[3] 世界が平和になるよう、願っています。(韓国ソウル市/日本語講師)2004-11-02 00:21:57
香田さんのこと、本当に残念でたまりません。そして彼の無事を願う声よりも彼の行動を批判する声が大きかったことにとてもがっかりしています。「人命優先」という意識は日本の社会にはないのでしょうか。失敗をした人は絶対に許されず、命を落としても「自業自得」で済まされてしまう、そんな冷たくつまらない社会なのでしょうか。香田さんのイラク入りは失敗でした。でもその失敗には悪意はありませんし彼なりの大きな志が隠れてもいたようです。そんなことはおかまいなく「迷惑をかけた人」はどうなってもいい、という風潮をとても悲しく思います。人に迷惑をかけるかもしれないから何もしない、そんな空気も生まれてしまいそうで残念です。
香田さんは「制止を振り切ってイラクに行った」と報道され責められています。だとしたら「国連の制止を振り切ってイラク戦争を始めた」ブッシュ大統領の責任はどうなるのでしょうか。「大量破壊兵器は存在するのか」ということを自分では調べもせずに戦争に加担してしまった小泉首相の行為は「軽率」ではなかったのでしょうか。
「どうしたら平和になるんでしょうか。」
「戦争を見ずして平和は語れませんよね」
という言葉が今回の香田さんのイラク入りの訳だと思います。
今年外国で過ごしていた香田さんは情報を入手する機会が少なかったのではないかと思われます。もちろんイラクで大変なことが起こっていることはご存知で、だからこそイラクに行ったのでしょうが、たぶん「今、イラクに入ること」の恐ろしさまでは十分に伝わってはいなかったのではないかと思います。
テロリストを攻撃すればするほど、新しいテロリストが生まれます。戦いは永久に終わらずたくさんの人達が死んでいくでしょう。テロリストと呼ばれる彼らとなんとか話をし、根気強く歩み寄っていくことはできないのでしょうか。香田さんのことを機会に小泉首相はますますテロリストへの攻撃を正当化しています。最近よく「北風と太陽」の寓話を思い出します。人の心を力づくで開くことはできません。もし私がテロの犠牲になったのだとしたら武力による報復よりも話し合いによる和平を望みます。
ブッシュ大統領が「自分探し」の延長線上で始めたイラク戦争が1日も早く終わり、 世界に平和が訪れることを願ってやみません。