報告いたします。

  最初に電子投票システムについて簡単にご説明します。投票者が、投票サイ
トで大学名のメールアドレスを入力すると、確認番号(10桁ほどのランダム
な数字)をメールで送付し、その番号を使った投票だけ受けます。この方法に
より、投票者を、国立大学と大学共同利用機関のメールアドレスを持つ者に制
限するとともに重複投票や偽装投票を防止しています。なお、メールアドレス
は復号化できない暗号化をして記録しており、投票者の個人情報は完全に保護
されています。

  第一期(4月28日から5月7日)の投票者総数は2930名、内訳は、教
官2391名、事務官94名、技官174名、非常勤職員60名、大学院生1
37名、学部学生74名です。参加可能な機関は、国立大学と大学共同利用機
関で、101機関からの参加がありました。各機関の投票数は別表[2]の通り
です。投票システムの詳細と投票結果は http://ac-net.org/rfr をご覧くだ
さい。

--投票結果-------------------------------------------------------------

国立大学法人法案に賛成 総計:  79票(2.7%)
(内訳:教官  51票、事務官 5票、技官  3票、非常勤職員 5票、
	大学院生 12票、学生 3票)

国立大学法人法案に反対 総計:2851票(97.3%)
(内訳:教官2340票、事務官89票、技官171票、非常勤職員55票、
	大学院生125票、学生71票)

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■賛成理由(複数回答)■

59名: 法案には問題があるが、国立大学の抜本的改革の契機となるから。

37名: 大学・部局・教職員間の生き残り競争が、研究と教育の質を向上させ、
        大学の国際競争力を高めるから。

19名: 企業的経営となり教育研究活動の選択肢が広がるから。

17名: 非公務員化により教員の兼業が自由になるから。

13名: その他


■反対理由(複数回答)■

2416名:大学が行政と企業に従属し、憲法と教育基本法が保障する、研究
	と教育の独立性と公共性が損なわれるから。

1232名:強力なトップダウンの経営組織は、構成員の意欲と自律的活動を
	阻害するから。

 932名:学費値上げと大学統廃合により、憲法が保障する教育の機会均等が
	損なわれるから。

 672名:大学・部局・教職員間の生き残り競争は、大学の使命遂行に必要な
	信頼関係を広汎に損うから。

 251名:その他
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  特筆すべきは、賛成理由では「法案には問題があるが、国立大学の抜本的改
革の契機となるから。」が一番多かったことです。これは、法人化の賛否にか
かわらず、法案には問題がある、と大学関係者が認識していることを推測させ
るものです.また,現在の国立大学のありように批判的であると思われる学生
層にも法人法案反対の声が多く観られる点は,是非認識していただきたいと思
います.               

  以上の結果をどのように判断されるかはむろん、議員のみなさまに委ねられ
ております。しかし、ご指摘しておきたいことは、法案の検討過程では、学長・
所長・校長等の関係機関の運営者はある程度は参画してきましたが、2月28
日の法案公表以前も、それ以後も、法案で改変される165機関で教育と研究
の諸活動に直接関与している教職員および学生の意見を調査する試みは、公的
にもマスメディアによっても、一切行われていません。大学の性格を根本から
変更する制度変更を、教育と研究の現場の判断を無視して断行しても成功する
見込みは少いことが懸念されます。

  わたしたちは、法案の是非の判断に不可欠な情報がないままに国会審議が行
なわれていることを危惧し、必要な情報の欠如を少しでも補うことを目的にこ
の全体投票を実施しています。法案への反対が97%という第一期の結果は、
国立大学にいる者の大半が、この法案が大学を駄目にするという危惧を抱いて
いる可能性を示しています。そうした状況で「法」を採決し,大学「改革」を
進めようとしたところで,成功しないのは目に見えています.大学の未来に明
るい展望を全く感じることが出来ない,そんな「法」の下で大学人が日夜教育・
研究に励むとは考えられません.もしも、わたしたちの「調査」を信用されな
いのでしたら、ぜひ、教職員全員が匿名で判断を呈示できる機会を作っていた
だきたいと思います。「匿名」が必要なのは、実名で率直な意見表明ができな
い状況におかれている国立大学教職員が非常に多いからです。

  衆議院文部科学委員会で来週にも採決される可能性がある、ということも聞
いております。第一期の投票から、大学関係者の大半が法案を危惧しているこ
とが推測されますので、採決前に、その理由について十分な調査をし、慎重な
立法を国民から委任されている国会議員としての使命を全うされますことをお
願い致します。


国立大学レファレンダム準備会 
実施責任者 辻下 徹
北海道大学 大学院理学研究科教授

連絡先:
〒060-0810 札幌市北区北10条西8丁目
北海道大学 大学院理学研究科 数学専攻
tel/fax 011-706-3823, tel: 080-5715-3963

      ----------------------------------------

追伸

  なお、5月10日より、第二期の投票に入りました。第二期は、公立大学・
私立大学に通勤通学する方など、教育と研究に関連する方はだれでも参加でき
るようにしました。同時に第一期の国立大学全体投票の継続としての集計も行
なっています。中途結果は投票サイトで誰でも見るとができます。

  対象を拡大しましたのはつぎの理由によります。55国立高等専門学校は、
国立大学法人法案と一括審議されている独立行政法人国立高等専門学校機構法
案で独立行政法人化されます。また、ご存知のように、公立大学の独立行政法
人化の前提となる地方独立行政法人制度の法案がまもなく国会で審議されよう
としています。さらに、有馬元文相の持論であった「私立大学の独立行政法人
化」も、私学への国庫補助金増額が議論される場合には現実化する可能性もあ
ります。国立大学の独立行政法人化(別名:国立大学法人化)は、これらの変
革を加速することは明らかですので、この意味で、高等教育と学術研究に関係
するすべての人が当該法案の当事者といっても誇張ではありません。以上の理
由で、国立大学法人法案の「全体投票」への参加を学セクターに属するもの全
体に呼びかけることに致しました。

  投票は6月13日まで行ないますが、適切な時期に中間報告をまた行なう予
定です。

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[114-5-1] 呼びかけ人

池内 了(名古屋大学)、上野 純包(都城工業高等専門学校)、落合豊行
(奈良女子大学)、加古冨志雄(奈良女子大学)、 神沼公三郎(北海道大
学)、小森 陽一(東京大学)、近藤義臣(群馬大学)、佐藤清隆(広島大学)、
白井浩子(岡山大学)、鈴木恒雄(金沢大学)、田端博邦(東京大学)、辻下 
徹(北海道大学)、仲尾善勝(琉球大学)、永井 實(琉球大学)、中村富美
男(北海道大学)、服部昭仁(北海道大学)、藤原 昇(奈良女子大学)、藤
本喬雄(香川大学)、古川 泰(高知大学)、山口二郎(北海道大学)、安野
正明(広島大学)、和田 昌昭(奈良女子大学)、渡辺信久(北海道大学)、
渡辺勇一(新潟大学)

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[114-5-2] 機関別投票者数

旭川医科大学,6                  山梨大学,26                     
小樽商科大学,19			山梨医科大学,3                  
帯広畜産大学,6			信州大学,34                     
北見工業大学,5			岐阜大学,71                     
北海道大学,316			静岡大学,24                     
北海道教育大学,46		浜松医科大学,7                  
室蘭工業大学,56			愛知教育大学,18                 
弘前大学,40			豊橋技術科学大学,5              
岩手大学,50			名古屋大学,110                  
東北大学,76			名古屋工業大学,39               
宮城教育大学,1			三重大学,22                     
秋田大学,20			滋賀大学,16                     
山形大学,80			滋賀医科大学,2                  
茨城大学,24			京都大学,113                    
福島大学,2 			京都教育大学,21                 
筑波大学,25			京都工芸繊維大学,7              
図書館情報大学,0		大阪大学,109                    
宇都宮大学,11			大阪外国語大学,4                
群馬大学,41			大阪教育大学,12                 
埼玉大学,24			神戸大学,56                     
千葉大学,44			神戸商船大学,4                  
お茶の水女子大学,7		兵庫教育大学,1                  
政策研究大学院大学,0		奈良先端科学技術大学院大学,0    
電気通信大学,3			奈良教育大学,75                 
東京大学,135			奈良女子大学,50                 
東京医科歯科大学,4		和歌山大学,11                   
東京外国語大学,12		鳥取大学,14                     
東京学芸大学,5			島根大学,61                     
東京芸術大学,3			島根医科大学,1                  
東京工業大学,66			岡山大学,73                     
東京商船大学,4			広島大学,75                     
東京水産大学,2			山口大学,35                     
東京農工大学,9			徳島大学,25                     
一橋大学,5			鳴門教育大学,1                  
総合研究大学院大学,0		香川大学,18                     
高エネルギー物理学研究所,3	香川医科大学,2                  
国立極地研究所,0		愛媛大学,16                     
国立天文台,2			高知大学,23                     
統計数理研究所,0		高知医科大学,1                  
国立遺伝学研究所,0		九州大学,184                    
岡崎国立共同研究機構,0		九州芸術工科大学,5              
核融合科学研究所,0		九州工業大学,34                 
国際日本文化研究センター,0	福岡教育大学,9                  
国立民族学博物館,0		佐賀大学,102                    
横浜国立大学,22			佐賀医科大学,1                  
上越教育大学,5			長崎大学,23                     
長岡技術科学大学,20		熊本大学,75                     
新潟大学,166			大分大学,28                     
富山大学,44			大分医科大学,0                  
富山医科薬科大学,6		宮崎大学,25                     
北陸先端科学技術大学院大学,2	宮崎医科大学,3                  
金沢大学,151			鹿児島大学,103                  
福井大学,12			鹿屋体育大学,1                  
福井医科大学,7			琉球大学,64                     

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
[114-6] 国公立大学通信目次 http://ac-net.org/kd
----------------------------------------------------------------------
2003.05.9(金)
http://ac-net.org/kd/03/509.html
(1) 衆議院文部科学委員会5/7田中弘允前鹿児島大学長の意見陳述(要旨)
(2) 鬼界氏から議員への「国立大学法人法」及び国立大学に関する意見書
(3) 朝日(5/7):糟谷正彦「国立大法人化 疑問点多く抜本見直しを」
(4) 5.6国大協法人化特別委委員会配付資料について
(5) お便り紹介: 坂内英一(九州大学教授)「Tenure について」
(6) しんぶん赤旗5/8「国立大法人法案阻止しよう 全大教などが国会行動」
(7) 全国ネット速報: 意見広告(二次)への賛同者拡大のお願いなど
    1.意見広告,賛同拡大のお願い
    2.国会の動き
    3.電子レファレンダム,第二期
    4.最近の動き,文書など
    5.法案のプロフェッショナル訳が完成
    6.国会内集会での世取山洋介さんのスピーチを掲載
--------------------------------------------------
2003.05.8(木)
http://ac-net.org/kd/03/508.html
(1) 衆議院文部科学委員会5/7参考人質疑(ビデオライブラリー)
  (1-1) 田中弘充(前鹿児島大学長)5/7
  (1-2) 山岸駿介(教育ジャーナリスト)5/7
(2) 鹿児島大学理学部教授会から衆議院文部科学委員会への要請5/7
(3) 「国立大学の法人化問題」に関する千葉大学理学部の見解 5/6
(4) 全大教九州から衆議院文部科学委員会への要請 5/7
(5) 鬼界彰夫「「国立大学法人法案」批判要綱―全国民が反対すべき理由」(下)
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2003.05.7(水)
http://ac-net.org/kd/03/507.html
(1) 本日:大学の将来を考える---国会議員と大学教職員による討論の集い
 (1-1) 午後1時より衆議院文科委員会プログラム:第2回目参考人質疑
(2) 鬼界彰夫:「国立大学法人法案」批判要綱―全国民が反対すべき理由I
(3) 朝日北海道5/2:国立大学法人法案 賛否問う電子投票
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2003.05.4(日)
http://ac-net.org/kd/03/504.html
(1)首都圏ネット「4.17国大協法人化特別委員会「議事メモ」が明らかにするもの」
 (1a)第13回国立大学法人化特別委員会(2003.4.17)(議事メモ)
  (1a-1)国立大学法人法案について
  (1a-2)国立法人化に関する今後の対応について
 (1b)学長説明会(7地区)における質問事項について
 (1c)法制化対応グループ:「国立大学法人法案」に対する見解 15・4・17
  (1c-1) (再録)「国立大学法人法(仮称)」閣議決定までの対応
(2)一橋大学教職員組合から石学長への要望書 2003.4.15
(3)豊島耕一「文部科学委員会は「審議」をしていない」
(4)毎日「<基礎科学研究>遠山文相に推進求める提言 国立大の代表者」
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2003.05.3(土):広島大学教職員組合から学長への要望。
http://ac-net.org/kd/03/503.html
(1) 広島大学教職員組合:「国会での意見陳述にあたってのお願い」
(2) 文部科学委員会4/16佐藤(公)委員質疑(民営化との関係など)
(3) 文部科学委員会4/23 :児玉委員への石参考人の回答:国大協の対応について
 (3-1) 石参考人の発言より
(4) 澤 昭裕「国立大学法人化による大学改革の死角」2002.12
(5) 池内 了「国立大学法人化に異議ありー近視眼的な「構造改革」は日本の
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2003.05.2(金):国会議事録より:赤池教授意見陳述
http://ac-net.org/kd/03/502.html
(1) 衆議院文部科学委員会4/23議事録
(2) 衆議院文部科学委員会4/23:赤池参考人 
(3) 鬼界氏と編集人の往復書簡
 (3-1) From:鬼界氏 4.26「何が本当の問題かー赤池教授意見陳述に寄せて」
 (3-2) From:編集人 4.26 Re:
 (3-3) From:鬼界氏 4.26 Re:
(4) 緊急出版:国立大学はどうなる――国立大学法人法を徹底批判する――
(5) 北海道新聞社説4/30:国立大学法人*経営優先だけでは困る
(6) 東京新聞社説4/21:国立大法人化 基礎研究を怠らないで
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2003.05.1(木):「競争的研究資金制度改革について」
http://ac-net.org/kd/03/501.html
(1) 国立大学全体投票三日目集計
 (1-1) 国立大学全体投票広報文書など
 (1-2) 国立大学全体投票大型ポスター
(2) 小林正彦「学内組織を中期目標・中期計画に載せてはならない」
(3) 総合科学技術会議の「競争的研究資金制度改革について」(4/21)
 (3-1) 競争的資金制度改革プロジェクト名簿 p24 
(4) 文部科学教育通信4月号 教育ななめ読み 21:梨戸茂史「愛すればこそ」
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2003.04.29(火):二次意見広告 l 先端分野の研究者からの便り
http://ac-net.org/kd/03/429.html
(0) 国立大学全体投票参加者からの「投票理由」のお便り紹介 2003.4.28
(1)  二次意見広告(締め切り:5月10日、5月下旬掲載予定)について
  (1-1) 広告の内容について
  (1-2)「一次」と「二次」の関係について
  (1-3) 賛同連絡のしかた
  (1-4) 第一次賛同人への呼びかけ
  (1-5) 「国立大学法人法案」の廃案を求める「意見広告」への賛同の呼びかけ
  (1-6) 「意見広告、第二次」の実際
(2) Letter from People's Network, "Please email to the Committee"
  (2-1) 4.19  "Now the discussion in the House Representatives began"
(3) 佐賀大学物理教室から衆議院文部科学委員会への手紙 2003.4.24
(4)「市大を考える市民の会」通信  第30号 2003.04.27(日)
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2003.04.28(月)
http://ac-net.org/kd/03/428.html
(1) 国立大学法人法案の賛否を問う国立大学電子レファレンダム呼びかけ
 (1-1) 国立大学法人法案の賛否を問う国立大学電子レファレンダム趣旨説明
 (1-2) 投票システム概要
 (1-3) 電子投票における賛否理由の選択肢
(2)「悪法にカウンター・パンチ 国会論戦動かした「意見広告」」
(3)(転載)(he-forum 5465) ある元職員の方の文章
(4) 豊島氏から文科委員への要請「外国の大学人の参考人招致をお願いします」
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編集発行人:辻下 徹 e-mail: tjst@ac-net.org