==> 国立大学独立行政法人化の諸問題
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(毎日新聞速報より) 国立大学協会(会長、蓮實重彦・東京大学長)は14日、東京都内で総会を開き、文部省が国立大の独立行政法人化に向けて設置を予定している調査検討会議に積極的に参加し、協会の意向を反映させる方針を決めた。さらに、国大協内に「設置形態検討特別委員会」を設け、今後の国立大学のあり方について政策提言をすることも決定した。
(NHK速報より)総会のあと、記者会見した国大協の蓮實重彦(ハスミシゲヒコ)会長は「国立大学を独立行政法人にするという文部省の決定を受け入れたというわけではない。独立行政法人も含めたさまざまな形態について議論し、国民にとって理想的な大学のあり方を提言していきたい」と話しています。 |
文部省が5月、国立大学を独立行政法人化する方針を表明したことについて、北大の教官有志でつくる「独立行政法人化問題を考える北大ネットワーク」は6日、法人化についての議論の徹底を求める声明を丹保憲仁北大学長に出した。声明では、丹保学長らに対して(1)法人化の詳細を議論するため文部省が6月にも設置する調査検討会議に国立大学は参加すべきでないと意思表明する(2)法人化の是非についての北大の態度を全教職員による全学投票によって明確にする−などを求めている。」
「総合科学技術会議は、科学技術の成果を通じ国民生活の向上、国力増強という目的を持つことから、議員の2割程度、すなわち3人ほどは産業界の経験豊富な人材が入るべきであり、必要あらば1人は常勤としていただきたい、また事務局についても、民間から2割程度採用されたい、また科学技術の予算の総枠等については、総合科学技術会議が長期的視野から決めていくようにすべきであるという意見があった。「政策調整システム」の整備と「特命担当大臣」
これに対し、事務局から、議員構成について産業分野に配慮すべしとの顧問会議の御指摘を受け、「中央省庁等改革の推進に関する方針」において、「大学、研究機関、産業等の幅広い分野で」という文言を入れたところである、事務局についても同様に、行政内外からの人材登用をうたっているという説明があった。」
1.政策調整システムの必要性「今次の中央省庁等改革においては、国の行政の「総合性」、「機動性」、「透明性」の向上を基本理念とした新たな行政システムを構築することとしており、このため、「内閣機能の強化」、「省庁の大括り再編成」を行うとともに、行政需要の複雑化、多様化、省際的課題の増大に対応するため、政府全体としての総合的な政策を課題に応じて迅速に形成するための「政策調整システム」を構築することとしている。 」
総合科学技術会議が策定したこの総合戦略にのっとって、政府として科学技術基本計画の策定作業を進めることとなるが、科学技術基本計画は総合科学技術会議の議を経ることとなっており、この場合において、総合科学技術会議が策定した総合戦略に関わる基本計画の重要な部分については、総合科学技術会議の判断により自ら審議を通じ原案を作成していくことになるものと考えられ、また、総合科学技術会議が原案作成を行わない細部にわたる事項等については、文部科学省その他の関係省庁で原案を作成することとなるが、その場合も総合戦略との整合性等の観点から総合科学技術会議が審議し、必要な修正、追加、削除等を行わせることができる。
昨年12月以来11回の学習会の記録
「当該各大学では<未だ討議・検討の段階ではない>としてなんらの学内討議も行われておらず、教職員のほとんどはこの連合構想の具体像に関してマスメディア情報以上のことを知りえない状況にある。<UCLA型キャンパス><事務一元化><教養教育の一元化><一法人化><留学生教育一元化>等々のアイデアが語られたり打ち消されたりしているが、構想を担うのが「五大学」ならぬ四大学となるのか、それとも三大学となるのかを含め、その実態は全く曖昧なままである。各大学での断片的な情報や風説に振り回され、この問題に主体的に対応できないまま、大学相互間の誤解や不信感すら生まれかねない状態だといえよう。」
「この懇談会は昨年、文部省が法人化案を初めて国立大に提示する前にも開かれ、法人化を進めるための「お墨付き」を文部省に与える役割を果たした。」(共同通信)
「独立行政法人通則法を適用せず」と言うのは適切ではなかろう。
「戦後、私立大学と国立大学は、様々な矛盾をはらみながらも、各々の違いを生かしつつ共存し高等教育を支える体制を築いてきました。独法化のもとで「国立大学」が収益事業化することになれば、両者は競合関係のみが強調され、高等教育の中に新たな混乱をもたらすでしょう。実際、本学の一部に「国立大の独法化」を前提にして競合関係だけを強調した大学サバイバル論が起こって来ています。同時に、一部私立大学経営者の“収益マインドとリストラ策”を加速することが危惧されます。」
(議事要旨作成において発言内容の省略がないと仮定すると)この発言は大学のグローバリズムを枝葉末節の技術面でしか捉えていない点で問題がある。大学の将来を左右する力のある大学審議会における国立大学協会副会長の発言と見れば看過できない。大学のグローバルスタンダードはユネスコの「21世紀の高等教育に向けての世界宣言:展望と行動」(転載)に示されており、日本は高等教育の独善的目標掲げ、グローバルな視点では高等教育後進国にほかならないものを目指して努力している。「(大学にとってグローバリズムとは) 大学にとってのグローバリズムとは決して難しいことではなく,以下のようなことではないか。 ・セメスター制は一刻も早く行わなければ国際標準にあわない。 ・単位互換を行うに当たり,単位の与え方が国際標準に合っていない。単位を 与える際の評価は教員個々に委ねるのではなく,外国の大学のように,明確な 基準に則って相対評価を行う事が必要。 ・英語を学ぶだけでなく,それぞれの学問を英語で学ぶことがもっと必要。」
(ツイニング・プログラムの仕組み)・ツイニング・プ ログラムは,本来は,マレイシア,インドネシアなどの大学等が,欧米(アメ リカ,イギリス,オーストラリアなど)の大学と,分校的な協定を結び,大学 1年次あるいは2年次までの教育をマレイシア,インドネシアの大学で行い, その後,欧米の大学に,一般学生と同様な位置づけで2年次あるいは3年次に 入り,一般学生と同様の教育を行い,欧米大学学生として卒業するものである。・ このプログラムのポイントは,マレイシアにおける前半部分の教育が,海外の 連携大学と同じ水準を維持するところにあり,イギリスやアメリカの大学では 編入学試験を行わない。
5 これまで、日本の大学は、国公立・私立を問わず、貧困な施設と予算の制約に もかかわらず、日本及び世界の学術研究の機関として重要な役割を果たし、平和と国 民の福利の向上に貢献する多くの優秀な人材を育成し、国民全体そして将来の世代の 教育を受ける権利やより優れた文化を享受する権利を保障・実現する「国民の共有財 産」となってきた。このような大学の公共性を維持し発展させることができたのは、国立大学の場合、国 の施設として不十分とはいえ一定の財政保障を得て、時々の政府、個々の企業等の目 先の政策や要求から一定の距離をおき、研究者の良心に基づき自主的に長期的な視点 から国民全体のための研究および教育を行うことを基本とすることができたからにほ かならない。
今回の独立行政法人通則法に基づく国立大学の独立行政法人化は、総じて大学の公共 性、すなわち国による財政保障に支えられた教育研究の自主性を大きく傷つけて学 問・研究の発展に歪みをもたらし、かつ国民の教育・文化に対する権利を直接・間接 に後退させるものといわざるをえない。そしてこのことは公立大学・私立大学も含め た日本の大学政策の拠って立つ基礎を掘り崩すことにもつながるのである。