==>Weekly Reports Index国立大学独立行政法人化の諸問題
  • 馬場 理「「東京大学定年65才まで延長」に関しては徹底した理適化を添えて」2001.11.15

  • 辻下 徹「次世代が相続する大学」2001.10.24

  • 萩原 亮「的外れの大学改革の潮流」2001.8.20
    ・・・しかし、21世紀に人類が直面する問題は、生殖操作や地球環境や人口問題などがその典型例であるように、特定のスペシャリストが「これが答えです」などとと言って解決法を与えられるような生易しいものではないはずです。広い分野の見識と、聡明な洞察力を具えた多くの市民が、解決してしていかなければならないのです。今世紀の大学は、このような知的市民を育て、支援する重責を担っていると考えます。
     能率良く研究の先端に到達しようとすると、既にでき上がっているものはブラックボックスとしてできるだけ利用する、目的達成のためにはよけいな疑問を抱かない、成果だけが大事でその内容を分かりやすく一般人に説明することに関心をもたない、というような気風がどうしても蔓延します。これを大学におしなべて持ち込むことは、上に述べた今世紀の大学の役割を果たすことと真っ向に対立します。
    ・・・

  • 馬場 理「競争原理導入を主張する心理」2001.8.17

  • 河野 敬雄「京大内部から見えたこと」2001.7.26

  • 週報読者より「大学やその行政についての雑感」2001.7.18

  • 岡本 洋三「文部科学省の「大学の構造改革の方針」について」2001.6.28

  • 皆村 武一「驚くべき方向に急展開する「国立大学の独立行政化法人化問題」」2001.6.26

  • 渡辺 勇一「科学を金もうけの道具としかみなさない愚行で日本の科学は衰退する:科学史に照らして」2001.6.24

  • ・・・安斎育郎氏は、その著「理科離れの真相」(朝日新聞社)の中で、バブル時の、政府高官の「日本の科学技術はもう十分だ」という発言を示し、この時代に理科履修のための授業時間が激減した事実をあげている。
     バブルが崩壊した後、今も低迷を続けている現在の日本において、財界と為政者が科学を推進するシステムに極めて強い支配力を発揮し続けているのは、上記の事情の裏返しである。今回発表された「大学の構造改革の方針」には、尾身氏が表した「科学技術立国論」の目指した方向が、より粗野に凶暴な形で表出している。・・・

  • 藤田 博美「国立大学とは何であったのか?」2001.6.21

  • ・・・かつて、ある田舎町の国立大学の古びた体育館に古びたプレートがはめ込まれていた。ブラジル在住の県人達が、故郷に大学が出来ると聞いて資金を応援してくれて建設されたのがこの体育館であると。古びたプレートと体育館は故郷に文化の中心をと期待する遠く離れた人々の心があるゆえに輝いて見えた。そういう時期があったらしい。・・・
  • 週報読者「一点突破・大艦巨砲主義」(2001.3.20)
    ・・・今政府のやろうとすることは、効率主義、競争原理、一点突破・大艦巨砲主義の3点に集約され、それを学問の府に持ち込むことであり、結果として「大学の死」をもたらします。こんなばかなことをやっているところは、先進国にはありません。敢えて例示すれば、アカデミックビジネスに走っているアメリカの一部「2流」大学の真似を、日本の全ての大学に求めているだけの話です。しかしそのアメリカですら、しかるべき優れた大学には、アカデミックビジネスと一線を画した「知の共同体」としての大学への確固たる姿勢が見られます。
    ・・・
    一方で、なぜこんなことを黙って日本の大学人が見過ごしてしまうか。これも、日本の知識人への試練と思います。先の第2次世界大戦中に一部の科学者たちが、研究者としてはハッピーだったと回顧するのと同じで、上からの独立行政法人化構想に乗じて跋扈する人々には、その程度の浅い哲学しかないのです。・・・・

  • 辻下 徹「国立大学独立行政法人化で得するものは誰か」(2000.6.27)

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