2004年10月31日(日) |1653359 visits since 2004.10.31 |AcNet Project

香田証生さんを偲ぶメッセージ集

[244] 天国の香田証生さんへ(宮城県)2008-06-06 11:35:27

 一昨日の新聞に「ぐるりのこと。」という映画を撮られた橋口さんのインタビュー記事が載っていました。この映画をとったきっかけの一つが、イラクで人質になった日本人が帰国した空港で若い女性が「自業自得」と書かれたプラカードを掲げている光景をテレビで見たことだとありました。私はその記事を読んで「イラクで人質になって殺されてしまった青年」がいたことを突如思い出しました。そして「ええと、彼の名前はゴウダ…合田、江田いやいやコウダだ、香田さんだ」と記憶をたどりながら、何気なくインターネットで「香田」と検索してみたのでした。そしてすぐにこのHPにたどり着きました。
 おそらく私と同じように生前の香田さんを知らないであろう人たちが、彼の死に心を痛め、思いをはせこのHPにメッセージを寄せている。そしてそれが4年近くたった今も続けられているということに感動しました。私も当時、香田さんが殺される直前の映像を見て「ああ、この青年の死を絶対忘れてはいけない」と胸に刻んだはずなのです。なのに現在、この時の私の思いは日々の暮らしの中に埋没していき、香田さんの名前さえ忘れかけていたのでした。
 どうして当時の私は香田さんのことを忘れてはいけないと誓ったのか‐‐それは武装した男たちに取り囲まれ、まったくの無力で打ちひしがれて、今まさに殺されようとしている彼の姿がイエス様そのものに見えたからでした。
 イエスは民衆の嘲りと蔑みの中、全てを奪われ、痛めつけられ、何の意味もない死刑に処せられたのでした。しかし、その無残な無意味な十字架における死は、復活という出来事を通して二千年後の世に生きる私にとって大きな大きな意味を持つものとなっています。香田さんは、自らの死でもって、我々にイエス・キリストの姿を証している、「証生」というその名のとおり、私にとって「生きて証する存在」となったのでした。だからこそ、彼の死を忘れてはいけない、彼が自らの命でもって証しようとしたことを決して無駄にしてはいけない、彼を思いつつ「平和を実現する者」として生きていかなければって誓ったはずなのに…。
 香田証生さん、本当にごめんなさい。平和の実現は未だ遠く、貴方が亡くなってからも、イラクでは多くの無辜の命が奪われ続けています。しかし、この4月にイラクへの自衛隊派遣は違憲であるという名古屋高裁での判決がありました。イラク戦争に胸を痛め、今の日本に生きる存在として加害者であることを強制されたくないという市民の切実な思いが実を結んだ結果です。
 一人一人の力は途方もなく小さいし、常に無力感に負けそうになる私たちです。でも平和への希求は決して捨ててはならない−
香田証生さん、どうかこれからも私たちを見守ってください。

NHK World (2011.2.1) Real Life Lessons
(日本・イラク間の小学校交流)
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Radio Japan 2010.12.23
Saleem visits Kouda family
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わが友「香田証生君」の死から1年をむかえて(2005年10月28日四ノ宮 浩
画家Maurice Loirand (1922-2008)(同夫人の詩人霜鳥和絵さんは「眠る詩人の木」の著者)のコレクションより:

La grande ferme